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83 セインソルボ山 ④
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食料は週に一度、一番近い村から朝の内に馬車で運んでもらう事になっている。
もう3ヶ月目だ。
運んで来る人もいつも同じなので、アタシと店長はすっかり顔なじみになっていた。
最初こそ、こんな山で一体何を調べるんだ?などと、好奇な目も向けられていたが、これだけ長期間になると、まだやってんのか?と少し呆れた感じの半笑いで対応されるようになった。
「まいど。今週の分、持ってきたぜ」
20代半ばくらいの若い男で、マークという名だ。
一週間分の水と食料、タオル、肌着などの衣類も革袋に入れて置いていく。
「いつもありがと。じゃあ、これが代金と回収分ね」
アタシは代金と、使ったタオルや肌着、着替えをまとめた革袋と、ゴミを入れた革袋をマークに渡した。
タオルや肌着はクリーンをかければ再利用はできるが、気持ちの問題だ。
全く気にしない人もいるが、やはりしっかりと洗濯した物の方が、気持ち良く着れる。
マークに渡したタオルや着替えは、洗濯をして次に来るときに持って来てくれる事になっている。
「しかし、あんたらも、一体いつまでいいるんだ?もう三ヶ月だろ?この山にそんな珍しい虫がいるってのかい?」
いつものやりとりだ。最近は来る度にこの言葉をかけられる。
「目撃情報があってね。アタシら学者は仕事上、調べなきゃならないんだ。まぁ、発見するのは難しいかもってか、実際こうしててこずってんだけどね。あんたも何か見つけたら教えてよ」
マークは肩をすくめ、はいはい、と答えると馬車を引いて来た道を戻って行った。
マークには山の虫の生体調査と話してある。
この山に珍しい虫などいないと、マークは言っていた。アタシも三ヶ月毎日山に登っているが、虫なんて見た事がない。
もう7月も終わりだが、山はまだ雪が残っている。こんな山に生物なんているはずがない。
アタシは食料をかかえ、ふもとの小屋に入る。
アタシ達が入山するのに備え、王妃様が手配をしてくれた小屋だ。
ブロートンの領内なので、本来勝手には造れないが、アタシ達がいなくなった後は、ブロートンに譲渡する事で許可された。
アタシ達の小屋から少し離れたところに、入山の監視のために、数人のブロートン兵が小さな小屋に在住しているが、あの小さな小屋では2人以上はくつろげないだろうと思う。
だから、アタシ達がいなくなった後は、彼らは快適に過ごせるだろう。
アタシ達の小屋も大きくはないが、屋内は食事をとる共有スペースの他に、二部屋用意されていて、個人のプライベートも最低限守られている。
一部屋辺り、2~3人は楽に入れる広さなので、十分くつろぐ事もできる。王妃様の気遣いだ。
「店長、気になってたんですけど、アタシら山の虫の生体調査って名目で来てるんですよね?」
入口の脇に荷物を置くと、店長がコーヒーを入れていた。
木造りのイスに腰をかけると、アタシの分のコーヒーも、テーブルの向かいに置いてくれた。
店長に促されるまま向かいの席に座り、コーヒーを一口飲んだ。
温かさと苦みに、頭が少し冴える感じだ。
「ケイト、キミの言う通りだよ。王妃様がそれでブロートンに掛け合って、許可証を発行してもらっている」
もちろん王妃様が直接ではない。
王妃様の命を受けた御側付きが動き、話を付けてきたのだ。
「王妃様の御側付きがどんな交渉したのか分かりませんけど、こんな三ヶ月もいて、アタシら怪しくないですか?虫の生体調査でこんなに山にいるわけなくないですか?」
「それはブロートンも分かっている事だ。分かった上で俺達は長期間の滞在を許可されている。ここに長期間滞在する理由は、真実の花以外考えられないだろう。ブロートンもそれを分かっていると思った方がいい」
「じゃあ、なんでこんな虫の調査なんて理由をこじつけてんですか?」
「・・・黙っていたが、正規ルートではない。真実の花は、写しの鏡と同じかそれ以上に管理が厳しい。
正規ルートではこれほど長期間は不可能だ。だから王妃様はブロートンの中枢部、一部の権力者に、相当の額を渡したと聞いている。許可証をよく見たか?俺達は滞在期限は半年ある」
店長に言われ、アタシはカバンに入れておいた許可証を出して見た。
確かに今年の10月末まで有効だった。
「虫の生体調査も、大した事なく聞こえるかもしれないが、俺達は学者という事になっている。そして、申請理由も、山の生態系に重大な影響を与えるかもしれない虫の目撃情報があり、それを調査するため専門の学者を派遣する。という理由だ」
「そうでしたね。つまり、バレバレだけど、表向きは虫の調査、裏では真実の花の採取という事で話はついてるんですね?」
店長は頷いた。
「あぁ、その王妃様が金を渡した一部の権力者には、それで話が付いている。だから、三ヶ月もここにいるのに、ブロートンの兵士に余計な詮索をされないだろ?そして、生態系に影響を及ぼす虫の調査というのは、裏事情を明かせない相手、金で動かない連中には実はかなり効くんだ」
「なんでですか?」
「ここはカエストゥスとブロートンの国境をまたいでいるだろ?実際にいたんだよ。生態系に影響を及ぼす虫が・・・200年前カエストゥスを襲った、毒を持つバッタが」
「それって・・・前に店長が話してくれた、タジーム・ハメイドの話に出てたあの?」
「そうだ。あのバッタだ。ここから東はカエストゥス領土だろ?バッタはここまで来たんだ。王子の黒渦はカエストゥス首都、バンテージに来たバッタは全て呑み込んだ。だが、数百億のバッタが全て同じ方向に飛んできたわけではない。一部、はぐれて飛んでいたバッタもいる。この山に来たバッタもいるし、ここからブロートンの領土に入ったバッタもいたんだ。数はずいぶん少なくはなっていたから、最終的に全滅させる事はできたが、多少の被害は出た。
だから、ブロートンの歴史の中でも、この山から領土に侵入して被害を与えたバッタの話は無関係ではないんだ」
アタシは率直に驚いた。
王妃様と店長の間で、どのような話があったかは分からないが、そこまで深い話をされて計画を立てていたんだ。
裏工作が通じない相手には、ブロートンの歴史の中でも、無視する事ができないバッタの調査という名目で申請を出す。
この山の入山許可を出す立場の者は、当時毒を持つバッタがこの山から来た話も当然知っているはずだ。
もし、同じ毒を持つバッタが現れたら・・・ほんの僅かな確率でも、その可能性が頭をよぎれば、無視する事はできないだろう。
そして、金で動く相手には、入山許可を発行するにあたり、期間や滞在中の干渉についても、便宜を図ってもらえるよう話を付けておく。
真実の花を絶対に持ち帰るという固い意思が見える。
なぜ、ここまでして花が必要なのだろう・・・
そして、店長はなぜここまで王妃様の信頼を得ているのだろう・・・
店長は謎が多いけど、信頼できる。それは間違いない。
だけど、ただの街のリサイクルショップの店長というには、国との結びつきや、持っている能力があまりに強すぎる。
疑いの目を向けてしまったのかもしれない。
アタシの様子を察したのか、店長はコーヒーのカップを置くと、手を組みアタシの目を真っ直ぐに見た。
気付いてアタシもカップを置いて、店長を見つめ返す。
「ケイト・・・俺は・・・」
「店長、アタシ信じてますから・・・だから大丈夫ですよ」
やめよう。この人は嘘をつかない。
アタシを雇ってくれた。居場所をくれた。魔法を教えてくれた。
見てきたじゃないか・・・この人の優しさを。
なにを隠しているのか分からないけど、人を悲しませる事、傷つける事だけは絶対にしない。
それは確信が持てる。
「店長、今日も頑張って山登りしましょうね!」
アタシはそう言って、店長の胸に軽く拳を打ち付けた。
もう3ヶ月目だ。
運んで来る人もいつも同じなので、アタシと店長はすっかり顔なじみになっていた。
最初こそ、こんな山で一体何を調べるんだ?などと、好奇な目も向けられていたが、これだけ長期間になると、まだやってんのか?と少し呆れた感じの半笑いで対応されるようになった。
「まいど。今週の分、持ってきたぜ」
20代半ばくらいの若い男で、マークという名だ。
一週間分の水と食料、タオル、肌着などの衣類も革袋に入れて置いていく。
「いつもありがと。じゃあ、これが代金と回収分ね」
アタシは代金と、使ったタオルや肌着、着替えをまとめた革袋と、ゴミを入れた革袋をマークに渡した。
タオルや肌着はクリーンをかければ再利用はできるが、気持ちの問題だ。
全く気にしない人もいるが、やはりしっかりと洗濯した物の方が、気持ち良く着れる。
マークに渡したタオルや着替えは、洗濯をして次に来るときに持って来てくれる事になっている。
「しかし、あんたらも、一体いつまでいいるんだ?もう三ヶ月だろ?この山にそんな珍しい虫がいるってのかい?」
いつものやりとりだ。最近は来る度にこの言葉をかけられる。
「目撃情報があってね。アタシら学者は仕事上、調べなきゃならないんだ。まぁ、発見するのは難しいかもってか、実際こうしててこずってんだけどね。あんたも何か見つけたら教えてよ」
マークは肩をすくめ、はいはい、と答えると馬車を引いて来た道を戻って行った。
マークには山の虫の生体調査と話してある。
この山に珍しい虫などいないと、マークは言っていた。アタシも三ヶ月毎日山に登っているが、虫なんて見た事がない。
もう7月も終わりだが、山はまだ雪が残っている。こんな山に生物なんているはずがない。
アタシは食料をかかえ、ふもとの小屋に入る。
アタシ達が入山するのに備え、王妃様が手配をしてくれた小屋だ。
ブロートンの領内なので、本来勝手には造れないが、アタシ達がいなくなった後は、ブロートンに譲渡する事で許可された。
アタシ達の小屋から少し離れたところに、入山の監視のために、数人のブロートン兵が小さな小屋に在住しているが、あの小さな小屋では2人以上はくつろげないだろうと思う。
だから、アタシ達がいなくなった後は、彼らは快適に過ごせるだろう。
アタシ達の小屋も大きくはないが、屋内は食事をとる共有スペースの他に、二部屋用意されていて、個人のプライベートも最低限守られている。
一部屋辺り、2~3人は楽に入れる広さなので、十分くつろぐ事もできる。王妃様の気遣いだ。
「店長、気になってたんですけど、アタシら山の虫の生体調査って名目で来てるんですよね?」
入口の脇に荷物を置くと、店長がコーヒーを入れていた。
木造りのイスに腰をかけると、アタシの分のコーヒーも、テーブルの向かいに置いてくれた。
店長に促されるまま向かいの席に座り、コーヒーを一口飲んだ。
温かさと苦みに、頭が少し冴える感じだ。
「ケイト、キミの言う通りだよ。王妃様がそれでブロートンに掛け合って、許可証を発行してもらっている」
もちろん王妃様が直接ではない。
王妃様の命を受けた御側付きが動き、話を付けてきたのだ。
「王妃様の御側付きがどんな交渉したのか分かりませんけど、こんな三ヶ月もいて、アタシら怪しくないですか?虫の生体調査でこんなに山にいるわけなくないですか?」
「それはブロートンも分かっている事だ。分かった上で俺達は長期間の滞在を許可されている。ここに長期間滞在する理由は、真実の花以外考えられないだろう。ブロートンもそれを分かっていると思った方がいい」
「じゃあ、なんでこんな虫の調査なんて理由をこじつけてんですか?」
「・・・黙っていたが、正規ルートではない。真実の花は、写しの鏡と同じかそれ以上に管理が厳しい。
正規ルートではこれほど長期間は不可能だ。だから王妃様はブロートンの中枢部、一部の権力者に、相当の額を渡したと聞いている。許可証をよく見たか?俺達は滞在期限は半年ある」
店長に言われ、アタシはカバンに入れておいた許可証を出して見た。
確かに今年の10月末まで有効だった。
「虫の生体調査も、大した事なく聞こえるかもしれないが、俺達は学者という事になっている。そして、申請理由も、山の生態系に重大な影響を与えるかもしれない虫の目撃情報があり、それを調査するため専門の学者を派遣する。という理由だ」
「そうでしたね。つまり、バレバレだけど、表向きは虫の調査、裏では真実の花の採取という事で話はついてるんですね?」
店長は頷いた。
「あぁ、その王妃様が金を渡した一部の権力者には、それで話が付いている。だから、三ヶ月もここにいるのに、ブロートンの兵士に余計な詮索をされないだろ?そして、生態系に影響を及ぼす虫の調査というのは、裏事情を明かせない相手、金で動かない連中には実はかなり効くんだ」
「なんでですか?」
「ここはカエストゥスとブロートンの国境をまたいでいるだろ?実際にいたんだよ。生態系に影響を及ぼす虫が・・・200年前カエストゥスを襲った、毒を持つバッタが」
「それって・・・前に店長が話してくれた、タジーム・ハメイドの話に出てたあの?」
「そうだ。あのバッタだ。ここから東はカエストゥス領土だろ?バッタはここまで来たんだ。王子の黒渦はカエストゥス首都、バンテージに来たバッタは全て呑み込んだ。だが、数百億のバッタが全て同じ方向に飛んできたわけではない。一部、はぐれて飛んでいたバッタもいる。この山に来たバッタもいるし、ここからブロートンの領土に入ったバッタもいたんだ。数はずいぶん少なくはなっていたから、最終的に全滅させる事はできたが、多少の被害は出た。
だから、ブロートンの歴史の中でも、この山から領土に侵入して被害を与えたバッタの話は無関係ではないんだ」
アタシは率直に驚いた。
王妃様と店長の間で、どのような話があったかは分からないが、そこまで深い話をされて計画を立てていたんだ。
裏工作が通じない相手には、ブロートンの歴史の中でも、無視する事ができないバッタの調査という名目で申請を出す。
この山の入山許可を出す立場の者は、当時毒を持つバッタがこの山から来た話も当然知っているはずだ。
もし、同じ毒を持つバッタが現れたら・・・ほんの僅かな確率でも、その可能性が頭をよぎれば、無視する事はできないだろう。
そして、金で動く相手には、入山許可を発行するにあたり、期間や滞在中の干渉についても、便宜を図ってもらえるよう話を付けておく。
真実の花を絶対に持ち帰るという固い意思が見える。
なぜ、ここまでして花が必要なのだろう・・・
そして、店長はなぜここまで王妃様の信頼を得ているのだろう・・・
店長は謎が多いけど、信頼できる。それは間違いない。
だけど、ただの街のリサイクルショップの店長というには、国との結びつきや、持っている能力があまりに強すぎる。
疑いの目を向けてしまったのかもしれない。
アタシの様子を察したのか、店長はコーヒーのカップを置くと、手を組みアタシの目を真っ直ぐに見た。
気付いてアタシもカップを置いて、店長を見つめ返す。
「ケイト・・・俺は・・・」
「店長、アタシ信じてますから・・・だから大丈夫ですよ」
やめよう。この人は嘘をつかない。
アタシを雇ってくれた。居場所をくれた。魔法を教えてくれた。
見てきたじゃないか・・・この人の優しさを。
なにを隠しているのか分からないけど、人を悲しませる事、傷つける事だけは絶対にしない。
それは確信が持てる。
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アタシはそう言って、店長の胸に軽く拳を打ち付けた。
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