82 / 1,298
82 セインソルボ山 ③
しおりを挟む
「ケイト、そっちはどうだ?」
「反応ないですね。じゃあ、次行きますか?」
山に入り、店長が事前に調べ絞ったポイントからサーチをかけていく。
店長は真実の花を見た事があるというので、ピンポイントでサーチを使っているが、アタシは見た事がない。そのため、花という種類でサーチを使っている。
だが、実際のところ、こんな雪山で育つ花なんてほとんどない。
真実の花くらいだろう。実質、花=真実の花。と考えていい。一つでも感知できれば、それが真実の花で間違いないだろう。
初日は入山口から平坦な道を歩き、いつでも戻れる範囲だけを探した。
真実の花は山のどこにでも咲くらしい。過去に発見されたというポイントをまずサーチして、そこで感知できなければ、見落としがないよう、二人合わせて1キロを順に平行にサーチして歩いた。
周囲の気温と気圧を調整する魔法テンパラのおかげで、汗もかかず寒くも無く、心地良い気温を保てている。
結界魔法のおかげで雨風も防げている。店長が歩いた後には雪も無いので歩きやすい。
ここまでは順調だった。
一か月が過ぎた。真実の花は一向に見つからず、アタシはジーンに会えないストレスが溜まり、機嫌が悪い日が続いていた。
最初は探索ペースも良かった。道も歩き安かったし、店長が事前にポイントを絞ってくれていた事もあったので、運が良ければ早く帰れるかもと期待もしていた。
でも、どのポイントも全て駄目だった。期待してポイントへ行き、駄目なら平行サーチでくまなく探索する事になる。これが続くとけっこうなストレスになった。
そして、今は標高2000メートル地点に来ている。
ここからはつるつるの急斜面が多く、足場もほとんどなく、岩壁には指を引っ掛けられる割れ目もほとんど無い。
青魔法使い以外は、ここから先に行く事は自殺行為だと思った。
「よし、ケイト足場はできた。行こうか」
ストーンワークという青魔法で、店長は何もない空間に石造りの足場を作った。
足場は岩壁にぴったりくっつけてある。
これは、簡単に言えば石を集めて空中で固定する魔法だ。
ちなみに鉱物なら何でもいい。
目視して魔力を浴びせれば石が浮くので、それをイメージした形に配置し固定する。
案外難しく、ハッキリしたイメージができないと、半端な形で固定されてしまう。
アタシが昔、足場を作った時は、あちこちに穴が開いてとても歩く事ができず失敗した事がある。
店長の作った足場は人が二人並んで歩けるくらいの幅は十分にあり、足元もつまずきそうな凹凸がなく、実によくできていた。
そしてストーンワークを応用して、つるつるの岩壁に、姿勢を崩さないための握れる石の棒を、いくつも作り固定していたのだ。
これで青魔法が苦手と言うのだから、青魔法専門のアタシは苦笑いをするしかない。
「・・・店長~、花探し、いつまでかかりますかね?アタシそろそろジーンに会いたいです」
「すまないケイト。ハッキリ言って、いつ終わるかは俺も分からない。次のサーチで見つかるかもしれないし、もう一か月かかるかもしれない。キミとジーンを離れ離れにしてしまった事は、謝る事しかできない」
そう言って店長はアタシに頭を下げた。
「ちょっと、店長!頭下げないで!レイチェルが知ったらアタシが怒られるから!あの子、店長の事めっちゃ尊敬してんだから!もう言わないから、頭上げてください!」
アタシは店長の頭を無理やり上げさせて溜息をついた。
「ふー・・・こうなったら、とことんやるしかないね。店長、さっさとやりましょう」
「では、俺は左側に使う、ケイトは右半分で頼むぞ」
二人で岩肌に向け片手を出しサーチをかける。
薄く青い光が手の平に集まり出し、岩肌から放射状に広がっていった。
「・・・右側は反応無しです」
「左も駄目だな、しかたない。次に行こう」
もう何百回このやり取りを繰り返しただろう。店長はストーンワークを使い石を集めると、足場を追加していった。
「ケイト、魔力はまだ持つか?」
新しくできた足場を黙って歩いていると、ふいに店長が声をかけてきた。
「もう日も暮れてきましたね・・・朝からずっとサーチでけっこう減ってます。サーチをあと4~5回やれば、魔力切れになると思います」
「そうか・・・では、今日のところは次で最後にしよう」
移動を終え本日最後のサーチを行うが、やはり反応は無かった。
帰りは店長が風魔法を使い、飛び降りるから楽だ。
足元に風を集め、ゆっくりと降りるのだ。
「いつもすみませんね、店長」
「当然の事じゃないか、むしろジーンでなくて、俺で申し訳ないくらいだよ」
アタシは店長に手を取ってもらい降りている。
風魔法だが、店長がアタシの足に、自分と同じように風を集める事はできる。
だが、それで店長と同じように動けるかと言うと、答えは動けない。
アタシは青魔法だから、黒魔法に干渉できないからだ。普通に歩く事はできるが、飛んだり、風を操る事はできないので、風魔法の恩恵を受ける事はできない。店長に風を集めてもらっても、結局動かす事はできない。
店長が風を操作して、アタシを動かすという方法は取れる。だが、これは対象者、今回はアタシに高いボディバランスが求められる。残念ながらアタシには無理だった。
足元の風がどう動くかアタシにはその感覚が分からない。
どこかで重心がかみ合わず、振り落とされても困る。
そういうわけで、アタシの足にも風を集めるが、店長に手を取ってもらい誘導されるままに降りている。
「空中戦は黒魔法使いの独壇場って言われるのが、よく分かりますよ」
「そうでもないよ。昔、凄腕の弓使いがいてね。彼はたった一人でブロートンの黒魔法使い数百人を相手に、互角に戦ったんだ。頭上から降り注ぐ魔法を躱し、一人一人撃ち落としていった・・・特別な人だったかもしれないが、空中戦でも黒魔法使いを凌ぐ事は可能という話だ」
「へ~・・・あ、それってもしかして、200年前のカエストゥスとブロートンの戦争の話しじゃないですか?書物がほとんど残ってないから、戦争の中心だった人物も名前があんまり知られてないけど、凄腕の弓使いがいたってのは、アタシもリカルドから聞いて知ってますよ。たしか、ジョルジオ・・・だったかな?リカルドが目標にしている人なんですってね」
「ジョルジュ・ワーリントン。ハンターの世界では今でも史上最強と言われている。天才と語り継がれているが、それだけではない。ジョルジュは努力した。ただひたすら努力をして、弓を極めたんだ・・・」
「・・・店長って、まるで見て来たみたいに話す時ありますよね?」
「・・・・・・ケイト、すまない」
「あぁっと、すみません。大丈夫ですよ、これ以上追求しませんから。アタシこそごめんなさい・・・でも、答えにくいなら適当にごまかせばいいのに。店長って損な性格してますよ・・・でも、そこが店長の良いとこでもありますかね」
店長は少しだけ笑みを浮かべると、一言だけ返事を返した。
「・・・妻にも同じ事を言われたよ・・・・・・」
それから地上に降りるまで、アタシ達は言葉を交わさなかった。
「反応ないですね。じゃあ、次行きますか?」
山に入り、店長が事前に調べ絞ったポイントからサーチをかけていく。
店長は真実の花を見た事があるというので、ピンポイントでサーチを使っているが、アタシは見た事がない。そのため、花という種類でサーチを使っている。
だが、実際のところ、こんな雪山で育つ花なんてほとんどない。
真実の花くらいだろう。実質、花=真実の花。と考えていい。一つでも感知できれば、それが真実の花で間違いないだろう。
初日は入山口から平坦な道を歩き、いつでも戻れる範囲だけを探した。
真実の花は山のどこにでも咲くらしい。過去に発見されたというポイントをまずサーチして、そこで感知できなければ、見落としがないよう、二人合わせて1キロを順に平行にサーチして歩いた。
周囲の気温と気圧を調整する魔法テンパラのおかげで、汗もかかず寒くも無く、心地良い気温を保てている。
結界魔法のおかげで雨風も防げている。店長が歩いた後には雪も無いので歩きやすい。
ここまでは順調だった。
一か月が過ぎた。真実の花は一向に見つからず、アタシはジーンに会えないストレスが溜まり、機嫌が悪い日が続いていた。
最初は探索ペースも良かった。道も歩き安かったし、店長が事前にポイントを絞ってくれていた事もあったので、運が良ければ早く帰れるかもと期待もしていた。
でも、どのポイントも全て駄目だった。期待してポイントへ行き、駄目なら平行サーチでくまなく探索する事になる。これが続くとけっこうなストレスになった。
そして、今は標高2000メートル地点に来ている。
ここからはつるつるの急斜面が多く、足場もほとんどなく、岩壁には指を引っ掛けられる割れ目もほとんど無い。
青魔法使い以外は、ここから先に行く事は自殺行為だと思った。
「よし、ケイト足場はできた。行こうか」
ストーンワークという青魔法で、店長は何もない空間に石造りの足場を作った。
足場は岩壁にぴったりくっつけてある。
これは、簡単に言えば石を集めて空中で固定する魔法だ。
ちなみに鉱物なら何でもいい。
目視して魔力を浴びせれば石が浮くので、それをイメージした形に配置し固定する。
案外難しく、ハッキリしたイメージができないと、半端な形で固定されてしまう。
アタシが昔、足場を作った時は、あちこちに穴が開いてとても歩く事ができず失敗した事がある。
店長の作った足場は人が二人並んで歩けるくらいの幅は十分にあり、足元もつまずきそうな凹凸がなく、実によくできていた。
そしてストーンワークを応用して、つるつるの岩壁に、姿勢を崩さないための握れる石の棒を、いくつも作り固定していたのだ。
これで青魔法が苦手と言うのだから、青魔法専門のアタシは苦笑いをするしかない。
「・・・店長~、花探し、いつまでかかりますかね?アタシそろそろジーンに会いたいです」
「すまないケイト。ハッキリ言って、いつ終わるかは俺も分からない。次のサーチで見つかるかもしれないし、もう一か月かかるかもしれない。キミとジーンを離れ離れにしてしまった事は、謝る事しかできない」
そう言って店長はアタシに頭を下げた。
「ちょっと、店長!頭下げないで!レイチェルが知ったらアタシが怒られるから!あの子、店長の事めっちゃ尊敬してんだから!もう言わないから、頭上げてください!」
アタシは店長の頭を無理やり上げさせて溜息をついた。
「ふー・・・こうなったら、とことんやるしかないね。店長、さっさとやりましょう」
「では、俺は左側に使う、ケイトは右半分で頼むぞ」
二人で岩肌に向け片手を出しサーチをかける。
薄く青い光が手の平に集まり出し、岩肌から放射状に広がっていった。
「・・・右側は反応無しです」
「左も駄目だな、しかたない。次に行こう」
もう何百回このやり取りを繰り返しただろう。店長はストーンワークを使い石を集めると、足場を追加していった。
「ケイト、魔力はまだ持つか?」
新しくできた足場を黙って歩いていると、ふいに店長が声をかけてきた。
「もう日も暮れてきましたね・・・朝からずっとサーチでけっこう減ってます。サーチをあと4~5回やれば、魔力切れになると思います」
「そうか・・・では、今日のところは次で最後にしよう」
移動を終え本日最後のサーチを行うが、やはり反応は無かった。
帰りは店長が風魔法を使い、飛び降りるから楽だ。
足元に風を集め、ゆっくりと降りるのだ。
「いつもすみませんね、店長」
「当然の事じゃないか、むしろジーンでなくて、俺で申し訳ないくらいだよ」
アタシは店長に手を取ってもらい降りている。
風魔法だが、店長がアタシの足に、自分と同じように風を集める事はできる。
だが、それで店長と同じように動けるかと言うと、答えは動けない。
アタシは青魔法だから、黒魔法に干渉できないからだ。普通に歩く事はできるが、飛んだり、風を操る事はできないので、風魔法の恩恵を受ける事はできない。店長に風を集めてもらっても、結局動かす事はできない。
店長が風を操作して、アタシを動かすという方法は取れる。だが、これは対象者、今回はアタシに高いボディバランスが求められる。残念ながらアタシには無理だった。
足元の風がどう動くかアタシにはその感覚が分からない。
どこかで重心がかみ合わず、振り落とされても困る。
そういうわけで、アタシの足にも風を集めるが、店長に手を取ってもらい誘導されるままに降りている。
「空中戦は黒魔法使いの独壇場って言われるのが、よく分かりますよ」
「そうでもないよ。昔、凄腕の弓使いがいてね。彼はたった一人でブロートンの黒魔法使い数百人を相手に、互角に戦ったんだ。頭上から降り注ぐ魔法を躱し、一人一人撃ち落としていった・・・特別な人だったかもしれないが、空中戦でも黒魔法使いを凌ぐ事は可能という話だ」
「へ~・・・あ、それってもしかして、200年前のカエストゥスとブロートンの戦争の話しじゃないですか?書物がほとんど残ってないから、戦争の中心だった人物も名前があんまり知られてないけど、凄腕の弓使いがいたってのは、アタシもリカルドから聞いて知ってますよ。たしか、ジョルジオ・・・だったかな?リカルドが目標にしている人なんですってね」
「ジョルジュ・ワーリントン。ハンターの世界では今でも史上最強と言われている。天才と語り継がれているが、それだけではない。ジョルジュは努力した。ただひたすら努力をして、弓を極めたんだ・・・」
「・・・店長って、まるで見て来たみたいに話す時ありますよね?」
「・・・・・・ケイト、すまない」
「あぁっと、すみません。大丈夫ですよ、これ以上追求しませんから。アタシこそごめんなさい・・・でも、答えにくいなら適当にごまかせばいいのに。店長って損な性格してますよ・・・でも、そこが店長の良いとこでもありますかね」
店長は少しだけ笑みを浮かべると、一言だけ返事を返した。
「・・・妻にも同じ事を言われたよ・・・・・・」
それから地上に降りるまで、アタシ達は言葉を交わさなかった。
0
お気に入りに追加
152
あなたにおすすめの小説
幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~
月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。
「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。
そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。
『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。
その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。
スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。
※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。)
※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
異世界に追放されました。二度目の人生は辺境貴族の長男です。
ファンタスティック小説家
ファンタジー
科学者・伊介天成(いかい てんせい)はある日、自分の勤める巨大企業『イセカイテック』が、転移装置開発プロジェクトの遅延を世間にたいして隠蔽していたことを知る。モルモットですら実験をしてないのに「有人転移成功!」とうそぶいていたのだ。急進的にすすむ異世界開発事業において、優位性を保つために、『イセカイテック』は計画を無理に進めようとしていた。たとえ、試験段階の転移装置にいきなり人間を乗せようとも──。
実験の無謀さを指摘した伊介天成は『イセカイテック』に邪魔者とみなされ、転移装置の実験という名目でこの世界から追放されてしまう。
無茶すぎる転移をさせられ死を覚悟する伊介天成。だが、次に目が覚めた時──彼は剣と魔法の異世界に転生していた。
辺境貴族アルドレア家の長男アーカムとして生まれかわった伊介天成は、異世界での二度目の人生をゼロからスタートさせる。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
箱庭から始まる俺の地獄(ヘル) ~今日から地獄生物の飼育員ってマジっすか!?~
白那 又太
ファンタジー
とあるアパートの一室に住む安楽 喜一郎は仕事に忙殺されるあまり、癒しを求めてペットを購入した。ところがそのペットの様子がどうもおかしい。
日々成長していくペットに少し違和感を感じながらも(比較的)平和な毎日を過ごしていた喜一郎。
ところがある日その平和は地獄からの使者、魔王デボラ様によって粉々に打ち砕かれるのであった。
目指すは地獄の楽園ってなんじゃそりゃ!
大したスキルも無い! チートも無い! あるのは理不尽と不条理だけ!
箱庭から始まる俺の地獄(ヘル)どうぞお楽しみください。
【本作は小説家になろう様、カクヨム様でも同時更新中です】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる