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72 移り行く季節

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私は止めなかった

再び戦いに戻る彼を・・・
私と一緒にいるために戦って来ると言った彼は、やっぱりとても頼もしかった・・・

私も強くならないといけない

レイチェルは、辛い時、悲しい時は、いっぱい泣いていいんだよと言ってくれた

だから私は、今度はいっぱい笑おうと思う

アラタ君はきっと勝つ・・・絶対に勝つ・・・私は彼の勝利を信じている・・・
だって、アラタ君は強いんだから!



カチュアはレイチェルにヒールをかけていた。
目の前では、アラタがマルコスを圧倒している。

切り札を出したマルコスだが、なすすべもなく撃たれるままの姿に、その場の誰もがマルコスの敗北を見ていた。

「・・・このまま終わると思うか?」

ジャレットは戦いに目を向けたまま呟いた。

「どういう意味かしら?アラタ君が圧倒しているわ。このまま決着じゃないの?」

シルヴィアが言葉を引き取り、疑問を投げかけた。

「シーちゃんは魔法使いだからな。体力型の戦いは分からないかもしれないが、俺にはこのまま終わるとは思えない・・・ほら、また立ったぜ・・・」


一方的な戦いだった。だが、マルコスは何度倒されても立ち上がり、アラタに向かって行く。
狂気すら含んでいるその姿は、見ている隊員達に恐怖すら感じさせた。

マルコスの右がアラタの頬を、腕を胸をかすめていく。
倒される度に立ち上がり、その度に速さと強さを増していく。


どうなっている?
マルコスは倒しても倒しても起き上がってくる。不死身かと思うマルコスのタフさは、アラタに焦りを与えていた。

アラタの右のアッパーがマルコスの体を浮かせる。マルコスは背中から倒れるが、すぐに起き上がり、より速さと強さを増した攻撃をしかけてくる。


「まずいな・・・このままだと捕まるぞ・・・」

「あぁ、アラタのスピードとパワーが落ちてきている。それに反して、マルゴンは調子を上げている」
ジャレットの言葉を、今度はレイチェルが拾い返した。

「アラタのあの光は生命エネルギーだ。原理は分からないが、あの光を拳に纏っているため、攻撃力が上がっているんだ。マルコスを圧倒できる程に・・・だが、対価として体力を絶えず消費している・・・通常の何倍もの速さで。時間と共に体力が落ちれば、それだけスピードもパワーも失われていく事もまた早い・・・まるで諸刃の剣だ」

アラタ・・・キミももう分かっているはずだ。その力は時間との勝負・・・どうする・・・


「ラァッツ!」

アラタの左のボディブローが深々と突き刺さる。だが、マルコスは倒れずに堪えた。

「サカキ・・アラタ・・・パワー切れか?」


マルコスの膝がアラタの腹にめり込んだ。

「ぐはぁッ・・・」

一撃で呼吸が止まり、全身が痺れる程の衝撃だった。
かろうじて倒れず踏みとどまるが、すぐには反撃に移れない。アラタは足を無理やり動かし、なんとかマルコスから一歩距離をとるだけで精一杯だった。


「俺の方は出来上がったぜ・・・これが最高の俺だ」


マルコスの体は焼けた鉄のように真っ赤に染まっていた。
熱を帯びた体は、まるで周囲の空気すら蒸発させているかのように、絶え間なく蒸気を放出していた。

「フン!」

マルゴンは一瞬でアラタとの距離を詰めると、左腕を振り払うようにアラタに叩き付けた。

とっさに両腕を出して防御したが、とてつもない腕力に体ごと飛ばされ、骨が折れたかと思う程の衝撃は頭にまで響いた。

「くそっ!」

アラタは転がりながら、なんとか体勢を整えマルコスを睨みつける。

異変に気付いた。マルコスの体から出ている蒸気が赤い色を付けているのだ。

おそらくレイチェルとの戦いで付いたのだろう。マルコスの体には無数の切り傷が付いていた。
そこから流れる血が蒸発しているのだ。


「気付いたか?これは俺の血だ。限界を超えた熱で流れる血液までも蒸発を始めたんだ。この状態は持って1分だ。だが、時間が無いのはお前も同じだろ?もう搾りカスみたいな光じゃねぇか?」

マルコスに言われ、アラタは自分の両手に目を落とした。
もはや消え入りそうな程に光が弱まっている。



やはりそうか・・・
戦いながら、急速に自分の体力が減っていく事は感じていた。
この光は、おそらく俺の命みたいなものだ。とてつもない力を与えてくれるが、代わりに体力を一気に奪っていく。


「次が最後だ。けりをつけようぜ、サカキアラタ」

この光が無ければ、マルゴンとここまで戦えなかっただろう。
残された時間はもう無い・・・マルゴンの言う通り、次が最後だろう。

「あぁ・・・これで最後だ!いくぞマルゴン!」

俺はマルゴンに向かって突っ込んだ。光よ・・・俺のありったけを持っていけ・・・
だから、この男を倒すだけの力を・・・俺にくれ!


蒸発した赤い血がその身をより赤く染める。体中から炎の如き熱波を放ち、マルゴンは最後の攻撃にでた。
やはり起点となる攻撃は右からだった。

血煙を纏った一撃一撃が熱波を放ち、ナイフを躱しても焼けるような痛みが皮膚を襲ってくる。
速さも鋭さもはるかに増している。

本当に右一本の攻撃かと思う程の連続した斬撃をマルゴンは放ってきた。

「サカキアラタァァァッッツ!」

マルゴンの突き上げが胸から肩を斬り裂く。斬られた痛みと熱波にやられ一瞬動きが止まってしまう。

その瞬間、マルゴンの左が視界の端から飛び込んできた。

そう・・・マルゴンの見えない左だ・・・今まで攻略できなかったこの左だが・・・


この左をまっていた


マルゴンの左に合わせ、俺は自分の構えを左前から右前へスイッチした。
そしてそのまま右ストレートをマルゴンの左腕にかぶせるように放つ。

「なにぃッツ!?」

マルゴンの見えない左の正体はボクシングのスイッチと原理は同じだった。

右を中心にした攻めで、相手の意識が右に向いた時、体を右前の半身から正対に切り替え、左のナイフを繰り出していた。

左前の半身ではなく正対がポイントだった。距離を詰められた状態でなら気づかれにくく、大振りになるはずの左がなぜ見えないと、混乱すら起こしてしまう。

何度も食らってやっと気づいた。

そして最後は俺がまだ対応できていないこの左でくると思っていた。

「オラァァァッツ!」
この一発だけでいい・・・光よ・・・全ての力を乗せてくれ・・・
マルゴンを倒す力を・・・みんなを守れるちからを・・・俺に力を!

光が魂に呼応したかのように、右の拳がこれまで以上に大きく輝いた。


クロスカウンター


俺の右拳はマルゴンの顔面を真正面から撃ち抜いた。

マルゴンの向かってくる力に、俺の全身全霊を込めた一撃を合わせた。


マルゴンの体は激しく地面に叩き付けられ、何度も跳ね上がりながら外壁に叩きつけられると、そのまま前のめりに倒れ二度と立ち上がってこなかった。




もう倒れてもいいよな



マルゴンに最後の一発を食らわせた後、両手の光は消えていた
そして全身の力が抜けた・・・いや、消えたといった方が正しいのかもしれない

立っている事すらできない
力をいれようにも力がまるで入らないのだ

最後の意地でマルゴンが倒れ、起き上がってこない事だけは見届けたが、それが限界だった

俺の勝利に大歓声が起こった事を合図に、俺はその場に崩れ落ちた


「おっと!」


地面に倒れこみそうになった俺を支えてくれたのは、ジャレットさんだった。

もはや口を動かす事も辛い俺は、目線だけジャレットさんに向けた。

それを察してか、ジャレットさんは首を横に振った。


「何も言わなくていいぞ・・・あれだけの力だ。今しんどいだろ?積もる話は帰ってからにしようぜ?今は一言だけだ・・・アラやん、頑張ったな!」


そう言って、ジャレットさんはやたら白い歯を見せて、親指を立てた。


ジャレットさんの言葉に涙が出そうになった。
俺は、はい、とだけ小さく言葉にした。


「さて、悪いなアラやん、とっさに俺がお前を受け止めちまった」

ジャレットさんは俺に肩を貸しながら後ろを向いた。


「アラタ君・・・」

「・・・カチュア」

カチュアが立っていた・・・俺は・・・帰ってきたんだ。

「私、信じてたよ・・・アラタ君は絶対負けないって」


カチュアが両手を広げる。


「じゃあ、アラやんは奥さんに返すぜ」
ジャレットさんが少し笑いながら、俺の身体をカチュアに預けようとする。

「え、ジャ、ジャレットさん!奥さんって!?奥さん!?」

「うわっ!」
ジャレットさんの言葉に動揺したカチュアが、俺を受け取り損ねる。
体はほとんど動かせないので、俺はまともに顔から地面に激突してしまう。


「あ~、兄ちゃん、顔面から・・・こりゃ痛ぇわ・・・カチュアなにやってんだよ?奥さんなら、旦那しっかり受け止めろよ」

「え、リ、リカルド君!奥さんって・・・だって、だって!」

「あれ?違うの?だって、さっきアラタのプロポーズ受けたよな?」

「ミ、ミゼルさんまで!だって、急に奥さんて言うから!」

「え!?プロポーズ?なにそれ、私聞いてないよ?どういう事?」

「あ、レイチェルはいなかったわね?すごかったわよ、アラタ君がカチュアにね・・・」

「シ、シルヴィアさん!何もここで言わなくても!」

「いやいや、カチュア、おめでたい事なんだからさ、レイチェルにも早く教えてあげなきゃ」

「う~・・・ジーンまで。絶対楽しんでる・・・」

「確認したい。カチュア・・・奥さんでいいんだよね?友達として、私はそこを確認したい」


ユーリがカチュアに詰めよると、カチュアは顔を真っ赤にして俯きながら口を開いた。


「・・・はい。アラタ君の奥さんです・・・」


その言葉を合図に、レイジェスの皆が本日何度目かの大歓声を上げた。

兄ちゃん帰ったらお祝いな! ケーキは私が作るわよ! クリスの宿屋抑えとくか?

皆大盛り上がりで、祝勝会とお祝いを兼ねた飲み会をすでに計画している。

そして、さっきまで戦いを見守っていた治安部隊の隊員達も、俺達の様子を見ていたようだ。

一人が拍手をすると、もう一人が続いていき、それは大きな拍手となり、おめでとう!奥さん大事にしろよ!ここで結婚するとはな!など、沢山の声をかけられた。

皆笑顔だった。自分達の隊の命運をかけた戦いが終わったばかりなのに、心からの祝福を上げている。

きっと、これが本当の治安部隊の姿なのだろうと思った。
自分達の事より、街の人の幸せを願い行動する。

ヴァン・・・お前ならできるよな・・・



マルゴンのやり方に、内心不満を抱えていた者は多かったようだ。ほとんどの者隊員が、歓喜に満ちた表情をしている。

だが、全ての者ではない。マルゴンに共感し、支持していた隊員達も確かに存在している。
その隊員達は、複雑な表情を浮かべ、行き場なく立ち尽くしているか、倒れたマルゴンにかけより、必死に言葉をかけている。

俺はマルゴンの正義は間違った正義だと思っている。

だが、立場が変わればマルゴンの正義こそが、確かな正義にもなる。
マルゴンはマルゴンなりに国の平和を考え行動した。数字の上でもそれは証明されている。

だが、罪の無い人を拷問し、処刑した事実は消す事ができない。

これからマルゴンへの裁きが行われるだろう・・・


「・・・すまん・・・そろそろ、起こしてくれないか・・・」

俺が声を絞り出すと、カチュアが慌てて俺の身体を抱き起した。

「ご、ごめんね!大丈夫?どこか痛くない?すぐにヒールするね」

カチュアの手が淡い光に包まれ、俺の胸に触れた。

「うん・・・なんとか・・・でも、体はほとんど・・・・動かせない・・・話すのがやっとだ」

「アラタ君・・・痩せたね・・・」
「しけったパンと・・・水みたいなスープ・・・だけ、だったから」

カチュアは悲しそうに目を伏せ、俺を抱きしめた。

「じゃあ・・・いっぱい食べなきゃね・・・」
「うん・・・そうだな・・・腹、減ったよ・・・」



陽が高い・・・秋の日差しは心地よいが、少しだけ眩しく俺は目を細めた・・・

外の空気を吸うのは三週間ぶりだった・・・

少しだけ肌に冷たい風を感じ、夏は終わったんだな・・・そう今頃になって感じた・・・


物思いにふけってしまったようだ
カチュアが優しい笑みを浮かべて、顔を覗いてきた



・・・アラタ君、また考え事してたね

・・・風が冷たくなったなって・・・もう秋なんだな・・・

・・・うん・・・もう秋だよ・・・

・・・・・・

・・・約束、覚えてる?

・・・忘れてないよ・・・また二人で、ご飯食べに行こう・・・

・・・変えてもいい?

・・・ん?どうするの?

・・・私が作りたい・・・いいかな?

・・・うん、もちろん。俺もそのほうが嬉しいよ・・・

・・・アラタ君、何が食べたい?

・・・・・・

・・・アラタ君?・・・・・・寝ちゃった・・・

・・・・・・



私は寝てるアラタ君の唇に、そっと自分の唇を重ねた・・・


おかえりなさい・・・ゆっくり休んでね


これからはずっと一緒だよ

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