階段で異性とぶつかって恋に落ちるなんて少女漫画だけの話と思ってました

まひる

文字の大きさ
上 下
71 / 92
交際編──第九章『熱く』──

その71。す、凄かった……っ(※)

しおりを挟む
注意。エロ入ります。本番はありませんが、結構際どいです。

─────────────────────

 クチュ、ヌチュ、グチュ。
 美鈴みすずの足の間から、聞いた事のない濡れた音が響く。脩一しゅういちの脩一が律動するたびに、花芽がこすられて背筋が震えた。

「んぅ……、っはぁ……ん、くぅん……っ」
「可愛い……っ、美鈴。はあ……気持ち良いね、凄く」
「ああん、も……んぁ……っ」

 背中に、うなじに──脩一から幾つも口付けを落とされる。
 絶えずやってくる感覚の奔流ほんりゅうに耐えきれず、美鈴はくたりと腕の力が抜けてしまった。

「……すげ……っ、そそる……くっ!」
「あ……ん、ふっ……ぅん……っ」

 その姿は臀部を脩一へ突き出した形である。
 上体を起こした脩一は、律動の速度を変える事なく、美鈴の腰へと手を移動させた。
 それは先程よりも、もっと美鈴の花芽を刺激する体勢となる。

「あっ、あっ、あっ。も……っ、くぅん……っ!あっ……、何か……また……っ」
「……っ、も……イキ、そ?俺も……っ。美鈴……っ、一緒にイこ……っ」

 美鈴の上半身は既にシーツに沈んでいるのだが、下腹部を中心に全身へ電流のように走る激しい感覚で、背筋が自然と反り返っていった。──これが快感、なのだろう。
 漠然と意識の端でそんな事を思いつつ、大腿部が震えるのを感じた。

「っ……も、んあああああっ!」
「く……っ!」

 美鈴が全身を突き抜ける感覚にビクビクと大きく身体を震わし、脩一は苦痛に似た声をこぼす。
 大腿部に伝わる脈動を感じながら、美鈴は先程よりも大きな疲労を感じていた。

「美鈴、ありがと」
「ん……っ」

 呼吸を整えた脩一が再び、背後から口付けを落としてくる。背中からうなじへと移動してきて頭を撫でられ、次に大腿部から濡れた音と共に脈動が引き抜かれた。
 それまでと違った刺激を受け、美鈴は思わず声をらす。

「エロ…………っはああぁ、もうダメとりあえず我慢だから俺ってか猿じゃねぇんだしいやこの際もう猿でも良いんだけど」

 脩一は何やら呟いていたが、美鈴には聞き取れない。──時折、脩一はこうして呟くのだと美鈴は勝手に納得していた。
 そしてその後、身体をそのまま横に倒してもらった美鈴は、くたりと脱力して足を伸ばす。
 すぐに脩一も背後へ横たわったようで、自分より高めの体温が背中にピタリとくっついた。

 互いに全裸なのだが、美鈴の思考はまだその事実に気付いていない。──無く脩一が上掛けアッパーシーツを二人の身体に掛けたから尚更だ。

「痛くはしないって約束、守れたかな?」
「あ……。ん……それは、もう……ちゃんと、その……ありがとう」
「うん、それなら良かった。……お腹痛いのも、もう大丈夫?」
「っ……う、んっ」

 耳元で囁くように話し掛てくれる脩一へ返答を返していた美鈴だったが、『お腹』と言いながら実際に腹部を撫でられて息を呑む。
 ここでようやく、何も身に付けていない事に気付いたのだ。

 しかしながら、ここでジタバタしても仕方のない事である。既に諸々、脩一に見られて・・・・もいるのだ。
 美鈴は跳ねた心臓を気力で抑え、この後どうしたら良いのかを必死に考える。

「くくくっ、急に緊張してきたんだ?」
「っ!……き、気付かれてるしっ」
「ははっ。美鈴、分かりやすいからね。今は、裸なのに気付いちゃった感じ?」
「ぅ……むぅ……」
「かぁ~わぃ」

 脩一にからかわれたと感じた美鈴は、わずかな不満を態度に出した。
 けれどもそんな様子は脩一にとって可愛いだけのようで、身体を起こした彼は美鈴のこめかみ辺りに口付けを落とす。

「シャワー、浴びてきなよ」
「あ……、うん……」
「ほら、このシーツを身体に巻いていって良いからさ。あ、俺も後でシャワー浴びるし」
「う、うん……分かった」

 脩一は手早く上掛けアッパーシーツを引き寄せ、戸惑う美鈴の身体に被せた。
 彼自身は近くにあったのであろう、先程まで着ていたバスローブで下半身を隠している。恐らく、直接見る・・事で美鈴が硬直しないように気遣ったのだと思われる。

 美鈴はそわそわとしながらも、肩から白いシーツで身体を隠しつつ浴室へ向かった。勿論、道行く中で自分の服類をき集めながらである。

 ──す、凄かった……っ。

 浴室の扉を閉めた途端、沸騰するように全身が熱くなった。
 頭での理解は全く追い付かず、あれは身体が本能に従って独断専行する感覚である。知っていた知識はあくまでも触りだけで、体験する事とは別物だった。

 ──私、あれで良かった……のかな?

 脩一は褒めてくれたが、実際に上手く・・・出来たのかは不安でしかない。
 そしてそこまで考えてようやく、下着ショーツが濡れている事に思い至った。

 ──え……これ、どうするの?このまま……はく?着替えなんてないし……っ。仕方ない、このままお風呂で洗ってドライヤーで乾かそう。

 遠い目をして一瞬途方に暮れたが、美鈴は立ち直りが早いのである。
 考えても仕方のない事に、無駄な時間を使うのは勿体ないと結論付けたのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

禁断溺愛

流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

社長室の蜜月

ゆる
恋愛
内容紹介: 若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。 一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。 仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

二人の甘い夜は終わらない

藤谷藍
恋愛
*この作品の書籍化がアルファポリス社で現在進んでおります。正式に決定しますと6月13日にこの作品をウェブから引き下げとなりますので、よろしくご了承下さい* 年齢=恋人いない歴28年。多忙な花乃は、昔キッパリ振られているのに、初恋の彼がずっと忘れられない。いまだに彼を想い続けているそんな誕生日の夜、彼に面影がそっくりな男性と出会い、夢心地のまま酔った勢いで幸せな一夜を共に––––、なのに、初めての朝チュンでパニックになり、逃げ出してしまった。甘酸っぱい思い出のファーストラブ。幻の夢のようなセカンドラブ。優しい彼には逢うたびに心を持っていかれる。今も昔も、過剰なほど甘やかされるけど、この歳になって相変わらずな子供扱いも! そして極甘で強引な彼のペースに、花乃はみるみる絡め取られて……⁈ ちょっぴり個性派、花乃の初恋胸キュンラブです。

処理中です...