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交際編──第九章『熱く』──

その70。どう受け取られるかを考えて話そう(※)

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注意。エロ入ります。本番はありませんが、結構際どいです。

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 ※ ※ ※ ※ ※

 呼吸が落ち着いてきた美鈴みすずは、たった今経験した感情の奔流ほんりゅうを思い出す。
 それは本当に激しいもので──脩一しゅういちから与えられた刺激に、自分の全てを呑み込まれてしまったかのような感覚だった。

「脩一、さん?」
「……気持ち良かった?」
「ぅ……うん。苦しくて怖かったけど……、凄かった……」
「ははっ、凄かったんだ。喜んでもらえて良かった」

 ティッシュペーパーで手を拭っている脩一へ視線を向け、少し掠れてしまった声で問い掛ける。すると脩一は柔らかな笑みを浮かべ、わざわざ顔を近付けて美鈴の髪を撫でてくれた。
 その感触が心地好く、思わず目を細めて笑みを返す。だが、気付いた。──脩一は発散・・してないのではないかと。

 美鈴自身は、その前までのどうしようもない身体のうずきは消えていた。これはひとえに、脩一が発散・・させてくれたからである。
 先程脩一が言っていた。『興奮』しているのは美鈴だけではないのだと。

 そんな風に美鈴が考えている間にも、脩一はてきぱきと片付けを始めていた。
 先程脱ぎ捨てた美鈴のタンクトップとブラウスは綺麗に畳まれ、既にベッド上に置かれてる。すぐにでも彼女が身に付けられそうだ。

「あ、あの……っ」
「ん~?どうしたの、美鈴」

 脩一が外して上にずらしたブラジャーは、彼の手で美鈴の膨らみに乗せられている。
 さすがに横たわっている彼女に着付ける事は出来ないようで、今はティッシュペーパーを持って下半身の方へ身体が向いていた。

「綺麗にしないと、下着ショーツをはけないだろ?」
「そ、それは……そう、なんだけど……」
「ちょっと待っててね。今、綺麗に……」
「待っ、て……っ」

 今にも足の付け根を拭いそうな脩一の腕に、美鈴は力一杯しがみつく。
 恐怖心がなくなった訳ではないのだが、このままでは美鈴が納得出来ないのだ。

「あの……、脩一さんは?」
「………………え?」
「脩一さん、は……どうするの?」
「あ…………え?いや、シャワーでも浴びながら……かな」

 美鈴の問いに、脩一はわずかに言葉を濁らせて答える。
 詳細は分からずとも、脩一は一人で発散・・してくるのだと言ったのだ。
 恥ずかしくてまじまじとは見られないが、脩一の纏っているバスローブのそこ・・。明らかにたぎっているのは分かる。

「っ……ダメ、だもん」
「え~……、それはちょっと……キツい、かな」
「わ、私で興奮、したのなら……、私で発散してしてくれなきゃ……っ」

 真っ赤になった顔で脩一を見上げる美鈴は、どう受け取られるかを実際には分かってはいない。
 それでも自分がして・・もらったのだから、相手にする・・のが当然と言う考えくらいでしかなかった。

「ん~……それ、他の誰にも言っちゃダメだから」
「……え?」

 美鈴の言葉を受け、脩一は少しだけ怒ったような困った表情を浮かべる。そして困惑している美鈴に対し、深い溜め息をいた。

「はああああっ…………………………んじゃ、少し俺に付き合ってもらえる?」
「は、え?う、うん。それは、良いんだ、けど?」

 けれども開き直ったように、新たな提案をしてくる。
 当然ながら美鈴は理解が追い付いていない為、疑問符だらけの応答だ。

「まぁ、もう頭が動く前の方が良いかな。えっと、申し訳ないけど美鈴。全部脱いで、背中を俺に向けてくれないかな?」
「え?脱ぐ?」
「そ。まぁ、ほとんど脱げてるストッキング、とか?」
「あ~……それで、背中向けるの?」
「うん」

 思考が停止中の美鈴は、理解が出来ずとも脩一の指示に素直に従う。
 それに対して嫌悪感も拒絶の感情もなかったからだ。

 脩一の目の前ではあるが、肩に掛かっていたブラジャーの紐を外し、膝まで降りているストッキングと下着ショーツ、スカートを脱ぎ去る。
 背を向けていれば羞恥心も薄れるのか、美鈴はそのまま後ろの脩一を振り返った。

「脱いだよ?」
「ん、ありがと。じゃあ、ちょっとごめんね」

 脩一は返答の後、すぐに美鈴の背中に覆い被さってくる。
 ピタリとくっついた肉体は、いつの間にかバスローブ越しではなくなっていた。

「ん?……ひゃ……ぅ、え……っ?」
「ん……っ」

 初めて身体中に感じる彼の体温は、やはり美鈴のものより高いものだった。
 だがそれよりも、自分の足の間に入ってきたもの。酷く熱く固いそれは、大腿部の隙間に容易に侵入してきたのだ。

「ぁ……ん、な……に……っん……?」
「はあ……、美鈴。気持ち良い……っ」

 背中から覆い被された美鈴は、自然と前屈みに倒れ込む。
 それでも脩一はその状態で、美鈴の先程の潤いを借りて前後へ身体を律動させた。

「ん、はあ……ふっ……んぁ……」
「ふ…………、くっ……」

 美鈴は脩一の脩一に、先程彼の指先で刺激された部分を擦られる。
 まだ確かに残る感覚を、更に上へいくような脩一の律動する動き。それによって美鈴の感覚は自然とたかぶっていき、新たな潤いとして形になった。
 そして耳元で聞こえる、脩一の艶っぽい声。足の間から聞こえてくる水音と共に、美鈴の感情を再びあおるものでしかなかった。
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