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かいこい編──第二章『出会い』──
その18。約束事は細部まで確認しよう 2
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──あまり遅くなるようだと明日も仕事だし、困るかなぁ……。あ、向こうも仕事か。
頭の中は脩一の事を考えていて、結論が出ないだけあってグルグル思考が巡るばかり。
必然的に歩みも遅くなり、美鈴の後ろから何人にも追い抜いていかれる程だった。
──何かもう、面倒臭くなっちゃったなぁ。彼氏彼女の関係って、こんなもの?そもそも私、あの人の名前も知らなかったんだけど。だいたい、今だって名前くらいしか知らないけどさぁ。何で私に『付き合え』とか『今日から俺が彼氏だ』とか、そんな話になったんだろ……。出会い的にはあれだよね、階段でぶつかったくらいだよねぇ?
ポテポテと歩きながら、美鈴は脩一との『出会い』を考える。
思い当たるのはその程度で、それすらありがちな『事故』で終わりそうなものだった。しかも昨夜は、脩一の押しに負ける形で交際を承諾したようなものである。
最終的に抱き締められはしたものの、恋愛小説や少女漫画のようなラブ要素は美鈴の判断では皆無であったように思えた。
──解せぬ……って言ってみたかっただけだけど、本当に分かんないや。だいたいあの人、別に私じゃなくても付き合う相手に困りそうに見えなかったんだけどなぁ?
美鈴は脩一の顔を思い浮かべ──ようとして、失敗する。『声』と『匂い』しか思い浮かばなかったのだ。
それでも美的感覚が常人と比べ、著しく狂っている訳ではない。それなりに美形は美形であると分かるし、萌枝と話していても明らかな違和感を感じた事はなかった。
つまりは顔を覚えられないだけで、見目の整った人物を格好良いのだと思う嗜好は一般的である。
──昨日、ここで人生初告白されたんだっけ?
公園までやってくると、自然と視線が引き寄せられ、記憶が昨夜を辿った。
昨日はあの後普通に地下鉄に乗って帰ったが、分からない事ばかりで堂々巡り。
「柊木さん?」
背後から名を呼ばれ、その声の聞こえた方向へ振り返る。
何故かそこには、美鈴が出る時にまだ事務所にいた筈の楳木チーフが立っていた。
公園の中に立ち尽くしていた為、逆に気付かれた事が不思議なくらいである。普段の美鈴ならばそのあたりを疑問に思うだろうが、今の思考に疲れている彼女はぼんやりと『楳木チーフ』である事を認識したけだった。
「あぁ……、楳木さん。……どうしたんですか?今、お帰りですか?」
「え、いや……それ、俺の台詞だと思うんだけど。公園の中で女の子が一人でいると、こんな時間だし余計に危ないよ?」
──ぷぷっ、女の子って……。え、それ私ですかマジですか。
特に考えもせずに問い掛けた美鈴へ、逆に戸惑ったような楳木チーフの言葉が返ってくる。
内心で単語の一つに突っ込みを入れていたが、良く考えてみれば『確かに』とも思えた。
気付けば空は赤みがかってきていて、公園の時計は既に十九時近い。──これでは昨日と大して変わらないではないか。
「あ~……、もうこんな時間だったんですね」
時間を知って漸く、ぼんやりしすぎていたのだと美鈴は気付かされた。
脩一の終業時間まで待つつもりだったとはいえ、家に帰って洗濯物を畳んだりとか、独り暮らしには家事仕事もある。
「どうしたの?大丈夫、柊木さん」
「あ、えぇ、大丈夫です」
「本当に?何か、朝から少しおかしくない?」
「あ、あははは……。すみません、本当に大丈夫です。帰ります」
心配そうに眉尻を下げて歩み寄ってくる楳木チーフに、美鈴は乾いた笑いを浮かべながらその場を濁そうとしていた。
特別深い意味があってこの場にいた訳でもないし、本当にぼんやりとしていただけなのである。酷く困ったように近付いて来られると、逆に美鈴の方が戸惑ってしまうのだ。
「さぁ、帰ろう?」
「あ、いえ……」
まるで同じ場所へ帰るかのような物言いに、美鈴は困惑の色が強くなる。
確かに、地下鉄三駅先の最寄り駅は同じだ。帰宅時に電車が同じになる事もあったが、楳木チーフは自転車で駅まで来ている。美鈴と連れ添って帰る時には、わざわざ自転車を押して、歩いてくれるのだ。
薄暗い道を通る気のない美鈴は、一人でも十分に安全と思えるルートでアパートに帰る。それ程危険とも思えないのだが、楳木チーフは互いの分かれ道まで、共に歩いて帰ってくれるのだった。──勿論、美鈴は別に頼んでいない。それに楳木チーフの家は不明だが、明らかに帰宅時間が遅くなっている事だろう。
「どうしたの?柊木さん……」
「悪いけど、待ち合わせでね」
「「っ?!」」
突然降って湧いたかのように、楳木チーフの言葉を遮る声が割って入る。
驚いた楳木チーフと美鈴の視線の先に、少しだけ髪を乱した脩一が立っていた。
恐らく会社から走ってきたのだろうと、そう思われる風貌である。
「あ……」
「え……?そう、なの?柊木、さん」
「あ~……、そう、ですかね?」
「……何で疑問系な訳。携帯は」
「あ……マナーモードだった……。うわ、凄い着信……」
楳木チーフの問い掛けに戸惑いながらも肯定をする美鈴だったが、続けられた脩一からの問いは確実に二人の関係を匂わせるものだった。
そもそも、楳木チーフは美鈴の携帯番号を知らない。
「そう……ですか。分かりました、俺は帰ります。じゃあね、柊木さん」
「あ、はい、楳木さん。おやすみなさい」
「……うん。おやすみ、柊木さん」
ここで引かなくては、と思わせるタイミングだった。楳木チーフは困ったような表情を浮かべていたが、美鈴にはその意味が分からない。
そして脩一の方が上長である為だからか、楳木チーフは取り繕った雰囲気のまま敬語で告げながら会釈をした。更に美鈴へも別れを告げると、静かに駅の方へ歩いていく。
その背に何故か哀愁を感じた美鈴は、思わず小首を傾げてしまったのだった。
頭の中は脩一の事を考えていて、結論が出ないだけあってグルグル思考が巡るばかり。
必然的に歩みも遅くなり、美鈴の後ろから何人にも追い抜いていかれる程だった。
──何かもう、面倒臭くなっちゃったなぁ。彼氏彼女の関係って、こんなもの?そもそも私、あの人の名前も知らなかったんだけど。だいたい、今だって名前くらいしか知らないけどさぁ。何で私に『付き合え』とか『今日から俺が彼氏だ』とか、そんな話になったんだろ……。出会い的にはあれだよね、階段でぶつかったくらいだよねぇ?
ポテポテと歩きながら、美鈴は脩一との『出会い』を考える。
思い当たるのはその程度で、それすらありがちな『事故』で終わりそうなものだった。しかも昨夜は、脩一の押しに負ける形で交際を承諾したようなものである。
最終的に抱き締められはしたものの、恋愛小説や少女漫画のようなラブ要素は美鈴の判断では皆無であったように思えた。
──解せぬ……って言ってみたかっただけだけど、本当に分かんないや。だいたいあの人、別に私じゃなくても付き合う相手に困りそうに見えなかったんだけどなぁ?
美鈴は脩一の顔を思い浮かべ──ようとして、失敗する。『声』と『匂い』しか思い浮かばなかったのだ。
それでも美的感覚が常人と比べ、著しく狂っている訳ではない。それなりに美形は美形であると分かるし、萌枝と話していても明らかな違和感を感じた事はなかった。
つまりは顔を覚えられないだけで、見目の整った人物を格好良いのだと思う嗜好は一般的である。
──昨日、ここで人生初告白されたんだっけ?
公園までやってくると、自然と視線が引き寄せられ、記憶が昨夜を辿った。
昨日はあの後普通に地下鉄に乗って帰ったが、分からない事ばかりで堂々巡り。
「柊木さん?」
背後から名を呼ばれ、その声の聞こえた方向へ振り返る。
何故かそこには、美鈴が出る時にまだ事務所にいた筈の楳木チーフが立っていた。
公園の中に立ち尽くしていた為、逆に気付かれた事が不思議なくらいである。普段の美鈴ならばそのあたりを疑問に思うだろうが、今の思考に疲れている彼女はぼんやりと『楳木チーフ』である事を認識したけだった。
「あぁ……、楳木さん。……どうしたんですか?今、お帰りですか?」
「え、いや……それ、俺の台詞だと思うんだけど。公園の中で女の子が一人でいると、こんな時間だし余計に危ないよ?」
──ぷぷっ、女の子って……。え、それ私ですかマジですか。
特に考えもせずに問い掛けた美鈴へ、逆に戸惑ったような楳木チーフの言葉が返ってくる。
内心で単語の一つに突っ込みを入れていたが、良く考えてみれば『確かに』とも思えた。
気付けば空は赤みがかってきていて、公園の時計は既に十九時近い。──これでは昨日と大して変わらないではないか。
「あ~……、もうこんな時間だったんですね」
時間を知って漸く、ぼんやりしすぎていたのだと美鈴は気付かされた。
脩一の終業時間まで待つつもりだったとはいえ、家に帰って洗濯物を畳んだりとか、独り暮らしには家事仕事もある。
「どうしたの?大丈夫、柊木さん」
「あ、えぇ、大丈夫です」
「本当に?何か、朝から少しおかしくない?」
「あ、あははは……。すみません、本当に大丈夫です。帰ります」
心配そうに眉尻を下げて歩み寄ってくる楳木チーフに、美鈴は乾いた笑いを浮かべながらその場を濁そうとしていた。
特別深い意味があってこの場にいた訳でもないし、本当にぼんやりとしていただけなのである。酷く困ったように近付いて来られると、逆に美鈴の方が戸惑ってしまうのだ。
「さぁ、帰ろう?」
「あ、いえ……」
まるで同じ場所へ帰るかのような物言いに、美鈴は困惑の色が強くなる。
確かに、地下鉄三駅先の最寄り駅は同じだ。帰宅時に電車が同じになる事もあったが、楳木チーフは自転車で駅まで来ている。美鈴と連れ添って帰る時には、わざわざ自転車を押して、歩いてくれるのだ。
薄暗い道を通る気のない美鈴は、一人でも十分に安全と思えるルートでアパートに帰る。それ程危険とも思えないのだが、楳木チーフは互いの分かれ道まで、共に歩いて帰ってくれるのだった。──勿論、美鈴は別に頼んでいない。それに楳木チーフの家は不明だが、明らかに帰宅時間が遅くなっている事だろう。
「どうしたの?柊木さん……」
「悪いけど、待ち合わせでね」
「「っ?!」」
突然降って湧いたかのように、楳木チーフの言葉を遮る声が割って入る。
驚いた楳木チーフと美鈴の視線の先に、少しだけ髪を乱した脩一が立っていた。
恐らく会社から走ってきたのだろうと、そう思われる風貌である。
「あ……」
「え……?そう、なの?柊木、さん」
「あ~……、そう、ですかね?」
「……何で疑問系な訳。携帯は」
「あ……マナーモードだった……。うわ、凄い着信……」
楳木チーフの問い掛けに戸惑いながらも肯定をする美鈴だったが、続けられた脩一からの問いは確実に二人の関係を匂わせるものだった。
そもそも、楳木チーフは美鈴の携帯番号を知らない。
「そう……ですか。分かりました、俺は帰ります。じゃあね、柊木さん」
「あ、はい、楳木さん。おやすみなさい」
「……うん。おやすみ、柊木さん」
ここで引かなくては、と思わせるタイミングだった。楳木チーフは困ったような表情を浮かべていたが、美鈴にはその意味が分からない。
そして脩一の方が上長である為だからか、楳木チーフは取り繕った雰囲気のまま敬語で告げながら会釈をした。更に美鈴へも別れを告げると、静かに駅の方へ歩いていく。
その背に何故か哀愁を感じた美鈴は、思わず小首を傾げてしまったのだった。
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