2 / 9
第1章 「君を愛することはできない」と真実の愛を貫いた婚約者さま。私がザマァするまでもなく自滅しました。
第2話
しおりを挟む
――じゅるり……
いやぁ、いいモン見せて頂きましたぁ~
「そう言うわけだ。すまないが私は君を愛することはできない」
「モリカ様、ごめんなさい……でも、お願い私達の愛を許して」
手に手を取り合って私をジッと見つめる殿下とカミア様。
ふっ、これでは私が完全に二人の仲を裂く悪役ですわね。
「お二人はそこまで……」
「私は真実の愛に目覚めた。この愛こそ本物。何があろうと乗り越えてみせる」
「ああ、シナーフ様……私もどんな困難が待ち受けていてもシナーフ様となら耐えられます」
見つめ合う二人の姿に、私の浮気への怒りはもう消え失せてしまいました。
「殿下の意思は固いのですね?」
「君にはすまないと思っている」
「それでも私たちは愛し合っているんです」
ここは超保守的な国キシュホーテ。
私という婚約者がありながら、殿下とカミア様の関係はとてもではありませんが許されるものではありません。
しかし、私はとても理解のある女モリカ・イルノア!
「そこまでのお覚悟があるのでしたら私から申し上げる事は何もありません」
「分かってくれるのか!」
私の同意にシナーフ殿下とカミア様が嬉しそうに顔を綻ばせなさいました。
二人が並ぶその光景は国の未来を照らす美しき姿!
あゝ、何と尊く素晴らしいのでしょう。
あゝ、まこと素晴らしきかな真実の愛!
「ええ、もちろん……真実の愛、そう言うことでしたら是非もありません」
あっ、鼻血が出そうです。
近くの令嬢のうち数人は鼻血で貧血を起こして倒れております。
「キシュホーテ王国とグウトン王国、両国の親善の為にも私は身を引きます」
「私達の愛を認めてくれてありがとうございますモリカ様」
仲睦まじく並ぶ二人に私は満足そうに一つ頷く。
ええ、ええ、認めますとも、許しますとも。
これを認めないはずありません。
「お二人の幸せを心よりお祈りしております」
「ありがとうモリカ……私は必ず添い遂げてみせる」
この大団円に私が拍手すると周囲の令嬢達も感動の涙を流しながらのスタンディングオベーション。
これほど心洗われる光景が他にあるでしょうか。
これぞ正真正銘、まごうことなき真実の愛!
なんせカミア様は……なんですから。
「私が国王に、カミアが王妃となればキシュホーテ王国の未来は明るいだろう」
「はあ?」
何をとち狂っているのでしょう?
「カミア様は王妃にはなれませんよ?」
「何だと!?」
何をいまさら驚いているのです?
「それどころかカミア様と添い遂げられるのなら殿下はおそらく廃嫡されるでしょう」
「どうしてだ!?」
いやぁ、いいモン見せて頂きましたぁ~
「そう言うわけだ。すまないが私は君を愛することはできない」
「モリカ様、ごめんなさい……でも、お願い私達の愛を許して」
手に手を取り合って私をジッと見つめる殿下とカミア様。
ふっ、これでは私が完全に二人の仲を裂く悪役ですわね。
「お二人はそこまで……」
「私は真実の愛に目覚めた。この愛こそ本物。何があろうと乗り越えてみせる」
「ああ、シナーフ様……私もどんな困難が待ち受けていてもシナーフ様となら耐えられます」
見つめ合う二人の姿に、私の浮気への怒りはもう消え失せてしまいました。
「殿下の意思は固いのですね?」
「君にはすまないと思っている」
「それでも私たちは愛し合っているんです」
ここは超保守的な国キシュホーテ。
私という婚約者がありながら、殿下とカミア様の関係はとてもではありませんが許されるものではありません。
しかし、私はとても理解のある女モリカ・イルノア!
「そこまでのお覚悟があるのでしたら私から申し上げる事は何もありません」
「分かってくれるのか!」
私の同意にシナーフ殿下とカミア様が嬉しそうに顔を綻ばせなさいました。
二人が並ぶその光景は国の未来を照らす美しき姿!
あゝ、何と尊く素晴らしいのでしょう。
あゝ、まこと素晴らしきかな真実の愛!
「ええ、もちろん……真実の愛、そう言うことでしたら是非もありません」
あっ、鼻血が出そうです。
近くの令嬢のうち数人は鼻血で貧血を起こして倒れております。
「キシュホーテ王国とグウトン王国、両国の親善の為にも私は身を引きます」
「私達の愛を認めてくれてありがとうございますモリカ様」
仲睦まじく並ぶ二人に私は満足そうに一つ頷く。
ええ、ええ、認めますとも、許しますとも。
これを認めないはずありません。
「お二人の幸せを心よりお祈りしております」
「ありがとうモリカ……私は必ず添い遂げてみせる」
この大団円に私が拍手すると周囲の令嬢達も感動の涙を流しながらのスタンディングオベーション。
これほど心洗われる光景が他にあるでしょうか。
これぞ正真正銘、まごうことなき真実の愛!
なんせカミア様は……なんですから。
「私が国王に、カミアが王妃となればキシュホーテ王国の未来は明るいだろう」
「はあ?」
何をとち狂っているのでしょう?
「カミア様は王妃にはなれませんよ?」
「何だと!?」
何をいまさら驚いているのです?
「それどころかカミア様と添い遂げられるのなら殿下はおそらく廃嫡されるでしょう」
「どうしてだ!?」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
46
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる