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第1章 「君を愛することはできない」と真実の愛を貫いた婚約者さま。私がザマァするまでもなく自滅しました。
第3話
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「どうしても何も……」
えっ?
もしかして殿下、ご存じない?
「カミア様は男の娘ですから」
「なんだとぉぉぉ!!!」
有名な話じゃないですか。
全生徒周知の事実ですよ。
「だ、だが、カミアはグウトンの王女だと……」
「保守的な我がキシュホーテ王国とは違い、隣国のグウトン王国はとても先進的なLGBTに理解のあるお国柄。トランスジェンダーに理解があるのです」
彼の国は我が国よりマイノリティに対する理解が300年は進んでいます。
だから、本来なら王子であるカミア様も王女を称して許されているのです。
「ちなみに我が国では同性婚は認められておりませんので、殿下は王位継承権を剥奪され廃嫡されるのは必至」
「待て待て待て待て!」
「もう手遅れですよ。これだけ大衆の面前でイチャイチャしちゃいましたから、殿下の好みが男性であるとカミングアウトしたのと同じですから」
「えっ、大衆?」
ぐるりと見回して青くなる殿下。
今ごろようやく自分を囲んでいる令嬢達の存在に気がつくなんて、どれだけカミア様と二人の世界になっておられたのか……
まさに真実の愛。
「この国は差別的でカミア様と結ばれるにはグウトン王国へ行かねばならないでしょう。ですがお二人の真実の愛ならこの程度の障害など簡単に乗り越えられると信じております」
私が祈るようなポーズをすると、周りの令嬢達も同じポーズでうんうんと頷き期待の眼差しを殿下に向けました。
「あっ、言い忘れておりましたが、いかに革新的なグウトン王国でも王家や貴族まではさすがに同性婚は認められておりません」
「なんだと!?」
当たり前じゃないですか。
同性婚ではお世継ぎができません。
継承問題になるので王族、貴族は同性婚タブーです。法律で禁止されております。
「ですので、カミア様は男性と結婚する場合は王族から抜けなければなりません」
と言うわけで、お二人は結婚したら平民となるわけです。
「まあ、この程度の困難などお二人の真実の愛の前には困難とも呼べないでしょう」
熱い抱擁と熱烈なキスで性別の壁さえやすやすとぶっ壊してしまわれたのですから。
あゝ! 先ほどのチューは私の脳裏にしっかりと焼き付いておりますよ!
これだけで私ごはん3杯はいけます!
「あぁ、なんて素晴らしいのでしょう真実の愛!」
「ちょっと待ってくれ。やっぱり私は君と……」
「私はお二人の真実の愛を全力で応援いたしますわ!」
きっとキシュホーテ王国の未来も明るいですわ。
その後、殿下は私に幾度となく面会を求められてきましたが、全て拒絶しました。カミア様に誤解されるといけませんからね。
そして「知らなかったんだァァァァ!」と叫びながら、カミア様と共にグウトン王国へと連れて行かれたのでした。
私の方は男に婚約者を寝取られた女としばらく揶揄されましたが……まあ、イルノア侯爵家は権勢を誇る大貴族ですので結婚相手にはさほど苦労はありませんでした。
しかし、女の幸せは結婚と思ってしまうあたり、私もまだ考えが古いのですね。
やはり、この国はまだまだ保守的です。
どこかに殿下とカミア様のように苦しんでいる方が大勢いることでしょう。
ですが、きっとあの二人がそんな大勢の苦しみに光を照らしてくれます……
あゝ、崇高な二人の真実の愛に幸あれ!
えっ?
もしかして殿下、ご存じない?
「カミア様は男の娘ですから」
「なんだとぉぉぉ!!!」
有名な話じゃないですか。
全生徒周知の事実ですよ。
「だ、だが、カミアはグウトンの王女だと……」
「保守的な我がキシュホーテ王国とは違い、隣国のグウトン王国はとても先進的なLGBTに理解のあるお国柄。トランスジェンダーに理解があるのです」
彼の国は我が国よりマイノリティに対する理解が300年は進んでいます。
だから、本来なら王子であるカミア様も王女を称して許されているのです。
「ちなみに我が国では同性婚は認められておりませんので、殿下は王位継承権を剥奪され廃嫡されるのは必至」
「待て待て待て待て!」
「もう手遅れですよ。これだけ大衆の面前でイチャイチャしちゃいましたから、殿下の好みが男性であるとカミングアウトしたのと同じですから」
「えっ、大衆?」
ぐるりと見回して青くなる殿下。
今ごろようやく自分を囲んでいる令嬢達の存在に気がつくなんて、どれだけカミア様と二人の世界になっておられたのか……
まさに真実の愛。
「この国は差別的でカミア様と結ばれるにはグウトン王国へ行かねばならないでしょう。ですがお二人の真実の愛ならこの程度の障害など簡単に乗り越えられると信じております」
私が祈るようなポーズをすると、周りの令嬢達も同じポーズでうんうんと頷き期待の眼差しを殿下に向けました。
「あっ、言い忘れておりましたが、いかに革新的なグウトン王国でも王家や貴族まではさすがに同性婚は認められておりません」
「なんだと!?」
当たり前じゃないですか。
同性婚ではお世継ぎができません。
継承問題になるので王族、貴族は同性婚タブーです。法律で禁止されております。
「ですので、カミア様は男性と結婚する場合は王族から抜けなければなりません」
と言うわけで、お二人は結婚したら平民となるわけです。
「まあ、この程度の困難などお二人の真実の愛の前には困難とも呼べないでしょう」
熱い抱擁と熱烈なキスで性別の壁さえやすやすとぶっ壊してしまわれたのですから。
あゝ! 先ほどのチューは私の脳裏にしっかりと焼き付いておりますよ!
これだけで私ごはん3杯はいけます!
「あぁ、なんて素晴らしいのでしょう真実の愛!」
「ちょっと待ってくれ。やっぱり私は君と……」
「私はお二人の真実の愛を全力で応援いたしますわ!」
きっとキシュホーテ王国の未来も明るいですわ。
その後、殿下は私に幾度となく面会を求められてきましたが、全て拒絶しました。カミア様に誤解されるといけませんからね。
そして「知らなかったんだァァァァ!」と叫びながら、カミア様と共にグウトン王国へと連れて行かれたのでした。
私の方は男に婚約者を寝取られた女としばらく揶揄されましたが……まあ、イルノア侯爵家は権勢を誇る大貴族ですので結婚相手にはさほど苦労はありませんでした。
しかし、女の幸せは結婚と思ってしまうあたり、私もまだ考えが古いのですね。
やはり、この国はまだまだ保守的です。
どこかに殿下とカミア様のように苦しんでいる方が大勢いることでしょう。
ですが、きっとあの二人がそんな大勢の苦しみに光を照らしてくれます……
あゝ、崇高な二人の真実の愛に幸あれ!
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