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第20話 綴る世界⑦「二人の結ばれぬ世界・後編」
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「えっ……あっ、さ、佐倉さん!?」
最初、意味がわからないと書院さんは目をぱちくりさせていた。けれどしだいに思考が追いついてきたのか顔を真っ赤にして口をあわあわとさせる。
「じょ、冗談はやめてください」
「僕は本気です」
書院さんは身をよじって逃げようとするけど僕は彼女の腕を握り離さない。ここで離したら書院さんと二度と会えない……そんな気がしたんだ。
「僕は書院さん……あなたが好きです」
「あ、あの……私……私は……」
僕の目をまっすぐ見られず書院さんの目はぐるぐると泳ぎまくる。
迷惑だったんだろうか?
いや、たとえそうであっても僕は諦めるつもりはない。
「書院さん、僕は――」
「アッハッハッハ!」
――ビュウ!
その時、笑い声とともに突風が吹き荒れ思わず僕は書院さんから手を離してしまった。
「書院さん!」
その隙に書院さんが何者かの手で奪われ僕は慌てて彼女を取り戻そうとしたが激しい風に阻まれる。
風が収まるとロッド男爵が書院さんを腕に抱き欄干の上に立っていた。
「我が計略に嵌まったな、愚かな王子よ」
「佐倉さん……」
ロッド男爵は高らかに笑い、書院さんは悲しげに僕を見つめる。
「彼女を返せ!」
僕が掴みかかろうとするとロッド男爵はパチンと指を鳴らした。すると突風が僕を襲い前に進むどころか後方へと吹き飛ばされてしまった。
「ふんっ、返すもなにもこの女は俺の娘のコニールだ。愚か者の貴様はコデットと区別もつかずに我が娘に愛を誓ってしまったのだ」
「そんなの関係ない!」
だって僕が好きなのは……
「もはやコデットの呪いは解けることはない」
だけどロッド男爵……いや、ロッドバロンは僕の話を聞く気はないらしく一方的に捲し立てた。
「この俺、悪魔ロッドバロンの呪いによりコデットは永遠に美しい白鳥の姿で湖を彷徨うのだ」
「ごめんなさい……佐倉さん……」
二人はそれだけ言い残すとロッドバロンは梟に書院さんは黒鳥に変身して飛び立つ。その大きな翼を羽ばたかせ書院さんは暗き夜空に溶け消えていった。
僕はただそれを呆然と見送った。
最初、意味がわからないと書院さんは目をぱちくりさせていた。けれどしだいに思考が追いついてきたのか顔を真っ赤にして口をあわあわとさせる。
「じょ、冗談はやめてください」
「僕は本気です」
書院さんは身をよじって逃げようとするけど僕は彼女の腕を握り離さない。ここで離したら書院さんと二度と会えない……そんな気がしたんだ。
「僕は書院さん……あなたが好きです」
「あ、あの……私……私は……」
僕の目をまっすぐ見られず書院さんの目はぐるぐると泳ぎまくる。
迷惑だったんだろうか?
いや、たとえそうであっても僕は諦めるつもりはない。
「書院さん、僕は――」
「アッハッハッハ!」
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その隙に書院さんが何者かの手で奪われ僕は慌てて彼女を取り戻そうとしたが激しい風に阻まれる。
風が収まるとロッド男爵が書院さんを腕に抱き欄干の上に立っていた。
「我が計略に嵌まったな、愚かな王子よ」
「佐倉さん……」
ロッド男爵は高らかに笑い、書院さんは悲しげに僕を見つめる。
「彼女を返せ!」
僕が掴みかかろうとするとロッド男爵はパチンと指を鳴らした。すると突風が僕を襲い前に進むどころか後方へと吹き飛ばされてしまった。
「ふんっ、返すもなにもこの女は俺の娘のコニールだ。愚か者の貴様はコデットと区別もつかずに我が娘に愛を誓ってしまったのだ」
「そんなの関係ない!」
だって僕が好きなのは……
「もはやコデットの呪いは解けることはない」
だけどロッド男爵……いや、ロッドバロンは僕の話を聞く気はないらしく一方的に捲し立てた。
「この俺、悪魔ロッドバロンの呪いによりコデットは永遠に美しい白鳥の姿で湖を彷徨うのだ」
「ごめんなさい……佐倉さん……」
二人はそれだけ言い残すとロッドバロンは梟に書院さんは黒鳥に変身して飛び立つ。その大きな翼を羽ばたかせ書院さんは暗き夜空に溶け消えていった。
僕はただそれを呆然と見送った。
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