92 / 94
閑話㉑ そのころ王妃殿下は《腹黒》
しおりを挟む
それから数日が過ぎた。
ゲルハルト・コラーディンは爵位を剥奪されコラーディン家所領の田舎に幽閉されることが決まった。近いうちに護送されるだろう。
ベルクルドは資産の全てを差し押さえられ、商会は取り潰されることになった。商会の者たちは事件への関与の度合いによって処分が仕分けされることになる。
どちらも極刑にならなかったのだからかなりの温情といってよい処置だ。これらはリリの思惑が大きく影響している。
しかし傭兵団『黄昏の死鴉』の者たちは微妙だ。ただの雇われであったこともあるが、人数も多い上に、残虐な所業の噂は箔を付けるために自分たちで流したブラフだった。団員の半数以上は露頭に迷っていた者たちで、それを団長が見るに見かねて拾ってきたのだそうだ。
本当は半数以上が殺しどころかまともに武器も持ったことのない連中で、そりゃ弱いはずだとエルゼは納得した。が、ここで問題が発生した。この200人もの大所帯がみな食いつめ浪人であるのだ。彼らの身の振り方が難しい。エルゼは隣国の福祉はどうなっているのかと問い詰めてやりたくなった。
それらの頭の痛くなりそうな連中の処断に奔走し、やっと一段落がついたのが現在である。
エルゼは橄欖宮の庭園の咲き誇る赤い薔薇に囲まれた四阿でイダーイと向かい合っていた。
「見事な薔薇ですなぁ」
「ええ、うちの旦那が私のために奮発してくれたのよ」
四阿からは見える景観は見事なまでの赤一色。エルゼリベーテ・シュバルティナ・ドゥ・オーヴェルニの色だ。そして、その由来はエルゼの髪の色だけではないことをオーヴェルニ領での彼女の所業を知るイダーイは背筋がぞっとする思いを抱いた。
「あ、愛されておいでですな」
「そうねぇ、溺愛されちゃってるわ」
くすくす笑うエルゼの笑貌はあまりに美しく、男なら誰もが惚れてしまいそうだ。しかし、この稀代の美女に手を出せば国王によって自分だけではなく一族郎党皆殺しにされかねないこともイダーイはよく理解していた。
「全く……恐ろしいお方だ」
「ふふふ、そうかしら?」
表面では取り繕っているが内心ビクビクのイダーイの鼻腔を薔薇の芳香が満たした。その香りの刺激にイダーイの緊張が僅かに弛む。落ち着きを取り戻したイダーイは、ふと香りの作用に関する研究を思い出した。
「そう言えば薔薇の匂いには鎮静の効能があるとか……」
「美容にもいいんですって」
「国王様の贈り物の意図には王妃殿下の色だからというだけではないのですね」
「転生者の入れ知恵らしいわよ。確か『あろまてらぴー』だったかしら?」
「転生者ですか……」
イダーイは先日この宮で会った銀髪の少女を思い浮かべた。
──彼女の知識と寄生魂とても興味深いのですが……
その思い浮かべた銀髪の少女の背後から黒髪の少女が現れ、銀髪の少女の両肩に手を乗せてにっこりと微笑む。この世の者とは思えぬ程の絶世の美少女。しかし、その下に隠されている巨大な力に、自分の想像した虚像のはずなのにイダーイはブルっと体を震わせた。
イダーイが何を考えているか想像のついたエルゼはくすくすと声を出して笑った。
「それにしても今回は鼠一匹のために随分と大事になったものね」
「最初は10年前の治療薬不正取り引きから始まった事件でしたね」
「ええ、そこから禁術『魂魄置換』の件が判明して、それを調べるために研究所へ赴いたのがイダちゃんとの馴れ初めよねぇ」
馴れ初めって……イダーイは苦笑いした。国王に聞かれていたら命が危うい。
「だけどこの件を調べている最中にライルが婚約破棄を企んだりリリちゃんたちの魂魄置換が絡まり始めた時にはちょっと焦ったかな?」
「御冗談を随分と楽しそうでしたよ」
あらそうだったかしら?と韜晦してくすくす笑うエルゼにイダーイは肩を竦めた。
「だけどその小物のお陰で大収穫だったわ」
「そうですか?ルルーシェ嬢もマリアヴェル嬢も今はリリーエン嬢の専属侍女となりました。王妃殿下が得たものがあるようには見えませんが……」
「目に見えるものだけが得られるものではないのよ。分かってないのねぇイダちゃんは」
「はあ……なるほど?」
得心の行かない顔のイダーイにエルゼはいつものにこにこ顔を向けた。
「リリちゃんの次期王妃としての自覚を促し、メイとリリちゃんの母娘関係改善させ、それによりリリちゃんに大きな貸しを作り、リリちゃんに息子を意識させることに成功したわ。1石で2鳥どころか3鳥も4鳥も獲れたわ」
「何となく分かりました……が、最後のはうまくいっていないのでは?」
「確かにまだ弱いわね。でも今まで恋愛感情が理解できなかったリリちゃんがちょっとでも婚約者のことを意識したのは大きいわ。これからリリちゃんの心は大きく揺れ動くわよ」
「そんなにうまく行きますか?」
「行くわよ……と言うより行かせるわ」
エルゼの強気にイダーイの笑いが引き攣った。
「それにルルちゃんのことも収穫だった。私の手元にいなくてもリリちゃんがいいようにしてくれるし、ちゃんとリリちゃん経由で彼女の知識の恩恵は得るわよ」
「そのためのリリーエン嬢への貸しですか」
イダーイは目の前の穏やかに笑う底の見えない美女を心底畏れた。
「ふふふ……だけどリリちゃんも可愛いけど、ルルちゃんもよかったわぁ。ホントに2番目の息子の嫁にしちゃおうかしら?」
「あんまり欲張ると、今度こそ本当にリリーエン嬢がキレますよ?」
そうよねぇ、とエルゼは悩ましげに呟いたが、その顔はにこにこ笑っているので懲りてはいなさそうだとイダーイは諦めの溜息をついた。
「それにしてもリリーエン嬢の専属侍女はよく王妃殿下に協力しましたね。あの忠実な方が主人を裏切るとは思えなかったのですが」
アンナはリリとルルが入れ替わった後にエルゼと結託していた。そのため、お互いにこの件の裏事情を把握していた。
「アンナちゃんはリリちゃんを裏切っているつもりはないわよ」
「そうなのですか?王妃殿下と裏で暗躍しているようでしたが……それに今回の魂魄置換だって本当はあの侍女の仕業なのでしょう?」
結局のところゲルハルトは踊らされただけ。全ての仕込みはアンナの手によるものだ。
「リリちゃんがもう限界だったのよ」
エルゼはいつもの笑顔を納めると、いつになく真剣な顔になった。
「リリちゃんはやっぱりメイの娘なのよ。どんなに強がっても、どんなに悪ぶっても、根は優しすぎて、しかも真面目過ぎるから何もかも抱え込んじゃうのよね……」
母メネイヤとの確執
侯爵令嬢としての責務
王太子妃の重圧
そして婚約者との関係と婚約破棄
「黒鋼の精神力なんて言われているけど、実際はとっても脆い一人の女の子。あの娘って何でも卒なくこなしちゃうから皆んな勘違いしちゃうのよね。余裕があるって。確かにリリちゃんは天才だけど、本当はそれ以上に人一倍努力しているだけなのよ。彼女はどんな困難もその才能と努力で全てに対処してきたけど無自覚に無理してたのね」
何とかしてあげたかったのだけど出来なかったわとエルゼは独り言ちる。
「それにリリちゃんはもう一つ爆弾を抱えていた」
「2つの魂魄を内包していることですな」
「さすがに分かる?」
「ええ、彼女の2つの魂はどちらも強い力を持っていました。あれではどちらかが主となることができず不安定だったでしょう」
「そうね。リリちゃん自身は気づいていなかったけど、あの子はもういつ壊れてもおかしくなかった」
「だからあの侍女は魂魄置換を強行した……」
「リリちゃんに必要だったのは自分がリリーエン・リュシリューとルルーシェ・ルミエンの魂が混ざり合っていることを自覚することだったのよ」
「なるほど……自分が2つの魂を持つことを自覚することで2つの魂の融和を促したのですな?」
「荒療治ではあったけどね。そしてそれにアンナちゃんは私を利用したのよ」
エルゼはティーカップを持ち上げ一口お茶を含んだ。カップをソーサーに戻すころにはエルゼはいつものにこにこ顔になっていた。
「アンナちゃんは本当に恐ろしい子ね。彼女には気をつけないと」
「あの脳筋侍女をですか?」
ええそうよとエルゼは頷く。
「彼女の手足は我々王家のよりも多いのよ」
「まさか!?」
この国の王家が持つ配下はかなりの質と数が揃っている。それを上回ることは大貴族でも難しい。それをたかだか一侍女が抱えるなどあり得ない。
「アンナちゃんは色々と規格外だから」
エルゼは四阿から見える青い空を見上げた。
「ギルが彼女を射止めてくれたら助かるんだけどな……」
そう言って含み笑いをするこの国の腹黒王妃はどうやらまた何か企んでいるようだった……
~~~~~後書きコント~~~~~
アンナ「この腹黒王妃!まだ諦めていなかったのですか!?」
ルル「私もですかぁ!?」
アンナ「あのなよなよした男は絶対にいやです!」
ルル「私だって続編の攻略者はごめんですぅ!ネネと喧嘩になったらどうするんですかぁ!」
アンナ「だいたいあの男は私より一回り以上歳上ですよ!」
ルル「私だって歳下はいやですよぉ!」
アンナ「貴女はそれほど年齢かわらないでしょ?」
ルル「6才も歳下ですよぉ!?」
アンナ「『永遠に0』の貴女にはお似合いです」
ルル「ヒドイ!私だって一応この世界じゃ成人女性なんですよぉ!」
アンナ「成人女性(笑)『ロリの救世主』が聞いて飽きれます」
ルル「私だって微笑ですしぃ!もてるんですからぁ!」
アンナ「その相手は捕縛されましたが(笑)レオナルド殿下も10年後にはロリ疑惑がたちそうです」
ルル「ぐぬぬぬぬぬ!なんか否定できない」orz
ゲルハルト・コラーディンは爵位を剥奪されコラーディン家所領の田舎に幽閉されることが決まった。近いうちに護送されるだろう。
ベルクルドは資産の全てを差し押さえられ、商会は取り潰されることになった。商会の者たちは事件への関与の度合いによって処分が仕分けされることになる。
どちらも極刑にならなかったのだからかなりの温情といってよい処置だ。これらはリリの思惑が大きく影響している。
しかし傭兵団『黄昏の死鴉』の者たちは微妙だ。ただの雇われであったこともあるが、人数も多い上に、残虐な所業の噂は箔を付けるために自分たちで流したブラフだった。団員の半数以上は露頭に迷っていた者たちで、それを団長が見るに見かねて拾ってきたのだそうだ。
本当は半数以上が殺しどころかまともに武器も持ったことのない連中で、そりゃ弱いはずだとエルゼは納得した。が、ここで問題が発生した。この200人もの大所帯がみな食いつめ浪人であるのだ。彼らの身の振り方が難しい。エルゼは隣国の福祉はどうなっているのかと問い詰めてやりたくなった。
それらの頭の痛くなりそうな連中の処断に奔走し、やっと一段落がついたのが現在である。
エルゼは橄欖宮の庭園の咲き誇る赤い薔薇に囲まれた四阿でイダーイと向かい合っていた。
「見事な薔薇ですなぁ」
「ええ、うちの旦那が私のために奮発してくれたのよ」
四阿からは見える景観は見事なまでの赤一色。エルゼリベーテ・シュバルティナ・ドゥ・オーヴェルニの色だ。そして、その由来はエルゼの髪の色だけではないことをオーヴェルニ領での彼女の所業を知るイダーイは背筋がぞっとする思いを抱いた。
「あ、愛されておいでですな」
「そうねぇ、溺愛されちゃってるわ」
くすくす笑うエルゼの笑貌はあまりに美しく、男なら誰もが惚れてしまいそうだ。しかし、この稀代の美女に手を出せば国王によって自分だけではなく一族郎党皆殺しにされかねないこともイダーイはよく理解していた。
「全く……恐ろしいお方だ」
「ふふふ、そうかしら?」
表面では取り繕っているが内心ビクビクのイダーイの鼻腔を薔薇の芳香が満たした。その香りの刺激にイダーイの緊張が僅かに弛む。落ち着きを取り戻したイダーイは、ふと香りの作用に関する研究を思い出した。
「そう言えば薔薇の匂いには鎮静の効能があるとか……」
「美容にもいいんですって」
「国王様の贈り物の意図には王妃殿下の色だからというだけではないのですね」
「転生者の入れ知恵らしいわよ。確か『あろまてらぴー』だったかしら?」
「転生者ですか……」
イダーイは先日この宮で会った銀髪の少女を思い浮かべた。
──彼女の知識と寄生魂とても興味深いのですが……
その思い浮かべた銀髪の少女の背後から黒髪の少女が現れ、銀髪の少女の両肩に手を乗せてにっこりと微笑む。この世の者とは思えぬ程の絶世の美少女。しかし、その下に隠されている巨大な力に、自分の想像した虚像のはずなのにイダーイはブルっと体を震わせた。
イダーイが何を考えているか想像のついたエルゼはくすくすと声を出して笑った。
「それにしても今回は鼠一匹のために随分と大事になったものね」
「最初は10年前の治療薬不正取り引きから始まった事件でしたね」
「ええ、そこから禁術『魂魄置換』の件が判明して、それを調べるために研究所へ赴いたのがイダちゃんとの馴れ初めよねぇ」
馴れ初めって……イダーイは苦笑いした。国王に聞かれていたら命が危うい。
「だけどこの件を調べている最中にライルが婚約破棄を企んだりリリちゃんたちの魂魄置換が絡まり始めた時にはちょっと焦ったかな?」
「御冗談を随分と楽しそうでしたよ」
あらそうだったかしら?と韜晦してくすくす笑うエルゼにイダーイは肩を竦めた。
「だけどその小物のお陰で大収穫だったわ」
「そうですか?ルルーシェ嬢もマリアヴェル嬢も今はリリーエン嬢の専属侍女となりました。王妃殿下が得たものがあるようには見えませんが……」
「目に見えるものだけが得られるものではないのよ。分かってないのねぇイダちゃんは」
「はあ……なるほど?」
得心の行かない顔のイダーイにエルゼはいつものにこにこ顔を向けた。
「リリちゃんの次期王妃としての自覚を促し、メイとリリちゃんの母娘関係改善させ、それによりリリちゃんに大きな貸しを作り、リリちゃんに息子を意識させることに成功したわ。1石で2鳥どころか3鳥も4鳥も獲れたわ」
「何となく分かりました……が、最後のはうまくいっていないのでは?」
「確かにまだ弱いわね。でも今まで恋愛感情が理解できなかったリリちゃんがちょっとでも婚約者のことを意識したのは大きいわ。これからリリちゃんの心は大きく揺れ動くわよ」
「そんなにうまく行きますか?」
「行くわよ……と言うより行かせるわ」
エルゼの強気にイダーイの笑いが引き攣った。
「それにルルちゃんのことも収穫だった。私の手元にいなくてもリリちゃんがいいようにしてくれるし、ちゃんとリリちゃん経由で彼女の知識の恩恵は得るわよ」
「そのためのリリーエン嬢への貸しですか」
イダーイは目の前の穏やかに笑う底の見えない美女を心底畏れた。
「ふふふ……だけどリリちゃんも可愛いけど、ルルちゃんもよかったわぁ。ホントに2番目の息子の嫁にしちゃおうかしら?」
「あんまり欲張ると、今度こそ本当にリリーエン嬢がキレますよ?」
そうよねぇ、とエルゼは悩ましげに呟いたが、その顔はにこにこ笑っているので懲りてはいなさそうだとイダーイは諦めの溜息をついた。
「それにしてもリリーエン嬢の専属侍女はよく王妃殿下に協力しましたね。あの忠実な方が主人を裏切るとは思えなかったのですが」
アンナはリリとルルが入れ替わった後にエルゼと結託していた。そのため、お互いにこの件の裏事情を把握していた。
「アンナちゃんはリリちゃんを裏切っているつもりはないわよ」
「そうなのですか?王妃殿下と裏で暗躍しているようでしたが……それに今回の魂魄置換だって本当はあの侍女の仕業なのでしょう?」
結局のところゲルハルトは踊らされただけ。全ての仕込みはアンナの手によるものだ。
「リリちゃんがもう限界だったのよ」
エルゼはいつもの笑顔を納めると、いつになく真剣な顔になった。
「リリちゃんはやっぱりメイの娘なのよ。どんなに強がっても、どんなに悪ぶっても、根は優しすぎて、しかも真面目過ぎるから何もかも抱え込んじゃうのよね……」
母メネイヤとの確執
侯爵令嬢としての責務
王太子妃の重圧
そして婚約者との関係と婚約破棄
「黒鋼の精神力なんて言われているけど、実際はとっても脆い一人の女の子。あの娘って何でも卒なくこなしちゃうから皆んな勘違いしちゃうのよね。余裕があるって。確かにリリちゃんは天才だけど、本当はそれ以上に人一倍努力しているだけなのよ。彼女はどんな困難もその才能と努力で全てに対処してきたけど無自覚に無理してたのね」
何とかしてあげたかったのだけど出来なかったわとエルゼは独り言ちる。
「それにリリちゃんはもう一つ爆弾を抱えていた」
「2つの魂魄を内包していることですな」
「さすがに分かる?」
「ええ、彼女の2つの魂はどちらも強い力を持っていました。あれではどちらかが主となることができず不安定だったでしょう」
「そうね。リリちゃん自身は気づいていなかったけど、あの子はもういつ壊れてもおかしくなかった」
「だからあの侍女は魂魄置換を強行した……」
「リリちゃんに必要だったのは自分がリリーエン・リュシリューとルルーシェ・ルミエンの魂が混ざり合っていることを自覚することだったのよ」
「なるほど……自分が2つの魂を持つことを自覚することで2つの魂の融和を促したのですな?」
「荒療治ではあったけどね。そしてそれにアンナちゃんは私を利用したのよ」
エルゼはティーカップを持ち上げ一口お茶を含んだ。カップをソーサーに戻すころにはエルゼはいつものにこにこ顔になっていた。
「アンナちゃんは本当に恐ろしい子ね。彼女には気をつけないと」
「あの脳筋侍女をですか?」
ええそうよとエルゼは頷く。
「彼女の手足は我々王家のよりも多いのよ」
「まさか!?」
この国の王家が持つ配下はかなりの質と数が揃っている。それを上回ることは大貴族でも難しい。それをたかだか一侍女が抱えるなどあり得ない。
「アンナちゃんは色々と規格外だから」
エルゼは四阿から見える青い空を見上げた。
「ギルが彼女を射止めてくれたら助かるんだけどな……」
そう言って含み笑いをするこの国の腹黒王妃はどうやらまた何か企んでいるようだった……
~~~~~後書きコント~~~~~
アンナ「この腹黒王妃!まだ諦めていなかったのですか!?」
ルル「私もですかぁ!?」
アンナ「あのなよなよした男は絶対にいやです!」
ルル「私だって続編の攻略者はごめんですぅ!ネネと喧嘩になったらどうするんですかぁ!」
アンナ「だいたいあの男は私より一回り以上歳上ですよ!」
ルル「私だって歳下はいやですよぉ!」
アンナ「貴女はそれほど年齢かわらないでしょ?」
ルル「6才も歳下ですよぉ!?」
アンナ「『永遠に0』の貴女にはお似合いです」
ルル「ヒドイ!私だって一応この世界じゃ成人女性なんですよぉ!」
アンナ「成人女性(笑)『ロリの救世主』が聞いて飽きれます」
ルル「私だって微笑ですしぃ!もてるんですからぁ!」
アンナ「その相手は捕縛されましたが(笑)レオナルド殿下も10年後にはロリ疑惑がたちそうです」
ルル「ぐぬぬぬぬぬ!なんか否定できない」orz
0
お気に入りに追加
160
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢アンジェリカの最後の悪あがき
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【追放決定の悪役令嬢に転生したので、最後に悪あがきをしてみよう】
乙女ゲームのシナリオライターとして活躍していた私。ハードワークで意識を失い、次に目覚めた場所は自分のシナリオの乙女ゲームの世界の中。しかも悪役令嬢アンジェリカ・デーゼナーとして断罪されている真っ最中だった。そして下された罰は爵位を取られ、へき地への追放。けれど、ここは私の書き上げたシナリオのゲーム世界。なので作者として、最後の悪あがきをしてみることにした――。
※他サイトでも投稿中
【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい
三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。
そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる