上 下
91 / 94

第70話 侯爵令嬢は最後まで友人を見捨てない

しおりを挟む
「はぁ~はっはっはっはっ!!!」

 戦場に響き渡るはエルゼの高笑い。

「なんだなんだ?」
「気でも狂ったか?」

 突然のエルゼの狂ったような笑い声に周囲の傭兵たちも引き気味だ。

 その顔はどこか狂気に染まった殺戮者のようであった。

「これこそ『酒血肉林』よ!若い男が選り取り見取りだわ!!!」
「それってセレブマダムが男を漁っているみたいですよぉ」

 距離がある安心感からかルルはエルゼの顔を見て他人事にように呟いたが、すぐに他人事ではなくなった。

「くっくっくっくっ腕がなります」
「あっ……こっちも悪い顔してますぅ」

 指をポキポキ鳴らす隣のアンナに身の危険を感じたルルは避難場所を求めてキョロキョロとする。

「やっぱりリリ様の近くが安全そうですぅ」

 ルルはアンナから素早く離れるとリリの方へとトテトテと走り出した。
 ルルがどこか愛嬌のある走り方で近寄ってくるとリリは首を傾げた。

「ルル?アンナの側にいなくて大丈夫なの?」
「いやぁ、あそこは危険ですぅ。ここが安全地帯なのですぅ」

 そう言われてアンナの方を見たリリは「ああ」と納得してしまった。今まさにアンナとエルゼが不穏な空気を垂れ流しにしているところだった。

「ここのところ歯ごたえのない奴らばかりでフラストレーションがマックスです!」

 眼鏡が怪しく光り、背後からゴゴゴゴゴと怒涛のオーラを醸し出すアンナ。

「最近運動不足だったのよね。美容に悪いからちょうどよかったわ」

 にこにこ顔のエルゼだが、その笑顔の奥に何か残忍な色が見えるような気がする。

「エルゼ様?ここは私が広範囲魔術で……」

 2人に任せると相手が可哀想なので、リリは控えめに提案したのだが……

「リリちゃんは戦っちゃだめよ!」
「リリ様では相手を殺してしまいます!」

 即行で拒否されてしまった。
 2人がリリの参戦を拒むのは、決して戦闘ができなくなるからではない。

「さすがにこのレベルの相手なら手加減して一網打尽でき……」
「フレンドリーファイヤーが怖いでしょ?」
「リリ様お下がりください。このような雑魚どもリリ様の手を煩わせるまでもありません」

 2人がリリの助力を遠慮するのは、決して獲物が減るからではない。

「いや、だから私が魔術で一発……」
「ざっと見て200人ほどですか……」
「アンナちゃん!ヒフティーヒフティーだからね」
「そんなの早い者勝ちです!」
「あ!こら!ズルい!」

 もはや聞いていなかった……

 次々と傭兵たちに襲い掛かる2人の暴走を止められず茫然とするリリの肩がポンと叩かれる。

「リリ様、あの2人は野菜の星の戦闘民族なのですぅ。もはや誰にも止められないのですぅ」

 野菜の星ってなに?とリリは思ったが、あの戦闘狂どもを止める手立てがないことだけは理解した。リリたちの視線の先で暴走する黒い悪魔Gと血塗れ狂姫。

「な、なあ……加勢しなくていいのか?」
「馬鹿!ヘタに近づけば殺されるぞ!」

 1人1人は大した使い手ではないとはいえ、さすがに200人もの傭兵を相手にするのは無理だろうとディッケルは常識的に提案したのだが、デイモンはディッケルの腕を引いて止めに入った。

「だけどさすがにあの人数は……」

 デイモンの叱咤に気を取られたのは一瞬だけ。2人の美女に視線を戻してディッケルは言葉を失った。

 既に数十人の傭兵たちで死屍累々の山が築かれていたのだ。

「王宮生活で退屈だったのよぉ。たまには若い子たちと戯れるのも刺激的よねぇ」

 領地で数多の盗賊団を1人で壊滅させてきた血塗れ王妃。

「さあ!私を倒した大型貨物自動車10tトラックの時のような血湧き肉躍る戦いを繰り広げるのです!」

 大型貨物自動車10tトラックに勝負を挑みトラ転した女。

「まあ!『じゅっとんとらっく』という方はアンナを倒したの?凄い方がいるのね」
「いえリリ様、大型貨物自動車10tトラックは人ではなくて、私たちぜんせの世界では普通に道を走り回っておりまして……」
「まあ!ルルやアンナのいた世界はアンナを倒すような生き物が普通に道を走り回っているの?恐ろしい世界なのね」
「うん……もう説明がめんどいや」

 ルルは説明することを放棄した。
 こうしてリリの中ではルルたちの世界はアンナさえ倒される凶悪な世界という認識が定着した。

 ルルが説明に苦慮していた間にも戦場は動いていた。いやもはや戦場とは呼べまい。一方的な虐殺である。

「おらおらおらおら!」
「あ~たたたたたた!」

 手あたり次第に傭兵たちを食い散らかすアンナとエルゼ……
 もはや周囲の傭兵たちは獲物でしかなかった。
 数の優位?
 そんなものこの2人の前には何の意味もない。
 むしろ餌が多いだけ、入れ食い状態、バーサーカーモード突入である。

「あの2人の暴走モードはもはや止まりません」
「そうね」
「確変万発くらい出れば納まるかもしれません」
「何それ?」
「問題は相手が弱すぎて中途半端に終わった場合ですぅ」
「考えたくないわね」

 目の前の光景にリリは現実逃避しそうになった。

「ちょっとアンナちゃん!それ私の獲物よ」

 アンナは団長とおぼしき人物に狙いを定め、血に飢えた獣のように襲い掛かった。美女の方が野獣の様に野獣のような荒くれ者に突撃する様相はシュールだ。

「この中じゃ一番マシそうだったのに!」
「早い者勝ちです!」

 アンナは左手を前に突き出し右腕を腰元に構えた。

「さあいきますよ!この一撃に耐えられたら合格です」
「あ!アンナちゃんその技はダメ!一撃で沈んじゃう!」

 ただの正拳突きの構えのはずである。熟練の傭兵から見ればただのテレフォンパンチ。『黄昏の死鴉』の団長も余裕を持って剣を構えアンナを迎え撃ったのだが……

「バカめ!素手で俺の剣技に勝てるわけ……え!?」

 気がついた時には目の前に眼鏡をかけた侍女の姿が。そして腹に正拳突きを食らっていた。

「ぐはっ!な……んだ?」

 訳が分からない。団長が意識を手放す時に思ったのはそれだけだった。

 ドサリと前のめりに倒れた団長を睥睨してつまらなそうな表情のアンナ。

「この程度で倒れるとは情けない」
「アンナちゃんの今の一撃は私だって完璧にはかわせないのよ!こいつらには無理に決まってるでしょ!」

 技としてはただの正拳突き。しかし、意識を外され繰り出された拳は必殺の一撃。それを目撃したディッケル、レミー、デイモンの3人は絶句した。

「今のはいったい何だ!?」
「化け物がもう1人いたぁ!」
「あれには近づかない方がいいと思う。撤退を推奨」
「だから言ったんだぁぁぁ!あれに関わっちゃなんねぇって!」

 デイモンの絶叫にディッケルは乾いた笑いしかできなかった。

「あれは確かに無理だな。どう足掻いても勝てる気がしない……」

 3人の視線の先は阿鼻叫喚の地獄絵図であった。

「とにかく今はあの2人が味方であったことを幸運と思うか」
「俺はもう逃げたいよ」

 茫然とする3人を他所にアンナとエルゼは争うように男たちに襲い掛かっていた。

「何ですか!?弱すぎでしょう!」
「ア、アンナちゃん、もうちょっとスローダウンして!あっと言う間に終わっちゃう」
「強いヤツはいねぇがぁ!」
「さっきアンナちゃんが一撃で沈めちゃったでしょ!やり過ぎよ!」
「王妃殿下こそ生け捕りの予定なのに相手を殺しているじゃないですか!」
「失礼なこと言わないで!ちゃんと生きてるわよ!ほっといたら死ぬけど……」
「それもう虫の息でしょう!半殺しどころか9割死んでますよ!」

 戦闘開始からほとんど時間が経っていない。なのに100人以上は倒され、団長も既に倒され白目を剝いている。『黄昏の死鴉』の団員たちは戦々恐々となった。

「うわぁぁぁ!」
「なんだこいつら!」
「ば、化け物だ!」

 もう統率もとれていない傭兵たちは三々五々と散らばって逃げ出した。

「あ!逃げる!」
「漢なら戦えぇ!」

 逃げ惑う傭兵たちを追剥ぎよろしく追いかけ回す2人。

「逃げるなぁ!卑怯者ぉ!」
「命果てるまで戦えぇ!」

 アンナやエルゼが逃げる傭兵たちの背後から首根っこを掴むたび、ビリビリと衣服や鎧が引き裂かれ、裸にされた男たちが悲鳴を上げた。

「きゃ~」
「いや~」
「やめて~」
「おたすけ~」
「かあちゃぁぁぁん!」
「おれ本当は童貞はじめてなの!ゆるしてぇ~」
「ごめんなさ!強がってましたぁ!自分も未経験者どうていであります!」

 泣き叫ぶ男たちの命乞いなど2人には関係ない。

「誰でも初めてを経験するのです!」
「痛いのは最初だけよ!」
「あのぉ俺たちの部下や近衛の連中が周囲を囲んでいるから逃がしはしませんぜ?」

 鬼の形相で傭兵たちを追いかけ回すアンナとエルゼにディッケルは恐々こわごわと2人を制止するが、アンナとエルゼの鬼気迫る顔を向けられて縮こまった。

「馬鹿ですか!逃がす逃がさないの問題ではありません!」
「そうよぉ。獲物の取り分の話なんだから」

 2人の凶宴うたげはまだまだ終わりそうにない。

 もうあの2人は放っておこうと決め、リリはゲルハルトと対峙した。

「ゲルハルト・コラーディン!私は貴方を許すつもりはありません……」
「生意気な小娘が!」

 ゲルハルトがリリに掴みかかろうとしたが、リリは軽く躱して手首を取ると捻り上げた。

「いた!いたたたたた!」

 情けない声を上げるゲルハルトをデイモンの方へと突き飛ばせば、すぐに意を汲んでデイモンはゲルハルトを組み敷いた。逃げようとしたベルクルドはすでにレミーに取り押さえられている。

「……許せませんが、私には貴方に報復するよりも大切なものがあるのです」
「きゃ!」

 リリはマリーの細い腰をグイッと引き寄せると可愛い悲鳴をマリーが上げた。そのマリーを安心させるようにリリはいつもの穏やかな微笑みを湛える。

「私の大事な優しい親友の願いを叶えることです」
「リリーエン様……」

 潤んだ瞳でリリを見詰めるマリーから目を離すと、再び地に伏すゲルハルトを睥睨した。

「ゲルハルト・コラーディン!貴方を殺しはしない。マリーを悲しませたくはありませんから。ですが、一切の権限を剥奪され田舎で生涯を終えることになるでしょう」
「こ、小娘が!私は必ず……いた!」

 呪詛を吐きそうなゲルハルトの頭をルルがポコリと可愛く叩いてゲルハルトを黙らせた。

「これで一件落着ですぅ」

 ルルが終結を宣言すると、リリは愉快そうに笑って頷いた。

「だけどあちらは収集がつきそうにありませんね」

 苦笑いしているリリの視線を全員が追うと、アンナとエルゼが憤懣ふんまんやる方なしといった様相で言い争いをしていた。

「全くもって不本意です!」
「アンナちゃんは獲物を横取りしてたじゃない!」
「あんなの数の内に入りません!」
「あれだけの人数がいたのに満足できなかったわ!」
「期待しただけに却って欲求が不満で爆発しそうです!」
「再戦を要求するわ!」
「しかしもう相手がいません」
「ねえアンナちゃん……あれは?」

 エルゼの視線にアンナが追随した先には赤髪の団長ディッケルがびくりと体を震わせていた。ディッケルは逃げようと試みたが、一瞬のうちにアンナとエルゼという2人の美女に肉迫された。

「貴方!報告ではかなり使えるそうね」
「小さな傭兵団ながら皆一様に使い手だとか」
「良い事を思いつきました!貴方たち、もう一度コラーディン側につきなさい!」
「いい案です。こんな雑魚どもより骨がありそうです」

 美女2人の頼みといえど、死刑宣告に近い提案など飲めるはずもない。ディッケルは首をブンブン横に振った。

「こんな化け物どもを相手にできるかぁぁぁ!!!」

 哀れな傭兵の悲痛の叫びが響き渡った……

「だから関わらない方がいいって言ったんだ」
「撤退を推奨」

 自分たちの団長の不幸を目の当たりにしている団員たちは諦めの表情だった。

「ぷぷっ!」
「ふふふ!」
「くすくす」

 そんな混沌とした状況に逆に可笑しさを覚えたリリ、ルル、マリーの3人の少女たちは思わず声を出して笑った。楽しそうな少女たちの愛らしい笑い声が戦場となった殺伐とした空間を優しく包み込んだ……


 リリは友達を傷つける者を許さない。だけどそれより大切なものは友人の願いと笑顔を守ること……


~~~~~後書きコント~~~~~


ルル「『黄昏の死鴉』団はホントに死にかけ黄昏ちゃいましたねぇ」
アンナ「憐れな鴉どもです」
ルル「張本人が何を他人事みたいに」
アンナ「私はリリ様の敵を可及的速やか且つ冷静に排除しただけですよ?」
ルル「明らかに自分の欲望のためにしか見えませんでしたよ。それに冷静というより狂気を感じましたぁ」
アンナ「血に飢えた獣のようでしたか?」
ルル「いえ男に飢えたケダモノのようでしたぁ」
アンナ「私は漢に飢えても男には飢えませんよ?」
ルル「漢って……そう言えば一番強そうな傭兵団長を倒した技って最初に襲撃を受けた時に使っていたやつですよね?」
アンナ「ああ『アンナストラッシュ』ですか?」
ルル「え!?あれが!ただの正拳突きじゃないですかぁ!」
アンナ「確かに出した技は正拳突きですが、重要なのはそのへ至る過程です」
ルル「それじゃあ『歩法』と機を外すのが『アンナストラッシュ』なんですかぁ?」
アンナ「まあ、それだけではありませんが、ぶっちゃけるとそうです。なので、刀なら刺突で喉を突き、斧鉞なら薙ぎ払って首を狩り、長弓なら相手が気がつく前に脳天を貫き、薙刀なら……」
ルル「もういいです!もういいです!もういいですぅ!なんでそんなに物騒なんですかぁ!?」
しおりを挟む
感想 46

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。 「…私、間違ってませんわね」 曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話 …だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている… 5/13 ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます 5/22 修正完了しました。明日から通常更新に戻ります 9/21 完結しました また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

悪役令嬢は所詮悪役令嬢

白雪の雫
ファンタジー
「アネット=アンダーソン!貴女の私に対する仕打ちは到底許されるものではありません!殿下、どうかあの平民の女に頭を下げるように言って下さいませ!」 魔力に秀でているという理由で聖女に選ばれてしまったアネットは、平民であるにも関わらず公爵令嬢にして王太子殿下の婚約者である自分を階段から突き落とそうとしただの、冬の池に突き落として凍死させようとしただの、魔物を操って殺そうとしただの──・・・。 リリスが言っている事は全て彼女達による自作自演だ。というより、ゲームの中でリリスがヒロインであるアネットに対して行っていた所業である。 愛しいリリスに縋られたものだから男としての株を上げたい王太子は、アネットが無実だと分かった上で彼女を断罪しようとするのだが、そこに父親である国王と教皇、そして聖女の夫がやって来る──・・・。 悪役令嬢がいい子ちゃん、ヒロインが脳内お花畑のビッチヒドインで『ざまぁ』されるのが多いので、逆にしたらどうなるのか?という思い付きで浮かんだ話です。

処理中です...