35 / 94
第25話 侯爵令嬢は襲撃される(変態侍女のターン)
しおりを挟む
ルルの前世の記憶にある『しろくろ』にも魔天の名前は出てくる。しかし、リリが語るそれとは設定が若干違っているようだった。
──『八魔天』?ゲームじゃ『七魔天』だったはず。それに『ギベン・デルネラ』なんて魔天の中にいなかった……もしかして転生者!?
半世紀前から活躍している定型文の提案者にして魔天の1人ギベン・デルネラはルルの予想通り転生者である。定型文以外にも現代科学を応用した魔術を考案し、10年ほど前に開発した『顕微魔術』と彼の医療知識がこの世界の医術方面を大きく飛躍させた。
現在、ウィルス感染症はまだ無理だが細菌感染症であれば魔術による治療が可能になっており、また解剖の知識が広まり始めており、今後まだまだ多くの傷病が治療できるようになることが予測できる分野でもある。
「これで大丈夫ね」
御者は一命をとりとめたようで驚愕のルルもほっとしたのも束の間、ルルをさらに驚かす事態がアンナの方で起きていた。
アンナが襲撃者に囲まれていたのだ。
「ちょ、ちょっとアンナさん!?」
「慌てないで。大丈夫よ」
そっとリリはルルの手を握る。
「で、でも囲まれて……あっ!リリ様なら魔術であんな連中を」
「落ち着いてルル。乱戦の状態に魔術はかえって危険よ。アンナなら大丈夫」
縋ってきたルルにそう言うとリリはクスクスと笑い出した。
「アンナのこと心配してくれているのね。アンナのこと好きになった?」
「え!?……あっ……うっ……」
ルルは顔を真っ赤にして誤魔化すようにアンナの方に視線を向けた。それを微笑ましそうに見たのちリリもアンナの観戦をしつつ……
──周囲にまだ何人か隠れていますね
自分たちの周りに気を配ることも忘れなった。
一方アンナは短剣を持つ4人の覆面の男たちに囲まれていたが、取り乱す様子もなくいつのも不愛想な顔で構えることなく立っていた。恐ろしいまでの自然体で。
──この4人以外に人が配置されていますね。街中で人がやってこないのはそのせいですか。
しかし、ここは貴族街に近い。時間をかければ警邏の騎士たちが異常を察知して飛んでくるだろう。
──こいつらには時間が無い。狙いはおそらくリリ様かルル。あるいはその両方か……
ならば自分をできるだけ早く排除したいはず。とアンナは表面上全く素振りを見せずに4人の挙動を注意深く捉えていた。
予測どおり、男たちはすぐに行動に移した。
男たちは視線でアイコンタクトを取ると示し合わせたように左前方と右後方の2人が同時に短剣を振るってきた。
と、アンナは右足をスッと引いた。たったそれだけだ。体幹の角度が僅かにずれ、相手の襲ってくる方向が変化する。
アンナは右から短剣を振り下ろしてきた相手の手を素早く掴み、軽く捻りながら2、3歩動いただけの様に見えたが左から襲ってきた男に対して手を捻り上げた男を盾にしていた。ほんの一瞬のできことだ。
「がぁ!」
「くそっ!」
手を捻り上げられた男はあまりの痛みに呻き短剣を話して離脱した。仲間を盾にされた男の方も舌打ちしていったん引き下がった。
「え?なに今の?」
ルルには訳がわからない。アンナは特別速く動いたわけではない。むしろゆっくりな動きに見えたし、動いた範囲もほんの僅かだった。なのに一瞬のうちに2人の男の襲撃を防いだのだ。
「私にもよく分からないのだけれど、エルゼ様がおっしゃるにはアンナは足の運びが独特なのだそうよ。エルゼ様もかなり驚いていらっしゃったわ。アンナに尋ねたら『ほほう』って言っていたわね」
「ほほう?」
「侍女服のスカートは長いから足が隠れていっそう動きが分かりずらいのよね」
リリの言うとおりで、男たちからすれば距離が近い分だけアンナの動きが理解できなかった。けっして速い動きではなかった。なのに何をされたか全く見えない。魔法でも使われたのかと思うほどだ。
──短剣を振りかぶってくるなど落第です。殺しにくるなら4人同時に突いてくるべきです。
そんな彼らを見ながらアンナには余裕がかなりあった。
──暗殺には慣れていない。傭兵か冒険者崩れですね。チンピラよりマシというレベルですか。つまらない。なんだか面倒くさくなってきました。
観察していたアンナの雰囲気が変わった。その気配をリリはすぐに感じ取った。
「あ……アンナ、面倒になったのね」
「え?面倒にですか?」
「ええ、たぶん脳筋にかわっちゃったわね」
「はい?脳筋ですか……」
「アンナは凄く優秀なんだけど、戦闘面では繊細な動きするのに性格が大雑把になるのよねぇ」
リリとルルが見守る視線の先のアンナの両手の指ぬきグローブに魔術言語が浮かんだ。夥しい数の魔術言語だ。
何か仕掛けてくる!
男たちも警戒した。が、それは無意味だった。
「ぐぁ!」
「な!ぶふぉ!」
2人の男たちが沈んだ……
────[襲撃者A]────
警戒していた。
間違いなくこの無表情な侍女を見ていた。そのはずだった。
だが、気がついたら侍女が仲間の前にいた。いや目では追えていたはずなのだ。
あの女の上半身はまったくブレることなく長いスカートで足が隠れているせいか、まるで幽霊がすっと動いてきたかのような感じだ。
いきなり仲間が間合いを詰められたのだ。体が反応しなかった。
理由は分からない。
そしてその侍女の一撃。あり得ない。
2人の仲間がそれぞれ左右の拳の一撃で沈んだ。
それ程強い打撃には見えなかった。
軽く腕を出したようにしか見えなかった。
じっさいに2人とも吹き飛んだりせず殴られたその場で泡を吹いて倒れたのだ。
おかしい!防御結界は機能していないのか?
大型魔獣の一撃だって余裕で防ぐ結界をはる魔道具だったはず。
なんだこれは!意味が分からない。
この時、俺は悟った。こいつに関わってはいけなかったと。
こいつは人じゃない!
こいつは人の形をした……人ではない何かだ!!
化け物?
そんな生やさしいものではない。
ダメだ!ダメだ!ダメだ!!
こいつに触れてはいけなかった!
貴族の令嬢を攫うだけの簡単な仕事?
いつもか弱い侍女しか側にいないから楽勝?
ふざけるな!こいつはそんな生やさしい奴じゃない!
こんな依頼受けるべきじゃなかった!!
俺が未知の恐怖に慄いた瞬間、隣にいた最後の仲間も倒れ伏し、
そして俺も……ドンッ!!!
──────────―(ブラックアウト)
「な、なんですかあれ!相手まったく動けなかったですよ!?」
「意識を外されたのね。アンナに聞いただけで私もよく分からないのだけれど、人間どんなに意識していても反応できない瞬間があるんですって、特に身構えている体が固まっているときは顕著だって言っていたわね」
「よく分かりませんが……で、あの一撃はなんなんです?」
「あの一撃はね魔道具の手袋によるもの。アンナ専用脳筋仕様になっているの。防御不能の絶対物理の打撃を出すのよ。どんな防御結界も一撃で粉砕しちゃうの」
「なんですかそれ!?反則じゃないですか!!」
「でも膨大な魔術言語を必要とするから魔力消費量が半端ないのよ。しかもほとんど一瞬しか効果がないの。欠陥品って言われていてね。あの魔道具まともに使えるのはアンナだけなの」
「リリ様やエルゼ様でも無理なんですか?」
「私では使い熟せる程の体術がないし、エルゼ様では魔力保持容量が足りないの」
「も、もしかしてアンナさん最強?」
「まあ、私なら魔術で遠距離攻撃するわね。アンナは自分の内包魔力を全て物理に変えちゃう脳筋さんなのよ」
アンナは周囲の気配を探って残りの襲撃者が逃げたのを察知するとリリの元に戻ってきた。
「脳筋は言い過ぎですリリ様。相手の意識を外す歩法、機を読み魔術のタイミングを測る目、そして打撃の力を100%相手に叩き込む技あってです。殴った相手はその場で倒れましたでしょう?」
「なんか軽く殴ったように見えました」
「打撃力が全て乗りましたからね。我ながら素晴らしい一撃でした。相手が後ろではなく僅かに前に倒れるのがポイントです」
なんだかいつもよりアンナが生き生きしているなとルルは思った。自分の技について語る声はいつもより抑揚があるし、それに無表情のアンナの顔が少し上気しているような気がした。
だからルルは断定した。
──間違いない。アンナさんは真正の脳筋です!
リリは突然の強襲でも困らない。頼もしい侍女が傍にいるから……
~~~~~後書きコント~~~~~
ルル「うわぁアンナさん強いですねぇ!」
アンナ「それ程のことはありますよ」
ルル「いや普通4人に囲まれたら達人でも対処できないはずですが」
アンナ「相手が雑魚すぎなんですよ」
ルル「だけどせっかく格好良く戦い始めたんだから最後まで持続してくださいよ」
アンナ「いやぁなんだか面倒くさくなりまして」
ルル「はぁ……(意外と大雑把な人だな)」
アンナ「できれば血肉湧き踊るような強者と闘いたいものです」
ルル「はぁ……(ホントに脳筋なんだな)」
──『八魔天』?ゲームじゃ『七魔天』だったはず。それに『ギベン・デルネラ』なんて魔天の中にいなかった……もしかして転生者!?
半世紀前から活躍している定型文の提案者にして魔天の1人ギベン・デルネラはルルの予想通り転生者である。定型文以外にも現代科学を応用した魔術を考案し、10年ほど前に開発した『顕微魔術』と彼の医療知識がこの世界の医術方面を大きく飛躍させた。
現在、ウィルス感染症はまだ無理だが細菌感染症であれば魔術による治療が可能になっており、また解剖の知識が広まり始めており、今後まだまだ多くの傷病が治療できるようになることが予測できる分野でもある。
「これで大丈夫ね」
御者は一命をとりとめたようで驚愕のルルもほっとしたのも束の間、ルルをさらに驚かす事態がアンナの方で起きていた。
アンナが襲撃者に囲まれていたのだ。
「ちょ、ちょっとアンナさん!?」
「慌てないで。大丈夫よ」
そっとリリはルルの手を握る。
「で、でも囲まれて……あっ!リリ様なら魔術であんな連中を」
「落ち着いてルル。乱戦の状態に魔術はかえって危険よ。アンナなら大丈夫」
縋ってきたルルにそう言うとリリはクスクスと笑い出した。
「アンナのこと心配してくれているのね。アンナのこと好きになった?」
「え!?……あっ……うっ……」
ルルは顔を真っ赤にして誤魔化すようにアンナの方に視線を向けた。それを微笑ましそうに見たのちリリもアンナの観戦をしつつ……
──周囲にまだ何人か隠れていますね
自分たちの周りに気を配ることも忘れなった。
一方アンナは短剣を持つ4人の覆面の男たちに囲まれていたが、取り乱す様子もなくいつのも不愛想な顔で構えることなく立っていた。恐ろしいまでの自然体で。
──この4人以外に人が配置されていますね。街中で人がやってこないのはそのせいですか。
しかし、ここは貴族街に近い。時間をかければ警邏の騎士たちが異常を察知して飛んでくるだろう。
──こいつらには時間が無い。狙いはおそらくリリ様かルル。あるいはその両方か……
ならば自分をできるだけ早く排除したいはず。とアンナは表面上全く素振りを見せずに4人の挙動を注意深く捉えていた。
予測どおり、男たちはすぐに行動に移した。
男たちは視線でアイコンタクトを取ると示し合わせたように左前方と右後方の2人が同時に短剣を振るってきた。
と、アンナは右足をスッと引いた。たったそれだけだ。体幹の角度が僅かにずれ、相手の襲ってくる方向が変化する。
アンナは右から短剣を振り下ろしてきた相手の手を素早く掴み、軽く捻りながら2、3歩動いただけの様に見えたが左から襲ってきた男に対して手を捻り上げた男を盾にしていた。ほんの一瞬のできことだ。
「がぁ!」
「くそっ!」
手を捻り上げられた男はあまりの痛みに呻き短剣を話して離脱した。仲間を盾にされた男の方も舌打ちしていったん引き下がった。
「え?なに今の?」
ルルには訳がわからない。アンナは特別速く動いたわけではない。むしろゆっくりな動きに見えたし、動いた範囲もほんの僅かだった。なのに一瞬のうちに2人の男の襲撃を防いだのだ。
「私にもよく分からないのだけれど、エルゼ様がおっしゃるにはアンナは足の運びが独特なのだそうよ。エルゼ様もかなり驚いていらっしゃったわ。アンナに尋ねたら『ほほう』って言っていたわね」
「ほほう?」
「侍女服のスカートは長いから足が隠れていっそう動きが分かりずらいのよね」
リリの言うとおりで、男たちからすれば距離が近い分だけアンナの動きが理解できなかった。けっして速い動きではなかった。なのに何をされたか全く見えない。魔法でも使われたのかと思うほどだ。
──短剣を振りかぶってくるなど落第です。殺しにくるなら4人同時に突いてくるべきです。
そんな彼らを見ながらアンナには余裕がかなりあった。
──暗殺には慣れていない。傭兵か冒険者崩れですね。チンピラよりマシというレベルですか。つまらない。なんだか面倒くさくなってきました。
観察していたアンナの雰囲気が変わった。その気配をリリはすぐに感じ取った。
「あ……アンナ、面倒になったのね」
「え?面倒にですか?」
「ええ、たぶん脳筋にかわっちゃったわね」
「はい?脳筋ですか……」
「アンナは凄く優秀なんだけど、戦闘面では繊細な動きするのに性格が大雑把になるのよねぇ」
リリとルルが見守る視線の先のアンナの両手の指ぬきグローブに魔術言語が浮かんだ。夥しい数の魔術言語だ。
何か仕掛けてくる!
男たちも警戒した。が、それは無意味だった。
「ぐぁ!」
「な!ぶふぉ!」
2人の男たちが沈んだ……
────[襲撃者A]────
警戒していた。
間違いなくこの無表情な侍女を見ていた。そのはずだった。
だが、気がついたら侍女が仲間の前にいた。いや目では追えていたはずなのだ。
あの女の上半身はまったくブレることなく長いスカートで足が隠れているせいか、まるで幽霊がすっと動いてきたかのような感じだ。
いきなり仲間が間合いを詰められたのだ。体が反応しなかった。
理由は分からない。
そしてその侍女の一撃。あり得ない。
2人の仲間がそれぞれ左右の拳の一撃で沈んだ。
それ程強い打撃には見えなかった。
軽く腕を出したようにしか見えなかった。
じっさいに2人とも吹き飛んだりせず殴られたその場で泡を吹いて倒れたのだ。
おかしい!防御結界は機能していないのか?
大型魔獣の一撃だって余裕で防ぐ結界をはる魔道具だったはず。
なんだこれは!意味が分からない。
この時、俺は悟った。こいつに関わってはいけなかったと。
こいつは人じゃない!
こいつは人の形をした……人ではない何かだ!!
化け物?
そんな生やさしいものではない。
ダメだ!ダメだ!ダメだ!!
こいつに触れてはいけなかった!
貴族の令嬢を攫うだけの簡単な仕事?
いつもか弱い侍女しか側にいないから楽勝?
ふざけるな!こいつはそんな生やさしい奴じゃない!
こんな依頼受けるべきじゃなかった!!
俺が未知の恐怖に慄いた瞬間、隣にいた最後の仲間も倒れ伏し、
そして俺も……ドンッ!!!
──────────―(ブラックアウト)
「な、なんですかあれ!相手まったく動けなかったですよ!?」
「意識を外されたのね。アンナに聞いただけで私もよく分からないのだけれど、人間どんなに意識していても反応できない瞬間があるんですって、特に身構えている体が固まっているときは顕著だって言っていたわね」
「よく分かりませんが……で、あの一撃はなんなんです?」
「あの一撃はね魔道具の手袋によるもの。アンナ専用脳筋仕様になっているの。防御不能の絶対物理の打撃を出すのよ。どんな防御結界も一撃で粉砕しちゃうの」
「なんですかそれ!?反則じゃないですか!!」
「でも膨大な魔術言語を必要とするから魔力消費量が半端ないのよ。しかもほとんど一瞬しか効果がないの。欠陥品って言われていてね。あの魔道具まともに使えるのはアンナだけなの」
「リリ様やエルゼ様でも無理なんですか?」
「私では使い熟せる程の体術がないし、エルゼ様では魔力保持容量が足りないの」
「も、もしかしてアンナさん最強?」
「まあ、私なら魔術で遠距離攻撃するわね。アンナは自分の内包魔力を全て物理に変えちゃう脳筋さんなのよ」
アンナは周囲の気配を探って残りの襲撃者が逃げたのを察知するとリリの元に戻ってきた。
「脳筋は言い過ぎですリリ様。相手の意識を外す歩法、機を読み魔術のタイミングを測る目、そして打撃の力を100%相手に叩き込む技あってです。殴った相手はその場で倒れましたでしょう?」
「なんか軽く殴ったように見えました」
「打撃力が全て乗りましたからね。我ながら素晴らしい一撃でした。相手が後ろではなく僅かに前に倒れるのがポイントです」
なんだかいつもよりアンナが生き生きしているなとルルは思った。自分の技について語る声はいつもより抑揚があるし、それに無表情のアンナの顔が少し上気しているような気がした。
だからルルは断定した。
──間違いない。アンナさんは真正の脳筋です!
リリは突然の強襲でも困らない。頼もしい侍女が傍にいるから……
~~~~~後書きコント~~~~~
ルル「うわぁアンナさん強いですねぇ!」
アンナ「それ程のことはありますよ」
ルル「いや普通4人に囲まれたら達人でも対処できないはずですが」
アンナ「相手が雑魚すぎなんですよ」
ルル「だけどせっかく格好良く戦い始めたんだから最後まで持続してくださいよ」
アンナ「いやぁなんだか面倒くさくなりまして」
ルル「はぁ……(意外と大雑把な人だな)」
アンナ「できれば血肉湧き踊るような強者と闘いたいものです」
ルル「はぁ……(ホントに脳筋なんだな)」
0
お気に入りに追加
159
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
【完結】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる