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第19話 侯爵令嬢はお友達に浮かれる
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そして、今リリは友人とランチをしている。
──お友達……何という甘美な響き
リリは完全無欠に浮かれていた。
その浮かれ具合は……
「マリー」
「何ですの?」
「ふふふマリー」
「んもう。だから何なんですの」
「えへへ、マリーって呼んでみたかっただけ」
「ルルったらもう」
愛称を呼び合える初めての友人にリリは歓喜で崩壊気味だ。マリーの方も少し怒った様な雰囲気を見せながらも顔を真っ赤にしてまんざらでもなさそうだ。間違いなくツンデレだ。
確かに微笑ましいのだが、まるで甘々の(バ)カップルがイチャイチャしているかの様相にカーラもサラも呆れ顔になった。見せられる方はたまったものではない。
「2人とも仲良くなれて嬉しいのは分かったから」
「んふふふ」
「わ、私は別にそれ程のことはありませんわ」
顔にはそれほど出していないのに緩み切った感情が見て取れるリリに対し、顔の火照りで朱のさした顔をツーンと背けながらも口元がユルユルのマリーはまごうことなきツンデレだ。
「だけど教室でマリーがルルに声を掛けた時はどうなるかと思ったわ」
「私も~ひやひやしました~」
「まさかルルがあんな切り返しをしてくるなんて」
教室での教科書騒動の一件の顛末を思い出してカーラとサラはクスクス笑い出した。
「マリーの胸のおかげで~ほんと教室内がなごみました~」
「む、胸のことはおっしゃらないでくださいまし!」
「だけどマリーの胸はどうしたの?あきらかに大きさが今までと違うわ」
「あ、それは~私も思いました~」
そう言えばクラス中マリーの胸を初めて見たかのような素振りだった。
もう半年近くも一緒にいるはずなのに今まで気がつかないのはおかしい。
「あ、これですの?今まではサラシを巻いていたのですわ」
マリーは自分の胸を両手で少し持ち上げると、その大きな果実が強調され食堂の男子生徒たちの注目を集めた。もちろんすぐにカーラの冷たく鋭い視線を浴びて全員その胸から名残惜しそうに目を逸らしたが。
「サラシをですか~?」
「はい。学園での異性の視線があまりに……それでいつもはサラシを巻いて貰っていたのですが、先ほどの実論の時間での持久走で緩んでしまったのですわ」
「自分で巻ききれなかったのね」
「はい。ルルの制服が気になって時間を取られたせいもありますわ」
「もっときつく巻いて貰えばよかったのよ」
「最近また大きくなって、これ以上は無理ですわ」
「くっ!う、うらやましくなんて」
リリは3人の会話を黙って聞きながらじーっとマリーの胸を凝視していた。
―――ぽよんぽよんです。なんでしょう?すごく魅惑的です。
その美味しそうで気持ちよさそうな巨大な双丘にリリの心は奪われ、その魅力に抗うことが困難になってきた。というより抗う気持ちは毛頭ない!
「えい!」
「きゃ!」
リリはマリーの右胸を思いっきり揉み拉いた。
「ふにふにです!なんですかこれ!気持ちがいいです!!」
驚愕のふわふわ感!
リリは虜になった。
「何やっているのよルルは」
「こ、これは!手が沈みます!ふおぉぉぉ!マリーの中、柔らかくて暖かい。蕩けそうです。何と甘美な。癖になりそうです!むむ、殿方が大きいのを好むのが分かるような気がします」
「ルルやめ!あっ……ダメ!」
「……き、気持ちいいの?」
実況を始めるリリに呆れ顔だったカーラもリリの手元の沈み具合が次第に気になり始めたのか、便乗してリリの揉んでいる側とは逆の胸をツンツンと指で突き始めた。
「なっ!ホント柔らかすぎ!」
「ちょ!貴女たち何をするんですの!……ん、やっ、あん!?」
「え~私にも触らせてください~」
2人のじゃれつきとマリーの色っぽい声にサラも触発されたのかサラは座っているマリーに近づくと、その背後から両手で両胸をガシッと鷲掴みした。
サラはいつもゆったりとした口調で大人しそうな顔をしているが、この中で1番大胆である。
「うわ~なんですか~この触り心地~!癖になります~」
「み、皆さんいい加減にしてくださいまし!……ふぁ、んぁ、くっ!」
あまりの突飛な行動とマリーの同世代と思えない艶姿に食堂の(男性陣の)視線は釘付けだ。
かなり注目を浴びたが、カーラとサラがマリーの胸に魅了されているうちにリリはとっくに3人から離れて素知らぬ顔である。結構ひどい……
「ちょっと!ルルが最初に揉みだしたくせに、なに他人の振りしてるの!?」
「ルルさんて~結構いい性格~してますよね~」
「2人ともいつまで私の胸を掴んでいるんですの!」
2人が十分堪能してやっと解放されたマリーは、はぁはぁ息を荒げながら胸を両腕で隠して涙目だ。
カーラとサラはそんな様子に声をたてて笑った。口を尖らしたマリーだったがそんな2人の様子につられて、「もう」と言いながらも両頬を手で覆いながら少し口元が緩んでいた。
その後4人は顔を見合わせて貴族女性らしからぬ笑い声をあげた。
リリはハードな妃教育でも困らない。おかげで友達ができたから……
~~~~~後書きコント~~~~~
ルル「やっぱりリリ様には友達がいなかったのですねぇ」
アンナ「貴女も他人のことは言えないでしょう」
ルル「いやだから私にはちゃんと友達はいますぅ」
アンナ「エア友達の話はもういいです」
ルル「どうして信じないんですかぁ!?」
アンナ「貴女のエア友達や動物舎の心の友の話よりもリリ様のご学友の話の方が重要です」
ルル「なんか納得しかねますが、まあ私も気にはなります」
アンナ「なんですか!あの羨まけしからん女は!?」
ルル「しかもリリ様のお母さん以上のツンデレですぅ!逸材ですぅ!」
アンナ「悪役令嬢っぽい美女でツンデレ爆乳!しかもアホの娘……」
ルル「作者どんだけ属性をぶっこむつもりですかぁ!?」
アンナ「1人で属性フォーカードとは」
ルル「いけません!私の存在感が薄くなりそうです」
アンナ「……まあたぶん大丈夫でしょう」
ルル「え?ホントですかぁ?」
アンナ「貴女の属性はポンコツですから」
ルル「そっかぁ属性が被ってないのかぁ。よかった私ポンコツ……じゃありませんよぉ!」
──お友達……何という甘美な響き
リリは完全無欠に浮かれていた。
その浮かれ具合は……
「マリー」
「何ですの?」
「ふふふマリー」
「んもう。だから何なんですの」
「えへへ、マリーって呼んでみたかっただけ」
「ルルったらもう」
愛称を呼び合える初めての友人にリリは歓喜で崩壊気味だ。マリーの方も少し怒った様な雰囲気を見せながらも顔を真っ赤にしてまんざらでもなさそうだ。間違いなくツンデレだ。
確かに微笑ましいのだが、まるで甘々の(バ)カップルがイチャイチャしているかの様相にカーラもサラも呆れ顔になった。見せられる方はたまったものではない。
「2人とも仲良くなれて嬉しいのは分かったから」
「んふふふ」
「わ、私は別にそれ程のことはありませんわ」
顔にはそれほど出していないのに緩み切った感情が見て取れるリリに対し、顔の火照りで朱のさした顔をツーンと背けながらも口元がユルユルのマリーはまごうことなきツンデレだ。
「だけど教室でマリーがルルに声を掛けた時はどうなるかと思ったわ」
「私も~ひやひやしました~」
「まさかルルがあんな切り返しをしてくるなんて」
教室での教科書騒動の一件の顛末を思い出してカーラとサラはクスクス笑い出した。
「マリーの胸のおかげで~ほんと教室内がなごみました~」
「む、胸のことはおっしゃらないでくださいまし!」
「だけどマリーの胸はどうしたの?あきらかに大きさが今までと違うわ」
「あ、それは~私も思いました~」
そう言えばクラス中マリーの胸を初めて見たかのような素振りだった。
もう半年近くも一緒にいるはずなのに今まで気がつかないのはおかしい。
「あ、これですの?今まではサラシを巻いていたのですわ」
マリーは自分の胸を両手で少し持ち上げると、その大きな果実が強調され食堂の男子生徒たちの注目を集めた。もちろんすぐにカーラの冷たく鋭い視線を浴びて全員その胸から名残惜しそうに目を逸らしたが。
「サラシをですか~?」
「はい。学園での異性の視線があまりに……それでいつもはサラシを巻いて貰っていたのですが、先ほどの実論の時間での持久走で緩んでしまったのですわ」
「自分で巻ききれなかったのね」
「はい。ルルの制服が気になって時間を取られたせいもありますわ」
「もっときつく巻いて貰えばよかったのよ」
「最近また大きくなって、これ以上は無理ですわ」
「くっ!う、うらやましくなんて」
リリは3人の会話を黙って聞きながらじーっとマリーの胸を凝視していた。
―――ぽよんぽよんです。なんでしょう?すごく魅惑的です。
その美味しそうで気持ちよさそうな巨大な双丘にリリの心は奪われ、その魅力に抗うことが困難になってきた。というより抗う気持ちは毛頭ない!
「えい!」
「きゃ!」
リリはマリーの右胸を思いっきり揉み拉いた。
「ふにふにです!なんですかこれ!気持ちがいいです!!」
驚愕のふわふわ感!
リリは虜になった。
「何やっているのよルルは」
「こ、これは!手が沈みます!ふおぉぉぉ!マリーの中、柔らかくて暖かい。蕩けそうです。何と甘美な。癖になりそうです!むむ、殿方が大きいのを好むのが分かるような気がします」
「ルルやめ!あっ……ダメ!」
「……き、気持ちいいの?」
実況を始めるリリに呆れ顔だったカーラもリリの手元の沈み具合が次第に気になり始めたのか、便乗してリリの揉んでいる側とは逆の胸をツンツンと指で突き始めた。
「なっ!ホント柔らかすぎ!」
「ちょ!貴女たち何をするんですの!……ん、やっ、あん!?」
「え~私にも触らせてください~」
2人のじゃれつきとマリーの色っぽい声にサラも触発されたのかサラは座っているマリーに近づくと、その背後から両手で両胸をガシッと鷲掴みした。
サラはいつもゆったりとした口調で大人しそうな顔をしているが、この中で1番大胆である。
「うわ~なんですか~この触り心地~!癖になります~」
「み、皆さんいい加減にしてくださいまし!……ふぁ、んぁ、くっ!」
あまりの突飛な行動とマリーの同世代と思えない艶姿に食堂の(男性陣の)視線は釘付けだ。
かなり注目を浴びたが、カーラとサラがマリーの胸に魅了されているうちにリリはとっくに3人から離れて素知らぬ顔である。結構ひどい……
「ちょっと!ルルが最初に揉みだしたくせに、なに他人の振りしてるの!?」
「ルルさんて~結構いい性格~してますよね~」
「2人ともいつまで私の胸を掴んでいるんですの!」
2人が十分堪能してやっと解放されたマリーは、はぁはぁ息を荒げながら胸を両腕で隠して涙目だ。
カーラとサラはそんな様子に声をたてて笑った。口を尖らしたマリーだったがそんな2人の様子につられて、「もう」と言いながらも両頬を手で覆いながら少し口元が緩んでいた。
その後4人は顔を見合わせて貴族女性らしからぬ笑い声をあげた。
リリはハードな妃教育でも困らない。おかげで友達ができたから……
~~~~~後書きコント~~~~~
ルル「やっぱりリリ様には友達がいなかったのですねぇ」
アンナ「貴女も他人のことは言えないでしょう」
ルル「いやだから私にはちゃんと友達はいますぅ」
アンナ「エア友達の話はもういいです」
ルル「どうして信じないんですかぁ!?」
アンナ「貴女のエア友達や動物舎の心の友の話よりもリリ様のご学友の話の方が重要です」
ルル「なんか納得しかねますが、まあ私も気にはなります」
アンナ「なんですか!あの羨まけしからん女は!?」
ルル「しかもリリ様のお母さん以上のツンデレですぅ!逸材ですぅ!」
アンナ「悪役令嬢っぽい美女でツンデレ爆乳!しかもアホの娘……」
ルル「作者どんだけ属性をぶっこむつもりですかぁ!?」
アンナ「1人で属性フォーカードとは」
ルル「いけません!私の存在感が薄くなりそうです」
アンナ「……まあたぶん大丈夫でしょう」
ルル「え?ホントですかぁ?」
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