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出会い
見た目も中身も王子様です
しおりを挟むお友達になった僕達がお互いのこと―学力特待生であること、出戻りの編入生であること―を話し終わって、名前で呼び合うと決めた時、
「桜井 春人くんと、世良 勇気くんですか?」と声を掛けられた。
声のした方を向いて、驚く。
サラサラのブロンドに、碧眼、微笑を浮かべる綺麗な人が、近くにいた。
…お、王子様だ!
「ああ…じゃなかった、はい」
「…あっ、はい、そうです」
勇気くんが返事したのを見て(聞いて、かな?)、僕も慌てて頷いた。
思わず見とれてしまって、反応が遅れちゃった…。
「すみません、お待たせしてしまったようで」
僕達二人が頷くと、申し訳なさそうに謝られた。
「大丈夫です、全然待ってません。お気になさらないでください」
「そもそも、今10分前だし…あ、や、10分前なんで、俺達が早く着いただけ…です」
「―ありがとう」
王子様は沈んだ表情をしていたけど、また微笑んでくれた。
「僕は七瀬 麗(ななせ れい)です。生徒会役員の副会長を務めています。理事長室まで桜井くんと世良くんをご案内します」
副会長さんに建物の説明をしてもらいながら、僕達は色々お話した。
出戻りの編入生は珍しいこと、5月に新入生歓迎会があること…それから、副会長さんが好きなように話していいよ、と言ってくれたんだ。
勇気くんは敬語で話すことに慣れてないみたいで、おかしな?言葉になってたからだと思う。
敬語は苦手ではないんだけど、僕も慣れていなかったから、お言葉に甘えさせてもらうことにした。
副会長さんは、見た目だけじゃなくて、中身も王子様です。
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