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大海の海賊たち
海賊ナイトメア
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(……また知らないところか)
知らない天井で目を覚ます。何だかデジャブを感じた。
(こっちに来てからはよく寝ているな)
「目が覚めたか」
そこにいたのは赤い貴族服のような見た目をした男が立っていた。
紫色の長髪に整った顔、何処と無く感じる妖艶さに、男であっても見惚れてしまいそうになる。
だがおそらくこいつは『海賊』だ。意識が途切れる寸前に、海賊船が近づいて来たのを覚えている。
わざわざ海から拾ったのは何か企んでるんだろう。
「そう警戒しなくていいよ 襲ったのは『俺ら』じゃあないからな」
「なに?」
「襲ったのは『海賊グール』って奴らさ アイツらはああやって貴族連中とかの船を襲って金目のものなり食料なり強奪してまわってるのさ なるべく無抵抗な奴らの船をな」
「じゃあ……アンタは?」
「俺は『アレク』この『海賊ナイトメア』のキャプテンだ」
海賊は海賊でも、自分達は『別の海賊』だと主張される。
「海賊がわざわざ俺を引き上げた理由を聞いていいか?」
まだ疑念が残る。たとえ別の海賊であったとしても、味方であるとは限らない。
「まあ第一は頼まれたからかな」
「頼まれた?」
「まずはお前の上を飛び回ってた小悪魔だな」
アレクが指差した方向のテーブルの上にはいびきをかいて寝ているチビルの姿があった。
あの状態を見る限りは心配なさそうだ。
「そいつがお前の周りを飛び回ってたおかげで見つけられたんだぜ」
チビルのおかげで助かったのか。あとで礼を言っておこう。
「後は『ラル』って子だ」
「ラル?」
「知らないか? 緑髮でいかにも坊ちゃんって感じの男の子」
「あっ……」
あの子が頼んでくれたのか。そういえば名前を聞いてなかった。
「お兄ちゃんが船の中に居ないから探してからだとさ 今度あった時は礼を言っときなよ?」
「あの船の人達は無事なのか?」
「自分の心配より他人の心配かい?」
「俺のせいで誰かに被害が出るのが嫌なだけだ」
「……ふ~ん」
信じてない顔をしているが本当の事だ。
自分なんかのせいで誰かが傷つく姿なんてもう見たくない。
「まあいいや 今頃最初の港に戻ってんじゃあねえの? 取り敢えずグールの奴らから取り返しはしたからな」
「何でわざわざそんなことしたんだ?」
「第一 グールの奴らが気に入らない」
「第二は?」
「 第二 俺らは襲われた船を助ける そうするとそいつらは俺らにお礼の品を送る ギブアンドテイクだ」
「お礼の品をくれない場合は?」
「強奪する」
なるほど、確かに海賊だ。人の為ではなく自分達のために助けている。そのためには手段を選ばないし目的も金銭だ。ある意味一番信用できる。
「さあて俺は一通り話したと思うがまだあるかい?」
「さっきの理論だと俺を助けただけじゃあ終わらないよな?」
「よくわかってらっしゃる」
助けられた以上何かはしたいと思っていたが、なにを要求されるのかわからない。
金目のものは無いし、やれる事は思いつかない。
「な~に難しい話じゃあないさ」
アレクは不敵な笑みを浮かべている。何だか嫌な予感がする。
「お前にはこの『海賊ナイトメア』に入団してもらおうと思ってな おっと拒否権はないぞ?」
「……は?」
拒否権無しの強制入団。海賊の仲間入りである。
「な~にぃ~?アクアガーディアン襲撃に失敗したダァ?」
そんな中、目的の船の奪還に失敗した事が、海賊グールの『キャプテン』に報告される。
「申し訳ございません! 『キャプテン エド』!」
「もしかしなくてもナイトメアか?」
「はっはい……」
「ガアァー! あの偽善者海賊団め!」
海賊グールの船長エドは樽を蹴りつける。その光景を、グールの船員はまたかと言うような目でエドを見ていた。
普段からナイトメアとの因縁から、このように荒れているのだ。
「ですが……今回はそれだけではありませんでした」
「なにぃ?」
「黒いコートを着た火を操る男が船内で多くの団員がやられています」
「火を……操る?」
「キャプテン?」
「こいつは……いい情報じゃねえか!」
「どういう事ですか?」
「野郎ども! とりあえずナイトメアを探せ! 奴らならそいつのこと知ってるかも知れねぇ!」
「オッオーケー! キャプテン!」
「こりゃあ『魔王』に媚び売るチャンスだぜ」
火を操る男を『聖剣使い』であると見抜き、エドは更なる計画を企てていた。
「……で? 俺はなにすればいいんだ?」
そして場面は戻り、海賊ナイトメアでリンが新しく入団する事が決まっていた。
「な~に簡単さあ お前にはとりあえず雑用見習いとして働いてもらう」
「雑用係の見習いか……」
交渉は成立した。自分達をアクアガーデンまで乗せてくれる間、賢者の石の力をこのナイトメアで役立てたいらしい。
基本はいつでも火を起こせる便利道具の扱いらしいが、本当の話は海賊グールとの戦いに活かしたいとのことだ。
そのまま廊下を歩きながら、厨房や寝室の場所などを説明をされる。最初に乗っていたアクアガーディアンにはさすがに劣るが、充分に広いうえに、思っていた以上にとても清潔に管理されている。
「いや~どっかで見たことある顔と思ったがまさか聖剣使い様とはね~ あの小悪魔に聞いた時は耳を疑ったよ~」
「その聖剣使い様を雑用係にするアンタもすごいな」
「海賊の掟第一 『使えるものは何でも使え』だ」
「そうですか」
「それに俺はお前を気にってる」
「え?」
「出来ればずっとここにいてほしいんだけどな~」
「遠回しに雑用係が欲しいってことか」
「いやいや 今なら俺の右手として欲しいくらいだよ」
「どういう事だよそれ!!」
アレクが言ったのは冗談か、それとも真面目な話なのかを考えていた。
そんな時に、遠くから怒号が聞こえたのだ。
知らない天井で目を覚ます。何だかデジャブを感じた。
(こっちに来てからはよく寝ているな)
「目が覚めたか」
そこにいたのは赤い貴族服のような見た目をした男が立っていた。
紫色の長髪に整った顔、何処と無く感じる妖艶さに、男であっても見惚れてしまいそうになる。
だがおそらくこいつは『海賊』だ。意識が途切れる寸前に、海賊船が近づいて来たのを覚えている。
わざわざ海から拾ったのは何か企んでるんだろう。
「そう警戒しなくていいよ 襲ったのは『俺ら』じゃあないからな」
「なに?」
「襲ったのは『海賊グール』って奴らさ アイツらはああやって貴族連中とかの船を襲って金目のものなり食料なり強奪してまわってるのさ なるべく無抵抗な奴らの船をな」
「じゃあ……アンタは?」
「俺は『アレク』この『海賊ナイトメア』のキャプテンだ」
海賊は海賊でも、自分達は『別の海賊』だと主張される。
「海賊がわざわざ俺を引き上げた理由を聞いていいか?」
まだ疑念が残る。たとえ別の海賊であったとしても、味方であるとは限らない。
「まあ第一は頼まれたからかな」
「頼まれた?」
「まずはお前の上を飛び回ってた小悪魔だな」
アレクが指差した方向のテーブルの上にはいびきをかいて寝ているチビルの姿があった。
あの状態を見る限りは心配なさそうだ。
「そいつがお前の周りを飛び回ってたおかげで見つけられたんだぜ」
チビルのおかげで助かったのか。あとで礼を言っておこう。
「後は『ラル』って子だ」
「ラル?」
「知らないか? 緑髮でいかにも坊ちゃんって感じの男の子」
「あっ……」
あの子が頼んでくれたのか。そういえば名前を聞いてなかった。
「お兄ちゃんが船の中に居ないから探してからだとさ 今度あった時は礼を言っときなよ?」
「あの船の人達は無事なのか?」
「自分の心配より他人の心配かい?」
「俺のせいで誰かに被害が出るのが嫌なだけだ」
「……ふ~ん」
信じてない顔をしているが本当の事だ。
自分なんかのせいで誰かが傷つく姿なんてもう見たくない。
「まあいいや 今頃最初の港に戻ってんじゃあねえの? 取り敢えずグールの奴らから取り返しはしたからな」
「何でわざわざそんなことしたんだ?」
「第一 グールの奴らが気に入らない」
「第二は?」
「 第二 俺らは襲われた船を助ける そうするとそいつらは俺らにお礼の品を送る ギブアンドテイクだ」
「お礼の品をくれない場合は?」
「強奪する」
なるほど、確かに海賊だ。人の為ではなく自分達のために助けている。そのためには手段を選ばないし目的も金銭だ。ある意味一番信用できる。
「さあて俺は一通り話したと思うがまだあるかい?」
「さっきの理論だと俺を助けただけじゃあ終わらないよな?」
「よくわかってらっしゃる」
助けられた以上何かはしたいと思っていたが、なにを要求されるのかわからない。
金目のものは無いし、やれる事は思いつかない。
「な~に難しい話じゃあないさ」
アレクは不敵な笑みを浮かべている。何だか嫌な予感がする。
「お前にはこの『海賊ナイトメア』に入団してもらおうと思ってな おっと拒否権はないぞ?」
「……は?」
拒否権無しの強制入団。海賊の仲間入りである。
「な~にぃ~?アクアガーディアン襲撃に失敗したダァ?」
そんな中、目的の船の奪還に失敗した事が、海賊グールの『キャプテン』に報告される。
「申し訳ございません! 『キャプテン エド』!」
「もしかしなくてもナイトメアか?」
「はっはい……」
「ガアァー! あの偽善者海賊団め!」
海賊グールの船長エドは樽を蹴りつける。その光景を、グールの船員はまたかと言うような目でエドを見ていた。
普段からナイトメアとの因縁から、このように荒れているのだ。
「ですが……今回はそれだけではありませんでした」
「なにぃ?」
「黒いコートを着た火を操る男が船内で多くの団員がやられています」
「火を……操る?」
「キャプテン?」
「こいつは……いい情報じゃねえか!」
「どういう事ですか?」
「野郎ども! とりあえずナイトメアを探せ! 奴らならそいつのこと知ってるかも知れねぇ!」
「オッオーケー! キャプテン!」
「こりゃあ『魔王』に媚び売るチャンスだぜ」
火を操る男を『聖剣使い』であると見抜き、エドは更なる計画を企てていた。
「……で? 俺はなにすればいいんだ?」
そして場面は戻り、海賊ナイトメアでリンが新しく入団する事が決まっていた。
「な~に簡単さあ お前にはとりあえず雑用見習いとして働いてもらう」
「雑用係の見習いか……」
交渉は成立した。自分達をアクアガーデンまで乗せてくれる間、賢者の石の力をこのナイトメアで役立てたいらしい。
基本はいつでも火を起こせる便利道具の扱いらしいが、本当の話は海賊グールとの戦いに活かしたいとのことだ。
そのまま廊下を歩きながら、厨房や寝室の場所などを説明をされる。最初に乗っていたアクアガーディアンにはさすがに劣るが、充分に広いうえに、思っていた以上にとても清潔に管理されている。
「いや~どっかで見たことある顔と思ったがまさか聖剣使い様とはね~ あの小悪魔に聞いた時は耳を疑ったよ~」
「その聖剣使い様を雑用係にするアンタもすごいな」
「海賊の掟第一 『使えるものは何でも使え』だ」
「そうですか」
「それに俺はお前を気にってる」
「え?」
「出来ればずっとここにいてほしいんだけどな~」
「遠回しに雑用係が欲しいってことか」
「いやいや 今なら俺の右手として欲しいくらいだよ」
「どういう事だよそれ!!」
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