裏銀河のレティシア

SHINJIRO_G

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Chapetr2

068 レティシアとこれでも頑張った水着回(14/20)

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「海に行こうよ」
 なんてマリーたちに言えば、自分たちじゃなくてアカリさんを誘えと言うんだろう。最近冷たいんだよねアイツら。
 私だって誘えるものなら誘いたい、でも無理なの。
 恥ずかしい?それもある。
 お仕事の邪魔しちゃ悪い?それもある。
 一番の理由は、私が彼の連絡先を知らないことにある。こんな状態じゃ付き合ってるとは言えないよね~。
 
「なるほど。向こうが積極的に参戦してこないなら、プールに行こう。仕事中バッタリ会っちゃった、ていうのも起こらないように」
「イヤだよ。逢いたいのは逢いたいんだから」
 別にチャレンジをしているわけじゃない。確率が低いところに行く理由がどこにあるの?
「そう言わないでよ。こっちにも問い合わせが来てて面倒なんだからさ」
「問い合わせ?何の」
「レティシア、あなた秋ぐらいに男の子たちと親しくなりませんでしたか?」
「あ」
 すっかり忘れてた……
「アイツらがどこか遊びに行こうってうるさくて……」
「あれ~」
 だよね、私かなりヒドくないか?
「お詫びついでに、そっかぁ行くしかないね……どうして私に直接言ってこないんだ?何でソフィア?」
「あんたみたいに簡単な人間関係じゃないのよ」
 おーい、こっちを見なさい。

 てなわけで、都民プールだ。
 そして水着も選べない女。だって水着なんてMANGAの世界だよ?あとはタウン誌で見るくらい。私服だって、お仕事でもらったものばっかりだし、着こなしのパターンはスタイリストさんに教えてもらったものを踏襲しているだけ。
「そ、ソフィアちゃん?ちょっとこれ、イヤかなり……可愛いわね!」
「そうでしょう、地球で19世紀後半に爆発的に流行った主流の……」
「そんなわけあるかぁ!」
 私だって知っている。コレは禁断の「スクミズ」ってやつだ。ご禁制の品をどうやって……
「イヤ、そんなヤバいやつじゃないから。普通に機能的で良い水着だよ。はい、これ着て体のライン隠してね」
 いわゆるラッシュガードという物を渡されて羽織る。もも上丈の完全ガードタイプだ。
「あ、アリガト。で二人はお洒落なセパレート。そういうわけね」
 私の参加は必須だけど、男共にチヤホヤされたい君達にとって、私のパーフェクトボディは邪魔ってことね。
「なんて浅ましい!」
「……何考えてるのかは分かるけどさ」
「レティシア、こういうプール初めてでしょう?……「凄く見られる」のよ?」
「私たちはレティシアがプールを楽しめるようにって思ってるだけよ」
「ソフィア……」
 私には勿体ないような友達だよ。
「ソフィアは別に思惑があるんだけどね」
「何のことかな!?」
 台無しだよ。
 
 ギルバートとジャーヴィそれともう一人、トーマスと言うらしい三人は、目立つイケメングループとなって注目されている。成る程な、見られてる。
「お待たせ~」
 ソフィアがブンブン手を振ると向こうも手を振り返してくる。なんか打ち解けてるな、私が知らない間に何かあったの?
「お、お久しぶり……」
「レティシア、そうだね久しぶり」
 ジャーヴィはどうでもいいとして、ギルバートにはなんか申し訳ない。
 しばらくはプールサイドでおしゃべりタイム。どうやらソフィアのお目当てはトーマス君みたい。キラキラ笑顔で彼に話しかけてて、めちゃ可愛い。側で見てるマリーがちょっと怖いけど。
 私たちはボソボソと近況報告。ああ、あれだけ親身に寄り添ってくれた、ギルバートの笑顔が今はしんどい。嫌いじゃないだけに、いたたまれない。私の心が君にないこと、気付いてるんだろうな……。
「そう言えば、アカリさんと会ったぜ」
 バカがいた!……どうしてここで彼の話がでるの!?
 あからさまに焦りだした私を見ても、ギルバートは優しく笑っている。え、それはそれで怖いんだけど。
「ソフィア情報で気になってたんだけどさ」
 内通者め。
「あの人すごいな、怖い」
 怖くないよ!
「良い人なんだよ。話しやすいし、昼飯も誘ってくれたりさ。でも、なんて言えばいいんだろ。自然の綺麗な雄大な景色も見てるとなんか怖い?そんな気分になる」
「生き物のレベルが違うって感じだったよ、オレ。だから、絶対航空隊に行きたくなったね」
「俺も。俺はアカリさんに憧れるけど、トーマスはレベッカさん狙いだろ?」
 バカは飛び火させるのが上手い。
 
「だからって、君を諦める気はないんだ」
 ジャーヴィがソフィアとじゃれ合いだしたので、ギルバートと二人になった。途端に彼は私を見て言う。
 アカリさんがこんな目で私を見て、同じことを言ってくれたら……。
 想像するともう恥ずかしくて、よくわからなくなったのでとにかくここから逃げよう!私はプールに飛び込んだ。
 
 何だかんだでたっぷり楽しんでの帰り道。
 当然のように一行の前を通り過ぎる、変な車。
 私は思いっきり手を振って、運転手も軽く挨拶してくれる。
「また逢えた」
「そんなバカな。確率ってどうなってるの」
 確率論じゃないのよソフィア。決まってる筋書きなの。
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