冥界の仕事人

ひろろ

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第四章: 新人仕事人

只今、同棲中?

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「さて、本日の私の担当予定は、終わりだから、2人とも帰っていいですよ」

 
「え、もう?」


 へえ、いつもこれくらいで終われば、働きやすいけど、どうかな?


そうだ、明日の事を聞かないと!


 「蓮さん、明日は何時に、どこに行けばいいですか?」


 あおいは、疑問を口にした。


「夜中の0時から死神が活動して、一日中の予定者のデーターを送ってくるから、その予定時間から我々も活動開始なんだ。

モバリスが鳴ったら、必ず確認して!
 現地集合だから。

寝坊は、許されないからね。

もし、0時代の予定時間となっている場合は、前日にデーターが送られてくるから、気をつけなさい」

 
 頷いたオストリッチも、質問をする。
 

「では、働く時間は決まっていないのですか?」

 
 蓮は、明るい茶色の髪をかき上げ、困った様子で返答する。


「あーうん、就業時間はバラバラなんだ。決まっていない!

その代わりに、予定時刻まで自由にしていて構わない。

家に帰って、休んでいてもいいんだよ。

ただし、勤務中だという事を忘れないようにね」


「蓮さん、僕は大丈夫です!
寝なくても全然、平気ですから!
遅刻もしません」


「わ、私だって、ずっと働いていられます!モバリスの音だって、聞き漏らさないし!大丈夫です」


「僕は、道先案内の仕事をしている時は、ずっと任務 状態だったから、就業時間は気にしません」


「私は、到着ロビー係だったから、テキパキ行動が出来きます。遅刻しません!
多分……」


 2人がムキになって言うから、余計に不安になって、蓮は考える。


 これは、少しの間だけでも私と、共同生活をして、徹底的に教育をした方がいいのか?


 でも、孝蔵さんの所に2人を追加するわけにいかないよな。


これ以上、大所帯にするわけにはいけない。


「あおいちゃんは、何処に住んでいるの?」と蓮が聞いた。


「私は、リッチ……オストリッチ君の家に住んでいます!居候しています」


「えー!えー!2人、同棲していたの?

知らなかったあ!
仲がいいとは思っていたけどね」


「どうせい?って何ですか」


「ええとね、リッチ君は小さいから分からないよね!

男女が同じ部屋に住む事#____#なんだよ!

もう、蓮さん、同棲だなんて!変な事言わないで下さい!
私たち、姉弟みたいなものなんです。

オストリッチ君は、私の可愛い弟です」


 お姉ちゃんが僕を 可愛い弟だって……。


ぐふふ、ぐっふっふっ、僕って、可愛いのかー、いやぁ、照れるなぁ!


「あおいちゃん、ムキにならなくてもいいよ!わかったから!

とにかく、時間厳守で行動できればいいから!では、本日は解散!」


お疲れ様でしたと言って、蓮はさっと消えてしまった。


 その後、2人も ほっ建て小屋、いやログハウス風の家に帰った。


「ねぇ、リッチ君!そのヘルメットは、家の中では被らない方がいいんじゃないのかな?

蒸れて、そのぉ、産毛まで、抜けちゃう……かも?

あ、いえ、ごめん。
大きなお世話だったよね」


「うん?このヘルメット?先生が転んで頭を打つと大変だからって言っていたけど……」


 オストリッチは、渋々ではあったが、ヘルメットを外して、壁の釘フックに引っ掛けた。


「リッチ君って、頭か小さいね!

 可愛いーなー」


 えっ、可愛い?本日、2度目の“可愛い”頂きました!ぐふふ、ぐっふっふっ

 
「僕、お水を汲んできまーす」


 なんだかリッチ君、機嫌がいいねぇ。

………………

 オストリッチ宅の隣。


 素敵な洋館の裏側のテラスに水をはった大きなタライが1つ置かれている。


 誰かが水でも浴びたのだろうか、周囲に水が飛び散っていたのである。


「おーい、何処に行ったのであるかー」


   いない!まさか逃げた?


 桶を持ちウキウキしながら、U字溝が一列に並べられた川に、オストリッチは向かった。


 川の中に入って、水を汲んでいると……


 バシャッ!


「 ! 」 


 突然、洋館前の方から、水音が聞こえてきた。


えっ?誰だ?この川に誰かいるのか?


 お姉ちゃんは、家の中にいるし、先生の気配は無いし……。


 オストリッチは、恐る恐る洋館前の方に移動する。


 えっ……!


 そこに、1羽の鳥がいたのだ。


身体の大きさは、オストリッチと同じくらいで、全体が灰色がかった白色だ。


首は長いが、くちばしは、オストリッチより、短めで太く、黒である。


「誰だ?あいつ!ここは、僕と先生の縄張りなんだよ!」


 オストリッチは、腹を立てながら川の中を歩き、侵入鳥に近寄った。


「おい!そこの鳥!何をしているんですか!」


 オストリッチが、大きな声で言った。


 侵入鳥は、オストリッチに気づき、驚いて翼をバタつかせ、水しぶきをあげる。


「きゃあ、あなた誰?」


「きゃあ?って、
 ここは、僕の家だよ!お前こそ誰だ?」


「待て、オストリッチ!待ちたまえ」


 声を聞きつけて、秦広王が急いで駆けつけて来たのだ。


 あおいは、掃除をしようと玄関のドアを開けた時に 、洋館前の川にいる秦広王とオストリッチの姿を見つけ、近くに寄って行く。

 
「こらっ!オストリッチ!そんな無礼な言葉を教えた覚えはない!

反省をしたまえ!」


「わあ、先生、すみません!反省しますから、許して下さい」


 オストリッチは、ぺこぺこ頭を下げる。


「あのぉ、秦広王様、この方たちは、どなたなのですか」


 そんな言葉を侵入鳥が言ったので、オストリッチは、キレる寸前となった。


 どなたですか?だと?


 反対に僕が聞きたいね!!


「あなたこそ、誰なんですか?」


 オストリッチがぶっきら棒に聞いた。
 
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