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いつまでも
口は災いの元!
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カーソルが言った"一緒にいたい"という言葉と 一瞬、掴まれた手首を見て考える。
(一応、聞いてはみたけれど、どう考えても、そのままの意味しかないはずですわ……。これは、もう、ズバリあれですわよね?)
ルシェは、努めてすました表情を作ろうとしているが、嬉しさが込み上げ、口角は緩んでいる。
そんなルシェの表情を感じ取る余裕がないカーソルは、必死で答える。
「私は、ルシェさんとお見合いをした日に、速攻でふられてしまいましたが、できれば、考え直して欲しいのです。ダメですか?」
「は?カーソルさんが?速攻でフラれた?えっ、私にフラれたと?」
ルシェは、そう言いながら、あの日を思い出してみる。
(ちょっと待って。あの時、フラれると確信したのは、この私の方でしたわ)
カーソルは、沈んだ表情で話す。
「はい、間違いなく、貴女にふられました。あの時、上手く縁談を破談にする方法がないかと私に尋ねたのは、貴女です。もしかして、忘れていますか?」
「あっ!」
ルシェは、自分の言った言葉を思い出した。
(そうだったわ!カーソルさんの恋人かもしれない女性を探しているのだと思って、フラれる前に破談にしようと考えたんだわ!)
「カーソルさん。それは、私が変な誤解をしていたからですわ……ごめんなさい、どうかお許し下さい」
(あっ、でも、そもそも誤解をしたのは、行方不明になっている方が女性だと、カーソルさんが言ったせいですわ)
謝ったものの、ルシェはモヤッとしてきてしまった。
ルシェの言葉を聞いたカーソルは、目を輝かせた。
「えっ!なら私と……」
(ちょっと、こんな所で?)
カーソルが言いかけた時にルシェが遮る。
「カーソルさん!ス、ストッフ!お待ちになって!こんな枝に並んで座っている状態で、何を仰る気ですの?あ、ダメ、言わないで!」
そう言ってルシェが枝から飛び降りたから、カーソルも地面へと飛び降りる。
「カーソルさん、私にだって憧れや理想がありますわ!病院の片隅、しかも木の枝に腰掛けてするなんて、ムードも何もありゃしないですわっ!だから……だから、出直して下さい!」
「えっ……。でなおし?ムードが無い?ちょっと理解が出来ないな……。いくら君が高飛車だとしても、出直して来い!って、酷すぎませんか?」
カーソルは、腹を立てている様子で言ったのだ。
(はあ?高飛車ですって?この私のことを仰っているのね!酷いわ!だって、だって、プロポーズでしょ?それなら、もっと素敵な場所で、それなりのサプライズ感があるとか、特別感が欲しいですわ!女心を分かっていらっしゃらないわ)
さっきまでの喜びが嘘のように、ムッとしているルシェが言う。
「随分と酷いことを仰いますわね。私、お店に帰ります!さようなら!」
ルシェは、ペンライトを空中に向けて円を描き、妖精ロードの中へと入って行ってしまった。
「待って、ルシェさん!」
カーソルはルシェを追い、出入り口の中へ足を一歩進めたのだが、行くのをやめた。
(少し頭を冷やした方がいいな)
…………………
妖精ロードを飛びながら、振り向いたルシェは、カーソルの姿がないことに気づいた。
「えー!追いかけてもくれないなんて……。とても怒ってしまったのね……。どうしようかしら……。はあ……」
ルシェは、ガッカリとしてアンティーク影山へと帰って行く。
〈ただいま帰りましたわ……〉
「おっ、お帰りルシェ!うんっ?セロルはいないのか?タムとカーソルさんに会ったのか?もしかして、ルシェ一人で帰って来たのか、なんだどうした?」
お客さんがおらず、暇を持て余していたウェイター姿の庄三郎が聞いてきた。
〈あ、まだセロルとタムは、戻っていないのね?二人は、用事があるとかで、どこかへ行ってしまいましたわ。仕方がないから、私は、カーソルさんと行動しておりました。はぁ……〉
庄三郎は、ルシェの元気がない様子に気づいたが、あえて触れないことにした。
「ルシェ、疲れているところ悪いがな、店番をしていてくれ!み、み、美紗子さんがワシの置物を居酒屋に運んだから、見てくるからな。頼むぞ!」
〈えっ!まあ、信じられない!狸がないわ!売れたのですか?〉
いつも当たり前のように狸の置物があった位置に、埃だけが残っていた。
「いや、まだだ。近くの居酒屋の店先に、試しで置いてみるんだとさ。じゃあ、ちょっくら行ってくるぞ!あっ、モロブは呼び込みに行っているからな」
そう言い残し、庄三郎はさっさと妖精姿に戻ると、裏口から出て行ったのだった。
メイド姿になったルシェは、狸の置物があった場所、ビスクドールがあった場所を眺め、少しの寂しさを感じていた。
「もう、庄三郎さんったら、置物の跡を掃除すればよかったのに!」
一言、文句を言ってからルシェは、掃除機を運んできて、ホースを掴んで前後に動かしみる。
(あら?何も音がしない!それに汚れを吸い取りませんわ!変だわ!元店主や美紗子さんがこうやって動かしていたのに。どうしたのかしら?)
今まで掃除などした事が無いルシェは、これまでの感謝を込めて、お店を綺麗にしようとしたのだった。
「えーと……。あっ、このボタンを押すのかしら?」
ルシェが何とか掃除機を動かそうと奮闘していると、自動ドアが開いて鈴の音が聞こえたのだ。
(もしかして!カーソルさん?)
ルシェは、掃除機のホースを捨て置き、自動ドアの方へと向かった。
「ああ、新米店主の美紗子さんね……。なんだ……。あの狸は、売れそうですの?」
「ニンちゃん、帰っていたのね。おかえりなさい。ああ、タヌ爺の置物はね、今晩外に置いて、お客さんの反応を見たいんですって。売れるといいわね」
美紗子は、そう言って骨董品コーナーを覗き、出されている掃除機に気づいた。
「これ、ニンちゃんが掃除をしてくれようとしたの?」
「あ、ええ。でも、これは壊れているみたいですわ!まったく動きませんの!」
「ふふ、このタイプの掃除機は、コードを伸ばしてコンセントに、これをここに差し込んでから、スイッチを入れないとね。さあ、やってみて!」
美紗子から使用説明を受け、ルシェは掃除を開始する。
ガァァァ、ガァァァ……。
ガタ、ガタ、ゴツン、ゴツ……。
「ニンちゃん、もう少し優しくお願いしますね……。ニン……聞こえていないわね……」
美紗子の声も届かないほど、ルシェは集中していた。
(すっごい音だわね。おぉ、面白いくらいゴミを吸い込んでくれるわ!このゴミと一緒に、嫌な気分も吸い込んでくれたらいいのに。……私が悪かったのかしら?我がままを言ってしまったのかしら?あー、もう!)
骨董品コーナーの掃除を終え、喫茶室へと移動したルシェは、一心不乱に掃除をしている。
セロルとタムが帰って来て、掃除をするルシェに驚いた。
だが、話しかけているのに、気づいてくれなかったのだ。
〈ルシェちゃん、随分、早く帰って来たんだね。僕たちは、映画をみて楽しかったね。ねえ、セロルさん?〉
〈タム君がアニメの映画で、泣くほど感動してくれて、私も嬉しいよ。また、行こうか?〉
〈あ……うん、また、いつか行けたらいいな……〉
〈あっ、そっか……。タム君……〉
タムとセロルの話しは、ここまでとなった、なぜなら来客があったからだ。
〈こんにちは。タム君、セロルさん、さっきはどうも!〉
〈わっ、カーソルさん!今ね、ルシェちゃんは掃除中だよ!〉
カーソルは、タムの言葉を聞き返す。
〈えっ、掃除だって?ルシェさんは、お姫様なのに掃除をしているの?〉
〈こんにちは、カーソルさん。はい、私達も驚きました。ルシェに、あっ、ルシェさんに何かあったのでしょうか?〉
ルシェ……呼び捨て?とカーソルは引っかかったが、言い間違いだとスルーした。
そして、何かあったと聞かれたら、あった!とカーソルは思ったのだが、恥ずかしいので、分からないと言っておいたのだ。
(お姫様なのに、掃除もできる貴女に、なんて酷いことを言ってしまったのだろう……。ルシェさん、許して下さい)
タムは、ルシェにカーソルが来たことを知らせようとした。
〈タム君、いいよ。知らせなくていい!私が人型になって出直すから!セロルさんもタム君もルシェさんには、私が来たことを言わないで下さい〉
そうして、カーソルはアンティーク影山から去って行ったのだった。
(一応、聞いてはみたけれど、どう考えても、そのままの意味しかないはずですわ……。これは、もう、ズバリあれですわよね?)
ルシェは、努めてすました表情を作ろうとしているが、嬉しさが込み上げ、口角は緩んでいる。
そんなルシェの表情を感じ取る余裕がないカーソルは、必死で答える。
「私は、ルシェさんとお見合いをした日に、速攻でふられてしまいましたが、できれば、考え直して欲しいのです。ダメですか?」
「は?カーソルさんが?速攻でフラれた?えっ、私にフラれたと?」
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カーソルは、沈んだ表情で話す。
「はい、間違いなく、貴女にふられました。あの時、上手く縁談を破談にする方法がないかと私に尋ねたのは、貴女です。もしかして、忘れていますか?」
「あっ!」
ルシェは、自分の言った言葉を思い出した。
(そうだったわ!カーソルさんの恋人かもしれない女性を探しているのだと思って、フラれる前に破談にしようと考えたんだわ!)
「カーソルさん。それは、私が変な誤解をしていたからですわ……ごめんなさい、どうかお許し下さい」
(あっ、でも、そもそも誤解をしたのは、行方不明になっている方が女性だと、カーソルさんが言ったせいですわ)
謝ったものの、ルシェはモヤッとしてきてしまった。
ルシェの言葉を聞いたカーソルは、目を輝かせた。
「えっ!なら私と……」
(ちょっと、こんな所で?)
カーソルが言いかけた時にルシェが遮る。
「カーソルさん!ス、ストッフ!お待ちになって!こんな枝に並んで座っている状態で、何を仰る気ですの?あ、ダメ、言わないで!」
そう言ってルシェが枝から飛び降りたから、カーソルも地面へと飛び降りる。
「カーソルさん、私にだって憧れや理想がありますわ!病院の片隅、しかも木の枝に腰掛けてするなんて、ムードも何もありゃしないですわっ!だから……だから、出直して下さい!」
「えっ……。でなおし?ムードが無い?ちょっと理解が出来ないな……。いくら君が高飛車だとしても、出直して来い!って、酷すぎませんか?」
カーソルは、腹を立てている様子で言ったのだ。
(はあ?高飛車ですって?この私のことを仰っているのね!酷いわ!だって、だって、プロポーズでしょ?それなら、もっと素敵な場所で、それなりのサプライズ感があるとか、特別感が欲しいですわ!女心を分かっていらっしゃらないわ)
さっきまでの喜びが嘘のように、ムッとしているルシェが言う。
「随分と酷いことを仰いますわね。私、お店に帰ります!さようなら!」
ルシェは、ペンライトを空中に向けて円を描き、妖精ロードの中へと入って行ってしまった。
「待って、ルシェさん!」
カーソルはルシェを追い、出入り口の中へ足を一歩進めたのだが、行くのをやめた。
(少し頭を冷やした方がいいな)
…………………
妖精ロードを飛びながら、振り向いたルシェは、カーソルの姿がないことに気づいた。
「えー!追いかけてもくれないなんて……。とても怒ってしまったのね……。どうしようかしら……。はあ……」
ルシェは、ガッカリとしてアンティーク影山へと帰って行く。
〈ただいま帰りましたわ……〉
「おっ、お帰りルシェ!うんっ?セロルはいないのか?タムとカーソルさんに会ったのか?もしかして、ルシェ一人で帰って来たのか、なんだどうした?」
お客さんがおらず、暇を持て余していたウェイター姿の庄三郎が聞いてきた。
〈あ、まだセロルとタムは、戻っていないのね?二人は、用事があるとかで、どこかへ行ってしまいましたわ。仕方がないから、私は、カーソルさんと行動しておりました。はぁ……〉
庄三郎は、ルシェの元気がない様子に気づいたが、あえて触れないことにした。
「ルシェ、疲れているところ悪いがな、店番をしていてくれ!み、み、美紗子さんがワシの置物を居酒屋に運んだから、見てくるからな。頼むぞ!」
〈えっ!まあ、信じられない!狸がないわ!売れたのですか?〉
いつも当たり前のように狸の置物があった位置に、埃だけが残っていた。
「いや、まだだ。近くの居酒屋の店先に、試しで置いてみるんだとさ。じゃあ、ちょっくら行ってくるぞ!あっ、モロブは呼び込みに行っているからな」
そう言い残し、庄三郎はさっさと妖精姿に戻ると、裏口から出て行ったのだった。
メイド姿になったルシェは、狸の置物があった場所、ビスクドールがあった場所を眺め、少しの寂しさを感じていた。
「もう、庄三郎さんったら、置物の跡を掃除すればよかったのに!」
一言、文句を言ってからルシェは、掃除機を運んできて、ホースを掴んで前後に動かしみる。
(あら?何も音がしない!それに汚れを吸い取りませんわ!変だわ!元店主や美紗子さんがこうやって動かしていたのに。どうしたのかしら?)
今まで掃除などした事が無いルシェは、これまでの感謝を込めて、お店を綺麗にしようとしたのだった。
「えーと……。あっ、このボタンを押すのかしら?」
ルシェが何とか掃除機を動かそうと奮闘していると、自動ドアが開いて鈴の音が聞こえたのだ。
(もしかして!カーソルさん?)
ルシェは、掃除機のホースを捨て置き、自動ドアの方へと向かった。
「ああ、新米店主の美紗子さんね……。なんだ……。あの狸は、売れそうですの?」
「ニンちゃん、帰っていたのね。おかえりなさい。ああ、タヌ爺の置物はね、今晩外に置いて、お客さんの反応を見たいんですって。売れるといいわね」
美紗子は、そう言って骨董品コーナーを覗き、出されている掃除機に気づいた。
「これ、ニンちゃんが掃除をしてくれようとしたの?」
「あ、ええ。でも、これは壊れているみたいですわ!まったく動きませんの!」
「ふふ、このタイプの掃除機は、コードを伸ばしてコンセントに、これをここに差し込んでから、スイッチを入れないとね。さあ、やってみて!」
美紗子から使用説明を受け、ルシェは掃除を開始する。
ガァァァ、ガァァァ……。
ガタ、ガタ、ゴツン、ゴツ……。
「ニンちゃん、もう少し優しくお願いしますね……。ニン……聞こえていないわね……」
美紗子の声も届かないほど、ルシェは集中していた。
(すっごい音だわね。おぉ、面白いくらいゴミを吸い込んでくれるわ!このゴミと一緒に、嫌な気分も吸い込んでくれたらいいのに。……私が悪かったのかしら?我がままを言ってしまったのかしら?あー、もう!)
骨董品コーナーの掃除を終え、喫茶室へと移動したルシェは、一心不乱に掃除をしている。
セロルとタムが帰って来て、掃除をするルシェに驚いた。
だが、話しかけているのに、気づいてくれなかったのだ。
〈ルシェちゃん、随分、早く帰って来たんだね。僕たちは、映画をみて楽しかったね。ねえ、セロルさん?〉
〈タム君がアニメの映画で、泣くほど感動してくれて、私も嬉しいよ。また、行こうか?〉
〈あ……うん、また、いつか行けたらいいな……〉
〈あっ、そっか……。タム君……〉
タムとセロルの話しは、ここまでとなった、なぜなら来客があったからだ。
〈こんにちは。タム君、セロルさん、さっきはどうも!〉
〈わっ、カーソルさん!今ね、ルシェちゃんは掃除中だよ!〉
カーソルは、タムの言葉を聞き返す。
〈えっ、掃除だって?ルシェさんは、お姫様なのに掃除をしているの?〉
〈こんにちは、カーソルさん。はい、私達も驚きました。ルシェに、あっ、ルシェさんに何かあったのでしょうか?〉
ルシェ……呼び捨て?とカーソルは引っかかったが、言い間違いだとスルーした。
そして、何かあったと聞かれたら、あった!とカーソルは思ったのだが、恥ずかしいので、分からないと言っておいたのだ。
(お姫様なのに、掃除もできる貴女に、なんて酷いことを言ってしまったのだろう……。ルシェさん、許して下さい)
タムは、ルシェにカーソルが来たことを知らせようとした。
〈タム君、いいよ。知らせなくていい!私が人型になって出直すから!セロルさんもタム君もルシェさんには、私が来たことを言わないで下さい〉
そうして、カーソルはアンティーク影山から去って行ったのだった。
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