45 / 59
第四十五話 賑やかでござる。
しおりを挟む武器屋の中に入ると、いかにもというおっさんがいた。
「おう。いらっしゃい。どんな武器がお求めだ?」
「その前に、玄関の前に置いてある剣は、抜けないのか?」
「あぁーあれか。あれは、ただの置物だぞ。もし折ったりしたら、弁償だからな。」
「そうか……伝説の剣だと思ってしまった。」
「アハハハハ。何処かの洞窟の一番下にあるとは聞いたことがあるな。兄ちゃんたちにはまだ早いな」
「そ、そうですか。それで僕は剣を見に来た。違う国だと違うものがあるのかなと思って」
「そうか。じゃあ見回ってきな。ほしい物があればまた声を掛けてくれ。」
お店の中はごちゃごちゃしていると思っていたが、そんなことはなく、きっちりと並んでいた。剣などには、普通の剣であれば、素材が記載されており、攻撃力なども一緒に書かれていた。それも沢山だ。
素材は、木で出来ている物からミスリルで出来ている物まで多種様々である。
「レン君、いっぱいあるよね。いつもの武器屋がへなちょこに見えてきたよ」
「そんなことはないと思う。まあ、これには勝てない」
「そうだよね。向こうに魔法剣があるよ。行ってみよう。」
「わかった。弓はいいのだろうか。」
魔法剣は属性によって、値段が違い、闇と光以外は誰でも買えそうな値段だ。魔法が使えないと意味がないので、買う前に魔法の属性を見える機会に触れることが無駄買いにならないだろう。
「私は魔法剣はうまく使う自信ないよ。」
「待て。待て。弓はどこ行った??」
「あー弓ね。持っているよ。」
「そこじゃない。見て行かないの?」
「あ、そういうことね。見る見る。」
「はぁ。」
レオンはそっと溜息を吐き、弓が売っている処へ向かった。弓は、糸の部分で結構変わる。ランクBの魔物、毒錦蜘蛛は、金貨20枚といったところだろう。結局は消耗が早いか遅いかだけでうまい下手が物をいう。
「おー。いっぱいあるじゃん。うちらのところとは大違いだ」
「そうだね。私はまだまだ使えるからまた今度でいいよ。」
「そう。僕も剣はあるからいらないしな。次の店でも行こうか」
二人は、店を出て宿屋とは別の方向へ向かった。
「リナ。なんか変わったお店がある。本のマークをしている看板が立っているよ」
「本当だわ。本が売っているお店。見たことが無いね。ちょっと中入ってみようよ」
「そうだね。少し気になる」
中に入ると、季節のおすすめの本と大々的に掲示されていた。怖い話集のシリーズ化になっているのもが置かれていた。稲谷巡五郎作の作品で帝国では大人気で増版が次々に行われている。右手の方には、誰でも読みやすい本と掲示してあった。そこには〈移転したらゴブリンだったような〉が置かれており、大人気らしい。次々と本が減っていった。左手には、〈誰でも簡単!!貴族の接し方〉が置いてある。まさに二人のことだ。平民(商人も含む)は貴族とは普通は出会うこともないため、接し方がいまいちわからないのだ。だから、この本はうってつけのものだった。最後奥の方には、〈だれでもわかる魔法の本〉などが置いてあった。隣の国紹介という本もあり、いろいろとおいてある店だ。
「レン君、こんなに本があるのは家ぐらいだとは思っていたけど、それよりここにはあるよね」
「そうかな。屋敷にあるのはこのお店と同等ぐらいだと思う。ただ、屋敷にある本は難しい本ばかりだったけれども」
「そうなんだ。本棚は見たけど、本の中身までは見たことは無かった。」
「普通はそうだと思う。じゃあ、誰でも読める本は少しばかり買っていくよ」
「そうだね。私も買うわ」
レオンは、勿論〈転移したらゴブリンだったような〉を買うようだ。ミニ色紙がついており少し得した気分となる。王都に戻ったときには販売していないため、二冊ほど買ったようだ。
彼女は、巷で有名な衣服が載っている雑誌を買ったようだ。まあ、年頃の女の子だ。家に戻ると怒られるのは確かである。まあ、寛容な貴族のところなのでなんとかなるだろう。
他には、勇者の本を貰ったようだ。これは無料で自由に持っていくことができる。
☆☆☆☆☆☆☆☆
宿屋に戻り、次の日の準備をした。帝国から東の国までは3時間程度と意外と近い。もちろん、馬車での話である。3時間程度でいけるため、途中に宿屋はない。でも、蚤の市が帝国の1時間先までは一定間隔で並んでいる。
二人はワイワイ叫び、笑い、少し迷惑だったようだ。
「おい。うるさいぞ。わしらは寝るから静かにしてくれ!!まだ起きているようだったらギルドの酒場へ行け。ここでは迷惑だ!!」
「「はい。すいません。」」
「よろしい。」
なにが……
=========
なんだろう。
0
お気に入りに追加
197
あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる