自害したら転生して、異世界生活??~起きたら貴族になっていた~

棚から牡丹

文字の大きさ
上 下
58 / 59

最終回 アナタノコトガスキダカラ

しおりを挟む

「よく、来てくれた。感謝する。」

 レオンは、リナの父親に呼ばれていた。大体は予想できるだろう。レオンの屋敷よりは小さいがそれでも立派なおうちである。その中でも来賓用の部屋へ呼ばれていた。

「いえいえ。こちらこそ」

 レオンの額に水滴が付く。

「君も分かっているとは思うが、うちの娘が告白をしたそうではないか。」

「そうですね。とても驚きましたが、よく理解はしております。」

「そうか。そうなら、娘は泣きながら家へ帰ってきたのだ?」

「そ……それは………………」

「私は、君―サントス公爵殿のレオン君でもいいとは思っている。」

「ただしな。君も娘もまだ若すぎる。学園を卒業したと言ってもまだ20歳にはなってはおらん
 だから早すぎるのではないかと思うこともある年上の貴族の方ならいくらでもおるから、その方と結婚という方法もあるのだ。
 でもな、政略結婚や私の地位のための結婚はして欲しくはない。
 だから、君が決意しているのなら私はいい。ただ、決意が無いなら、認めるわけにはいかぬ。」

「は……い。ありがとうございます。でも、考えさせていただきます。」

「即決では困るな。まだ、貴族のことなど学園で習ったことぐらいしか分からないだろう。
 実際に分かると思うがその百倍は難しい。家は伯爵だからまあまあ領民の人数は多い。仕切って行くは大変な苦労があるぞ。」

「領民は七千七百人ぐらいだろう。特に重税を課せられているとかひもじい暮らしをしているとかそのような領民は今のところ存在しない。今は安定した暮らしをしていると聞いている。」

「え?領地を視察はしていますか?」

「勿論するが。半年に一回もしくは一年に一回だな。あとは文官などに任すことが多いな。最初―成り立てのときは領地にある屋敷に泊まることが多かったが、その心配も今はない。」

「なるほどー。反乱などはどのように対処しますか?」

「反乱した場合は、死刑に決まっているだろう。おかしいことはない」

「死刑…………ですか…………。」

 レオンは、人を殺した経験がないため、死刑という言葉に聞きなれていなかった。盗賊などを殺すことがあれば、経験があるのだが慣れていないと難しい。
 死刑は、あまりよくないと指摘されることが多いが、領地ないでの反乱などをした者をほかっておくと再発することが高確率で起こり得る。そのため、死刑にした方がいいというこの国の意見となっている。

「まあ、そこらへんは何とかなるだろう。一応説明はしたからな。考えたまえ。」

「はい。もちろんです。ありがとうございます。」

「じゃあ、決まったらまた来ること。」

 そうして、家から出て行った。最後の笑顔はなんだろうなと言わないばかりの笑顔であった。屋敷へ戻り父親に説明をした。結局はレオンが自分自身で考えることで収まったらしい。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「色々と面倒だぞ。まあ、いいのさ」

と言われたが返す言葉が見つからないようだ。

「…………。」

レオンは部屋へ戻った。

「あ、ギルドへドラゴンのやつを買い取ってもらうの忘れていた。」

急いで向かったようだ。屋敷からはそれほど遠くない場所にある。

「すいません。あのー。魔物を狩ってきたので買い取りをお願いします。」

「いらっしゃい。買い取りね。て、君はいつも大きなものを出してくる子ね。こちらの部屋へ来なさいどうせ今回も大きなものを狩って来てくれたのでしょう。」

「はい。そちらに行きます。」

「あ、どうぞ。うぇえええええええええええええええええええええ」

「ドラゴンって、弱いですね。」

「ドラゴンだぁ。ど、どこで狩ってきたの??」

「王都周辺ではないことはたしかだよー。何処かはいまいちわかっていないです。」

「まあ、いいっか。君が倒してくれればいいのだから。」

「了解です。これ買い取り価格はどれぐらいですかね??」

「急に言われても困るわね。三日後に買い取り代金払うから来てくれないかな?」

「わかりました。じゃあ、日が陰りそうなので帰ります。」

「そ、そういうところは子供なのね。」

今日のギルドは大騒ぎであった。ふん刷りがえっているギルドマスターさえ、表に出てきた。

「こりゃー。Sランクの登場かもしれないな。ギルドでは払うこと出来ないから、明日王城へいってくる。」

「わかりました。大忙しで結構。―いつもうざいし」

  ギルドで払えないほどの大物時は王城にて国が払うことになっている。貴族に兼ね合って払うという方法もいいが、とにかく時間がかかる。

「あれ?こんなお店あったけ?ギルドのとなりだよな。」

暑い日に最適!!氷を粉砕して、あまーいソースをかけることによりとても美味しい食べ物になる。暑い日に食べると体が冷えるためとてもいい。

―――――その名は、かき氷。


「でも今日、熱くないな。また、今後食べよう!!」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

3日後


「いらっしゃい。用意はできているわ。あちらの部屋でお金を受け取ってきて!」

「ども。ありがとうございます。」

ギルド近くにある扉にはマスターが待っていた。

「よう。よく来てくれた。白金貨五枚だ。国王様もびっくりしていたぞ。」

「白金貨は初めて聞きました。なんですか?」

「なんですかって、君そんなこともしら……まあ、普通は見ることのない硬貨だからな。金貨千枚に付き白金貨一枚となっているぞ。」

「ほうぅうううううううううううううううううう。…………金貨五千枚とはすごい。」

「そうだろうな。わしも滅多に見るもどではない。」

「とにかく、しまって帰れ。」

「はい。ありがとうございます。」

 白金貨は、平民や農民には死ぬまでに一度も見ない硬貨である。商人でも王城御用達でないとなかなか見ることはない。だから、個人で持っている者は指で数えれるぐらいであろう。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

二か月後

学園も卒業へまっしぐらだ。三日後には、卒業をする。

「俺たちも早いよな。」

「そうだね。城に籠りマンになるんだよね。」

「ちがう。仕事があるんだよ!!椅子に座ってふん刷りかえっているわけでない。」

「そうなんだ。」

「レオンこそ、どうなんだ。決まったのか」

「そうだよ。覚悟決めたもん!」

「そうか。そうすると、城で働くということはないな」

「その可能性が無くなって良かった。」

「なんだと。」

 二人は、和気あいあいと喋っていた。この光景をできるのも残り僅かなわけだ。ゼアンは城に籠るわけだ。というよりも、第一王子ということは言えば皇太子でもあるわけで、沢山の仕事が待っている。また、今後のこの国の未来がかかっているわけだ。

「父上、覚悟決めた。リナと結婚することにする。」

「そうか。漸く覚悟を決めたようだな。報告しに行くか。」

「そうしたい。」

「おーい。オリオール伯爵宛に手紙をだせ。明後日に家に向かう。と」

「了解いたしました。今すぐ送ります。」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

伯爵の家に来ているようだ。レオンは覚悟を決めてはいるが、冷やせが額に伝っている。

「よく、いらっしゃいました。公爵様。こちらどうぞ」

この前と同じ部屋に親子が机に向き合い、緊張した趣であった。

「私は、リナさんと結婚したいです。お願い申し上げます。」

「おー。覚悟を決めてくれたのか。これから大変だぞ~」

「存知上げております。」

「元々、私に異論はない。伯爵家に嫁いで貰おうと思ってはいたぞ。」

「レン君、私も結婚したいわ。」

「いいだろう。二人はとてもお似合いだ。オリオール伯爵、私の息子が迷惑を欠けると思うが、どうかよろしくお願いをする。レオンは公爵家を離れるが、いつまでも俺の子供だからなぁ。」

「了解いたします。」

「わかっています。」

「アハハハハ」

こうして、結婚がきまり、数日後には王都全部に広がっていた。

貴族の結婚式には異例だが、国王陛下と国王殿下が参加をした。

幸せな結婚生活を過ごしているようだ。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

お願いだから俺に構わないで下さい

大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。 17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。 高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。 本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。 折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。 それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。 これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。 有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

処理中です...