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プロローグ
しおりを挟む「・・・・・・では、確かに了承いたしました」
ジャッツクデル王国の宰相を勤める壮年の男が苦々しい表情で契約書を受け取り王へと渡す。フェルザ・リッシュベルン現国王はその書類を眺め、そして対峙する者に向かって苛立たしさを含んだ視線を送る。
そんな憎悪といってもいい視線を受けた者は、気にすることなく、話は終わったとばかりに連れてきた者と共に部屋を退室していった。
王のそばに付いて警備をしていた騎士団長は強靱な体から殺気を放つも、王はそんな騎士団長を静かに制した。ため息を吐く王に宰相が話しかける。
「本当によろしいので?」
「獣相手にまともな話し合いをしろというのが難しい。かといって今武力で攻めるのは適切じゃない。亡命した愚弟が隣国と手を組み、いつ我が国に攻め入ってもおかしくはない」
「かといって、あのような者たちと同盟を組むなど正気を疑われても仕方ありません。政略結婚とはいえ、これはあまりにも選ばれる姫君が不憫ではないですか」
渋る宰相だが王にはまったく考えがないわけではなかった。
王は真剣な顔で告げる。
「あの息子を使う」
王の言葉に宰相は驚愕し、騎士団長はゲンナリするのだった。
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