訳あり物件には幽霊が出るそうで

うましか

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本当に怖いのは幽霊ではなく、人間なのかもしれない

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「生霊だった!?」
「ああ。どうやら自分は死んだものだと勘違いされてるようだが、この通り生きている。だが夜眠っていると霊体として出てしまい、この部屋に住む男を襲ってしまうようになってしまった。自分でも制御できず困っていたところだったんだが、君との一夜からそれも解決して助かったんだ」

 そう言って元幽霊は頬を染めて下を向いた。

「本当はもっと早く謝罪とお礼をすべきだったんだが、その・・・・・・中々顔を合わせずらくて」
「そ、そりゃそうですよね・・・・・・」

 雅弘もうつむいた。自身を殺そうとした幽霊をレイプしたなど言えるわけがない。それも死んだ幽霊ではなく、幽体とはいえ生存している人間相手だったのだから。もう一度来いとは思っていた雅弘だったが、このような形で再会するとは思わなかった。

「むしろノンケ相手にあんなことしてすいません」

 雅弘の言葉に元幽霊は「え、あ、いや」と否定するような声をあげた。
 怪訝な顔をする雅弘に対して元幽霊は言いづらそうな顔をしつつ告げる。

「実は・・・・・・自分もゲイで」
「はあ!?」

 雅弘は驚愕に叫ぶ。

「待ってくれ。聞いた話と違うんだけど。幽霊じゃなくて幽体離脱状態だったって時点で聞いた話とは違うけども。女を寝取られてその腹いせに男を呪ったんじゃないの?」
「違う。その男は自分と付き合ってたのに、女と二股した挙げ句自分を捨てたから怒りで思わず幽体離脱してしまっただけで」
「制御できないとか言ってて、原因あんたじゃねぇか!」
「勢いで幽体離脱して元カレを呪ったまではいいが、前の彼氏が忘れられず夜になるとこのアパートに来てしまい住んでいる男が元カレに見えてしまって」
「それで首絞めてたって。迷惑な話だな、おい」

 雅弘の言葉に、元幽霊もやっちまった自覚はあるのだろう。顔を手に当てたまま「申し訳ない」とつぶやいた。雅弘もドッと疲れた溜まり正座を崩した。

「まぁ、お互い様ということで。もう幽霊にもならなくなったようだし良かったんじゃないですか。俺も安い家賃でここ借りれるし。結果的には上手くいったじゃないですか」

 一件落着、めでたしめでたし。雅弘はそういう気持ちで締めくくろうとした。疲労感が凄まじくさっさと寝たかったからだ。
 だが元幽霊はもじもじとして、雅弘に何か言いたいようだ。

「あ、あの言いにくいんだが、君に恋人はいるのか?」
「・・・・・・大学が忙しくてそんな暇なくて」

 雅弘は言葉を濁す。さすがに本人を目の前にして幽霊とのセックスの印象が強すぎて恋人作る気なくしたとは言えなかった。すると元幽霊は安堵した様子を見せる。

「そ、そうか。なら頼みがあるんだが」

 そして元幽霊は正座を崩したかと思えば、急にズボンを緩め始めた。
 ギョッとする雅弘の前で元幽霊はズボンを下ろす。すると布の面積が少ないパンツ。そこには勃起したブツが下着の全面を濡らしていた。

「おそらく幽体にならなくなったのは元カレとの未練がなくなったからだと思う。つまり、君とのセックスが自分ととても相性が良かったようで・・・・・・」

 元幽霊はさらに腰を上げて雅弘にアナルを見せつける。そこにはぶっといバイブが震えていた。元幽霊は顔を赤くして息を荒くしていた。
 この人この格好でここまで来たのか。初対面でなくともあまり面識のない人間にこんなこと誘うか普通。その状態で正座していたのか。雅弘の頭にはそんなツッコミが流れるもすぐさまその思考は余所に置いた。
 もう一度セックスしたいと思っていた相手にこんなことされてしまい、雅弘の理性は明後日の方に投げ捨てた。既に股間はフル勃起している。

「君が良ければ、もう一度ヤらないか?」
「喜んで」

 この後、めちゃくちゃセックスした。





 後日、雅弘はグループLINEに爆撃を送った。

『お前らの誕生日の除霊グッズで幽霊除霊したら幽霊が人間になって彼氏になってくれたわ。あ、言い忘れてたが俺ゲイなんで』


『待て』
『いろんな意味で待って』
『どっからツッコミいれりゃいいんだ』
『誕生日プレゼント使ってくれたんだな! 嬉しいぜ!』
『いや、違うだろ。つっこむ点そこじゃねぇよ』


 こうして無事雅弘はゲイだとカミングアウトでき、エロい彼氏もゲットできたのであった。

 めでたしめでたし。
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