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■第26話 西の国 マフォール その14
しおりを挟む「で?なんで俺はSランクなんだ?」
「あ、説明してなかったか。」
そう俺は今ギルドマスターの部屋にいる。それはなぜか。
それは先日、俺がスタンピードから守った事により、
ギルドランクを昇格していたからなのだが、なぜかS止まりになっていた。
その説明は一切なしに事が運んでいたので説明追求するためにこの部屋で問うているわけだ。
「んで?なぜだ?」
「あぁ簡単だよ。それはSSランクからは何が有っても、どんな事でも昇格試験があるからだ。」
「あぁなるほど。それで俺の討伐数が16万でもそのSランクで止まっちまうわけか。
でも逆に言うと俺がGからSにあがるのもあれだと思うけどな。」
「いやいや、その力を持っておいてなにを言ってるんだ。
って俺今までタメ口で聞いてたけど怒らないのか?」
「この力はまぁなんだ色々特殊なんだよ。
んでタメ口の事だけど俺より年上なんだ当たり前だろそんなの。
そして俺は敬語が苦手だ。なので俺もタメ口だ。」
「いや特別って...。まぁいいや。深く詮索するのはマナー違反だからな。
それと俺がいくら年上だからと言っても、地位が地位なんだ。
それに貴族のやつらってのはみんな上から目線といかそういう目をするからな。
そんな奴らを俺は沢山見てきたからだが、お前さんはイレギュラーだな。」
「まぁ俺の存在自体がイレギュラーだからな。これも詮索してくれるなよ?」
「はぁ...自分から言ったくせに...まぁいい。それも詮索しないでおくよ。」
「まぁそういう事だ。それでだ。ランク昇格試験ってのはいつでも受けられるのか?」
「あぁ。受けられると言ってもやり方は冒険者ギルドのマスターでそれぞれなんだが、
だいたいの規定というか無難ってのはある。」
「それはなんだ?」
「自分のランクと同じか、それ以上の魔物の討伐だな。それも1人で。」
「え?いや俺それもうやってるぞ。」
「いやだからお前はイレギュラーなんだよ。普通そんな飛び級みたいなGからSなんてやついないんだよ。
だからこそ今回は特別措置としてSランクまで上げたんだ。」
「んじゃあSランクかSSランクの魔物狩ってくればいいのか?」
「まぁそうだな。それか既に討伐してある魔物の死体か魔石があれば今からでも出来るぞ。」
「んや。この前解体してもらった魔物が全部だからな。新しく狩ってこないといけない。」
「そうか。なら今回は討伐してくるしかないな。」
「なぁ。話に聞いてたんだが、試験ってのは同ランク何人か、
1個上のランクとの模擬戦とかでやるんじゃないのか?(確か小説だとそんな感じだったような...。)」
「あぁ確かにAまではそうだな。でもSランクからはそうとは限らない。それはなぜか。」
「んー考えつかんな。なんでだ?」
「単純明快。人が少ないんだ。そして冒険者は1つの場所に定住しない。」
「あぁ今ここにいないのか。それとSランクからは何人いるんだ?」
「その通り。世界でも左手1本で数えられるくらいの人数だな。確か今は4人かな。」
「Sランクがか?それともSランク以上がか?」
「Sランクがマサキをいれて2人。SSランクは1人。SSSランクが1人だ。」
「まじか。上には上がいるもんだな。」
「あぁ。そいつらは2つ名だって持ってるやつらだからな。」
「どんなやつらなんだ?」
「Sランクだと『豪腕の巨人』のレギル、SSランクの『疾風の姫騎士』のカエラ、
そして最後にSSSランク『魔剣士』のルシエルだな。」
「みんな強そうな2つ名もってるなぁ。だいたいその2つ名でなに使うかは予想つくけど。」
だいたい『豪腕の巨人』って言うんだから多分拳闘士なんだろうな。んで背がデカイからか。
『疾風の姫剣士』ってのはちょっと引っかかるな。もしかしてどっかの国の姫さんなんか?
それに疾風って風魔法使って素早い太刀筋で相手を倒すって感じだろうな。どこの国なんだろう?
んで最後のSSSランクの『魔剣士』。これはもう魔剣使ってるのは当たり前だろうな。
それにSSSランクだから相当な強さと技術を持っているはずだ。
でもなんで魔王が倒されてないんだろうな?こんだけ強そうなやつらいるなら既にいないはずじゃないか?
なにか特別な理由でもあるんかな?...まぁそのうち分かるだろ。今は特に気にしない方向で行こう。
「まぁだいたいはその予想通りだと思うぞ。
因みに世界最強のレベッカ・トルフォニカの2つ名は『剣聖』だ。」
まじか~俺2つ名もってる人の初めてを奪ったのか~...首と胴体が離れてなくて安心した...。
ていうか人の心読まれてる!?!?
「因みにお前のもあるぞ。」
「え!?俺のもあんの!?」
「当たり前だ。お前も既にSランクなんだからな。」
「嫌だなー変なのだったらもっといやだ。」
「まぁこればっかりは仕方のない事だ。それくらい慕われてるって思っとけ。」
俺はのんびりとしたスローライフを満喫したいんだけどなぁ...上手く事が運ばないもんだな...。
「はぁ...んで?俺の2つ名は?」
「『大賢者の銃騎士』だな。」
「なんで大賢者になってんだよ...。」
ていうか今銃騎士って言ったか?俺銃使ってる所見せたっけ?...あ、セシルの時か。
でも俺剣使ってないぞ?...まぁ多分尾ひれが付いたんだろうな。
まぁたまに剣も使うから間違っちゃいないけど。
「いやお前自分の強さ自覚してないだろ。この前見せてもらったあの8種属な。
昔に居た、それこそ『大賢者』と呼ばれていた魔法使いにしか使えない代物だぞ。
しかもあんな容易く扱うんだ。伝承にすら難しすぎて1回に使える魔法だって限度があったとかだ。」
「へぇ~。俺ってそんなに異常だったのか。まぁ知ってたけど。」
「自覚あるんじゃねぇか。」
「まぁな。やろうと思えば世界のスキル全部取得できるからな。やらんけど。」
「いやいやいやそれは流石に...。え、まじ?」
「まじまじ。俺だって出来ることと出来ないことくらいは把握してる。」
これに関してはマジのマジだ。でもそれはメーティスがいるおかげとも言える。
《そんなマスター。》
《照れます。》
うむうむ。初いやつよのぉ...って俺スキル相手に何言ってんだ。
《全世界のスキルを取得しますか?》
いやいらんから。これ以上増えても使い切れないから。
《私が居ますので制御は出来ますよ。》
そういう問題じゃないから。
なんか最近メーティスの冗談が本気に聞こえるから怖い。
《いつでも本気ですがなにか。》
それはそれで怖い。
「いや出来ないことないじゃんそれ。」
「そうとも言う。」
「はぁ...。お前と接してると色々気疲れしてくるわ...。」
「失敬な。これでも親しみをもって接しているつもりだぞ。」
「いやいやもうそれをとっくに超えてるんだよ。」
「まぁいいやとりあえず知りたい事は知れたから俺はそろそろお暇するぜ。」
「あぁ早いとこ狩ってきてくれ。仕事は後に回したくない主義なんでな。
今回の件と一緒に片付けたい。よろしく頼むぞ。」
「無茶振りだな。まぁいいけどよ。んじゃSSランク出てきそうな場所だけでも教えてくれ。」
「いねぇーよ。探してこい。」
「いねぇーのかよ!!」
「そんなポンポン天災級のSSランクの魔物が出てこられたらこっちが迷惑だわ。」
「確かに。」
「探すのが面倒なら迷宮にでも行って来い。」
「え、ここらへんにあんの?」
「ない。」
「ないのかよ!!」
「そりゃそうだ。でももう少し東に行けば迷宮都市って言って、
迷宮を中心に繁栄してる都市があるから行ってみるといいぞ。」
「ほぇ~そんなのあるのか。今度行ってみるわ。」
「おう。んじゃ頑張れよ。」
「あいよ~」
まぁ俺は今のままでも十分なのでなにもしないけどね。
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