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享年39歳の看護師が転生しました。前前前世と前前世と前(あの)世の記憶持ちです。
前(あの)世では、保母さんしてました。
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…あの世は、特別な所じゃなかった…。
普通に生活してた場所と、何ら変わらないところだった。
あの世で私は、生前の罪…。
…罪といっても、生前にやらなければならなかったノルマ。
つまり、業の事なんだけど。
それを解消しなきゃならなくて、産まれてこれなかった赤ちゃんのお世話や、幼くして亡くなった子供の世話をする事になった。
三途の川の川の下流にサイノカワラって所があった。
石だらけの冷たい河原が広がっていて、そこには石を積んで自分の罪を解消しようと頑張っている子供達がいる。
その罪が解消された子供達を連れてきて、服を着せてあげたり、遊んであげたり、食べさせてあげたり。
いろんな物事を教えてあげる、保母さん…というか、孤児院や乳児院みたいな事を、同じく幼い子供を残して死んでしまったママさん達と手分けして、親代わりのお世話をさせて頂いていた。
それが私の、罪の解消方法であったのだ。
何年かがたち罪が解消された後は、輪廻するか守護霊になるか、しばらく自由に過ごすか好きなように選択できた。
私は、すかさず輪廻を選んだ。
二人の息子に会いたい。…という一心で。
輪廻する為に、沢山の魂が三途の川の上流に集まる。
その転生待ちの集団の中に、私は居た。
輪廻の目的は、人(魂?)それぞれだ。
会いたい人がいる者。
やり残した事がある者。
因果の関係で輪廻が早い者。
罪を購う為に輪廻する者。
あの世で成長した成果を試したい者。
等々いるが。
…輪廻する殆どの者は、業や因果の関係なんだけどね。
魂だけの状態だと衣食住基本関係ないし、自分と似たような魂ばっかりの場所に大抵いるから居心地良いし、体という肉体の枷がないから体調(?)も生きていた時よりもすこぶる快適だ。
大抵の者は、生病老死とは無縁のここ、あの世にいたがった。
でも、それじゃ駄目なんだ。
居心地の良い世界にぬくぬくとしているだけでは、魂はいつまでたっても成長しないから。
だから、魂は輪廻する。
己が魂を成長させる為に。
輪廻したくないのに強制輪廻する者は、往生際悪く泣き叫んでいる。
岩に瑠璃の鏡が嵌め込まれている。
そこに映る自分の姿と目が合った。
ー…生まれ変わったら、どうしたい?。
ー…"生まれ変わったら、こうしたい"。
と、自分の輪廻の目標と計画が頭に浮かぶ。
すると、映像が流れてくる。
産まれてから死ぬまで。
それが、走馬灯の様に頭によぎった。
…良かった。
私の目標と計画は来世で採用される。
そして、会いたかった息子達にも会える…。
それは、つかの間の会瀬だけど。
私がお腹を痛めて産んだ子供達に会える事は、私にとっては何よりも大事な事だった。
息子達が死んで、この世にくるまで待てば良いかもしれないけれど、私は、生きてる息子達に会いたかったのだ。
…死んだ時は、玻璃の鏡。
生まれ変わる時は瑠璃
の鏡なんだな…。
周りが色々と騒がしい中、ぼんやりと思う。
確かどこかの昔話に、生まれ変わるときに神様から記憶を消す水を飲まされてから、まっさらな赤ちゃんになって産まれてくるって話があったなぁ…。
確か、レテの河原の水。
外国の昔話だけど、なんだか日本の三途の川の話昔話と似ているから覚えていた。
この後皆、神様か仏様からこの川の水を飲まされるのかな…?。
…嫌だな…。
愛する二人の息子の記憶を喪うのは、とても辛い…。
だから私は、つい出来心で
ー…やらかしたのだった…ー。
さて。
この後、水を飲まされるとして…。
もしも飲んだふりだけして、実際その水を飲まなかったらどうなるんだろう?。
もしかしたら、この記憶が消されずにそのまま輪廻できるのかもしれない。
ー…いや、きっとできるはず。
何故か知らないが、そんな確信が私の中にあった。
ゴロゴロとした石に膝を付き、河の中を覗き込んだ。
そこには、赤ん坊が映っていて私を不思議そうに見ている。
私が首をかしげると、赤ん坊も首をかしげた。
その動作に、自分の体がいつの間にかに赤ん坊になっていた事を知る。
特に不思議さは感じなかった。
そういうものだと、その時は思ったから。
それよりも私の目は、河底に映る幸せそうに微笑み合う、一組の若い孫夫婦に釘付けだった。
買い物の帰りなのだろうか。
仲良く手を繋ぎなが、夕焼け道を歩いていた。
思わず顔が、にっこりとほころぶ。
ー…あぁ、私の、お父さんとお母さんなんだ。
幸せの予感に胸がたかなり、来世への期待が大きく膨らむ。
普通に生活してた場所と、何ら変わらないところだった。
あの世で私は、生前の罪…。
…罪といっても、生前にやらなければならなかったノルマ。
つまり、業の事なんだけど。
それを解消しなきゃならなくて、産まれてこれなかった赤ちゃんのお世話や、幼くして亡くなった子供の世話をする事になった。
三途の川の川の下流にサイノカワラって所があった。
石だらけの冷たい河原が広がっていて、そこには石を積んで自分の罪を解消しようと頑張っている子供達がいる。
その罪が解消された子供達を連れてきて、服を着せてあげたり、遊んであげたり、食べさせてあげたり。
いろんな物事を教えてあげる、保母さん…というか、孤児院や乳児院みたいな事を、同じく幼い子供を残して死んでしまったママさん達と手分けして、親代わりのお世話をさせて頂いていた。
それが私の、罪の解消方法であったのだ。
何年かがたち罪が解消された後は、輪廻するか守護霊になるか、しばらく自由に過ごすか好きなように選択できた。
私は、すかさず輪廻を選んだ。
二人の息子に会いたい。…という一心で。
輪廻する為に、沢山の魂が三途の川の上流に集まる。
その転生待ちの集団の中に、私は居た。
輪廻の目的は、人(魂?)それぞれだ。
会いたい人がいる者。
やり残した事がある者。
因果の関係で輪廻が早い者。
罪を購う為に輪廻する者。
あの世で成長した成果を試したい者。
等々いるが。
…輪廻する殆どの者は、業や因果の関係なんだけどね。
魂だけの状態だと衣食住基本関係ないし、自分と似たような魂ばっかりの場所に大抵いるから居心地良いし、体という肉体の枷がないから体調(?)も生きていた時よりもすこぶる快適だ。
大抵の者は、生病老死とは無縁のここ、あの世にいたがった。
でも、それじゃ駄目なんだ。
居心地の良い世界にぬくぬくとしているだけでは、魂はいつまでたっても成長しないから。
だから、魂は輪廻する。
己が魂を成長させる為に。
輪廻したくないのに強制輪廻する者は、往生際悪く泣き叫んでいる。
岩に瑠璃の鏡が嵌め込まれている。
そこに映る自分の姿と目が合った。
ー…生まれ変わったら、どうしたい?。
ー…"生まれ変わったら、こうしたい"。
と、自分の輪廻の目標と計画が頭に浮かぶ。
すると、映像が流れてくる。
産まれてから死ぬまで。
それが、走馬灯の様に頭によぎった。
…良かった。
私の目標と計画は来世で採用される。
そして、会いたかった息子達にも会える…。
それは、つかの間の会瀬だけど。
私がお腹を痛めて産んだ子供達に会える事は、私にとっては何よりも大事な事だった。
息子達が死んで、この世にくるまで待てば良いかもしれないけれど、私は、生きてる息子達に会いたかったのだ。
…死んだ時は、玻璃の鏡。
生まれ変わる時は瑠璃
の鏡なんだな…。
周りが色々と騒がしい中、ぼんやりと思う。
確かどこかの昔話に、生まれ変わるときに神様から記憶を消す水を飲まされてから、まっさらな赤ちゃんになって産まれてくるって話があったなぁ…。
確か、レテの河原の水。
外国の昔話だけど、なんだか日本の三途の川の話昔話と似ているから覚えていた。
この後皆、神様か仏様からこの川の水を飲まされるのかな…?。
…嫌だな…。
愛する二人の息子の記憶を喪うのは、とても辛い…。
だから私は、つい出来心で
ー…やらかしたのだった…ー。
さて。
この後、水を飲まされるとして…。
もしも飲んだふりだけして、実際その水を飲まなかったらどうなるんだろう?。
もしかしたら、この記憶が消されずにそのまま輪廻できるのかもしれない。
ー…いや、きっとできるはず。
何故か知らないが、そんな確信が私の中にあった。
ゴロゴロとした石に膝を付き、河の中を覗き込んだ。
そこには、赤ん坊が映っていて私を不思議そうに見ている。
私が首をかしげると、赤ん坊も首をかしげた。
その動作に、自分の体がいつの間にかに赤ん坊になっていた事を知る。
特に不思議さは感じなかった。
そういうものだと、その時は思ったから。
それよりも私の目は、河底に映る幸せそうに微笑み合う、一組の若い孫夫婦に釘付けだった。
買い物の帰りなのだろうか。
仲良く手を繋ぎなが、夕焼け道を歩いていた。
思わず顔が、にっこりとほころぶ。
ー…あぁ、私の、お父さんとお母さんなんだ。
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