弟は転生者♡

うめみ

文字の大きさ
上 下
8 / 33

008.”悪いお兄ちゃん”かもしれません

しおりを挟む
ダグラス先生に頭をワシャワシャ撫でられるのがうれしい。




 剣術の練習は、大師匠先生のときと同じく、素振りやステップにたくさん時間を使う。あとは、体を柔らかくする体操やバランスを良くする運動が中心で、剣を交えての練習はほんの短時間。だけど、先生は一緒に動いてくれる。そして、頑張れば頑張っただけ優しい笑顔で褒めてくれる。




 細身の片手剣をそれでも両手で持って構える僕の手に添えられた先生の大きな手は温かい。腰を支える腕はたくましくて、思わず少しもたれてしまう。




 僕は、剣術・武術の授業が全部の授業の中でいちばん楽しみになった。




 僕の楽しみは授業後も続く、剣術・武術の授業のあとはいっぱい汗をかいてしまうから、湯浴みをする。その湯浴みがとっても楽しい。




 初めのうちはメイドに体を流してもらっていたけれど、今では授業のあとには、僕とイーサンだけで湯浴みをし、汗を洗い流すようになった。




「くりすとふぁのかみ、そふとくりぃむに してあげる」




 イーサンは、僕の髪を洗うのが好き。髪用せっけんを泡立てて、肩まである僕の髪をあわあわの三角形にまとめて上げて尖らせるのがお気に入り。僕もお返しに、イーサンの髪を洗ってあげるけど、イーサンの髪は短くて、“ソフトクリーム”にはできない。“あとむ”か“きゅーぴぃー”が精一杯。この二つはどっちも可愛いイーサン語。前にメイドに聞いてみたけど、誰も知らなかった。イーサンはときどきこういう誰も知らないイーサン語を使う。それはたいてい僕の前でだけだから、二人だけの秘密の言葉みたいで面白い。




 他にも二人の秘密はある。僕とイーサンは、浴室で誰も知らない遊びをよくする。




 僕がイーサンの髪を洗っているあいだ、ちょうど目の前に来るおっぱいをイーサンがちゅうちゅう吸うのもそれ。乳首をぴんと尖らす遊び。初めてちゅってされたときは驚いて恥ずかしい気もしたけれど、なんだか気持ちいいから今は好き。ちゅーぅって長く吸われるとおっぱいが伸びちゃいそうになるけど、そのあと舌で押し戻すようにしてくれる。右を吸ったら今度は左。甘えるように吸い上げる。乳首に舌を這わせて、口の中で上下左右に転がして、ちゅうちゅうちゅぱ…ちゃぽ、こりゅこりゅれろ…ちゅっ。反対側の空いた乳首は指でつまんでコリコリ擦る。気持ちいい。




「んっ・・・ふぅ・・・んんっ」




 温かい唾液でべたべたにされる感覚にぶるっと体が震えてしまう。イーサンの頭をぎゅって抱いて、もっともっとと思ってしまう。だけど、そうなると髪を洗ってあげられない。何とか指を動かして、耳の後ろもしっかり洗う。




「・・・っ、おしまい・・・ふぅ・・ん」




 吐息といっしょに漏らした終わりの言葉に、おっぱいに吸いついたままのイーサンがちょっと顔の角度を変えて、僕を見た。緑色の瞳がとってもきれい。




「もう・・・、お湯で流すから。お口を離して、目をとじて。」




 ちゅぱっ、僕の言葉に素直に従い口を離して、うつむき加減に目を閉じる。そんなイーサンのつむじから、ゆっくりたっぷりお湯をかけて髪についた泡を全部流す。




 僕の乳首はぴんと尖って、濃いピンク。イーサンはそれを見て、うれしそうに胸全体をてのひらでなでる。




「ふわふわ こりこり かわいいね」 




 にこにこ笑顔。満足そうに僕の胸にぴとっとほっぺをくっつける。




「僕は、イーサンのぷにぷにほっぺが好きだよ」




 そう言うと、ぷにぷにほっぺを乳首にぐりぐり押し付けてきた。乳首はくにゅっと形を変える。




「ぁんっ・・・」




「くりすとふぁの きもちーこえ すき」




 ほっぺを離して、もう一回だけ僕の胸をぺろっと舐める。僕が気持ちいいときに出す声が好きらしい。それはちょっと恥ずかしい。




 イーサンがこの遊びを始めたころに、僕もイーサンの胸を触ってみたけど、イーサンはちっとも気持ちよさそうじゃなかった。それに、乳首はとっても小さくてあんまり触ると取れちゃいそうで怖くなって止めた。イーサンも「して」とは言わない。




 僕だけが乳首をぴんと立てて気持ち良くなる遊びだけど、それでもイーサンは楽しいらしい。湯浴みのたびにやっている。




 そのあとは、イーサンの首とか脇とか股とか、汗がたまってしまうところをしっかり洗って、おでこにキスして、はい、完了!




 僕も髪の泡をしっかり流して、首とか脇とか股とかをしっかり擦る。




 イーサンは髪だけじゃなく体の洗いっこもしたがるけれど、僕は髪の洗いっこだけでのぼせてしまいそうになるから、それはしない。あともう一つしないのは、お湯に肩までつかって100数えるっていう遊び。イーサンは毎回してるからびっくりする。声に出して数えてないから分からないけど、たぶん100以上長くお湯につかってる。何が楽しいのか全然わからない。ときどき作詞作曲イーサンのご機嫌な歌まで歌っているし、僕なら確実にのぼせてしまう。




 イーサンものぼせてしまうよって止めたほうがいいのかもしれないけれど、僕はピンクになってお湯から出てくるイーサンを見るのが大好きだから、黙ってる。ちょっと“悪いお兄ちゃん”かもしれない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

強制結婚させられた相手がすきすぎる

よる
BL
※妊娠表現、性行為の描写を含みます。

僕の兄は◯◯です。

山猫
BL
容姿端麗、才色兼備で周囲に愛される兄と、両親に出来損ない扱いされ、疫病除けだと存在を消された弟。 兄の監視役兼影のお守りとして両親に無理やり決定づけられた有名男子校でも、異性同性関係なく堕としていく兄を遠目から見守って(鼻ほじりながら)いた弟に、急な転機が。 「僕の弟を知らないか?」 「はい?」 これは王道BL街道を爆走中の兄を躱しつつ、時には巻き込まれ、時にはシリアス(?)になる弟の観察ストーリーである。 文章力ゼロの思いつきで更新しまくっているので、誤字脱字多し。広い心で閲覧推奨。 ちゃんとした小説を望まれる方は辞めた方が良いかも。 ちょっとした笑い、息抜きにBLを好む方向けです! ーーーーーーーー✂︎ この作品は以前、エブリスタで連載していたものです。エブリスタの投稿システムに慣れることが出来ず、此方に移行しました。 今後、こちらで更新再開致しますのでエブリスタで見たことあるよ!って方は、今後ともよろしくお願い致します。

主人公の兄になったなんて知らない

さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を レインは知らない自分が神に愛されている事を 表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

匂いがいい俺の日常

とうふ
BL
高校1年になった俺の悩みは 匂いがいいこと。 今日も兄弟、同級生、先生etcに匂いを嗅がれて引っ付かれてしまう。やめろ。嗅ぐな。離れろ。

嫌われ者だった俺が転生したら愛されまくったんですが

夏向りん
BL
小さな頃から目つきも悪く無愛想だった篤樹(あつき)は事故に遭って転生した途端美形王子様のレンに溺愛される!

勇者の股間触ったらエライことになった

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。 町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。 オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。

双子攻略が難解すぎてもうやりたくない

はー
BL
※監禁、調教、ストーカーなどの表現があります。 22歳で死んでしまった俺はどうやら乙女ゲームの世界にストーカーとして転生したらしい。 脱ストーカーして少し遠くから傍観していたはずなのにこの双子は何で絡んでくるんだ!! ストーカーされてた双子×ストーカー辞めたストーカー(転生者)の話 ⭐︎登場人物⭐︎ 元ストーカーくん(転生者)佐藤翔  主人公 一宮桜  攻略対象1 東雲春馬  攻略対象2 早乙女夏樹  攻略対象3 如月雪成(双子兄)  攻略対象4 如月雪 (双子弟)  元ストーカーくんの兄   佐藤明

処理中です...