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手紙
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「恵」
俺は寂しそうにずっと亡き愛娘の遺影を見つめる妻に声を掛ける。通夜、葬儀と過ぎたがずっと恵はあの調子。
「嘘…みたいよね。もう、いないなんて。ああ、そういえば手紙…読まないといけないわね…」
【坂倉 浩輔、恵様】
拝啓
この手紙を読んでいるということはもう私はそちらには居ないのですね。先に死んでしまうのはすごく悔しいです。私は親孝行できませんでしたね。
この選択をしたこと、正直言って後悔したことが何度もありました。もっとみんなといたいって思いました。でも、今私は幸せです。自由に精いっぱい生きることが出来たのだから。
でも二人は私に治療を受けて欲しかってと思います。我が儘言ってしまってごめんなさい。
でも、これだけは分かって欲しい。私は本当に幸せでした。生きていて良かったと心の底から思うことができました。自分らしく最後までいることができて嬉しかった。
いつも迷惑を掛けてばかりでごめんなさい。
私を産んでくれてありがとう。二人の子供で良かった。言葉にできません。
私は先にいきますが、みんなのことをずっと見ています。みんなに支えてもらった分ずーっと。
だから、笑って下さい。私のことで泣かないでください。
これが…私の最後の我が儘です。
ありがとう。本当にだいすきです。
敬具
坂倉 こよみ
___________読み終わっても二人は声を発することはなかった。ただ、静かに涙を流した。
「最後の我が儘きいてやらないとな」
「ええ、泣くのは今日で最後にしましょう」
俺は寂しそうにずっと亡き愛娘の遺影を見つめる妻に声を掛ける。通夜、葬儀と過ぎたがずっと恵はあの調子。
「嘘…みたいよね。もう、いないなんて。ああ、そういえば手紙…読まないといけないわね…」
【坂倉 浩輔、恵様】
拝啓
この手紙を読んでいるということはもう私はそちらには居ないのですね。先に死んでしまうのはすごく悔しいです。私は親孝行できませんでしたね。
この選択をしたこと、正直言って後悔したことが何度もありました。もっとみんなといたいって思いました。でも、今私は幸せです。自由に精いっぱい生きることが出来たのだから。
でも二人は私に治療を受けて欲しかってと思います。我が儘言ってしまってごめんなさい。
でも、これだけは分かって欲しい。私は本当に幸せでした。生きていて良かったと心の底から思うことができました。自分らしく最後までいることができて嬉しかった。
いつも迷惑を掛けてばかりでごめんなさい。
私を産んでくれてありがとう。二人の子供で良かった。言葉にできません。
私は先にいきますが、みんなのことをずっと見ています。みんなに支えてもらった分ずーっと。
だから、笑って下さい。私のことで泣かないでください。
これが…私の最後の我が儘です。
ありがとう。本当にだいすきです。
敬具
坂倉 こよみ
___________読み終わっても二人は声を発することはなかった。ただ、静かに涙を流した。
「最後の我が儘きいてやらないとな」
「ええ、泣くのは今日で最後にしましょう」
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