空からのI LOVE YOU

奈津 柚亜里

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仲直り

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「私ね……余命宣告されたの」

「……え?」

やっぱり傷つけてしまったかな。

「ねぇ、嘘なんでしょう。冗談やめて」

「嘘じゃないんだよ、本当なんだよ」

菜緒はその場にへたり込んだ。私もしゃがんで菜緒に話しかける。

「このことを菜緒にいうと悲しんじゃうと思ってずっと言えなかった。ごめんね、私も言うほうが正しいのか言わないほうが正しいのかわからなくて。でも、隠すのはやっぱり違うと思ったの」

たくさん傷つけてしまったのだろう。一番の友達に隠し事をされて、しかもケンカもしてしまった。そして突如聞かされる、友達の死の宣告。どれ程辛いことだろう。

「ごめん…なさい、こよみ。こよみのこと何もわかってあげられなくて…。ごめんね、辛かったね…」

「私こそ…本当にごめんなさい」

二人で泣きながら謝まった。

「明も…ありがとう」

「俺は何もしてない」

「…あれあれ、お二人さん。なんかとても仲良くなっていらっしゃるようで…?」

「え、ちがっ…!…わ、私先に下に入ってるから!!」


「で、何かあったの」

「…告白した」

「でしょうね。少なからずあの子はあの子なりに色々考えてはいるんでしょうね。でも、自分のことがやっぱりストッパーになってるのよね、告白をOKするかは…」

「…わかってる」

その先は言わずともわかった。その選択をするのはこよみ自身なのだから。


「……違う、そんなわけないの」

そんなわけではいけないの。仲が良いのは、幼なじみだから。なのに、恋とか…違うから。
私は恋をしてはいけないのだから。付き合ったところで私は直ぐ死ぬ。明の告白は嬉しい…でも私は応えられない、応えてはいけない。
ならせめて…死ぬまでの短い間、ずっと二人といよう。たくさん話をしよう。楽しい思い出を作ろう。私が…みんなの記憶に少しでも居続けられるように。

「こよみ、いつものとこ行くわよー。勿論、明もね」

「まじ……?」

私は少し潤んだ目と心を隠すように、元気に微笑んだ。

「行こう!」

後悔しないように…。
いつか死ぬ時、思い出を残せるように。
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