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四章 元おっさん、和の国【皇御国】へ
40 和の国 皇御国
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国王からの命令でヴィーゼ達一行は、和の国。通称皇御国へと移動した。
ヴィーゼからすると、なんとも懐かしさに包まれる。侍や、団子、桜、それに木の建物。他にも和菓子などが置かれており、安心感を感じていた。皇御国の中に大きな建物が存在していた。
皇御国の宿屋———旅荘ハテプス。
一週間の時を経て、この地はやってきたヴィーゼ達は、疲労困憊していた。旅路の馬車を借り、ここへとやってきた為、馬は近くの馬小屋に泊めてもらえるようにした。
「うわぁ~! すごい!」
初めて見るランス達からしたら、その光景はまさに新鮮そのものだった。目を輝かせ、子供のようにはしゃぐ。アンナも護衛の役として付いてきた。
甲冑を着て、一人だけ違う格好をしている為か、ものすごい注目を浴びている。
(へぇ、異世界にはこんな場所もあるのか…。なんか良いな!)
日本人であったヴィーゼもとい未会堂は、そのザ・和風な雰囲気を醸し出す、この皇御国に心の拠り所を作った。王国では洋風そのものの建物が多く、目新しいものばかりな為、色々と新鮮味がありすぎていた。
だが、皇御国では和風な建物。元日本人のヴィーゼからしたら、これ以上にない安心感を感じさせる。
「最初はどこにいくの?」
「うーん、先に旅館の方に行こうよ。荷物置きたいし」
持ってきた荷物、全てを旅荘に置きに行くため、先に旅荘ハテプスの方は足を進めた。
ザ・和風の旅館。
♢♢♢
「よし! 最初は団子屋だ!」
「………なんか、今日のヴィーゼ、物凄く張り切ってない?」
「うんうん」
思いの外にヴィーゼのテンションがおかしい。ハイテンションになっているようだった。それに少々戸惑うランス達。大人しくヴィーゼの後ろをついていく他ない。異国の地に降り立ったため、アンナの警戒心が異常なほどに高い。
近くに出されている団子屋にいくと、団子屋にいたおばちゃんが注文を取る。
団子屋にあった団子は、どれもヴィーゼが見たことのある団子ばかり。
みたらし団子、三色団子、よもぎ、きなこ。様々な種類が置かれていた。その中には不思議なものも置かれていた。
「これは…?」
「スライム団子だって」
「ヘ…?」
見た目は美味しそうな感じだ。だが、名称はそう書かれていた。咄嗟のことで間抜けな声を出してしまう。
スライム団子……?なんだそれ……。
そんな言葉が心全体を埋め尽くす。いや、マジで意味がわからん。
「普通にみたらし団子にしよう」
「もったいないよ! お嬢ちゃん!」
「え、」
「スライム団子っていうのはね、地元の人に人気なんだから!」
(え、嘘!?)
スライム=魔物。
そんな団子が地元の人に人気?
耳を疑うことを聞いてしまった。見た目は焼かれた団子。少々な焼け跡が残っていた。
みたらし団子に似たような見た目が、なぜスライム団子と言われているのか。
その疑問をそのおばちゃんに聞いてみることにした。
「あの、なんでスライム団子なんですか?」
「理由は簡単だよ。元々はスライムが多く出現する場所で取れた、稲なのさ。そこから“スライム団子”と言われるようになったのだよ」
(こじつけじゃない?)
あまりにもこじつけ過ぎて、反応に困った。どう反応すれば良いのか。あまりにも困った。
(………………別のにしよう)
大人しく三色団子とみたらし団子を選ぶ。と、思ったがなんと西大陸で使われる通貨じゃ使えないそうだ。東大陸と西大陸に存在するこの、皇御国では使えないようだった。
(………使えないのか)
「どうしますか? ヴィーゼさん」
「………この国で使えるお金を稼ごう」
団子屋から離れ、お金を稼ぐにはどうすれば良いか。考え込む。ちょうど桜が満開に咲いている場所で、座れる場所がある所へと行った。
椅子に座り、どうするべきか考える。椅子というよりベンチっぽい場所に。
「うーん、せっかく来たのにね…」
「うんうん。どうしよう………」
「ここにもギルドがあったら、資金を稼げそうなのに」
ギルド———皇御国にあるかどうかを再び考え込んだ。ヴィーゼの中ではギルドと言えば洋風という偏見そのものを感じていたから。
そもそも異世界に和風があるかどうかというの自体、偏見を感じていたのだ。
(ハァ…、桜を見ながら団子食べたかったのに)
まさに風流———と言うのを感じてみたかった…と言うのが本心である。
桜が舞い散る瞬間、それを見ながらの団子。その瞬間一つ一つ。
「———ちょっと、どう言う意味!?」
ヴィーゼからすると、なんとも懐かしさに包まれる。侍や、団子、桜、それに木の建物。他にも和菓子などが置かれており、安心感を感じていた。皇御国の中に大きな建物が存在していた。
皇御国の宿屋———旅荘ハテプス。
一週間の時を経て、この地はやってきたヴィーゼ達は、疲労困憊していた。旅路の馬車を借り、ここへとやってきた為、馬は近くの馬小屋に泊めてもらえるようにした。
「うわぁ~! すごい!」
初めて見るランス達からしたら、その光景はまさに新鮮そのものだった。目を輝かせ、子供のようにはしゃぐ。アンナも護衛の役として付いてきた。
甲冑を着て、一人だけ違う格好をしている為か、ものすごい注目を浴びている。
(へぇ、異世界にはこんな場所もあるのか…。なんか良いな!)
日本人であったヴィーゼもとい未会堂は、そのザ・和風な雰囲気を醸し出す、この皇御国に心の拠り所を作った。王国では洋風そのものの建物が多く、目新しいものばかりな為、色々と新鮮味がありすぎていた。
だが、皇御国では和風な建物。元日本人のヴィーゼからしたら、これ以上にない安心感を感じさせる。
「最初はどこにいくの?」
「うーん、先に旅館の方に行こうよ。荷物置きたいし」
持ってきた荷物、全てを旅荘に置きに行くため、先に旅荘ハテプスの方は足を進めた。
ザ・和風の旅館。
♢♢♢
「よし! 最初は団子屋だ!」
「………なんか、今日のヴィーゼ、物凄く張り切ってない?」
「うんうん」
思いの外にヴィーゼのテンションがおかしい。ハイテンションになっているようだった。それに少々戸惑うランス達。大人しくヴィーゼの後ろをついていく他ない。異国の地に降り立ったため、アンナの警戒心が異常なほどに高い。
近くに出されている団子屋にいくと、団子屋にいたおばちゃんが注文を取る。
団子屋にあった団子は、どれもヴィーゼが見たことのある団子ばかり。
みたらし団子、三色団子、よもぎ、きなこ。様々な種類が置かれていた。その中には不思議なものも置かれていた。
「これは…?」
「スライム団子だって」
「ヘ…?」
見た目は美味しそうな感じだ。だが、名称はそう書かれていた。咄嗟のことで間抜けな声を出してしまう。
スライム団子……?なんだそれ……。
そんな言葉が心全体を埋め尽くす。いや、マジで意味がわからん。
「普通にみたらし団子にしよう」
「もったいないよ! お嬢ちゃん!」
「え、」
「スライム団子っていうのはね、地元の人に人気なんだから!」
(え、嘘!?)
スライム=魔物。
そんな団子が地元の人に人気?
耳を疑うことを聞いてしまった。見た目は焼かれた団子。少々な焼け跡が残っていた。
みたらし団子に似たような見た目が、なぜスライム団子と言われているのか。
その疑問をそのおばちゃんに聞いてみることにした。
「あの、なんでスライム団子なんですか?」
「理由は簡単だよ。元々はスライムが多く出現する場所で取れた、稲なのさ。そこから“スライム団子”と言われるようになったのだよ」
(こじつけじゃない?)
あまりにもこじつけ過ぎて、反応に困った。どう反応すれば良いのか。あまりにも困った。
(………………別のにしよう)
大人しく三色団子とみたらし団子を選ぶ。と、思ったがなんと西大陸で使われる通貨じゃ使えないそうだ。東大陸と西大陸に存在するこの、皇御国では使えないようだった。
(………使えないのか)
「どうしますか? ヴィーゼさん」
「………この国で使えるお金を稼ごう」
団子屋から離れ、お金を稼ぐにはどうすれば良いか。考え込む。ちょうど桜が満開に咲いている場所で、座れる場所がある所へと行った。
椅子に座り、どうするべきか考える。椅子というよりベンチっぽい場所に。
「うーん、せっかく来たのにね…」
「うんうん。どうしよう………」
「ここにもギルドがあったら、資金を稼げそうなのに」
ギルド———皇御国にあるかどうかを再び考え込んだ。ヴィーゼの中ではギルドと言えば洋風という偏見そのものを感じていたから。
そもそも異世界に和風があるかどうかというの自体、偏見を感じていたのだ。
(ハァ…、桜を見ながら団子食べたかったのに)
まさに風流———と言うのを感じてみたかった…と言うのが本心である。
桜が舞い散る瞬間、それを見ながらの団子。その瞬間一つ一つ。
「———ちょっと、どう言う意味!?」
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