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第二部 学院
第十五話 小説通りに行かない
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起き上がったばかりの体で、教室へ向かうとロイレルが眼鏡の男の胸ぐらを掴んでいた。
「な、何やってるの!?」
俺はそう慌てて、二人の間に仲裁に入る。
行く前にオーティスに腕を掴まれたが、俺はそれを振り切った。
「何やってるの?二人して」
「………なんでも無いさ」
「………なんでも無い訳ないでしょ!?下手したら怪我人が出てたかもしれない!」
似つかわしくなく、俺は大声を荒げた。皆驚いた表情で俺を見ていたが、今は気にしない。何が起こっているのか。俺はロイレルじゃなく、眼鏡くんの方に聞いた。
「何があったの?」
「………………」
無反応で何も喋らなかった。仕方ないと思い、ロイレルにも聞く事にする。何か話すかもしれないと思い。
「何かあったの」
「………ノイーズが倒れた後、話したんだよ。魔素を奪ったって」
魔素を奪ったと。それは本当か問いただしたい。だが、多分それは違う。
距離範囲的にだいぶ離れていた。俺の飛んでいた距離と、この子の飛んでいた距離。だいぶ離れている。魔素を奪う前に、自分の魔素が無くなる。
だけど、ロイレルは苛立ってることがわかる。小説内ではロイレルとノイーズはなんの関係もない。
と言うより、ロイレルのことが好きな子だっている。
そんなロイレルが、ノイーズのことを思ってるとは思えない。
「多分違うわ。ロイレル様」
「何?」
「この子のせいじゃないわ。私のせいなのよ。魔素を計画的に使わずに」
「だが……!」
血相を変えていることがわかる。だけど、これは本当に自己責任だ。
「大丈夫ですわ。なので、ロイレル様。どうか、お気になさらず」
そうロイレルに言った後、俺は気分が優れないせいか、教室を出て行った。
オーティスたちからも大丈夫か?と、心配されたが、平気なふりをする。
(はぁ、これ以上大事にしたくない。先生に行って先に女子寮に戻ろう)
これ以上はもう限界だ。自分で招いた結果が、こうなるとは。
だが、今回のことで分かった。
小説の内容はほとんど、当てにならないと。
壁によたれかかる。何故小説通りに行かないのか。決められたシナリオがあると言うのに。
俺はそう考えたが、実際俺は悪女になっていない。まず、その時点で色々と変わっているのかもしれない。
なら、あまり問題ないのでは?
と言う考えも出てきた。
深く考えなくていいや、と言う結論に至る。
ーーーーーーー
職員室が見え、俺は担任に体調が悪いと言うことで、女子寮に帰るよに伝えた。そしたら了承され、俺は大人しく女子寮へ向かい、自分の部屋に行く。
糸が切れたかのように、ベットにダイブしてしまった。
何か、考えてもいい予感はしなさそうになかったため、俺はそのまま机のほうに移動し、本を読むように。と言うわけで、本棚から一冊の本を取り出す。
時間潰しにはなりそうだ。
「な、何やってるの!?」
俺はそう慌てて、二人の間に仲裁に入る。
行く前にオーティスに腕を掴まれたが、俺はそれを振り切った。
「何やってるの?二人して」
「………なんでも無いさ」
「………なんでも無い訳ないでしょ!?下手したら怪我人が出てたかもしれない!」
似つかわしくなく、俺は大声を荒げた。皆驚いた表情で俺を見ていたが、今は気にしない。何が起こっているのか。俺はロイレルじゃなく、眼鏡くんの方に聞いた。
「何があったの?」
「………………」
無反応で何も喋らなかった。仕方ないと思い、ロイレルにも聞く事にする。何か話すかもしれないと思い。
「何かあったの」
「………ノイーズが倒れた後、話したんだよ。魔素を奪ったって」
魔素を奪ったと。それは本当か問いただしたい。だが、多分それは違う。
距離範囲的にだいぶ離れていた。俺の飛んでいた距離と、この子の飛んでいた距離。だいぶ離れている。魔素を奪う前に、自分の魔素が無くなる。
だけど、ロイレルは苛立ってることがわかる。小説内ではロイレルとノイーズはなんの関係もない。
と言うより、ロイレルのことが好きな子だっている。
そんなロイレルが、ノイーズのことを思ってるとは思えない。
「多分違うわ。ロイレル様」
「何?」
「この子のせいじゃないわ。私のせいなのよ。魔素を計画的に使わずに」
「だが……!」
血相を変えていることがわかる。だけど、これは本当に自己責任だ。
「大丈夫ですわ。なので、ロイレル様。どうか、お気になさらず」
そうロイレルに言った後、俺は気分が優れないせいか、教室を出て行った。
オーティスたちからも大丈夫か?と、心配されたが、平気なふりをする。
(はぁ、これ以上大事にしたくない。先生に行って先に女子寮に戻ろう)
これ以上はもう限界だ。自分で招いた結果が、こうなるとは。
だが、今回のことで分かった。
小説の内容はほとんど、当てにならないと。
壁によたれかかる。何故小説通りに行かないのか。決められたシナリオがあると言うのに。
俺はそう考えたが、実際俺は悪女になっていない。まず、その時点で色々と変わっているのかもしれない。
なら、あまり問題ないのでは?
と言う考えも出てきた。
深く考えなくていいや、と言う結論に至る。
ーーーーーーー
職員室が見え、俺は担任に体調が悪いと言うことで、女子寮に帰るよに伝えた。そしたら了承され、俺は大人しく女子寮へ向かい、自分の部屋に行く。
糸が切れたかのように、ベットにダイブしてしまった。
何か、考えてもいい予感はしなさそうになかったため、俺はそのまま机のほうに移動し、本を読むように。と言うわけで、本棚から一冊の本を取り出す。
時間潰しにはなりそうだ。
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