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三人の関係
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中野の鍋屋横丁は、近くまで地下鉄が延伸するなどの変化はあったが、万里子が来た四年前からあまり変わらず、夜は静かだった。
時折酔っ払いの歌声が外から聞こえるのはご愛嬌。繁華街の喧騒に比べれば安らぐ夜の空気が流れていた。
門司青果店の脇から二階に通じる階段を上って来る足音を聞き、万里子は急いで玄関に立った。
徹也は、百合子の見舞いを終えた後、劇場に来た。仕事は、終演後まで及ぶ。踊り子達が帰った後も打ち合わせなどを行い、帰りはいつも万里子よりも遅い。
今は稼ぎも増え、徹也も万里子もこの古い借間から出て家の一軒も買えるのだが、二人ともここの暮らしから離れる気は無かった。
日中は店先に立つ登四郎の元気な声を聞き、夜は静かな中で倹しく簡単な夕食を取り、眠る。
万里子と徹也は、共に過ごして来たこの時間が何よりも心安らぐ時間だった。
「おかえり。お疲れ様、テツさん。リリーさんは、どうだった」
「ああ、今日はマリーが来てくれたからか、いつもより顔色も良かったし、俺が帰る時に泣く事も無かった」
「リリーさん、泣くの……」
徹也の上着を取りながら、万里子も泣きそうな顔をした。俯いてしまった万里子の頭をクシャッと撫でて徹也が言う。
「そりゃぁ、心細くなるし、当然俺達には分からないような不安もあるだろう。涙が溢れるのは当たり前の感情だ。マリーが気に病んでも仕方ないだろ。毎日顔を見に行くのが、今俺の出来る最大限だから、それをしている」
万里子は優しい徹也の服をキュッと掴む。
「うん、あたしも、出来る限りリリーさんに会いに行く」
「そうだな、そうしてくれ」
巽さんは?
たった数字の短い言葉が出せない。
入院した百合子の元に巽が行った様子は無かった。数日前、徹也がボソリと呟いていた。
『兄貴には、人が普通に持つ感情は、もう無いんだ。兄貴の目にはもう、誰も映っていない』
目を閉じれば、激しい情事しか浮かばない。躰を熱くはしても、心を熱くする力は微塵も持っていないのだ。
四年経った今も、躰以外、何の繋がりも出来ていない。
「マリー、今夜はショーもあったのに夕飯、作って待っていてくれたんだ」
八畳の居間の中心部に据えられた円卓にはご飯の支度がされいた。万里子はフフと肩を竦める。
「今日ね、病院を出た後に出会った人に、佃煮を分けていただいたの」
「つくだに?」
徹也は座りながら裏返る声を出した。思ってもみない角度からの、何にも結びつかないエピソードだったようだ。
「どうして、何があった」
驚く徹也の顔を嬉しそうに万里子は見る。
「あのね、話すと長くなっちゃうのだけど」
「うん?」
「今日、ちょっと素行の良くない人達に絡まれて」
表情を曇らせた徹也に万里子は慌てて手を振る。
「助けてもらったの、すごく強い女の人に」
「え」
「その人がね、別れ際に『これ、今買ってきたの。お裾分け』って」
老舗佃煮屋の品だった。
万里子を助けた彼女は紙に包装されている一つを渡しながら微笑んだ。
『あなたとの驚きのご縁、出会えたのは、大袈裟かもしれないけど、運命じゃないかしら。これはお近づきの印。佃煮というのは、少しもロマンチックじゃないけど、とっても美味しいものだから、許してね』
肩を竦めて笑った上品な小紋姿の彼女は、チャーミングだった。新橋の芸者だと言っていた。
驚きのご縁と言っていたが、とんでもないご縁もあったものだ。
「それで、その女性は、このロザリオと同じものを持っていて、マリーと同じ混血児だった、という事か」
万里子の大切なロザリオは座卓の上で高貴な光を放っていた。
「実は、このロザリオに彫られた名前の人、あたしのお父さんなの」
ふうん……、と応えた徹也だったが直ぐに「ええっ、今なんて」と聞き返した。徹也の反応に万里子は仰け反る。
「この、ナオヤ、っていう……、Sは、やっぱり周防のSだったのか」
「やっぱり?」
腰を浮かせていた徹也はハッと我に返ったように座り直した。
「あ、いや、これを見せてもらった時、Sは、万里子の苗字のイニシャルだろ、だから真っ先にそうかな、って」
万里子は、ああそうか、と納得した。徹也は、万里子が入れた茶を飲み一息吐いた。
「それで、万里子は、お父さんのこれを持って、東京に?」
東京に。
暗く重い雲が脳内を覆う。
覚えてないのだ。あの当時の事を。
恐怖が記憶を掻き消したのだ。
『マリー、ごめん。僕はもう君を守ってあげられない。これを持って、逃げてくれ。今は、これしかしてあげられない!』
父の言葉だけ覚えている。
あれがどこで、どんな状況だったのか。思い出せない。
思い出したくない。
頭を抱えて震え出した万里子の身体を徹也の腕が優しく包んだ。
「マリー、いいんだ。怖い記憶なんて思い出す必要はない。俺がずっと傍にいる。マリーは、今一人じゃない。俺がずっと守る」
万里子の目から涙が溢れる。
優しい人。
そうだ、父もそうだった。
優しい父。物心ついた時から傍にいたのは父だけだった。母の記憶はない。
ただ、父が本当の父だったのかは、定かではない。村の人が話していた事を聞いたから。
『周防さんは、聖職者さんだからねぇ。孤児を拾って育てとる』
あれは、どういう意味だったのか。
父はどんな人だったのか。
髪を撫でる優しい手に、「大丈夫だ」と囁く甘い声が万里子を温かく包む。
ああ、この感触は父じゃない。
「テツさん」
万里子は顔を上げて徹也を見た。徹也の柔らかな丸みを帯びた二重の目から送られる眼差しはいつも安らぎをくれる。
ずっと、こうして抱いていて欲しい。ううん、もっと触れていたい。
四年間共に暮らしてきたのに、二人の間にはまだ何も無かった。本当は自分は、と万里子は手を伸ばす。
徹也の大きな手が万里子の手を取り、握った。
唇を重ね、長いキスをする。
「テツさん、あたしを、テツさんのものにしてください」
端正な徹也の顔が悲しげに歪んだ。
「ずっと、そうしたいって思っていた」
涙が溢れて止まらない。ずっと傍にいながら、何かに怯えて、何かに遠慮して。
「あたし達、どうしてもっと早くこうしなかったのかな」
「俺が、不甲斐なかったんだ」
万里子は首を振る。
ずっと一緒にいる。だから、身も心も一つになりたい。これは自然の感情だったんだ。
「マリー」
全てを剥ぎ取り、肌と肌が触れ合って。
「テツさん、もっと、もっと触れて」
徹也のクスリと笑う声がお腹の辺りで吐息に変わり、万里子はくすぐったさに震えた。
唇が這って伝って。
「ふ、あ、あ」
乳房に触れる手も、足を抱く手も、全部優しい。
細身だが、均整の取れた身体に抱き締められる度に痺れそうになる。
気持ちいい。
「マリー、いい?」
徹也の声に震えながら頷く。
「んんっ、ん」
仰け反る万里子を優しく抱いて、徹也は囁く。
「愛してる」
伸ばした腕を首に絡めて抱き締めて、何度も何度も頷いた。
愛してる、って感情を初めて知った。
温かくてフワフワして、幸福な。
これが、愛なんだ、きっと。
幾度もキスをして溢れる感情を行き来させ、抱き締め合った。
徹也の腕の中で、胸に頰を密着させる。規則正しい鼓動を聞きながら目を閉じた時だった。
「マリー、これは大事な事だから、聞いて欲しい」
「?」
艶やかな髪を撫でながら柔らかな声が厳かに言った。
「大事なロザリオ、まだ巽に見せてないよな。巽は、ロザリオの存在自体知らないよな」
万里子は頷いた。
富夫が別れ際にそっと耳打ちした事があった。
『あの宝物、テツ以外の人間に見せてはいけないよ』
言葉の真意が見えてきた気がする。徹也も今、同じ事を言おうとしている。
「あれは絶対に、巽に見せたらいけない。ましてや、巽の手に渡るような事は絶対にあっちゃいけない。気を付けような」
自分達のこれからの人生が、それで左右される事になる。二人は、そんな気がしてならなかった。
時折酔っ払いの歌声が外から聞こえるのはご愛嬌。繁華街の喧騒に比べれば安らぐ夜の空気が流れていた。
門司青果店の脇から二階に通じる階段を上って来る足音を聞き、万里子は急いで玄関に立った。
徹也は、百合子の見舞いを終えた後、劇場に来た。仕事は、終演後まで及ぶ。踊り子達が帰った後も打ち合わせなどを行い、帰りはいつも万里子よりも遅い。
今は稼ぎも増え、徹也も万里子もこの古い借間から出て家の一軒も買えるのだが、二人ともここの暮らしから離れる気は無かった。
日中は店先に立つ登四郎の元気な声を聞き、夜は静かな中で倹しく簡単な夕食を取り、眠る。
万里子と徹也は、共に過ごして来たこの時間が何よりも心安らぐ時間だった。
「おかえり。お疲れ様、テツさん。リリーさんは、どうだった」
「ああ、今日はマリーが来てくれたからか、いつもより顔色も良かったし、俺が帰る時に泣く事も無かった」
「リリーさん、泣くの……」
徹也の上着を取りながら、万里子も泣きそうな顔をした。俯いてしまった万里子の頭をクシャッと撫でて徹也が言う。
「そりゃぁ、心細くなるし、当然俺達には分からないような不安もあるだろう。涙が溢れるのは当たり前の感情だ。マリーが気に病んでも仕方ないだろ。毎日顔を見に行くのが、今俺の出来る最大限だから、それをしている」
万里子は優しい徹也の服をキュッと掴む。
「うん、あたしも、出来る限りリリーさんに会いに行く」
「そうだな、そうしてくれ」
巽さんは?
たった数字の短い言葉が出せない。
入院した百合子の元に巽が行った様子は無かった。数日前、徹也がボソリと呟いていた。
『兄貴には、人が普通に持つ感情は、もう無いんだ。兄貴の目にはもう、誰も映っていない』
目を閉じれば、激しい情事しか浮かばない。躰を熱くはしても、心を熱くする力は微塵も持っていないのだ。
四年経った今も、躰以外、何の繋がりも出来ていない。
「マリー、今夜はショーもあったのに夕飯、作って待っていてくれたんだ」
八畳の居間の中心部に据えられた円卓にはご飯の支度がされいた。万里子はフフと肩を竦める。
「今日ね、病院を出た後に出会った人に、佃煮を分けていただいたの」
「つくだに?」
徹也は座りながら裏返る声を出した。思ってもみない角度からの、何にも結びつかないエピソードだったようだ。
「どうして、何があった」
驚く徹也の顔を嬉しそうに万里子は見る。
「あのね、話すと長くなっちゃうのだけど」
「うん?」
「今日、ちょっと素行の良くない人達に絡まれて」
表情を曇らせた徹也に万里子は慌てて手を振る。
「助けてもらったの、すごく強い女の人に」
「え」
「その人がね、別れ際に『これ、今買ってきたの。お裾分け』って」
老舗佃煮屋の品だった。
万里子を助けた彼女は紙に包装されている一つを渡しながら微笑んだ。
『あなたとの驚きのご縁、出会えたのは、大袈裟かもしれないけど、運命じゃないかしら。これはお近づきの印。佃煮というのは、少しもロマンチックじゃないけど、とっても美味しいものだから、許してね』
肩を竦めて笑った上品な小紋姿の彼女は、チャーミングだった。新橋の芸者だと言っていた。
驚きのご縁と言っていたが、とんでもないご縁もあったものだ。
「それで、その女性は、このロザリオと同じものを持っていて、マリーと同じ混血児だった、という事か」
万里子の大切なロザリオは座卓の上で高貴な光を放っていた。
「実は、このロザリオに彫られた名前の人、あたしのお父さんなの」
ふうん……、と応えた徹也だったが直ぐに「ええっ、今なんて」と聞き返した。徹也の反応に万里子は仰け反る。
「この、ナオヤ、っていう……、Sは、やっぱり周防のSだったのか」
「やっぱり?」
腰を浮かせていた徹也はハッと我に返ったように座り直した。
「あ、いや、これを見せてもらった時、Sは、万里子の苗字のイニシャルだろ、だから真っ先にそうかな、って」
万里子は、ああそうか、と納得した。徹也は、万里子が入れた茶を飲み一息吐いた。
「それで、万里子は、お父さんのこれを持って、東京に?」
東京に。
暗く重い雲が脳内を覆う。
覚えてないのだ。あの当時の事を。
恐怖が記憶を掻き消したのだ。
『マリー、ごめん。僕はもう君を守ってあげられない。これを持って、逃げてくれ。今は、これしかしてあげられない!』
父の言葉だけ覚えている。
あれがどこで、どんな状況だったのか。思い出せない。
思い出したくない。
頭を抱えて震え出した万里子の身体を徹也の腕が優しく包んだ。
「マリー、いいんだ。怖い記憶なんて思い出す必要はない。俺がずっと傍にいる。マリーは、今一人じゃない。俺がずっと守る」
万里子の目から涙が溢れる。
優しい人。
そうだ、父もそうだった。
優しい父。物心ついた時から傍にいたのは父だけだった。母の記憶はない。
ただ、父が本当の父だったのかは、定かではない。村の人が話していた事を聞いたから。
『周防さんは、聖職者さんだからねぇ。孤児を拾って育てとる』
あれは、どういう意味だったのか。
父はどんな人だったのか。
髪を撫でる優しい手に、「大丈夫だ」と囁く甘い声が万里子を温かく包む。
ああ、この感触は父じゃない。
「テツさん」
万里子は顔を上げて徹也を見た。徹也の柔らかな丸みを帯びた二重の目から送られる眼差しはいつも安らぎをくれる。
ずっと、こうして抱いていて欲しい。ううん、もっと触れていたい。
四年間共に暮らしてきたのに、二人の間にはまだ何も無かった。本当は自分は、と万里子は手を伸ばす。
徹也の大きな手が万里子の手を取り、握った。
唇を重ね、長いキスをする。
「テツさん、あたしを、テツさんのものにしてください」
端正な徹也の顔が悲しげに歪んだ。
「ずっと、そうしたいって思っていた」
涙が溢れて止まらない。ずっと傍にいながら、何かに怯えて、何かに遠慮して。
「あたし達、どうしてもっと早くこうしなかったのかな」
「俺が、不甲斐なかったんだ」
万里子は首を振る。
ずっと一緒にいる。だから、身も心も一つになりたい。これは自然の感情だったんだ。
「マリー」
全てを剥ぎ取り、肌と肌が触れ合って。
「テツさん、もっと、もっと触れて」
徹也のクスリと笑う声がお腹の辺りで吐息に変わり、万里子はくすぐったさに震えた。
唇が這って伝って。
「ふ、あ、あ」
乳房に触れる手も、足を抱く手も、全部優しい。
細身だが、均整の取れた身体に抱き締められる度に痺れそうになる。
気持ちいい。
「マリー、いい?」
徹也の声に震えながら頷く。
「んんっ、ん」
仰け反る万里子を優しく抱いて、徹也は囁く。
「愛してる」
伸ばした腕を首に絡めて抱き締めて、何度も何度も頷いた。
愛してる、って感情を初めて知った。
温かくてフワフワして、幸福な。
これが、愛なんだ、きっと。
幾度もキスをして溢れる感情を行き来させ、抱き締め合った。
徹也の腕の中で、胸に頰を密着させる。規則正しい鼓動を聞きながら目を閉じた時だった。
「マリー、これは大事な事だから、聞いて欲しい」
「?」
艶やかな髪を撫でながら柔らかな声が厳かに言った。
「大事なロザリオ、まだ巽に見せてないよな。巽は、ロザリオの存在自体知らないよな」
万里子は頷いた。
富夫が別れ際にそっと耳打ちした事があった。
『あの宝物、テツ以外の人間に見せてはいけないよ』
言葉の真意が見えてきた気がする。徹也も今、同じ事を言おうとしている。
「あれは絶対に、巽に見せたらいけない。ましてや、巽の手に渡るような事は絶対にあっちゃいけない。気を付けような」
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