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情と縁
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「アンタらの引き受け先、決まったからよ。後で迎えが来る」
電話を切った星児は身動ぎもせずにソファーに座る娘に話しかけた。
「はい」
娘はそう短く答え、頭を下げた。
小さなボストンバック1つ。質素な服装。母親に至っては、もはや浮浪者のようだ。
この母娘は一体どんな人生を送ってきたのか。
星児はタバコをくわえ、ライターで火を点けた。
十五歳。本来ならば、何かしらの行政機関に委ねられるべき年齢なのに。
この母親単体では到底〝商取引〟にはならない。星児はくゆる煙を睨み付けた。
この街で揺るぎ無い足場を築き這い上がって行こうとする時〝情け〟は命取りになるのだ。
自分は福祉事業者じゃない。
何度もそう自分に言い聞かせてきた。
じゃあ、みちるは?
ソファーに座る少女に星児はチラリと目をやった。
自分に与えられた道、〝宿命〟に対する覚悟なのか。瞳に、迷いがない。だからそうして凛としていられるのか。
それに対し、あの時、抱えきれない程の迷いと戸惑いをその瞳に湛えながら、必死に年齢をごまかしたみちる。
放り出せなかった。
目を閉じた星児の脳裏にあの日のみちるが蘇る。
血も涙もない、と言われながら、感情を捨てて女達をを捌いてきた筈だったのに、あの時初めて躊躇った。
何故か、みちるに不思議な繋がりを感じたのだ。その〝繋がり〟の正体は分からないが。
〝情〟などという生半可なものでは語れない何か。
これは保にも言えねーな。
自分に対する苦笑いと共に星児はタバコを灰皿で揉み消し、娘と視線を合わせた。
「アンタはきっと賢い女だ。自分だけを信じて、生き抜いてくれ」
これが、今彼女に星児が言える精一杯だった。
彼女は、真っ直ぐな瞳で黙って彼を見つめていた。
†††
「で? その取り引きには応じたのかよ」
「仕方ねーだろ」
二人の間でみちるが静かな寝息を立てていた。
日付が変わって数時間経った頃、そっとベッドに入った星児は保を起こし、事の一部始終を話した。
「敷島が田崎の犬だって事は前から分かっていただろ。これは、そうと知りつつズルズルと敷島と取り引きを続けた星児の落ち度だ」
保に、冷静なまでにバッサリと斬られ、分かってるさ、とタバコをくわえた星児は軽く剥れた。保は小さくため息をつく。
「にしても、直ぐに取り引き持ち掛けるなんてな。田崎、分かりやす過ぎだろ」
「八方塞がりで頭抱えた人間てのは冷静さを失ってるからよ。例えヤツが仕組んだ事だと直ぐに分かってもさ、背に腹は返られねぇとなりゃ、こっちは取り引きに応じるしかねぇ。
田崎はそこを狙ったんだろ」
「それでお前はまんまと田崎の術中にはまったってワケか?」
飽きれ気味の表情で言う保のその言葉に星児はククッと笑った。
「俺がそんな単純と思うか?」
「いや、そうは思わない。けど取り引きには応じたんだろ? シマ半分田崎なんかにくれちまうってーー」
「やらねーよ」
「は?」
保は思わず身を起こし、星児を見た。星児は変わらず仰向けのままタバコの煙を吐き出していた。
「歌舞伎町の商売の邪魔なんて誰にもさせねぇ。新大久保をくれてやる、って言った」
「新大久保? ダメだろ、あそこは」
星児は歌舞伎町と新大久保に店を持つ。歌舞伎町は自らの〝シマ〟と言ってもいい商売をしているが、新大久保は違った。
「あそこはお前が懇意にしてる仁和会のシマだろ」
仁和会とは、世に言う任侠団体だ。昔から星児を気に入っているそこの会長が特別に自らのシマでミカジメ無しで商売させてくれていた。
星児にしてみれば〝治外法権〟エリアだ。そこをやる、なんて話を付けたら。
「田崎のジジイ、吹っかけたらまんまと引っかかりやがった。仁和のおやっさんとドンパチやりゃあいい。新大久保に仁和のシマがあるのはあまり知られてないけどな、強欲先行でリサーチ怠ったジジイの落ち度だ」
「ば、バカか⁉︎ お前は!」
思わず保は声を上げた。
「ん……」と身動ぎしたみちるを見、彼は慌てて声を抑えた。
「録音でもされてたら、それこそマズイだろ」
「そんなの想定内だ。俺はバカじゃねぇよ」
保の言葉を遮った星児がニヤリと笑う。
「俺は絶対に揚げ足取られるような〝足跡〟は残さねぇんだよ。『新大久保を好きにすりゃいい』としか言ってねぇ。それだけでジジイはホイホイ食い付きやがった。特定の場所を口にしていない録音なんてどうとでも言い逃れできる」
意味が分からない、という顔で保が星児を見た。
「モノは言い方でどうにでもなる。確約が欲しけりゃ契約書ってのを交わすんだな。まあ、内容が内容だけにそんなモン書いたところで何の効力もねーけどな」
「お前は……」
二の句が告げない。保の口が半開きのままになる。
「あの街で、真っ当な筋を通そうなんて誰も思っちゃいねぇ。何処で足元掬ってやろうか探り合っている。俺は俺の筋を通して自分の守るモンを守ればいいんだ」
「田崎が黙ってねぇだろ。恐く、ないのか?」
星児は昔から桁外れな度胸の持ち主だった。保は
俺はその、お前の無鉄砲さが恐いよ。
どうしてそんな得体の知れない恐さを孕んだ相手とこうも堂々と渡り合える?
「血反吐を吐く思いで手にした俺の足場を奪おうなんてヤツは、例えどんなヤツだろうと許さねぇ」
星児の穏やかな低い声に保はゾクリとした。
そうだ。これが、剣崎星児という男だ。
ふぅ、と煙を吐き出した星児は宙を睨みながら静かに続けた。
「田崎なんざ恐かねぇよ。本当に恐いのは〝人間〟しての道を踏み外している事に気付いてすらいねぇ〝欲望〟っつう魔物に憑依された正統権力の権化だ」
本当の敵は、倫理、善悪の境、全てを完全に見失った巨魁だ。
「けど」
口から外したタバコを、サイドテーブルから取った灰皿に押し付けながら星児がポツリと言った。
「今回は流石に思っちまった。保がいればこんな事態にはならなかったってな。まだ先だと言ったくせにな」
決して弱音など吐かない星児がごく稀に保にだけ見せる陰の顔だ。保は目を閉じ、ゆっくりと口を開いた。
「行くさ、いずれ。けど、お前の言う今の場所で〝やるべき事〟がとうとう出来そうななんだ。もう少し待ってくれ」
星児の顔付きが変わる。
「まさか」
「ああ。津田恵三の長女の販売担当になれそうだ」
「津田恵三の……郡司武司の連れ合いか!」
星児がガバッと身体を起こした。
「ああ、そうだ」
少しずつ、確実に標的に近付いて来ている。
あと少しだ。
「ん……」
寝返りを打つみちるを二人は見詰めた。
「みちるの将来をそろそろ考えねーとなんねーぞ」
言葉を選びながら言う星児に、艶やかな髪を愛しげに撫でる保は返事をしなかった。
保の様子に星児は何も言わなかったが、小さく肩を竦めた。
「それで、例の母娘はこれからどうなるんだ?」
部屋の明かりを落とした時、保が呟くように言った。
「ああ、そうだな……」
星児はあの娘の姿を思い出していた。
「母親はダメだろうな。でも娘はーー、」
星児は、やり切れない想いに潰されて言葉の先を呑み込んだ。
察した保も黙し重くなった空気が、星児がふと漏らした言葉に揺れた。
「すげぇ賢そうな娘だった。アレは、もしかしたらまた何処かで会えそうな気がすんだよ。それにしても、」
そこで言葉を切った星児がククッと笑った。
「拾った時のみちると同い年だってのによ、あん時のみちるとはダンチの差だった」
アハハハと心底可笑しそうに星児が笑い出した。
「みちる……なんか星児がバカにしてるぞ」
保が眠るみちるの耳元にそっと囁く。みちるはくすぐったそうに軽く首を竦めた。星児はフッと笑う。
「まったく、天下太平で爆睡しやがって。よしっ! 起こしちまおうっ」
「せ、星児⁈」
起き上がった星児はいきなりみちるの両脇を抱え、抱き上げた。
「ひぁっ、ほぇ⁈」
何が起きたか分からない、という寝ぼけ眼のみちるを片腕に抱えた星児は全身をくすぐる。
「やぁあぁっ! 星児さん⁈ だめ……っ」
みちるは身体を思い切り捩らせ暴れ、保に向かって手を伸ばした。
「せいぃじぃいっ!」
みちるの手を握った保が空いた手で拳を握り、星児にパンチ。
ハアハアと肩で息をしながら三人はベッドにひっくり返っていた。
「な……なんですかぁ、もぉ……いきなり……」
「んー、スキンシップ?」
「星児のは過激過ぎんだよっ!」
うつ伏せになり枕に顔を埋め肩で息をするみちるの髪を、星児が優しく撫でた。保はそんな星児を静かに見ていた。
愛しさ。自覚しちまったか、星児? でもそれは。
保は錯綜する想いに息苦しさを覚えていた。
みちるを自分達の手から羽ばたかせる日が来るのだろうか。
自分達は多分、紙一重のところにいる。
電話を切った星児は身動ぎもせずにソファーに座る娘に話しかけた。
「はい」
娘はそう短く答え、頭を下げた。
小さなボストンバック1つ。質素な服装。母親に至っては、もはや浮浪者のようだ。
この母娘は一体どんな人生を送ってきたのか。
星児はタバコをくわえ、ライターで火を点けた。
十五歳。本来ならば、何かしらの行政機関に委ねられるべき年齢なのに。
この母親単体では到底〝商取引〟にはならない。星児はくゆる煙を睨み付けた。
この街で揺るぎ無い足場を築き這い上がって行こうとする時〝情け〟は命取りになるのだ。
自分は福祉事業者じゃない。
何度もそう自分に言い聞かせてきた。
じゃあ、みちるは?
ソファーに座る少女に星児はチラリと目をやった。
自分に与えられた道、〝宿命〟に対する覚悟なのか。瞳に、迷いがない。だからそうして凛としていられるのか。
それに対し、あの時、抱えきれない程の迷いと戸惑いをその瞳に湛えながら、必死に年齢をごまかしたみちる。
放り出せなかった。
目を閉じた星児の脳裏にあの日のみちるが蘇る。
血も涙もない、と言われながら、感情を捨てて女達をを捌いてきた筈だったのに、あの時初めて躊躇った。
何故か、みちるに不思議な繋がりを感じたのだ。その〝繋がり〟の正体は分からないが。
〝情〟などという生半可なものでは語れない何か。
これは保にも言えねーな。
自分に対する苦笑いと共に星児はタバコを灰皿で揉み消し、娘と視線を合わせた。
「アンタはきっと賢い女だ。自分だけを信じて、生き抜いてくれ」
これが、今彼女に星児が言える精一杯だった。
彼女は、真っ直ぐな瞳で黙って彼を見つめていた。
†††
「で? その取り引きには応じたのかよ」
「仕方ねーだろ」
二人の間でみちるが静かな寝息を立てていた。
日付が変わって数時間経った頃、そっとベッドに入った星児は保を起こし、事の一部始終を話した。
「敷島が田崎の犬だって事は前から分かっていただろ。これは、そうと知りつつズルズルと敷島と取り引きを続けた星児の落ち度だ」
保に、冷静なまでにバッサリと斬られ、分かってるさ、とタバコをくわえた星児は軽く剥れた。保は小さくため息をつく。
「にしても、直ぐに取り引き持ち掛けるなんてな。田崎、分かりやす過ぎだろ」
「八方塞がりで頭抱えた人間てのは冷静さを失ってるからよ。例えヤツが仕組んだ事だと直ぐに分かってもさ、背に腹は返られねぇとなりゃ、こっちは取り引きに応じるしかねぇ。
田崎はそこを狙ったんだろ」
「それでお前はまんまと田崎の術中にはまったってワケか?」
飽きれ気味の表情で言う保のその言葉に星児はククッと笑った。
「俺がそんな単純と思うか?」
「いや、そうは思わない。けど取り引きには応じたんだろ? シマ半分田崎なんかにくれちまうってーー」
「やらねーよ」
「は?」
保は思わず身を起こし、星児を見た。星児は変わらず仰向けのままタバコの煙を吐き出していた。
「歌舞伎町の商売の邪魔なんて誰にもさせねぇ。新大久保をくれてやる、って言った」
「新大久保? ダメだろ、あそこは」
星児は歌舞伎町と新大久保に店を持つ。歌舞伎町は自らの〝シマ〟と言ってもいい商売をしているが、新大久保は違った。
「あそこはお前が懇意にしてる仁和会のシマだろ」
仁和会とは、世に言う任侠団体だ。昔から星児を気に入っているそこの会長が特別に自らのシマでミカジメ無しで商売させてくれていた。
星児にしてみれば〝治外法権〟エリアだ。そこをやる、なんて話を付けたら。
「田崎のジジイ、吹っかけたらまんまと引っかかりやがった。仁和のおやっさんとドンパチやりゃあいい。新大久保に仁和のシマがあるのはあまり知られてないけどな、強欲先行でリサーチ怠ったジジイの落ち度だ」
「ば、バカか⁉︎ お前は!」
思わず保は声を上げた。
「ん……」と身動ぎしたみちるを見、彼は慌てて声を抑えた。
「録音でもされてたら、それこそマズイだろ」
「そんなの想定内だ。俺はバカじゃねぇよ」
保の言葉を遮った星児がニヤリと笑う。
「俺は絶対に揚げ足取られるような〝足跡〟は残さねぇんだよ。『新大久保を好きにすりゃいい』としか言ってねぇ。それだけでジジイはホイホイ食い付きやがった。特定の場所を口にしていない録音なんてどうとでも言い逃れできる」
意味が分からない、という顔で保が星児を見た。
「モノは言い方でどうにでもなる。確約が欲しけりゃ契約書ってのを交わすんだな。まあ、内容が内容だけにそんなモン書いたところで何の効力もねーけどな」
「お前は……」
二の句が告げない。保の口が半開きのままになる。
「あの街で、真っ当な筋を通そうなんて誰も思っちゃいねぇ。何処で足元掬ってやろうか探り合っている。俺は俺の筋を通して自分の守るモンを守ればいいんだ」
「田崎が黙ってねぇだろ。恐く、ないのか?」
星児は昔から桁外れな度胸の持ち主だった。保は
俺はその、お前の無鉄砲さが恐いよ。
どうしてそんな得体の知れない恐さを孕んだ相手とこうも堂々と渡り合える?
「血反吐を吐く思いで手にした俺の足場を奪おうなんてヤツは、例えどんなヤツだろうと許さねぇ」
星児の穏やかな低い声に保はゾクリとした。
そうだ。これが、剣崎星児という男だ。
ふぅ、と煙を吐き出した星児は宙を睨みながら静かに続けた。
「田崎なんざ恐かねぇよ。本当に恐いのは〝人間〟しての道を踏み外している事に気付いてすらいねぇ〝欲望〟っつう魔物に憑依された正統権力の権化だ」
本当の敵は、倫理、善悪の境、全てを完全に見失った巨魁だ。
「けど」
口から外したタバコを、サイドテーブルから取った灰皿に押し付けながら星児がポツリと言った。
「今回は流石に思っちまった。保がいればこんな事態にはならなかったってな。まだ先だと言ったくせにな」
決して弱音など吐かない星児がごく稀に保にだけ見せる陰の顔だ。保は目を閉じ、ゆっくりと口を開いた。
「行くさ、いずれ。けど、お前の言う今の場所で〝やるべき事〟がとうとう出来そうななんだ。もう少し待ってくれ」
星児の顔付きが変わる。
「まさか」
「ああ。津田恵三の長女の販売担当になれそうだ」
「津田恵三の……郡司武司の連れ合いか!」
星児がガバッと身体を起こした。
「ああ、そうだ」
少しずつ、確実に標的に近付いて来ている。
あと少しだ。
「ん……」
寝返りを打つみちるを二人は見詰めた。
「みちるの将来をそろそろ考えねーとなんねーぞ」
言葉を選びながら言う星児に、艶やかな髪を愛しげに撫でる保は返事をしなかった。
保の様子に星児は何も言わなかったが、小さく肩を竦めた。
「それで、例の母娘はこれからどうなるんだ?」
部屋の明かりを落とした時、保が呟くように言った。
「ああ、そうだな……」
星児はあの娘の姿を思い出していた。
「母親はダメだろうな。でも娘はーー、」
星児は、やり切れない想いに潰されて言葉の先を呑み込んだ。
察した保も黙し重くなった空気が、星児がふと漏らした言葉に揺れた。
「すげぇ賢そうな娘だった。アレは、もしかしたらまた何処かで会えそうな気がすんだよ。それにしても、」
そこで言葉を切った星児がククッと笑った。
「拾った時のみちると同い年だってのによ、あん時のみちるとはダンチの差だった」
アハハハと心底可笑しそうに星児が笑い出した。
「みちる……なんか星児がバカにしてるぞ」
保が眠るみちるの耳元にそっと囁く。みちるはくすぐったそうに軽く首を竦めた。星児はフッと笑う。
「まったく、天下太平で爆睡しやがって。よしっ! 起こしちまおうっ」
「せ、星児⁈」
起き上がった星児はいきなりみちるの両脇を抱え、抱き上げた。
「ひぁっ、ほぇ⁈」
何が起きたか分からない、という寝ぼけ眼のみちるを片腕に抱えた星児は全身をくすぐる。
「やぁあぁっ! 星児さん⁈ だめ……っ」
みちるは身体を思い切り捩らせ暴れ、保に向かって手を伸ばした。
「せいぃじぃいっ!」
みちるの手を握った保が空いた手で拳を握り、星児にパンチ。
ハアハアと肩で息をしながら三人はベッドにひっくり返っていた。
「な……なんですかぁ、もぉ……いきなり……」
「んー、スキンシップ?」
「星児のは過激過ぎんだよっ!」
うつ伏せになり枕に顔を埋め肩で息をするみちるの髪を、星児が優しく撫でた。保はそんな星児を静かに見ていた。
愛しさ。自覚しちまったか、星児? でもそれは。
保は錯綜する想いに息苦しさを覚えていた。
みちるを自分達の手から羽ばたかせる日が来るのだろうか。
自分達は多分、紙一重のところにいる。
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