川の底に沈む【完結】

１

　私は川の底に沈み、揺蕩う。

　流れもなく澱んで、昼間でも底に光は届かない川。

　この川は、私そのものなんだと思う。




　いつからだったろう。

　風呂は〝こういう事〟をする場所なんだって思うようになったのは。

「足を開いて、よーく見えるように」

　湯船の縁に、壁に寄りかかり座らされ足を大きく広げさせられた。

「女のここは汚いから、男に綺麗に洗わないといけないんだ。よく洗ってやろうな」

　洗う？

　そんなんじゃなかった。

　指が乱暴に這いずり回っていた。

　身体に何が起こっているかなんて、分からなかった。

　悶えて、身体を捩らせ、しがみつきながら何度も背中を反らせた。

「いやらしい子だ。またここをこんなにしてしまって……」

　人より成長が早く、よく膨らんでしまっていた胸の先は硬くなり、敏感になったピンク色の突端は強く強く吸われ舌で転がされ、幾度も意識が飛んだ。

「最後にここは舐めて綺麗にしてやろうな」

　晒した股間はいつも最後に執拗に舐め回される。激しく吸い上げる音に、飛ぶ意識。

　この行為が何なのか分かるのに、数年の時が必要だった。

　幼くて、何も分からなかったから。

　私に教えてくれる人は誰もいなかったから。


＊