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忸怩たる
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武明の車は日暮里駅前で停まった。
「じゃあ、また」
握られた手が、ゆっくりと名残惜しむかのように離れた。みちるの心が震える。
お別れって、こんなに辛いものなんだ。
泣きそうな表情をするみちるに、武明がフワリと笑った。
「また会えるよ」
「うん……」
また、会える。
短い言葉が胸を熱くする。
優しい口づけが心をほぐしてくれた。
車を降りたみちるは、家を目指して走り出した。
ポケットベルを忘れてしまった事を車を降りてから気付いた。
状況、立場は少々違うが、シンデレラの心境だ。現実に引き戻された。
リビングのドアを開けた瞬間、みちるを襲ったのは罪悪感と。
後、悔?
私、後悔してるの?
全身を、まるで強い力で握りつぶされたかのような痛みにみちるは胸を押さえた。
リビングのソファーで横になり眠る星児は、スーツのジャケットを脱いだのみのワイシャツにネクタイ姿だった。
飲みかけの缶ビールがリビングのテーブルに置かれたまま。テレビもついたままだった。
胸の痛みを抑え、みちるはカーテンを開ける。
夏の正午の強い陽射しが一気に部屋を明るくし、ソファーで眠る星児は眩しそうに顔をしかめたが、微かに動いただけで目を覚ました様子はない。
みちるは星児にそっと近付き、胸の上で握ったままになっているテレビのリモコンを取ろうと手を伸ばした。
次の瞬間。
「ーー⁈」
みちるの手がリモコンに触れた瞬間、目にも止まらぬ速さでグッと腕を掴まれた。
「ひぁっ!」
強い腕に引かれ、みちるは一瞬で星児の上に倒れ込んだ。
タヌキ寝入り!
みちるは慌てて星児の胸に手を突き起き上がろうとしたが、強い力で引き戻され抱き締められた。
何度も感じたその躯。時には荒く、時には激しく。それでも必ず何処かに優しさがあった。
心臓が壊れちゃう!
加速する鼓動が耳にこだまし割れそうな音を響かせる。
星児の腕の中で身悶えしたみちるが顔を上げると、真っ直ぐな深く黒い瞳があった。
ゴクンと固唾を呑む。
吸い込まれる。
静寂と沈黙に満たされる部屋は、エアコンから聞こえる微かな音のみが支配する。
みちるの耳には自らの激しさを増す鼓動音が響いていた。
静寂を、星児が破る。意地悪な笑いと共に。口角を上げてクッと笑った星児がみちるを見上げて言った。
「キス……して欲しいか?」
クラリとするような色香を含むゾクリとする程の冷笑だった。みちるは背中に冷たいものを感じた。
「……っ!!」
ガバッと身を起こした星児は一気に体勢を逆転させみちるを仰向けにした。
上に覆い被さる体勢になるとみちるの顔の両脇に手を突いた。
「せ、星児さんっ! いや……っ!」
首筋に乱暴にキスをしたかと思うと、星児はみちるのブラウスに手をかけた。
ボタンが弾け飛び肌が露になる。
「やだ……っ! いやぁあ!」
星児さん⁈ こんなのはいやっ!
激しく首を振り必死に抗うみちるの両手首を星児はいとも簡単に片手で掴まれる。星児は掴んだ手をみちるの頭上で押さえ付け身動きを取れなくした。
スカートがたくしあげられ、露になったみちるの脚を持ち上げた星児が膝裏に手を掛けて拡げさせた時。
「いや、やだあぁっっ!!」
一際大きなみちるの悲鳴に、星児の手が止まった。押さえ付けられていた手の力が緩む。
視線を逸らし、顔を背けた星児は、スッとみちるから離れ立ち上がった。
ブラウスの前を合わせながら力無く起き上がるみちるは涙を堪えるために唇を引き結んだが、身体の震えが止まらない。
リビングのテーブルにあった煙草とライターを取った星児は、みちるを見ようとはしなかった。
ダイニングの方へゆっくりと歩いて行った星児はみちるに背を向けたまま窓の外に目をやり煙草をくわえた。
煙草を吸う星児を見つめるみちるは、この重すぎる沈黙に震える。
星児さん、何か言って。
「俺はこれからシャワー浴びて出掛ける。暫くは戻らねーから安心しろよ」
突き放されたようなショックと衝撃だった。
星児さんっ!
叫びたくても喉が塞がりみちるは声が出なかった。
何を言葉にして良いのか分からない。目からは、涙がボロボロ溢れて止まらない。
みちるを一切見ることなくリビングから出て行く星児は、ドアを閉める時にひと言だけ言った。
「保に連絡してやってくれ。アイツすげー心配してたんだ。みちるの声聞かせて安心させてやってくれよ」
†††
「うん、ごめんなさい。大丈夫だよ。もう、心配させるような事、しないから……」
みちるの声がくぐもって聞こえるのは、電話のせいだけじゃないだろう。
帰る支度をしながら保は電話を耳に押し当て声から少しでも多くのシグナルを受け取ろうとした。
「今から帰るけど、今日はみちるは?」
数秒の沈黙があり、みちる? と保が声をかけようと口を開いた時、返答があった。
「お休み、貰っちゃいました。麗子さんにわがまま言って代役立ててもらったの」
代役。
保は片付けの手を休めて思案する。
みちるは今、香蘭劇場の人気踊り子の一人だ。
少し前までのみちるならともかく、今のみちるは、踊り子としての自信が付き舞台に対する責任も充分に自覚し始めていた。舞台に穴を開ける事を平気でする訳がない。
保はため息をついた。
星児だな。
みちるからの電話の少し前に、星児から電話があった。
『俺、みちるの傍にいたらぜってーアイツをめちゃくちゃにしちまう。だからーー』
突き放した。
星児はそう言い、続けた。
『いっそのこと嫌われちまえばいいと思ってさ』
自嘲気味に、呟いていた。
*
「直ぐに帰るから、待ってろ」
みちるは保の優しい声に、うん、と答えるだけで精一杯だった。
それ以上何かを口にすると涙が溢れ、心が崩れてしまいそうだった。
保はいつも柔らかく、でもしっかりと強くみちるを包んでくれていた。身も心も委ねてきたみちるの胸が、重く苦しい。
「じゃあ、切るよ」
「うん、気をつけて帰って来てね」
「ああ」
電話を切ると、リビングはテレビの音のみとなった。
ソファーで膝を抱えていたみちるは、ぼんやりと窓に映った自分を見つめた。
保さんが心配しちゃうから着替えなきゃ。
淡いピンク地の、袖に膨らみを持たせたデザインのブラウスはボタンがすべて取れ、はだけていた。
このブラウス、気に入ってたんだけど少し破けちゃったみたい。
あはは……と力無く笑ったみちるの目からポロポロと涙が溢れた。
怖かった。あんな星児さんは初めてだった。
星児の刺すような強い瞳の中には、いつもなら必ず優しさが垣間見られる。けれどあの時は違った。
冷たく光るその瞳の中に、みちるは彼の優しさを欠片も見つけられなかった。
改めて思い出し身体が震える。
嫌われちゃった? 私、嫌われちゃったの?
胸に引き裂かれるような痛みが走った。
どうしよう!
止まらぬ涙にみちるは両手で顔を覆い、泣き出した。
武明さんはホントに好き。初めて恋をしたんだと思う。でも。
どんな時も、みちるの脳裏から星児と保が消える事はない。
分かんないの。分かんない……!
恋とか愛とか。そんな言葉では表現できない、三人の奥深くにある芯で繋がれた想いと躰。
〝好き〟
〝愛してる〟
愛の言葉など超越した何かが三人の間にはあった。
その事に気付くのは、まだ先だった。
再び膝を抱えてみちるがうずくまり、どのくらいの時間が経っただろう。
ゆっくりと顔を上げたみちるは窓の外で微かに傾いた陽射しに時間の経過を見た。
「みちる」
低く柔らかく響く優しい声がみちるを包んだ。
「じゃあ、また」
握られた手が、ゆっくりと名残惜しむかのように離れた。みちるの心が震える。
お別れって、こんなに辛いものなんだ。
泣きそうな表情をするみちるに、武明がフワリと笑った。
「また会えるよ」
「うん……」
また、会える。
短い言葉が胸を熱くする。
優しい口づけが心をほぐしてくれた。
車を降りたみちるは、家を目指して走り出した。
ポケットベルを忘れてしまった事を車を降りてから気付いた。
状況、立場は少々違うが、シンデレラの心境だ。現実に引き戻された。
リビングのドアを開けた瞬間、みちるを襲ったのは罪悪感と。
後、悔?
私、後悔してるの?
全身を、まるで強い力で握りつぶされたかのような痛みにみちるは胸を押さえた。
リビングのソファーで横になり眠る星児は、スーツのジャケットを脱いだのみのワイシャツにネクタイ姿だった。
飲みかけの缶ビールがリビングのテーブルに置かれたまま。テレビもついたままだった。
胸の痛みを抑え、みちるはカーテンを開ける。
夏の正午の強い陽射しが一気に部屋を明るくし、ソファーで眠る星児は眩しそうに顔をしかめたが、微かに動いただけで目を覚ました様子はない。
みちるは星児にそっと近付き、胸の上で握ったままになっているテレビのリモコンを取ろうと手を伸ばした。
次の瞬間。
「ーー⁈」
みちるの手がリモコンに触れた瞬間、目にも止まらぬ速さでグッと腕を掴まれた。
「ひぁっ!」
強い腕に引かれ、みちるは一瞬で星児の上に倒れ込んだ。
タヌキ寝入り!
みちるは慌てて星児の胸に手を突き起き上がろうとしたが、強い力で引き戻され抱き締められた。
何度も感じたその躯。時には荒く、時には激しく。それでも必ず何処かに優しさがあった。
心臓が壊れちゃう!
加速する鼓動が耳にこだまし割れそうな音を響かせる。
星児の腕の中で身悶えしたみちるが顔を上げると、真っ直ぐな深く黒い瞳があった。
ゴクンと固唾を呑む。
吸い込まれる。
静寂と沈黙に満たされる部屋は、エアコンから聞こえる微かな音のみが支配する。
みちるの耳には自らの激しさを増す鼓動音が響いていた。
静寂を、星児が破る。意地悪な笑いと共に。口角を上げてクッと笑った星児がみちるを見上げて言った。
「キス……して欲しいか?」
クラリとするような色香を含むゾクリとする程の冷笑だった。みちるは背中に冷たいものを感じた。
「……っ!!」
ガバッと身を起こした星児は一気に体勢を逆転させみちるを仰向けにした。
上に覆い被さる体勢になるとみちるの顔の両脇に手を突いた。
「せ、星児さんっ! いや……っ!」
首筋に乱暴にキスをしたかと思うと、星児はみちるのブラウスに手をかけた。
ボタンが弾け飛び肌が露になる。
「やだ……っ! いやぁあ!」
星児さん⁈ こんなのはいやっ!
激しく首を振り必死に抗うみちるの両手首を星児はいとも簡単に片手で掴まれる。星児は掴んだ手をみちるの頭上で押さえ付け身動きを取れなくした。
スカートがたくしあげられ、露になったみちるの脚を持ち上げた星児が膝裏に手を掛けて拡げさせた時。
「いや、やだあぁっっ!!」
一際大きなみちるの悲鳴に、星児の手が止まった。押さえ付けられていた手の力が緩む。
視線を逸らし、顔を背けた星児は、スッとみちるから離れ立ち上がった。
ブラウスの前を合わせながら力無く起き上がるみちるは涙を堪えるために唇を引き結んだが、身体の震えが止まらない。
リビングのテーブルにあった煙草とライターを取った星児は、みちるを見ようとはしなかった。
ダイニングの方へゆっくりと歩いて行った星児はみちるに背を向けたまま窓の外に目をやり煙草をくわえた。
煙草を吸う星児を見つめるみちるは、この重すぎる沈黙に震える。
星児さん、何か言って。
「俺はこれからシャワー浴びて出掛ける。暫くは戻らねーから安心しろよ」
突き放されたようなショックと衝撃だった。
星児さんっ!
叫びたくても喉が塞がりみちるは声が出なかった。
何を言葉にして良いのか分からない。目からは、涙がボロボロ溢れて止まらない。
みちるを一切見ることなくリビングから出て行く星児は、ドアを閉める時にひと言だけ言った。
「保に連絡してやってくれ。アイツすげー心配してたんだ。みちるの声聞かせて安心させてやってくれよ」
†††
「うん、ごめんなさい。大丈夫だよ。もう、心配させるような事、しないから……」
みちるの声がくぐもって聞こえるのは、電話のせいだけじゃないだろう。
帰る支度をしながら保は電話を耳に押し当て声から少しでも多くのシグナルを受け取ろうとした。
「今から帰るけど、今日はみちるは?」
数秒の沈黙があり、みちる? と保が声をかけようと口を開いた時、返答があった。
「お休み、貰っちゃいました。麗子さんにわがまま言って代役立ててもらったの」
代役。
保は片付けの手を休めて思案する。
みちるは今、香蘭劇場の人気踊り子の一人だ。
少し前までのみちるならともかく、今のみちるは、踊り子としての自信が付き舞台に対する責任も充分に自覚し始めていた。舞台に穴を開ける事を平気でする訳がない。
保はため息をついた。
星児だな。
みちるからの電話の少し前に、星児から電話があった。
『俺、みちるの傍にいたらぜってーアイツをめちゃくちゃにしちまう。だからーー』
突き放した。
星児はそう言い、続けた。
『いっそのこと嫌われちまえばいいと思ってさ』
自嘲気味に、呟いていた。
*
「直ぐに帰るから、待ってろ」
みちるは保の優しい声に、うん、と答えるだけで精一杯だった。
それ以上何かを口にすると涙が溢れ、心が崩れてしまいそうだった。
保はいつも柔らかく、でもしっかりと強くみちるを包んでくれていた。身も心も委ねてきたみちるの胸が、重く苦しい。
「じゃあ、切るよ」
「うん、気をつけて帰って来てね」
「ああ」
電話を切ると、リビングはテレビの音のみとなった。
ソファーで膝を抱えていたみちるは、ぼんやりと窓に映った自分を見つめた。
保さんが心配しちゃうから着替えなきゃ。
淡いピンク地の、袖に膨らみを持たせたデザインのブラウスはボタンがすべて取れ、はだけていた。
このブラウス、気に入ってたんだけど少し破けちゃったみたい。
あはは……と力無く笑ったみちるの目からポロポロと涙が溢れた。
怖かった。あんな星児さんは初めてだった。
星児の刺すような強い瞳の中には、いつもなら必ず優しさが垣間見られる。けれどあの時は違った。
冷たく光るその瞳の中に、みちるは彼の優しさを欠片も見つけられなかった。
改めて思い出し身体が震える。
嫌われちゃった? 私、嫌われちゃったの?
胸に引き裂かれるような痛みが走った。
どうしよう!
止まらぬ涙にみちるは両手で顔を覆い、泣き出した。
武明さんはホントに好き。初めて恋をしたんだと思う。でも。
どんな時も、みちるの脳裏から星児と保が消える事はない。
分かんないの。分かんない……!
恋とか愛とか。そんな言葉では表現できない、三人の奥深くにある芯で繋がれた想いと躰。
〝好き〟
〝愛してる〟
愛の言葉など超越した何かが三人の間にはあった。
その事に気付くのは、まだ先だった。
再び膝を抱えてみちるがうずくまり、どのくらいの時間が経っただろう。
ゆっくりと顔を上げたみちるは窓の外で微かに傾いた陽射しに時間の経過を見た。
「みちる」
低く柔らかく響く優しい声がみちるを包んだ。
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