溺れる月【完結】

友秋

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 楊は、美夕の通う大学の理学部大学院の学生だった。

 バイオ系の研究をしている楊は実験とレポートに終始追われており、大学にいる間はほとんど研究室にいる。

 白衣を着ている時は、実験のある日だった事を窺がわせた。

「ちょうど手の空いていた時でよかったよ」

 楊はいつもと変わらない優美な笑みを浮かべて自動ドアを閉めるボタンを押し、美夕の傍に来た。

 自らの躰を抱くように腕を抱えて壁に寄りかかる美夕の顔を両手で挟む。

「やっぱり自分で処理できなかったんだね」

 汗と涙で頬を濡らす美夕は、吐息と嬌声を漏らす。

 頬を紅潮させ、羞恥と淫らな誘いが錯綜する美夕の顔は、楊をゾクリとさせるほどの色気を漂わせていた。

 楊は苦笑した。

「クスリがちょっと効き過ぎたかな」
「クスリ?」

 昨夜、バイブを入れる時に楊は言った。

『美夕、昼間自分で処理できなくなったら、僕を呼ぶんだよ』

 楊は、バイブに媚薬を仕組んでいたのだ。

「そういう、ことだった、の」

 美夕は声を震わせたが、躰に力が入らず込み上げる怒りをぶつけることすら出来ない。

 それどころか、性感帯となった躰が意思と乖離し刺激を求め、暴走を始めていた。

 ナカでバイブが激しく振動した。

「んぁっ」

 背中を壁に付け、躰をブルッと震わせ顔を仰け反った美夕の乳房の先端がいやらしくち上がっていた。

「はぁ、ん、だめ……ぇ」

 顔を仰け反らせる美夕の喉元に、楊は指を這わせた。

 触れられただけで美夕の躰ばビクンッと震える。

「あ、ああ」

 楊は壁に手を突き美夕を見下ろし、妖しい笑みを浮かべた。

 喉から顎へと指を這わせ、その指を美夕の口の中へ入れる。

「ん、ん」

 青息吐息の苦し気な表情を見せる美夕に自分の指をしゃぶらせ、楊は言う。

「さあ、美夕、どうして欲しい?」

 どうしてって。

 美夕の顔が紅潮した。

 楊はクスッと笑う。

「言わなければ、処理できないよ。
そのままは辛いよね」

 美夕の口から指が出て行った

 濡れた指そのままに、美夕の顔に手を添える。

 バイブの振動が一際激しくなった。

「いやぁあっ、ああんっ」

 美夕の躰の熱がどんどん蓄積される。

 躰は敏感になっているのにイきたくてもイけない苦痛におかしくなってしまいそうだった。

「ぁあっ、ああっ、いやっ、」

 膣で暴れるバイブの刺激に美夕は涙を流しながら首を振る。

「はぁ、んっ、ああっ」
「美夕、ほら」

 いつもならすぐに触れてくる楊が、今はじらすかのように美夕が自ら求める事を要求する。

 美夕は泣きながら楊の腕に縋った。

「おねがいっ、わたしをめちゃくちゃにして!」

 楊は、美夕の言葉にふわりと微笑んだ。

「してあげるよ、壊れるくらいにね」



 
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