55 / 56
始動
しおりを挟む
津田武はTUD総合警備の本社ビルの社長室の椅子でイライラと指で机を叩いていた。
南向きの窓からは春の日差しが差し込んでいたが、柔らかな光も今の彼の目には陰鬱に映る。
田崎逮捕の一報が入ってから二日が経っていた。警察の手こちらまで伸びてくるのも時間の問題だ。
武は苛立たしげに舌打ちした。
偉そうなことを言いやがって、全てが失敗に終わったじゃないか。しかもだ。
田崎が撃った相手というのが銀座胡蝶のエミコママだという。
よりによって、なんて相手を!
エミコママ。中丸絵美子は、武が最も恐れる義父、津田恵三が唯一本気で愛した女と言われている。
田崎と自分との関係から今回のような事件に至ったと義父の耳に入ったら。考えるだけでゾッとする。
何故、彼女は現れたのだ!
殆ど日本国内にいない義父が次に帰国するのは、誕生パーティが開かれる一週間後だ。事件が義父の耳に入っているかは分からないが、帰国までに何とかしなければいけない。
拘留中の田崎に口裏合わせの証言をさせる事は人脈を持ってすれば不可能ではないな。
妙案を思い付き、少し余裕が生まれた武は思い出す。
剣崎も潰せなかったのか。
武が舌打ちと共に受話器を取った時、ドアがノックされた。
「なんだ!」
苛立った声で言った武に、冷静な秘書の声が返ってきた。
「社長宛てのお届け物がございます。差出人が書かれておりませんが、いかがなさいますか」
武は、秘書が置いて行った小型小包を耳元で軽く振ってみた。中からはカタカタと乾いた軽い音と何か長いものが擦れ合う音がした。固いものとチェーンだ予測が付いた。
『あの女が肌身に付けて持っているモノがある筈だ、それを送れ』
自分の言葉を思い出した。田崎が、津田みちるの私物を送ったのだ。
開けてみると、箱の中には無造作に、切れたチェーンと小さな天使が入っていた。
武の奥底にある記憶が蘇った。
舞花のものだ。
胸を締め付けるような郷愁に苦しめられる。記憶の糸を手繰らなくとも、フラッシュバックのようにもう一つのシーンが瞼に映った。
武の腕の中で躍った白い躰。その胸元で揺れていた色違いの天使。
姫花――!
武は両手で顔を覆っていた。
俺はもう引き返すことは出来ない! この道を突き進むことしか出来ないのだ!
行く手に何が待っているのかなど、誰にも分からない。自分に残されたものが何なのかも。
すでに、全てを失っていたのかもしれなかった。
*
「あ! セイジさん」
「おはようございます!」
事務所に姿を現した星児に男達が一斉に声を掛けた。一気に空気が引き締まる。星児は彼らの声に軽く手を挙げながらそのまま自室に行こうとしたが。
「セイジさん、みちるさんは」
「ああ゛っ!?」
「なっ、なんでもないス!」
星児の鋭い眼光にドスの効いた切り返しに、声を掛けた男はすくみ上った。
「無駄に尖がって人に当たってんじゃねーよ」
後から来た保が手にしていた書類の束で星児の頭を思い切り叩いた。
「んだよっ、保!」
頭に手をやりながら言う星児に保はため息をつく。
「苛立ったところで、みちるが俺たちのところに帰ってくるワケじゃない」
「そんな事はわかってる!」
星児は自室に入り、ドアを閉める際に豪快な音を立てた。
「みちるさんは、どうなんスか?」
星児に当られた男が保に心配そうに聞いた。保は苦笑いを返す。
「怪我は順調に回復しているんだけどな、精神的なショックがデカいらしくて、戻ってくるのはいつになるかちょっと見当はつかない」
「そうスか。心配スね」
男の肩を叩いて保は星児の部屋に入っていった。
みちるの舌は抜糸も済み、順調に回復している。喋る為のリハビリも始まった。しかし、拉致された後、星児達が駆け付ける前に田崎に何を吹き込まれたのか。
星児と保の顔を見ると泣き出し、上手く使えない舌状態のままで何度も何度も『ごめんなさい』と言うだけだ。しまいには、スミ子に抱き付き顔を埋め、こちらを見る事も出来なくなる。
そうなってしまうとスミ子もみちるを抱き頭を撫で、申し訳なさげに言うしか無くなる。
『ごめんなさいね。少し落ち着いて話しが出来るようになるまで待ってくれる?』
みちると長く密に過ごしてきたのは自分達だというのに。
あっという間に他人のようになってしまったな、みちる。
保は胸が塞がれる想いを吐息で逃した。
みちるは帰るところに帰るのだ。
星児だって、分かっていてもどうしようもなく苛立つのだろう。自分もできる事なら当たり散らしたい。
そうしないのは、どちらかがブレーキにならなければ本当の目的を果たす前に忘れてしまうからだ。
「みちるは俺らのとこには帰ってこない、か」
星児は少し前の保の言葉を、自分自身に噛んで含めるように呟いていた。保は書類の整理をしながら言う。
「田崎の野郎、みちるに何を吹き込んだんだと思う」
「だいたいの想像は付く。俺がみちるを助けようとした時、みちる、目を合わせようとしなかった。恐らく、津田武と俺たち、それにみちるとの関係をどっかから仕入れてきて全部ぶちまけたんだろう。みちるは自分の実の父親が俺たちの仇だと聞かされたんだろうな」
だからみちるは『ごめんなさい』と言ったのだ。
みちる、お前はあの男と関係あるなど俺たちは思っていない。そう伝えたい。
「エミコママがこのまま目覚めなければ、確実にみちるはスミ子さんが、と言う話になるな。少なくとも、スミ子さんはもうみちるを手放す気はないだろう」
「そうだな」
エミコは容態は落ち着いたが、未だ意識が戻らない。
もしもの事態に対する覚悟をしなければいけないところまで来ているのかもしれない。
苦悶の表情のまま片手で顔を覆う星児に、保はデスクの引き出しから手紙を出した。
「星児、例の招待状だ」
御幸が手配し死後、執事が届けてくれた津田恵三の誕生パーティーの招待状だった。保が預かっていた。
受け取った星児に聞く。
「どうする、行くのか」
封筒から出した招待状を眺めていた星児は顔を上げた。
苦悩の顔が変わった。不敵に笑う。
「行くさ。全てに決着を付けるラストチャンスだ。アイツだけじゃ我慢ならない。津田家とやらもぶっ潰してやる」
自分たちの為だけじゃない。
みちるを縛るのは、津田家の因縁、呪縛だ。
「俺たちのみちるを解放する為に」
保は、窓の外に目をやった。みちるが入院する病院の方角を見つめる。
みちる。
自分たちはこの先、みちる以外の女性を愛する事はない。
互いに口にはしないが、断言出来る。
「俺だって同じ想いだ。けれど、二人で暴走する訳にはいかないんだよな」
星児は煙草を咥え、火を点けた。
「ああ、汚れは俺だけでいい。俺たちの役割分担は今も昔も変わらない。保は〝三人〟の支柱でいてくれ」
そうなるのか、やはり。
互いの穴を埋め合う。大事な相棒。
「命だけは粗末にするなよ」
静かに言った保に星児は「ああ」と応える。
「みちるを頼むな」
†††
南向きの窓からは春の日差しが差し込んでいたが、柔らかな光も今の彼の目には陰鬱に映る。
田崎逮捕の一報が入ってから二日が経っていた。警察の手こちらまで伸びてくるのも時間の問題だ。
武は苛立たしげに舌打ちした。
偉そうなことを言いやがって、全てが失敗に終わったじゃないか。しかもだ。
田崎が撃った相手というのが銀座胡蝶のエミコママだという。
よりによって、なんて相手を!
エミコママ。中丸絵美子は、武が最も恐れる義父、津田恵三が唯一本気で愛した女と言われている。
田崎と自分との関係から今回のような事件に至ったと義父の耳に入ったら。考えるだけでゾッとする。
何故、彼女は現れたのだ!
殆ど日本国内にいない義父が次に帰国するのは、誕生パーティが開かれる一週間後だ。事件が義父の耳に入っているかは分からないが、帰国までに何とかしなければいけない。
拘留中の田崎に口裏合わせの証言をさせる事は人脈を持ってすれば不可能ではないな。
妙案を思い付き、少し余裕が生まれた武は思い出す。
剣崎も潰せなかったのか。
武が舌打ちと共に受話器を取った時、ドアがノックされた。
「なんだ!」
苛立った声で言った武に、冷静な秘書の声が返ってきた。
「社長宛てのお届け物がございます。差出人が書かれておりませんが、いかがなさいますか」
武は、秘書が置いて行った小型小包を耳元で軽く振ってみた。中からはカタカタと乾いた軽い音と何か長いものが擦れ合う音がした。固いものとチェーンだ予測が付いた。
『あの女が肌身に付けて持っているモノがある筈だ、それを送れ』
自分の言葉を思い出した。田崎が、津田みちるの私物を送ったのだ。
開けてみると、箱の中には無造作に、切れたチェーンと小さな天使が入っていた。
武の奥底にある記憶が蘇った。
舞花のものだ。
胸を締め付けるような郷愁に苦しめられる。記憶の糸を手繰らなくとも、フラッシュバックのようにもう一つのシーンが瞼に映った。
武の腕の中で躍った白い躰。その胸元で揺れていた色違いの天使。
姫花――!
武は両手で顔を覆っていた。
俺はもう引き返すことは出来ない! この道を突き進むことしか出来ないのだ!
行く手に何が待っているのかなど、誰にも分からない。自分に残されたものが何なのかも。
すでに、全てを失っていたのかもしれなかった。
*
「あ! セイジさん」
「おはようございます!」
事務所に姿を現した星児に男達が一斉に声を掛けた。一気に空気が引き締まる。星児は彼らの声に軽く手を挙げながらそのまま自室に行こうとしたが。
「セイジさん、みちるさんは」
「ああ゛っ!?」
「なっ、なんでもないス!」
星児の鋭い眼光にドスの効いた切り返しに、声を掛けた男はすくみ上った。
「無駄に尖がって人に当たってんじゃねーよ」
後から来た保が手にしていた書類の束で星児の頭を思い切り叩いた。
「んだよっ、保!」
頭に手をやりながら言う星児に保はため息をつく。
「苛立ったところで、みちるが俺たちのところに帰ってくるワケじゃない」
「そんな事はわかってる!」
星児は自室に入り、ドアを閉める際に豪快な音を立てた。
「みちるさんは、どうなんスか?」
星児に当られた男が保に心配そうに聞いた。保は苦笑いを返す。
「怪我は順調に回復しているんだけどな、精神的なショックがデカいらしくて、戻ってくるのはいつになるかちょっと見当はつかない」
「そうスか。心配スね」
男の肩を叩いて保は星児の部屋に入っていった。
みちるの舌は抜糸も済み、順調に回復している。喋る為のリハビリも始まった。しかし、拉致された後、星児達が駆け付ける前に田崎に何を吹き込まれたのか。
星児と保の顔を見ると泣き出し、上手く使えない舌状態のままで何度も何度も『ごめんなさい』と言うだけだ。しまいには、スミ子に抱き付き顔を埋め、こちらを見る事も出来なくなる。
そうなってしまうとスミ子もみちるを抱き頭を撫で、申し訳なさげに言うしか無くなる。
『ごめんなさいね。少し落ち着いて話しが出来るようになるまで待ってくれる?』
みちると長く密に過ごしてきたのは自分達だというのに。
あっという間に他人のようになってしまったな、みちる。
保は胸が塞がれる想いを吐息で逃した。
みちるは帰るところに帰るのだ。
星児だって、分かっていてもどうしようもなく苛立つのだろう。自分もできる事なら当たり散らしたい。
そうしないのは、どちらかがブレーキにならなければ本当の目的を果たす前に忘れてしまうからだ。
「みちるは俺らのとこには帰ってこない、か」
星児は少し前の保の言葉を、自分自身に噛んで含めるように呟いていた。保は書類の整理をしながら言う。
「田崎の野郎、みちるに何を吹き込んだんだと思う」
「だいたいの想像は付く。俺がみちるを助けようとした時、みちる、目を合わせようとしなかった。恐らく、津田武と俺たち、それにみちるとの関係をどっかから仕入れてきて全部ぶちまけたんだろう。みちるは自分の実の父親が俺たちの仇だと聞かされたんだろうな」
だからみちるは『ごめんなさい』と言ったのだ。
みちる、お前はあの男と関係あるなど俺たちは思っていない。そう伝えたい。
「エミコママがこのまま目覚めなければ、確実にみちるはスミ子さんが、と言う話になるな。少なくとも、スミ子さんはもうみちるを手放す気はないだろう」
「そうだな」
エミコは容態は落ち着いたが、未だ意識が戻らない。
もしもの事態に対する覚悟をしなければいけないところまで来ているのかもしれない。
苦悶の表情のまま片手で顔を覆う星児に、保はデスクの引き出しから手紙を出した。
「星児、例の招待状だ」
御幸が手配し死後、執事が届けてくれた津田恵三の誕生パーティーの招待状だった。保が預かっていた。
受け取った星児に聞く。
「どうする、行くのか」
封筒から出した招待状を眺めていた星児は顔を上げた。
苦悩の顔が変わった。不敵に笑う。
「行くさ。全てに決着を付けるラストチャンスだ。アイツだけじゃ我慢ならない。津田家とやらもぶっ潰してやる」
自分たちの為だけじゃない。
みちるを縛るのは、津田家の因縁、呪縛だ。
「俺たちのみちるを解放する為に」
保は、窓の外に目をやった。みちるが入院する病院の方角を見つめる。
みちる。
自分たちはこの先、みちる以外の女性を愛する事はない。
互いに口にはしないが、断言出来る。
「俺だって同じ想いだ。けれど、二人で暴走する訳にはいかないんだよな」
星児は煙草を咥え、火を点けた。
「ああ、汚れは俺だけでいい。俺たちの役割分担は今も昔も変わらない。保は〝三人〟の支柱でいてくれ」
そうなるのか、やはり。
互いの穴を埋め合う。大事な相棒。
「命だけは粗末にするなよ」
静かに言った保に星児は「ああ」と応える。
「みちるを頼むな」
†††
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
友よ、お前は何故死んだのか?
河内三比呂
ミステリー
「僕は、近いうちに死ぬかもしれない」
幼い頃からの悪友であり親友である久川洋壱(くがわよういち)から突如告げられた不穏な言葉に、私立探偵を営む進藤識(しんどうしき)は困惑し嫌な予感を覚えつつもつい流してしまう。
だが……しばらく経った頃、仕事終わりの識のもとへ連絡が入る。
それは洋壱の死の報せであった。
朝倉康平(あさくらこうへい)刑事から事情を訊かれた識はそこで洋壱の死が不可解である事、そして自分宛の手紙が発見された事を伝えられる。
悲しみの最中、朝倉から提案をされる。
──それは、捜査協力の要請。
ただの民間人である自分に何ができるのか?悩みながらも承諾した識は、朝倉とともに洋壱の死の真相を探る事になる。
──果たして、洋壱の死の真相とは一体……?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
リモート刑事 笹本翔
雨垂 一滴
ミステリー
『リモート刑事 笹本翔』は、過去のトラウマと戦う一人の刑事が、リモート捜査で事件を解決していく、刑事ドラマです。
主人公の笹本翔は、かつて警察組織の中でトップクラスの捜査官でしたが、ある事件で仲間を失い、自身も重傷を負ったことで、外出恐怖症(アゴラフォビア)に陥り、現場に出ることができなくなってしまいます。
それでも、彼の卓越した分析力と冷静な判断力は衰えず、リモートで捜査指示を出しながら、次々と難事件を解決していきます。
物語の鍵を握るのは、翔の若き相棒・竹内優斗。熱血漢で行動力に満ちた優斗と、過去の傷を抱えながらも冷静に捜査を指揮する翔。二人の対照的なキャラクターが織りなすバディストーリーです。
翔は果たして過去のトラウマを克服し、再び現場に立つことができるのか?
翔と優斗が数々の難事件に挑戦します!
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
旧校舎のフーディーニ
澤田慎梧
ミステリー
【「死体の写った写真」から始まる、人の死なないミステリー】
時は1993年。神奈川県立「比企谷(ひきがやつ)高校」一年生の藤本は、担任教師からクラス内で起こった盗難事件の解決を命じられてしまう。
困り果てた彼が頼ったのは、知る人ぞ知る「名探偵」である、奇術部の真白部長だった。
けれども、奇術部部室を訪ねてみると、そこには美少女の死体が転がっていて――。
奇術師にして名探偵、真白部長が学校の些細な謎や心霊現象を鮮やかに解決。
「タネも仕掛けもございます」
★毎週月水金の12時くらいに更新予定
※本作品は連作短編です。出来るだけ話数通りにお読みいただけると幸いです。
※本作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
※本作品の主な舞台は1993年(平成五年)ですが、当時の知識が無くてもお楽しみいただけます。
※本作品はカクヨム様にて連載していたものを加筆修正したものとなります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる