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盈月
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「んっ……」
脳が白を認識する。頭が痛かった。
「寝ちゃったんだ」
身体を伸ばし、ゆっくりと起き上がる。身体がこわばっていた。ひどくだるい。
ーーそっか私、瑠璃と賢太郎のこと考えてて……。
色々と限界だったのかもしれない。
眠ったことで気分はさっきよりもすっきりしていた。
「深く考えても仕方ないよね」
なるようにしかならない。あまり考えすぎるのもよくない。
ピンポーン
「ん?」
腕を上げ、伸びをしたところで音が聞こえた。
ーー誰だろ?
そういえば、起きたのもインターホンの音がしたからだったような気がする。
重い身体で階段を下りていく。誰かが来るなんて聞いていない。なんだろう。
「はい」
ドアフォンの画面には誰も映っていなかった。死角の多い機械だ。 そういうこともあるだろうが、警戒は募る。私は返事に耳をすませた。
「俺だ。家の鍵と仕事の資料を忘れてしまって取りに来た。開けてくれないか?」
「はーい、今開ける」
父の声だった。今日も遅くなると言っていたはずだから、きっと重要な書類なのだろう。
一気に解けた警戒と、気分の良さが相まって足どりか軽くなる。
鍵を2つとチェーンを外し、ドアを開けた。昼間から父に会えることが少し嬉しかった。
だがーー。
「よぉ、巴。久しぶりだな」
そこに居たのは会ってはいけない人物だった。
脳が白を認識する。頭が痛かった。
「寝ちゃったんだ」
身体を伸ばし、ゆっくりと起き上がる。身体がこわばっていた。ひどくだるい。
ーーそっか私、瑠璃と賢太郎のこと考えてて……。
色々と限界だったのかもしれない。
眠ったことで気分はさっきよりもすっきりしていた。
「深く考えても仕方ないよね」
なるようにしかならない。あまり考えすぎるのもよくない。
ピンポーン
「ん?」
腕を上げ、伸びをしたところで音が聞こえた。
ーー誰だろ?
そういえば、起きたのもインターホンの音がしたからだったような気がする。
重い身体で階段を下りていく。誰かが来るなんて聞いていない。なんだろう。
「はい」
ドアフォンの画面には誰も映っていなかった。死角の多い機械だ。 そういうこともあるだろうが、警戒は募る。私は返事に耳をすませた。
「俺だ。家の鍵と仕事の資料を忘れてしまって取りに来た。開けてくれないか?」
「はーい、今開ける」
父の声だった。今日も遅くなると言っていたはずだから、きっと重要な書類なのだろう。
一気に解けた警戒と、気分の良さが相まって足どりか軽くなる。
鍵を2つとチェーンを外し、ドアを開けた。昼間から父に会えることが少し嬉しかった。
だがーー。
「よぉ、巴。久しぶりだな」
そこに居たのは会ってはいけない人物だった。
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