聖なる悪魔~sin of faith~

須桜蛍夜

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Day by day

魔闘祭ペア戦(4)

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「モリグが苦戦してるみたいだ。これもあんたの指金かい?」

「そうだね」

 サクはボロボロな状態で笑う。学年最強の魔術を一人で捌き続けているのだ。よく耐えていると言うべきあろう。

――でも、こんな状態でも油断できないからね、この女は。

 ラキは、笑みが強くなるのを感じる。

この、最後の一瞬まで何が起こるか分からないスリルがたまらなく好きだ。彼女との戦いはそれを存分に与えてくれる。

「――世界は光に満ちている」

 サクは宙へと消えた。太陽に照らされ、人影は逆光に映し出される。

「そうしていつしか不動となる」

 呪文が十の火球を生み出し、時間差で放たれる。逃げ道が無いそれの間を、サクは器用に縫ってラキを見据える。彼女は、まだ諦めていなかった。

だが、そんな希望を爆炎は容易く飲み込んだ。

空は眩しいくらいに光輝き、地上を激しく揺らす。

火球が爆発したのだ。避けたはずの炎が爆風となって襲い来て、サクに逃げる暇を無かった。

やがめ焔は静まり始める。ラキは誰も居ない空から目を離し、相棒の方へと歩き出した。

「――世界は光に満ちている」

「……っ!」

 だから、それに対処ができなかった。ラキの周りで起こる竜巻。動く事も声を出す事も許さない強風は地上の岩を砕き、抉り取り、少女へと叩きつける。

『モリグ!』

 エルードを飛ばしても、救いの手は届けられない。呪文も動きも封じる風の牢獄で多量の岩石が彼女へと降り注いだ。
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