巡り合い、

アミノ

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百三十三話

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食堂に着き、奥の端の席が空いていたので
ジーナと向かい合って朝食を食べながら
先程の話をする

周りには誰も座っていないから
人目を気にする事はない

「ヤーナが
動物に好かれる事知らなかったよー
生きてるといろいろ発見があるねー」

卵焼きをパクッと口に入れて
幸せそうにしている

「本当だね、びっくりしたよ」

私はお味噌汁を味わう
お豆腐、ワカメ、油揚げが入っていて
とても美味しいし、この味にほっとする

そういえば、
シオンがヤーナに視線を向けていたのは
何だったんだろう

もしかして猫を見ていただけだったのかな

「猫、好きなのかな?」

ふと出た声に
ジーナがキョトンとしながら
お味噌汁のお椀を持ち上げた手を止めた

その姿が目に入り、
自分が声を出した事に気付いた

「あっ、急にごめんね!
シオンがね、
なんかヤーナと猫の事見てたから
猫好きなのかなって‥」

何も悪い事はしていないが
何故か言い訳みたいに焦って話していた

「ははっ、ナツは本当に
シオンの事をよく見てるんだね」

確かにシオンの姿や動きには
無意識に目を向けてしまう事が多い

下を向いて黙りこくった私に
今度はジーナが焦ったように話し出す

「いやいや、好きなんだから
それは普通の事だと思うよ」

好き、か

「何で好きになったんだろう」

住んでる世界が違うのに

その言葉は言えなかった
言いたくなかったのかもしれない

「よく言うだろう
好きになるのに理由はいらないってさ」

そういうものなのだろうか

「私が勝手に思ってることだけどね、
人っていうのは
元々惹かれ合う生き物なんだ
惹かれるというのは、
向ける人によって恋愛や友情など
種類は違うものだけど、
惹かれてしまったら
もうそこに理由なんてないんだよ
ふと会いたくなったり
そばにいたいと思ったり
話をしたくなったり
そういう想いが勝手に湧いてくるんだ」

「‥うん」

「人は1人じゃ生きられないからね」

最後にそう言うと
手に持ったお椀に口をつけていた

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