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百二十八話
しおりを挟む「ナツの命の危機的状況を
わざと作ることは出来ない」
目を軽く伏せながら
タリアは髪をかき上げる
そんな状況を作ると言われたら
賛成しないと先に牽制しているように
見えなくもないし、呆れているようだ
キトはお茶をこくんと飲んだ後、
ふぅと短く息を吐いた
「‥別に、そんなつもりないよ、
そうかもしれない、と思って
君たちに、伝えてみただけだから」
キトの隣にいるライハは
特に口を挟む事なく、
ゴクゴクと勢いよくお茶を飲んでいる
目を上げキトを見つめるタリアは
一度頷くとそうか、と呟く
「悪かった、
君達もナツの為に
いろいろ考えてくれてたんだな」
タリアのその言葉を聞くと
キトとライハから飲んでいたお茶を
吹き出すようなブッと音が聞こえて来た
キトは静かに咳き込んでいたが、
ライハはゲホゲホと盛大に咳き込み
とても苦しそうにしていた
私とタリアは何故2人同時に
こんな事になっているのか
よく分からず、顔を見合わせる
「‥僕は、別に
こいつの為に、考えてた訳じゃない、
変なこと、言わないで」
お茶に咽せたからか
少し涙目になりながらも反論していた
盗賊と討伐隊、
協力関係があるのが嫌なのだろうか
「キトが討伐隊の為に
動くなんて有り得ないぜ!
だって嫌いなんだもん!
タリアちゃん、良い方に言い過ぎだよ!」
あはははっと笑うライハに
キトが静かに言った言葉は
きっと私にしか聞こえてなかっただろう
「‥前より、嫌いじゃない」と
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