巡り合い、

アミノ

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百四話

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昨日行った討伐署の近くにあるカフェを
通り過ぎ、大通りをすすむ

少し行くと花屋があり、
横の狭めの暗い路地を抜け、
右に曲がったところに彼の家はあった

そこまで大きくはないが一軒家で
庭には綺麗な花が咲いている

きっとお花が好きで手入れしている人が
住んでいるんだろうと思える

タリアが扉の前まで移動すると
もちろんライハも付いて行った

私とシオンも後ろから付いて行くが
少し離れて止まった

トントンとタリアが扉を叩くと
中からガチャっと鍵が開く音がして扉が開く

「はーい、あれ?」

出てきたのはシギだった
タリアと私の顔を見て、キョトンとしていた

「昨日の討伐署の方ですよね?
どうしたんですか?」

ずっとタリアにしか興味がなかったライハは
その声に反応したのか
タリアから目を離し
ゆっくりとシギの方に顔を向けた

「急にすまない、
この人の事を知らないかと思ってな」

タリアが紹介しようとしたが、
ライハはパッと笑顔になり自ら話し出す

「シギ! シギじゃん!
お前こんなところにいたのかよー!
すっげぇ探したんだぜ?
キトなんかもう目ん玉出るんじゃないかって
思うぐらいギンギンでよー!」

親指と人差し指で自分の目を開けて
こんな感じーとライハは笑っていたが
シギは笑っていなかった

「? どうしたんだよ?
俺だよ、ライハだよ!
途中から盗賊に入ったライハ!」

へぇ、ライハは途中から盗賊に入ったんだ
ずっと盗賊とか途中から盗賊とか
あるのかな?

俺だよ!と自分に指を差し、
シギに近づくライハだが
シギからの反応はイマイチだった

「あの‥、僕は
あなたのこと分からないんですけど‥」

その言葉を聞くとライハは
自分を指差したまま固まった

「そうか
それだけだったんだ、ありがとう」

「あっ、はい、大丈夫です」

淡々と話すタリアは
頭を下げると扉から離れる

シギは動かないライハに1度頭を下げた後、
静かに扉を閉めた

私とシオンは慌ててライハを引っ張り
タリアに付いて
路地の方へ向かうのだった
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