巡り合い、

アミノ

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八十七話

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「ペンダント?」

「はい、そうです
お守り‥代わりです」

「お守り‥」

私はペンダントを見つめ、撫でる

「‥すんません、紐の部分、
ちょっと安っぽい感じなんですけど、
それしか雑貨屋になくて‥」

入れ物の横のボタンを押すと
カチッと音がして開いた
中には白銀色の小さな光が埋め込んである

「‥金属アレルギーとか分かんなかったんで、
意味あるか分かんないですけど、
一応、中に埋め込んでもらって
外からは見えないし触れないように
してもらいました」

「綺麗‥」

角度を変え、光に見惚れた

「5月7日の誕生石はホワイトゴールド、
石言葉は心の成長、らしいです」

心の、成長‥

「俺は、ナツさんの味方ですよ」

私のことを見つめながら
優しく微笑む姿が歪んで見えている

「俺、ナツさんの目は
何かの病気の一種かと思ってて、
助けたいと思ってたんです
じぃちゃんみたいに誰かを
助けたかったんです」

「お医者さんだったの?」

「いえ、薬の調合などをしているんです
その背中を見て、人を助けたいと思って
訓練校に入ったんです」

「でも、シオンは救護班じゃなくて
討伐隊‥だよね?」

確か偵察の時、
シオンは討伐隊だとタリアから聞いていた

「そうです、
10人中8位の成績だったんで無理でした
討伐隊か救護班かを選ぶのは成績順なんです
リク、ユナ、マードック、サラ、ケリー、
先に5人が救護班を選んだので
8位以降は討伐隊一択で‥」

少し悲しそうに聞こえる
短く乾いた笑い声が聞こえてきた

そして前に私に塗ってくれた
傷薬の容器を取り出す

「これは俺のお守りみたいな物なんです
このペンダントを買った時は
目が治りますようにって思って、
ナツさんにも何かお守りみたいな物を
持っていてほしいって買ったんですけど‥」

入れ替わる時に光るってことは
病気じゃないんだろうけど‥と言いながら
私の手からペンダントを取り、
頭を通し、かけてくれた

「‥勝手にかけちゃいましたけど、
受け取ってくれますか?」

「ありがとう‥」

頷きながら答えた

嬉しかった

気のせいかもしれないけれど、
こっちのナツじゃなくて
私のことを見てくれてる気がした‥

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