巡り合い、

アミノ

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七十六話

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緊張する
保管庫の前に着き、
扉の前で深く息を吸った

タリアは慣れた手つきで
2つある鍵を開け、中へ入って行く

私もゆっくりと中へ入り
その後にジーナ、シオン、リクも続いた

「うわぁ‥こんなに保管されてるのかぁ‥」

今までずっと黙ってたシオンは、そう呟くと
口を開けたまま棚を見上げていた

私の部屋や会議室じゃ
比べ物にならないほどの広さの部屋に
天井まである棚が何個もある

全ての棚にはびっしりとファイルが並んでいた

「死亡扱いになっている‥
シギって名前だったな?
サ行は‥こっちだ」

スッと棚を曲がるタリアを見失わないように
必死で付いて行った

今現在も情報が入っている者、
2年間情報がなく死亡扱いになっている者、
それによっても棚が違うみたいだ

タリアがいなかったら辿り着けてないだろう

「シ‥この辺だな」

死亡扱いになっている棚から
サ行の「シ」のファイルを取っては
ペラペラとめくり、名前がないので戻す、
5人でその作業をしばらく続けた

「シギ‥あった!」

リクが声をあげる

「あったぜ!」

シオンも声をあげた

シギという名前は4人いた

その内、
パン屋に配属されていたのは2人だった

その2人のファイル番号を控え
写真を抜き取り、胸ポケットにしまう

「ありがとう、
写真をライハに確認してもらうよ」

「街の中ならともかく、
街の外に行くなら1人で行かないこと
許可証は私が出すから必ず伝えなさい」

「分かった、ありがとう」

「門の通行も今日の昼には
解除されるらしいから
もしかしたら
中に入ってくるかもしれないな」

「解除されるの早いね、
南西の盗賊‥大丈夫なの?」

「隣の街からでもここに来るのは
丸1日ほどかかるだろう?
わざわざ来たのに入れないなんて
おかしいってクレームが入ったんだ
まぁ、急だったからね
物資のやり取りが
全く出来なくなると困るから
とりあえず解除するってさ」

「なら、見回りしてるときに
会う可能性もあるかもしれない
聞けたらまたみんなに伝えるね」

出来るだけ明るい声で言い、笑って見せた

保管庫を出ると、皆それぞれ
今日の予定に向かうことになった
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