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四十四話
しおりを挟む朝にジーナから、夕方にシオンから、
目のことを言われた
朝と夕方に
共通しているものがあるとすれば
やっぱりナロンしかない‥‥
しかしキトとライハが
私の目をシギと言う人と一緒だと言ったり
見開いてるとよく見えると言った時、
ナロンはいなかったから違うはず‥‥
朝と同じことがまた頭に浮かんできた私は
返事が何も出来なかったが、
何か考えてるのを察した
シオンは声をかけないでくれていた
バァァァァーン!!!
「ナツー!
体調はどうだいー?
我慢してたけど心配だったから
部屋まで来ちゃったよー!」
扉が開いたと同時に入ってきたのはジーナ
私はジーナが入ってくる時の
扉の開け方に慣れているけど、
シオンは初めてだったから
とても驚いたようで椅子から落ちていた
「あれ?シオンじゃないか
私が頼んだ後から今まで
ずっとナツに付いててくれたのかい?」
「あっ、いえ、
途中街の見回りに行ってました
終わったのでもう一回来たんです」
立ち上がり軽く頭を下げながら
ジーナに答えていた
「ジーナも心配して来てくれたの?」
私はジーナにもう1つある椅子に
座るよう手で促しながら聞いた
ジーナが腰掛けるのを見ると
シオンもさっきまで
座っていた椅子に静かに腰掛けた
「もちろん!
もっと早く様子を見に来たかったんだが
急ぎの仕事があって‥
終わったら日も傾いてしまったし、
明日にしようと思ったんだけど‥
やっぱり心配で来てしまったよ」
「ごめんね、寝不足なだけだから
もう大丈夫だからね」
「デイスも睡眠不足だろうって言ってたよ、
他は異常ないって言ってたから
大丈夫だろうとは思ってたんだけど、
あの時は壁に激突して
呼んでも返事もしなかったから焦ったよ」
私の肩に左手を置きながら
「これからはちゃんと寝ること、
分かった?」と言われたので
「分かったよ、ありがとう」と返した
2人で顔を合わせ笑顔になっていると、
「あっ、じゃあ俺はこれで‥」
そう言って椅子から
立ち上がろうとするシオンを止め、
さっき目が光ったことをジーナにも伝えた
「‥シオン、光った時に何か
思うことはなかったかい?」
「いや、特には‥
普通に話してただけだったので‥」
「そうか、ありがとう」
ジーナは考えている態度は見せず
いつもと同じトーンで話していた
「ジーナさんも目のこと知ってたんすね?
皆さんからしたら
普通のことだったんですか?」
「あっ、あー、いや、
気づいてる人はそんないないな
私は親友だから気づいたんだ
どこかのタイミングでみんなに
言うこともあるかもしれないが
それまでは黙っていてほしい」
「‥‥?
分かりました」
「呼び止めてごめんね、ありがとう」
「はい、では失礼します」
空の器の乗ったトレーを持って
シオンは部屋から出て行った
少し話した後、ジーナも部屋に戻ったので
私は着替えだけしてまた深い眠りについた
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