巡り合い、

アミノ

文字の大きさ
上 下
41 / 143

四十話

しおりを挟む



どうやら私は1時間ほど寝ていたようで
見回り班はすでに出発した後だった

合流しようとシオンと2人で
医務室から出たところで
デイスに止められた

「ナツ、もう少し休みなさい」

本当、先生みたいだなぁ

「大丈夫だよ、
それに私は2日連続で盗賊と会ったのに
何も結果残してないし‥」

デイスがふぅと息を吐いて
人差し指で眼鏡を上げる

「‥そう言われてもな‥
俺の気持ちを言うと
ナツの体調を優先したい、休んでほしい」

「大丈夫だよ
さっきも寝れたし‥それでもダメ?」

「見回りの途中や盗賊とのやり取りの途中に
倒れられたら困るんだ
言うこと聞いてくれると嬉しいのだが?」

きっぱりと言われてしまった

「睡眠不足は肉体的にも
精神的にも悪影響がある
それは分かってるだろう?」

もう頷くしかなかった私は
小さく頷いた

「よし、いい子だ」
そう言って私の頭を軽く撫でて去って行った

確かに見回りの途中に倒れたら
迷惑だし、しょうがない
今日は1日ゆっくり休ませてもらって
明日に備えるか‥

そんなことを考えていると
横から伸びてきた手に頭を荒く撫でられ、
右に左にと頭が揺れた

「‥痛い」

「あっ‥! すんません!」

ちょっと焦ったシオンの声がした

頭を撫でていたのはシオンの手だったのだ

「‥前言撤回」

「何?」
私はシオンの言葉が聞こえなかったので
問いかけたが、答えてはくれなかった


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

婚約破棄からの断罪カウンター

F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。 理論ではなく力押しのカウンター攻撃 効果は抜群か…? (すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

原産地が同じでも結果が違ったお話

よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。 視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

とある元令嬢の選択

こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

だいたい全部、聖女のせい。

荒瀬ヤヒロ
恋愛
「どうして、こんなことに……」 異世界よりやってきた聖女と出会い、王太子は変わってしまった。 いや、王太子の側近の令息達まで、変わってしまったのだ。 すでに彼らには、婚約者である令嬢達の声も届かない。 これはとある王国に降り立った聖女との出会いで見る影もなく変わってしまった男達に苦しめられる少女達の、嘆きの物語。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革

うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。 優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。 家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。 主人公は、魔法・知識チートは持っていません。 加筆修正しました。 お手に取って頂けたら嬉しいです。

処理中です...