巡り合い、

アミノ

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三十二話

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朝食も食べ終わり、
久しぶりにたくさん
シオンの声が聞けたことで
満足度はとても高かった

見回り強化の継続のため
私、シオン、ユナは街へ出る

ジーナとリクとは
食堂を出たところで別れ、
私たち3人は集合場所へと向かった

歩いている途中、
不意に視線を感じたので
隣を見るとシオンが見ていたのだが
私が振り向くと目を逸らされた

さっきはとても楽しかったけど
やっぱり私が気付かない内に
何かしてしまったのだろうか?

「じゃあ私、こっちの見回り班なので」
ユナが私たち2人から離れた

聞くなら今だと、思い切って
聞いてみることにした私が立ち止まると
つられるようにシオンも立ち止まった

「シオン、私
何かシオンに失礼なこと
してしまったかな?」

シオンが目を見開いて
こちらを向いて一瞬目が合ったが
やはりすぐに下を向いた

下と言っても首元あたりだろう

面接の時とか
ネクタイの結び目を見ろとか
言われた気がする

私の目が見れないのか

「すんません」

謝られた

「誤解させてしまって、すみません
ナツさんは何もしてないっす
俺自身の事なので‥」

よく分からないが
とにかく私は何もしてないらしい

少し安心した

自分自身のことなら、
ジーナの言う通り
落ち着いたらまた戻ってくれるかな

「そっか、分かった」

シオンは集合場所の扉を指を差す

「ナツさんの見回り班の集合場所、
あっちですよね?」

「うん、じゃあまた」

シオンと別れ私は歩き出した

ナツの後ろ姿を見送ったシオンが
ポケットから薬の容器を取り出し握りしめる
「じいちゃん、俺、力になれるのかな‥」と
呟いた声は誰の耳に届くこともなかった
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