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困惑
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そんな空を見送った後、しばらくその場に座り込んでいたら
ガヤガヤと下の階から賑やかな声が聞こえてきた。
「あ・・お昼休みか。」
じゃ、ここにも誰か来るかもしんない。そろそろ行かなきゃ。
重い腰をあげ、ゆっくり階段を下り始めた。
自分の教室のある階まで降り、雑踏の溢れる中、教室に向っていると、
すれ違い様に
「サボってんじゃねーよ」
と耳元で囁かれた。
バッと顔を向けると、
「そ、っ///」 ら!じゃなくて、相馬くんに化けた空!!(いい加減、この言い方やめろよ)
何か言い返そうとしたが、空はすぐに人混みに紛れてしまった。
「ちっ」 言い逃げかよ!
元々、サボってたのはそっちじゃん!
怒り顔で立ち尽くしている私に、後ろから、
「美未香♪どこ行ってたの?中庭でお昼食べない?」
と、肩を叩かれた。
振り向くと、りかちゃんが、お弁当箱をブラブラさせている。
「あ、食べる!今、お弁当持ってくるね♪」
私は、すぐに教室へ行き、お弁当を持つと、すぐにりかちゃんの元へ走った。
中庭に着くと、天気もいいせいか私達の他にもけっこう人が居て、あちこちから笑い声、話声が聞こえる。
少しの空きスペースを見つけ、2人してそこに座ると、
いきなり、隣から、
「昨日も、空に会えなかった~」
と、聞こえるではないかっつ??
は??空??上に見える空の事??いやいや、昨日も快晴で、空は見えたから(快晴じゃなくても、空はあるだろ)
「空、いつになったら、指名させてくれるんだろ~~」
「今日もねばってみたら?空来る日でしょ?」
隣の話につい、耳がダンボになる。
指名??指名ってコトは・・
「空の事でしょ。」
「!!」
りかちゃんがそう言ってきた!
「え?空??やっぱり空の事、話してんだっ。」
小声で、聞き返すと、
「この学校でもファンクラブあるみたいだし~。」と、サラッと答えるりかちゃん。
は??ファン??ファンクラブ??
あの鬼畜にっつ???
「だから、美未香が空の指名とれたなんてコト、バレないようにね~♪」ふふっ
そこで微笑かっ!お嬢様!!
それに別に指名とれたんじゃなくて、無理やり取らされたんだけどなぁ・・
「でも、もうお店には行かないんだから関係ないか。」
りかちゃんのその言葉に、私は固まった!
ハッ、はぁぁぁぁぁぁぁっ!!そ、そうだったぁ~~~~
りかちゃんに「もうお店に行かない」宣言しちゃってたんだぁぁぁ!!
「・・・・」
「ん?美未香?」
「・・あのぉ・・ソレなんだけど、なぜだかどうなってんだか・・も少しだけ、通わなきゃイケなくなったというか・・」
モゴモゴそう言うと、
「ふふっ♪良かったじゃない」
と、天使の微笑みも+α
「んー・・」 ん???
良くはないんだけどね?でも、ま・・。んー・・いっか・・。
しかし・・空・・マジでモテるんだ。
その空が、実はココの学校一秀才の相馬くんだなんて知ったら、皆驚くだろ~な・・
あんなダサダサ変装する意味も、空が自分で言うだけあって、
納得するよ。ぷぷ
あ、でも今日、空、お店に来いって言った。
え?じゃ、この子たちとガチあうんじゃ・・
そうしたら、私が空の指名とれたとかなんとか誤解されるんじゃありませんかっ??
うわぁ!!ソレちょ~困るし!ファンクラブなんて敵に回すほどの度胸ありませんしっ!
ど、どうしよっどうしよ!
「!」 あ、そうだ、空に電話して、行けないってー・・・―・・言えないよね。うん・・
ソレはあきらめよう・・
だったら、お店じゃなくて、別なトコ・・じゃ、ダメなのかな?
モグモグ・・
「美未香、考えコトしながら食べると、消化に良くないよ。」
「え?あ、うん」 りかちゃんにそう言われ、まずは集中して、お弁当を食べきる事にした! モグモグモグ
「ごちそーさま♪」 「早っ!」
食べ終わると、すぐに私は、お弁当を包み直して、立ち上がる。
「ん?美未香?」
「ごめん、りかちゃん、ちょっとヤボ用♪」 と言って、スマホを握りしめると、裏庭へと走った。
よし!ここなら誰も居ないな♪
カチャッ、ピッ。
すぐに、空へ電話をかけた。
~~~♪~~~~♪~~~~♪
「あんだよ。」
え?
スマホは呼び出し中・・
なのに、声は聞こえる・・
「えっ?!」 後ろを振り向くと、「!!」
そこには、校舎の壁にもたれかかって紙パックのコーヒー牛乳を飲んでいる相馬・・空っ!!
「なっ、なんでこんなトコにいんのよ?!!」
「は?なんの用だよ?」
「へ?」
まだ、プルプルと鳴っている空のスマホを目の前に出される。
「あ!//」慌てて、送信を切ってポケットにしまった。
「そんなに声聞きたいの?」
「は?」はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?????!!!
「店まで待てない?」
「は??!!」 あ、店!!
「あのさ!そ・・相馬くんっ(ぷぷ) お、お店の事なんだけど、」
「あ?」
「この学校の子達も、今日なんかお店に行くみたいでさ・・。」
「・・・・」
「その・・ガチあうのは・・ちょっと、マズイんじゃないかなぁ・・って。」
「・・だから?」
う・・なんで、そんな不機嫌な目してんの?!ちょ~コワいんですけどッ!!
「っ・・だから、そのお店じゃなくて、別なトコって・・」
「・・ふ~・・ん♪」
え?空、いきなり上機嫌???
「じゃ、ガッコ終わったら南口のマックで待ってろ。」
「え?!お店は?」
「は?店はダメだって、お前が言い出したんだろが!」
ひえっ!!そ、そりゃ、そうですけどっ!!!
「あと、しゃべりかけてくんなっ!」 プイッとそう言い、裏庭を出て行ってしまう空。
は??え??しゃ、しゃべりかけんな・・って??
あ~~~~~もぉ!!全くもって話になんない。会話が成り立たない~~~~!!!
相変わらずの自己中ぶりに改めて、驚く
あ、でも、一応、お店の件は承諾してくれたのか。
大体さぁ、なんで、お店に行かなきゃなんなかったの???
んな、ファンがいっぱい集まる場所!
わざわざ、呼ぶなっつーの! 自分がホントにモテるっていうの自覚してんのかっ??
いや、してるからの変装なんだよね。
う~~~マジ、わかんない男っ!!あ~~~イライラする!!
授業がおわるまで、空にしゃべりかけるドコロか、顔さえも合わさないでいてやった!(くっ、小さい抵抗だよ!)
HRが終わると、
チラッと、そ・・相馬くんの席を見た。が、もうそこには空の姿は無くて・・。
早っ・・
ま、いっか。
靴を履き替えると、ちょ~~~重~~~い足で、南口のマックへと向った。
南口のマックに着いた私は、お店の中へ入ると、すぐに相馬くんの姿を探す。
キョロキョロ・・
?・・居ない・・
おかしいな・・。私よりも先に学校を出てるハズなんだけどなぁ・・
パコ!
「たっ!」
いきなり、後ろから頭を殴られた!!
キッと睨んで、振り向くと、
「!!」
「誰、探してんだよ、」 と・・
深く被った帽子の脇から光る金色の髪っ、
こ、これは
・・相馬くんじゃなくて「空」っ!!
オーラ出てる!!!思いっきり出てるし~~!!!
げ、げいのーじんですか??あなた!!まぁソレに似たよーなモンですがっ!
「あ、あのねっ、そんなんだったら相馬くんの格好のままで良かったんじゃない??」
音量ダウンした私のごもっとも発言に、
「ヤダ!ダサいもん」と、奥からでも光輝く瞳でそう答える。
クラッ///
じゃ、ないない!!////
「そーゆー問題かっ!」 と、突っ込みたくなるのをガマンして、空の腕を引っ張ると、すぐにマックから脱出した!
こんなトコ、誰かに見られたらアウトだぁ!!相馬くんと会ってたってウワサたつのもヤだけど、空と会ってたって知れたら。問答無用で、速攻マジ殺される!!
外へ出たところで、グィっと、反対に腕を引っ張られた。
「?!」
「そっちじゃない、こっち。」
そう言って歩き出す。
・・?ドコ行くんだろ。
引っ張ったハズの腕は、いつの間にか、引っ張られていて。
そのまま、連れられ歩くこと10分。
白い大きなビルが見えてきた。
横に回りこむと、そこに非常階段の扉が・・。
空はソレをギギッと押して入っていく。・・あ、もちろん連れられた私も。
「い、いいの?勝手に入って」 つい小声になってしまう。
「あ?ああ、ココ廃ビルだから。」
そう言って、どんどん上への階段を上がっていく空。
・・廃ビルか・・まだ、こんなにキレイなのに。
でも、どこまで上る気?
ハァハァ・・ゼェゼェ
頼む!もう無理!!これ以上上れませんっ!!
てぐらい階段を上らされた。
「ちょ、休憩させて。」
「は?運動不足!デブ!」
「なっ///」―・・にをぉぉ!!乙女に向ってっ!!////
「もう着くから、ホラ。」
グイッ
「っ!//」
腰ごと引っ張りあげられ、踊り場まで、一気に上らされた!
ご、強引なんだからっ!もぉ!///
その踊り場の突き当たりに少し開いた扉がある。
そこを、空は開けて入っていき・・消えた。
はっ???き、消えた??
えっ??もしかして、扉の向こうは異空間だったとかっ??!!!
驚いた私は、すぐに空の後を追って、扉にしがみついた。
(いや、一応、部屋無いかもしんないし、落ちたらやだし、異空間になんか行きたくないし)で、扉、止まりですがっ。
でも、そこから、見えたのは・・
「わ・・・ぁ」
でっかい夕日・・こんなまん丸のままの夕日なんて初めて見た。
・・・キレイ・・・
「気に入った?」
「え?」
その声に、目線を落とすと、壁にもたれて座り込んでる空の姿。
「あ・・居た。」
「は?」
「あ、ううんなんでもない!」 あはは・・
はぁ・・よく見ると、そこは屋上で。つーか・・徒歩でここまで上らされたんかい!
そりゃ、くたびれるハズじゃん!
私は、そこに恐る恐る足を踏み入れると、まん前のフェンスに近づいた。
やっぱり・・キレイだなぁ・・夕日なんて、こんなにじっくり見たの久しぶり?初めてかも?だよ。
「太陽も・・空もでけぇだろ?」
空が後ろから、そう投げかけてくる。
「・・うん。」
そっか・・空がこんなに見えるから、夕日もこーんなに大きいんだね。
「ここへ来ると、飛びたくなる。」
「へぇ・・って、えっ???」 と、飛びたくなるって!??そ、それってもしかしてっ!!
思わず、空に駆け寄った!
「ん?」
「あのっ、空、何があったか知らないけど、その、ここから飛び降りるのはやめた方がいいからねっ!!落ちた後、すごいんだよ??悲惨なんだよ?」
「・・・・は?」
「えっと、だからね、じ、飛び降り自殺なんてバカなコト・・っ!」
「ブッ!」 「はっ??!!」
「あはははははははっ♪♪♪」
突然、大笑いをする空。
????!!
「なっ、なによっ!!///人が心配してっ・・」
「ふはっ♪俺が投身自殺?」
「そ、そうよ!ソレしかないじゃ・・え?ち、違うの??」
「ふ・・まぁ・・普通に鳥願望的な?」
「え???!!!////」
ひゃ~~~~~~~~~~~~~~っ!!とんだ勘違い?????
えっ?だってだって、さっきの空の言葉は、そうとしかとれない言い方だったよ~~~????まっ紛らわしいったらっ!!
「ま・・羽があっても、飛べないけどね、俺。」
「え・・?」
そう言った空の瞳は、今まで見たことない・・何も写ってないカンジで。
「・・そ・・ら?」
「ん?」
あ、元の空の瞳に戻ってる・・さっきのは見間違いだったのかな?
「おい!」
「えっ!はいっ!」 うわぁぁぁ~~っ!!いきなり、睨みあげてきたぁぁ!!
やっぱ、さっきのは見間違い見間違い!!
「人の名ぁ、呼んでおいて、なんだよ?!あ?」
「へ!?」 あ、あぁ・・そうでしたぁ・・
「あの、ココにはよく来るの?」
「・・・あぁ」
「ふ~・・ん・・・」
「・・・・・」 て!!会話、止まってんじゃん!!つか!空も繋げろよ!!
「ココ、落ち着く。」
え?
そう言った空は、空(↑の)を見上げて、穏やかな顔を見せた。
「////!」
くっ、あいかわらず、どんな顔してもキレイだなっ!なんかくやしっ!!
たぶんヘン顔しても、見とれちゃうよっ!!ちくしょー!
「秘密だからな。」
「え・・?」
「ココの事。」
「あ・・うん・・・あの・・さ、」
「ん?」
「・・・なんで、空は・・その私なんかに指名させたり・・その相馬くんの正体明かしとか」
ずっと、疑問だったコト。
それと新たな疑問。・・今日ココに連れてこられたこと。・・だってここは空の秘密の場所なんでしょ?
そんな大切な場所に私なんかを連れてきて良かったの??
「あ、金星!」 え?空、ソレ答えになってな・・えっ??き、金星??金星ってあの図鑑にのってる金星????
「えっどこどこ??」
「ここに来てみ。」
「うん!-・・わっっ!!」
空に近づいた途端、強引に引き寄せられたっ!!
「っ////わ!!そ、空ッ!!」
「ははっ♪単純♪」
「ちょ、金星は??え??ウソなの?」
「ウソじゃないよ、あそこ。」 指で、あっちと指し示す。
その方向を、引き寄せられたままの姿勢で顔だけ向けると、
夕日のせいで、少し見えづらかったが、1つ大きく光輝く星が見える。
「え?アレ?」
「うん。アレが金星。」
「マジで??」
「くすっ、小学生ん時に習わなかった?」
その言葉を、空はすごく優しい顔をして言うもんだから・・「//」
私はつい赤面してしまう。////
「美未香?」
「えっあ、!うん、は、初めてわかったし、初めて見たよ金星///そ、のっありがと//」
私は顔が赤いのを見られたくなくて、俯きながら、そう答えると、。
「顔、上げろ。」
は??///む、無理無理!!「いやっ・・です。///」 敬語かよっ!
グィッ
「--!///つ」
強引に顎を捕まれて、アッと言う間に、私の返事も聞かないで、顔を上げさせられてしまった!
「う・・///」 でも、目は合わせない!合わせられません///
「・・なんで、顔真っ赤?」
「!!//」 あんたのせいでしょーが!!くっそ~~~~っ///
ん?
なにか大事なコト忘れてんじゃない??
「!!//そ、そだっ!!空っ!」
「わ!んだよ!」
「金星でごまかしたつもりでしょーが!!そうはいかないんだからねっ!!」
「!」
「さっきの、私の質問!ちゃんと答えて」
ハァ・・
つ、疲れる・・マジで空と居ると疲れる・・
「ははっ♪美未香おもしろいね♪」
「は??!!」 面白いのはあんただけでしょーがっ!!
「はは・・・このまま・・どっか行っちゃう?」
「え?」 なに、いきなり、そんな真剣な顔して。
「2人で、遠いトコロへ。」
「え・・っと・・あの・・空・・」 ど、どうしたの空?
急に何よ。あ!もしかして、これもごまかし??
「も!、また誤魔化そうとして!!」 そう怒鳴ると、
「・・は・・バレたか♪」 ?!・・空はそう言って笑ったケド・・
一瞬、寂しい顔したのを私は見逃さなかった。
・・空・・?
「しかたない。質問に答えてやんよ。」
空はそう言うと、引き寄せていたからだを少し離した。
「真面目にだよ?//」
「ん・・じゃ、まず、指名の件な。」
「うん。」
「アレはあんなトコで、グズグズしてるお前が、ジャマだったから、とりあえず部屋へ連れてっただけ。」
「は?」
「部屋に入れば、指名確定だって事は前に言ったよな?」
「あ、う、うん」
「だから、流れ的にそうなっただけ。」
「はぁ・・」
そんなもんだったんだ。ただの流れ・・ね。
なんか、・・ う、ううん!なに落ち込んでんの!!次よ次!
「じゃ、正体明かしは?」
「あぁ・・それは、面白そうだと思ったから♪」
「はっ??!!」
「くくっ♪現にちょ~ウケた!!♪」
「あ、あのねぇ~~~~」 私で遊ぶのやめてくんないかなぁ・・もぉ!
「それに、美未香は余計な事言わなそうだったから。」
「え?」
「相馬来紀が空って事、誰にも言ってないっしょ?」
「あ、うん。 だって、言ったらスゴイ事になっちゃいそーだし・・
・・ソレは、私が言っていい事じゃ、ないと思ったし。」
「・・ふ・・そーゆートコ好きだよ」
「あり・・がっつ!!////っつ!!そ、そんな事っ!サラッと言わないでよっつ!!///」かぁぁぁぁぁ/////ある意味スゴイよ!!サラッと言えれるあんたはスゴイよ!!
「あ?いちいちうるせ!で、次はナンだっけ?」
ハッ!そうだ!次の質問!空の気が変わらないうちに聞かなきゃ!!
「ココ!なんで私を連れてきたのかって。」
「・・・ん~?」
「?え?悩む・・トコ?そこ」
「ソレお前が聞く?店ヤダっつったのお前だろ?」
「は?」
いや・・それはそうだけど・・でも・・だからってこんな大事な場所に連れてくる?
・・あ・・そっか。
「ここへは、誰でも連れてくるんだ。」
そうよね、別に指名だってなりゆきだったみたいだし、私だけが特別なワケじゃ・・
「やっぱ、ばかだな。」
「はぁ?」 なにをっ!??
「誰でも連れて来てんだったら、わざわざ秘密なんて言うかよ。」
「あ・・」
ん・・でも、
「1人、1人に同じ事言ってるかもしんないじゃん。空、モテるし。」
「・・・・・」
「空?」 え?図星??
「て・・んめ」
「ぎゃっ!!!」いきなり、両耳を引っ張られた!!
「んな、メンドくさいコト、すっかよ!ココには、お前しか連れて来たことねぇっーの!」
「いたたたたっ!!――っえっ????」
耳を押さえながらでも、その空の言葉ははっきり聞こえた。
「・・ま、マジで?」
「マジで!」
「私だけ?」
「くどい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ど・・・
どうしよ・・ 顔が・・にやけるっ///♪
やばい・・なんで!///
「おい、こっち向けよ。」
「い、いえお断りいたします///」
こ、こんな顔みせられるもんかぁぁぁぁ~~~~~//////
「はぁ・・お前、まだ代金払ってくれてねーじゃん。」
「は?」
「俺の指名料も♪」
「はっ!あ、だっ、だから、ソレは空が受け取ってくんないんじゃ・・」
グイッ。 「ぅ!!」
無理やり、空の方へ向かされた!
「今、受け取るよ。」
へ?・・あんなにいらないって拒んできたのに今日はやけに素直だな??
んーでも、今は持ってきてないから・・「ん・・じゃ、明日学校に・・」
ぎゅ 「ぎゃっ////!!!」
!??ほ、ほっぺつねられた~~~~~~っ!!/// 痛っ、なに急にっ!!
「ちょうだい。」
「え?だから、今はお金持ってきてないから、明日学校で渡・・」
ガッ! 「うっ!」
言葉の途中で、仰向けに押し倒されてしまった。
「そ、空っ、痛っ・・」
背中打ったし!!!
キッと睨みあげると、すぐ、まん前にキレイな空の顔がっ!!
「~~~~////!!」
「マジ、学習能力ねぇ奴。指名っつても、お前は正規の客じゃねぇんだよ、だから、支払いは金じゃねえって言ったよな?俺。」
へっ!?っうわっ・・やっぱ、こいつの目って、野獣だぁぁぁ~~~~~~~~!!!
こ、怖すぎるんですけどっ?!!!
「ひぇっ・・」
怯えて、何も言えなくなってしまった。
「支払い方法は、覚えてんだろな。」
「っえっ??」 し、支払い方法って・・
えっとえっと、た、確か・・
体・・私の・・・
・ ・ ・
「えぇぇえぇぇっぇえぇぇぇ????!!/////」
「だっ、うっせ!」
片目を瞑って、少し私から離れる空。
その隙に、ササッと後ずさり、も~~っと、距離を置いた私。
「・・・・」
うわぁ・・あきらかに機嫌悪いですって、顔になってるなってる空っ!!
こ、コワ~~~~み、見ないでおこ・・
「いつになったら支払ってくれんだか・・はぁ。」
髪を掻き揚げ、その場であぐらをかく空。
こっちに近寄ってくる気配はない・・
ホッ・・
「利息分ぐらいどうにかしろっつーの。」
「は??なっ、なんで、利息とか???」
てか、どーいう基準で利息とるともりなんですかっ??
ヤバイ!こいつ絶対にヤバイ!!
利息って言ってる時点でかなりそーとーヤバイ!!(><)
きっと、あんなコトや、こーんなコトとかを利息って名でする気なんだよっ!!
(↑その行為を説明しろって言われても無理だけどね!!実際経験したことないしねっ!!)と、とにかく・・ど、ドーすればいいの~~~~~~~~~~~~???
あぁぁぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「お前、今すげーHなコト考えてたろ。」
ドッ、ドキッ!!!!!
「えっ!///いや、そんなっまさかぁつ!!」 ちょっと勝手に人の頭ん中、読まないでくれる?!カン良すぎでしょっ!!
また私も、真っ赤な顔してドギマギしてしまったもんだから、
「スケベ。」
「~~~~~!!!」 だぁぁぁぁっぁ///ホラッ///突っ込まれた~~//!!
「ま、別にお前の妄想に間違いはないけどな。」
「・・・て!ぇぇえっ/////???!!」
「ふ」
「~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」なっなっなっ・・
なんですかぁ???!!!その笑いはっ!
その笑みのあと、ゆっくりと空は立ち上がって私の方へ歩いてくる。
「こ、こないでっ!//」
両手を前に出して拒否の姿勢をとった。
が!
その両手に、空は指を絡めてくる 「////ぅ」なっ///
しかもその指は・・すごく優しく動いて。外せなくなるくらいまでに絡ませてくる。
指がとろけちゃいそうになる。
頬が染まっていくのがわかる。
「--////っ」
防御したハズの両手は、その役目を果たすことなく、空に捕らえられてしまった。
ぽや~としたままいると、いつのまにか指は解かれ、
小さく
「忘れるな。 ・・俺を」
え?・・
空は、その言葉のあと、何も言わなかった。
そのまま、私を家の前まで、送ってくれ、「じゃぁな、今度は元金支払えよ。」
とだけ言って帰ってしまう・・て!!!
な、なに~~~~~~~!!/////やっぱり、最後はいつものエロエロ空じゃん!
なんだ!やっぱ、いつもの空じゃん!さっき、あんなわけのわかんないこと言うから、ちょっぴり心配しちゃったってのに~~~っ(><)き~~~~!
そう当の本人を捕まえて、↑のマンマ大怒りしたいトコなのだが、
ここ、数日姿が見えない。
学校にも来ていない・・
電話はムカつくからかけない!(←おい
ん~~~~
癪だけど・・、今日あたりお店に顔を出してみようかな。
あ、会いたいわけじゃないよ??顔が見たいなんて絶対に思ってないからねっ!
文句言いに行くだけだし!!
じゃぁ、電話でもいいじゃん!?んと!電話はだから、ムカツクからヤなんだってば!
はぁぁぁぁっ、1人コントかっ!!
学校が終わると、私は真っ直ぐ「麗騎士」へと向った。
りかちゃんについてきて欲しかったけど、本彼とのデートらしくて。
(余裕あるなっ(><)りかちゃんは!)
しかたなく1人なのである。
お店に着くと、速攻で出迎えに出て来てくださるイケメン様///
あぁ・・っ///やっぱいいなっ♪ココはいいよなっ♪
毎日でも来たいよ!!
くぅ・・空さえいなければっ!!
ハッ!空!!そうだ!本末転倒!目的を忘れるトコだったよ!
「あ、あの、空は・・」 イケメン様たちにそう尋ねると、
「空ですか。・・申し訳ございません。只今、旦那様の命を受け、出かけております。」
と・・まるで、現実味のないお答えが・・
「はぁ・・えっと、戻ってきます?」 ココでは、こういう会話に乗らなきゃならない。
「本日中は無理かと・・。」
学校も休んで、お店も休んで、一体何してんのよ!あいつ!!
イラッとする顔を引きつらせて、
「・・・あ、じゃ、明日は?」 と聞いてみた。
「・・まだ、連絡入っておりませんので、なんとも・・」
と困った顔をされる。
あぁ・・これ以上、こんなイケメン様を辛いお気持ちにさせてはならないと、そう思った私は、「わかりました。ありがとうございます。」と言って引き下がった。
向きを変えて、帰ろうとすると、
「あ、お待ち下さい。お嬢様。」 と、呼び止められた。
はぁぅっ////
「は、はい♪なんでしょう?」 つい、私もお上品になる(←バカだろ
「これをお持ち下さい。」 そう言ってイケメン様から、一輪の白い薔薇を手渡された。
「?」
「お嬢様はVIP会員様と聞いております。来店毎に1輪づつ増やしてお渡しいたしますので、どうぞ、お受けとりください」
「・・え?」
んと・・いま、VIPとかって言わなかった???このイケメン様!
は??なにソレ??VIPどころか、私、1銭も払ってないんですけど???
「あの・・VIP会員て・・・・」
「え?空からはそう聞いておりますが?」
へ・・??空から・・???
「お・・お金は・・」
「?はい。しっかりいただいております」
「・・・・・・・」
その後、
イケメン様からいただいた白い薔薇をゆらゆら揺らしながら、家に向って歩いていた。
頭の中は、
どういうこと??どういうこと??どういうこと~~~????
VIP??支払い済??なにも聞いてないよ??
空~~~~~~~~~~~~~~~~~!????
まったくどこに居んのよっ!!あいつはぁ!!
「あっ!」
そういえば・・あの時
・・空、・・忘れるな・・とか言ってなかった?
え??なに??どっかへ行っちゃう宣言だったの?あれ!
ち、ちょ、マジ????
く~~~~~~~~~~ヤだけど、ムカツクけど、もうこれしかない!!
わき道にそれると、バッと携帯を出した!
≪空≫
その名をディスプレイにだす。 ピッ!
~~~~♪~~~~♪~~~~~♪
出た途端、文句言ってやるんだから!!
~~~~♪~~~~♪~~~~~♪
ぜ~~ッたい、ぜ~~ったいに言ってやる!!
~~~~♪~~~~♪~~~~~♪
言ってやる言ってや・・出ねぇしっ!!
~~~~♪~~~~♪ 『只今、電話にでるコトができません』 機械的なお姉さんの声が流れ出す。
マナーにしてある??
スマホ・・出られないトコに居るの?
それとも・・
出たく・・ないとか・・「怒」
後者だったら、ぶっ殺す!(←や、実際できないけどね!怖くてね!自覚有りです!
でも・・ほんと、どうしたんだろ。空。
私、疑問符ばかりだよ。
それから、1週間、空はどこにも現れなかった。スマホにもかかってこない・・。
先生に相馬くんのコトをさりげなく聞いてみたが、風邪とのことだったし・・
「はぁ~・・」
「なぁに?ため息なんて。」 横から、りかちゃんがそう言ってくる。
「ん~・・なんかね。」
「また、空のこと?」
「は?なにそのまたって!!別にいつもいつも空の事なんて考えてないし!!」
「?そんなに、ムキになること?」
「うっ!///」 ソコ突くかっ!
「あ、空といえば、今日って・・」
と、りかちゃんが言いかけたトコロで
いきなり後ろの方から、
「鈴木さん、委員会の人が呼んでたよ。」 と、聞きなれた声がっ・・
えっ?この声・・っ
「そ、っ」 空!と言おうとして、ハッとした。
教室の入口付近に立っている、その人物も口に人差し指をあてて合図する。
そう、そこに居たのは、まぎれもない・・相馬くん!!!に、化けた空!!!
(くどい)
何事もなかったよ~に、口元からゆっくり指をはずし、にっこり笑みを浮かべている。
こ、こんのおぉ~~~~~~~~~~~~~~~(怒)
私は、ドタドタと相馬くんに近づくと、両手で彼の胸倉を鷲掴みにして睨み見上げた!!
その行動に、周りの人達が、えっ?と驚いた顔をする。
ハッ!しまった!つい、空のつもりでっ!
ヤバッ!!今は相馬くんじゃん!!学校一の秀才くんだった!!!わぁあぁぁ!!!
バッと手を離すと、
「怖いね。鈴木さんて。」
と、空は口角を少しあげ、そんなおふざけ言ってきやがる!!!!!///く~~~
絶対に楽しんでる~~~~!!こいつ!!
そんな事を大きな声で言えずに、口をパクパクしていると、
「こっち。」そう言って、少し首を動かすと、廊下を歩いていってしまう空。
?・・こっち?? あ、来いってこと?
ちょっと、距離を置いて、空の後をついて行くと、
空の肩が小刻みに震えてるのがわかった。
ハッ//!!笑ってやがるっ!!絶対に私の事で笑ってる空のやつ~~~~~////!!ち、ちくしょーっ(><)!!!
ガヤガヤと下の階から賑やかな声が聞こえてきた。
「あ・・お昼休みか。」
じゃ、ここにも誰か来るかもしんない。そろそろ行かなきゃ。
重い腰をあげ、ゆっくり階段を下り始めた。
自分の教室のある階まで降り、雑踏の溢れる中、教室に向っていると、
すれ違い様に
「サボってんじゃねーよ」
と耳元で囁かれた。
バッと顔を向けると、
「そ、っ///」 ら!じゃなくて、相馬くんに化けた空!!(いい加減、この言い方やめろよ)
何か言い返そうとしたが、空はすぐに人混みに紛れてしまった。
「ちっ」 言い逃げかよ!
元々、サボってたのはそっちじゃん!
怒り顔で立ち尽くしている私に、後ろから、
「美未香♪どこ行ってたの?中庭でお昼食べない?」
と、肩を叩かれた。
振り向くと、りかちゃんが、お弁当箱をブラブラさせている。
「あ、食べる!今、お弁当持ってくるね♪」
私は、すぐに教室へ行き、お弁当を持つと、すぐにりかちゃんの元へ走った。
中庭に着くと、天気もいいせいか私達の他にもけっこう人が居て、あちこちから笑い声、話声が聞こえる。
少しの空きスペースを見つけ、2人してそこに座ると、
いきなり、隣から、
「昨日も、空に会えなかった~」
と、聞こえるではないかっつ??
は??空??上に見える空の事??いやいや、昨日も快晴で、空は見えたから(快晴じゃなくても、空はあるだろ)
「空、いつになったら、指名させてくれるんだろ~~」
「今日もねばってみたら?空来る日でしょ?」
隣の話につい、耳がダンボになる。
指名??指名ってコトは・・
「空の事でしょ。」
「!!」
りかちゃんがそう言ってきた!
「え?空??やっぱり空の事、話してんだっ。」
小声で、聞き返すと、
「この学校でもファンクラブあるみたいだし~。」と、サラッと答えるりかちゃん。
は??ファン??ファンクラブ??
あの鬼畜にっつ???
「だから、美未香が空の指名とれたなんてコト、バレないようにね~♪」ふふっ
そこで微笑かっ!お嬢様!!
それに別に指名とれたんじゃなくて、無理やり取らされたんだけどなぁ・・
「でも、もうお店には行かないんだから関係ないか。」
りかちゃんのその言葉に、私は固まった!
ハッ、はぁぁぁぁぁぁぁっ!!そ、そうだったぁ~~~~
りかちゃんに「もうお店に行かない」宣言しちゃってたんだぁぁぁ!!
「・・・・」
「ん?美未香?」
「・・あのぉ・・ソレなんだけど、なぜだかどうなってんだか・・も少しだけ、通わなきゃイケなくなったというか・・」
モゴモゴそう言うと、
「ふふっ♪良かったじゃない」
と、天使の微笑みも+α
「んー・・」 ん???
良くはないんだけどね?でも、ま・・。んー・・いっか・・。
しかし・・空・・マジでモテるんだ。
その空が、実はココの学校一秀才の相馬くんだなんて知ったら、皆驚くだろ~な・・
あんなダサダサ変装する意味も、空が自分で言うだけあって、
納得するよ。ぷぷ
あ、でも今日、空、お店に来いって言った。
え?じゃ、この子たちとガチあうんじゃ・・
そうしたら、私が空の指名とれたとかなんとか誤解されるんじゃありませんかっ??
うわぁ!!ソレちょ~困るし!ファンクラブなんて敵に回すほどの度胸ありませんしっ!
ど、どうしよっどうしよ!
「!」 あ、そうだ、空に電話して、行けないってー・・・―・・言えないよね。うん・・
ソレはあきらめよう・・
だったら、お店じゃなくて、別なトコ・・じゃ、ダメなのかな?
モグモグ・・
「美未香、考えコトしながら食べると、消化に良くないよ。」
「え?あ、うん」 りかちゃんにそう言われ、まずは集中して、お弁当を食べきる事にした! モグモグモグ
「ごちそーさま♪」 「早っ!」
食べ終わると、すぐに私は、お弁当を包み直して、立ち上がる。
「ん?美未香?」
「ごめん、りかちゃん、ちょっとヤボ用♪」 と言って、スマホを握りしめると、裏庭へと走った。
よし!ここなら誰も居ないな♪
カチャッ、ピッ。
すぐに、空へ電話をかけた。
~~~♪~~~~♪~~~~♪
「あんだよ。」
え?
スマホは呼び出し中・・
なのに、声は聞こえる・・
「えっ?!」 後ろを振り向くと、「!!」
そこには、校舎の壁にもたれかかって紙パックのコーヒー牛乳を飲んでいる相馬・・空っ!!
「なっ、なんでこんなトコにいんのよ?!!」
「は?なんの用だよ?」
「へ?」
まだ、プルプルと鳴っている空のスマホを目の前に出される。
「あ!//」慌てて、送信を切ってポケットにしまった。
「そんなに声聞きたいの?」
「は?」はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?????!!!
「店まで待てない?」
「は??!!」 あ、店!!
「あのさ!そ・・相馬くんっ(ぷぷ) お、お店の事なんだけど、」
「あ?」
「この学校の子達も、今日なんかお店に行くみたいでさ・・。」
「・・・・」
「その・・ガチあうのは・・ちょっと、マズイんじゃないかなぁ・・って。」
「・・だから?」
う・・なんで、そんな不機嫌な目してんの?!ちょ~コワいんですけどッ!!
「っ・・だから、そのお店じゃなくて、別なトコって・・」
「・・ふ~・・ん♪」
え?空、いきなり上機嫌???
「じゃ、ガッコ終わったら南口のマックで待ってろ。」
「え?!お店は?」
「は?店はダメだって、お前が言い出したんだろが!」
ひえっ!!そ、そりゃ、そうですけどっ!!!
「あと、しゃべりかけてくんなっ!」 プイッとそう言い、裏庭を出て行ってしまう空。
は??え??しゃ、しゃべりかけんな・・って??
あ~~~~~もぉ!!全くもって話になんない。会話が成り立たない~~~~!!!
相変わらずの自己中ぶりに改めて、驚く
あ、でも、一応、お店の件は承諾してくれたのか。
大体さぁ、なんで、お店に行かなきゃなんなかったの???
んな、ファンがいっぱい集まる場所!
わざわざ、呼ぶなっつーの! 自分がホントにモテるっていうの自覚してんのかっ??
いや、してるからの変装なんだよね。
う~~~マジ、わかんない男っ!!あ~~~イライラする!!
授業がおわるまで、空にしゃべりかけるドコロか、顔さえも合わさないでいてやった!(くっ、小さい抵抗だよ!)
HRが終わると、
チラッと、そ・・相馬くんの席を見た。が、もうそこには空の姿は無くて・・。
早っ・・
ま、いっか。
靴を履き替えると、ちょ~~~重~~~い足で、南口のマックへと向った。
南口のマックに着いた私は、お店の中へ入ると、すぐに相馬くんの姿を探す。
キョロキョロ・・
?・・居ない・・
おかしいな・・。私よりも先に学校を出てるハズなんだけどなぁ・・
パコ!
「たっ!」
いきなり、後ろから頭を殴られた!!
キッと睨んで、振り向くと、
「!!」
「誰、探してんだよ、」 と・・
深く被った帽子の脇から光る金色の髪っ、
こ、これは
・・相馬くんじゃなくて「空」っ!!
オーラ出てる!!!思いっきり出てるし~~!!!
げ、げいのーじんですか??あなた!!まぁソレに似たよーなモンですがっ!
「あ、あのねっ、そんなんだったら相馬くんの格好のままで良かったんじゃない??」
音量ダウンした私のごもっとも発言に、
「ヤダ!ダサいもん」と、奥からでも光輝く瞳でそう答える。
クラッ///
じゃ、ないない!!////
「そーゆー問題かっ!」 と、突っ込みたくなるのをガマンして、空の腕を引っ張ると、すぐにマックから脱出した!
こんなトコ、誰かに見られたらアウトだぁ!!相馬くんと会ってたってウワサたつのもヤだけど、空と会ってたって知れたら。問答無用で、速攻マジ殺される!!
外へ出たところで、グィっと、反対に腕を引っ張られた。
「?!」
「そっちじゃない、こっち。」
そう言って歩き出す。
・・?ドコ行くんだろ。
引っ張ったハズの腕は、いつの間にか、引っ張られていて。
そのまま、連れられ歩くこと10分。
白い大きなビルが見えてきた。
横に回りこむと、そこに非常階段の扉が・・。
空はソレをギギッと押して入っていく。・・あ、もちろん連れられた私も。
「い、いいの?勝手に入って」 つい小声になってしまう。
「あ?ああ、ココ廃ビルだから。」
そう言って、どんどん上への階段を上がっていく空。
・・廃ビルか・・まだ、こんなにキレイなのに。
でも、どこまで上る気?
ハァハァ・・ゼェゼェ
頼む!もう無理!!これ以上上れませんっ!!
てぐらい階段を上らされた。
「ちょ、休憩させて。」
「は?運動不足!デブ!」
「なっ///」―・・にをぉぉ!!乙女に向ってっ!!////
「もう着くから、ホラ。」
グイッ
「っ!//」
腰ごと引っ張りあげられ、踊り場まで、一気に上らされた!
ご、強引なんだからっ!もぉ!///
その踊り場の突き当たりに少し開いた扉がある。
そこを、空は開けて入っていき・・消えた。
はっ???き、消えた??
えっ??もしかして、扉の向こうは異空間だったとかっ??!!!
驚いた私は、すぐに空の後を追って、扉にしがみついた。
(いや、一応、部屋無いかもしんないし、落ちたらやだし、異空間になんか行きたくないし)で、扉、止まりですがっ。
でも、そこから、見えたのは・・
「わ・・・ぁ」
でっかい夕日・・こんなまん丸のままの夕日なんて初めて見た。
・・・キレイ・・・
「気に入った?」
「え?」
その声に、目線を落とすと、壁にもたれて座り込んでる空の姿。
「あ・・居た。」
「は?」
「あ、ううんなんでもない!」 あはは・・
はぁ・・よく見ると、そこは屋上で。つーか・・徒歩でここまで上らされたんかい!
そりゃ、くたびれるハズじゃん!
私は、そこに恐る恐る足を踏み入れると、まん前のフェンスに近づいた。
やっぱり・・キレイだなぁ・・夕日なんて、こんなにじっくり見たの久しぶり?初めてかも?だよ。
「太陽も・・空もでけぇだろ?」
空が後ろから、そう投げかけてくる。
「・・うん。」
そっか・・空がこんなに見えるから、夕日もこーんなに大きいんだね。
「ここへ来ると、飛びたくなる。」
「へぇ・・って、えっ???」 と、飛びたくなるって!??そ、それってもしかしてっ!!
思わず、空に駆け寄った!
「ん?」
「あのっ、空、何があったか知らないけど、その、ここから飛び降りるのはやめた方がいいからねっ!!落ちた後、すごいんだよ??悲惨なんだよ?」
「・・・・は?」
「えっと、だからね、じ、飛び降り自殺なんてバカなコト・・っ!」
「ブッ!」 「はっ??!!」
「あはははははははっ♪♪♪」
突然、大笑いをする空。
????!!
「なっ、なによっ!!///人が心配してっ・・」
「ふはっ♪俺が投身自殺?」
「そ、そうよ!ソレしかないじゃ・・え?ち、違うの??」
「ふ・・まぁ・・普通に鳥願望的な?」
「え???!!!////」
ひゃ~~~~~~~~~~~~~~っ!!とんだ勘違い?????
えっ?だってだって、さっきの空の言葉は、そうとしかとれない言い方だったよ~~~????まっ紛らわしいったらっ!!
「ま・・羽があっても、飛べないけどね、俺。」
「え・・?」
そう言った空の瞳は、今まで見たことない・・何も写ってないカンジで。
「・・そ・・ら?」
「ん?」
あ、元の空の瞳に戻ってる・・さっきのは見間違いだったのかな?
「おい!」
「えっ!はいっ!」 うわぁぁぁ~~っ!!いきなり、睨みあげてきたぁぁ!!
やっぱ、さっきのは見間違い見間違い!!
「人の名ぁ、呼んでおいて、なんだよ?!あ?」
「へ!?」 あ、あぁ・・そうでしたぁ・・
「あの、ココにはよく来るの?」
「・・・あぁ」
「ふ~・・ん・・・」
「・・・・・」 て!!会話、止まってんじゃん!!つか!空も繋げろよ!!
「ココ、落ち着く。」
え?
そう言った空は、空(↑の)を見上げて、穏やかな顔を見せた。
「////!」
くっ、あいかわらず、どんな顔してもキレイだなっ!なんかくやしっ!!
たぶんヘン顔しても、見とれちゃうよっ!!ちくしょー!
「秘密だからな。」
「え・・?」
「ココの事。」
「あ・・うん・・・あの・・さ、」
「ん?」
「・・・なんで、空は・・その私なんかに指名させたり・・その相馬くんの正体明かしとか」
ずっと、疑問だったコト。
それと新たな疑問。・・今日ココに連れてこられたこと。・・だってここは空の秘密の場所なんでしょ?
そんな大切な場所に私なんかを連れてきて良かったの??
「あ、金星!」 え?空、ソレ答えになってな・・えっ??き、金星??金星ってあの図鑑にのってる金星????
「えっどこどこ??」
「ここに来てみ。」
「うん!-・・わっっ!!」
空に近づいた途端、強引に引き寄せられたっ!!
「っ////わ!!そ、空ッ!!」
「ははっ♪単純♪」
「ちょ、金星は??え??ウソなの?」
「ウソじゃないよ、あそこ。」 指で、あっちと指し示す。
その方向を、引き寄せられたままの姿勢で顔だけ向けると、
夕日のせいで、少し見えづらかったが、1つ大きく光輝く星が見える。
「え?アレ?」
「うん。アレが金星。」
「マジで??」
「くすっ、小学生ん時に習わなかった?」
その言葉を、空はすごく優しい顔をして言うもんだから・・「//」
私はつい赤面してしまう。////
「美未香?」
「えっあ、!うん、は、初めてわかったし、初めて見たよ金星///そ、のっありがと//」
私は顔が赤いのを見られたくなくて、俯きながら、そう答えると、。
「顔、上げろ。」
は??///む、無理無理!!「いやっ・・です。///」 敬語かよっ!
グィッ
「--!///つ」
強引に顎を捕まれて、アッと言う間に、私の返事も聞かないで、顔を上げさせられてしまった!
「う・・///」 でも、目は合わせない!合わせられません///
「・・なんで、顔真っ赤?」
「!!//」 あんたのせいでしょーが!!くっそ~~~~っ///
ん?
なにか大事なコト忘れてんじゃない??
「!!//そ、そだっ!!空っ!」
「わ!んだよ!」
「金星でごまかしたつもりでしょーが!!そうはいかないんだからねっ!!」
「!」
「さっきの、私の質問!ちゃんと答えて」
ハァ・・
つ、疲れる・・マジで空と居ると疲れる・・
「ははっ♪美未香おもしろいね♪」
「は??!!」 面白いのはあんただけでしょーがっ!!
「はは・・・このまま・・どっか行っちゃう?」
「え?」 なに、いきなり、そんな真剣な顔して。
「2人で、遠いトコロへ。」
「え・・っと・・あの・・空・・」 ど、どうしたの空?
急に何よ。あ!もしかして、これもごまかし??
「も!、また誤魔化そうとして!!」 そう怒鳴ると、
「・・は・・バレたか♪」 ?!・・空はそう言って笑ったケド・・
一瞬、寂しい顔したのを私は見逃さなかった。
・・空・・?
「しかたない。質問に答えてやんよ。」
空はそう言うと、引き寄せていたからだを少し離した。
「真面目にだよ?//」
「ん・・じゃ、まず、指名の件な。」
「うん。」
「アレはあんなトコで、グズグズしてるお前が、ジャマだったから、とりあえず部屋へ連れてっただけ。」
「は?」
「部屋に入れば、指名確定だって事は前に言ったよな?」
「あ、う、うん」
「だから、流れ的にそうなっただけ。」
「はぁ・・」
そんなもんだったんだ。ただの流れ・・ね。
なんか、・・ う、ううん!なに落ち込んでんの!!次よ次!
「じゃ、正体明かしは?」
「あぁ・・それは、面白そうだと思ったから♪」
「はっ??!!」
「くくっ♪現にちょ~ウケた!!♪」
「あ、あのねぇ~~~~」 私で遊ぶのやめてくんないかなぁ・・もぉ!
「それに、美未香は余計な事言わなそうだったから。」
「え?」
「相馬来紀が空って事、誰にも言ってないっしょ?」
「あ、うん。 だって、言ったらスゴイ事になっちゃいそーだし・・
・・ソレは、私が言っていい事じゃ、ないと思ったし。」
「・・ふ・・そーゆートコ好きだよ」
「あり・・がっつ!!////っつ!!そ、そんな事っ!サラッと言わないでよっつ!!///」かぁぁぁぁぁ/////ある意味スゴイよ!!サラッと言えれるあんたはスゴイよ!!
「あ?いちいちうるせ!で、次はナンだっけ?」
ハッ!そうだ!次の質問!空の気が変わらないうちに聞かなきゃ!!
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「・・・・・」
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耳を押さえながらでも、その空の言葉ははっきり聞こえた。
「・・ま、マジで?」
「マジで!」
「私だけ?」
「くどい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ど・・・
どうしよ・・ 顔が・・にやけるっ///♪
やばい・・なんで!///
「おい、こっち向けよ。」
「い、いえお断りいたします///」
こ、こんな顔みせられるもんかぁぁぁぁ~~~~~//////
「はぁ・・お前、まだ代金払ってくれてねーじゃん。」
「は?」
「俺の指名料も♪」
「はっ!あ、だっ、だから、ソレは空が受け取ってくんないんじゃ・・」
グイッ。 「ぅ!!」
無理やり、空の方へ向かされた!
「今、受け取るよ。」
へ?・・あんなにいらないって拒んできたのに今日はやけに素直だな??
んーでも、今は持ってきてないから・・「ん・・じゃ、明日学校に・・」
ぎゅ 「ぎゃっ////!!!」
!??ほ、ほっぺつねられた~~~~~~っ!!/// 痛っ、なに急にっ!!
「ちょうだい。」
「え?だから、今はお金持ってきてないから、明日学校で渡・・」
ガッ! 「うっ!」
言葉の途中で、仰向けに押し倒されてしまった。
「そ、空っ、痛っ・・」
背中打ったし!!!
キッと睨みあげると、すぐ、まん前にキレイな空の顔がっ!!
「~~~~////!!」
「マジ、学習能力ねぇ奴。指名っつても、お前は正規の客じゃねぇんだよ、だから、支払いは金じゃねえって言ったよな?俺。」
へっ!?っうわっ・・やっぱ、こいつの目って、野獣だぁぁぁ~~~~~~~~!!!
こ、怖すぎるんですけどっ?!!!
「ひぇっ・・」
怯えて、何も言えなくなってしまった。
「支払い方法は、覚えてんだろな。」
「っえっ??」 し、支払い方法って・・
えっとえっと、た、確か・・
体・・私の・・・
・ ・ ・
「えぇぇえぇぇっぇえぇぇぇ????!!/////」
「だっ、うっせ!」
片目を瞑って、少し私から離れる空。
その隙に、ササッと後ずさり、も~~っと、距離を置いた私。
「・・・・」
うわぁ・・あきらかに機嫌悪いですって、顔になってるなってる空っ!!
こ、コワ~~~~み、見ないでおこ・・
「いつになったら支払ってくれんだか・・はぁ。」
髪を掻き揚げ、その場であぐらをかく空。
こっちに近寄ってくる気配はない・・
ホッ・・
「利息分ぐらいどうにかしろっつーの。」
「は??なっ、なんで、利息とか???」
てか、どーいう基準で利息とるともりなんですかっ??
ヤバイ!こいつ絶対にヤバイ!!
利息って言ってる時点でかなりそーとーヤバイ!!(><)
きっと、あんなコトや、こーんなコトとかを利息って名でする気なんだよっ!!
(↑その行為を説明しろって言われても無理だけどね!!実際経験したことないしねっ!!)と、とにかく・・ど、ドーすればいいの~~~~~~~~~~~~???
あぁぁぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「お前、今すげーHなコト考えてたろ。」
ドッ、ドキッ!!!!!
「えっ!///いや、そんなっまさかぁつ!!」 ちょっと勝手に人の頭ん中、読まないでくれる?!カン良すぎでしょっ!!
また私も、真っ赤な顔してドギマギしてしまったもんだから、
「スケベ。」
「~~~~~!!!」 だぁぁぁぁっぁ///ホラッ///突っ込まれた~~//!!
「ま、別にお前の妄想に間違いはないけどな。」
「・・・て!ぇぇえっ/////???!!」
「ふ」
「~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」なっなっなっ・・
なんですかぁ???!!!その笑いはっ!
その笑みのあと、ゆっくりと空は立ち上がって私の方へ歩いてくる。
「こ、こないでっ!//」
両手を前に出して拒否の姿勢をとった。
が!
その両手に、空は指を絡めてくる 「////ぅ」なっ///
しかもその指は・・すごく優しく動いて。外せなくなるくらいまでに絡ませてくる。
指がとろけちゃいそうになる。
頬が染まっていくのがわかる。
「--////っ」
防御したハズの両手は、その役目を果たすことなく、空に捕らえられてしまった。
ぽや~としたままいると、いつのまにか指は解かれ、
小さく
「忘れるな。 ・・俺を」
え?・・
空は、その言葉のあと、何も言わなかった。
そのまま、私を家の前まで、送ってくれ、「じゃぁな、今度は元金支払えよ。」
とだけ言って帰ってしまう・・て!!!
な、なに~~~~~~~!!/////やっぱり、最後はいつものエロエロ空じゃん!
なんだ!やっぱ、いつもの空じゃん!さっき、あんなわけのわかんないこと言うから、ちょっぴり心配しちゃったってのに~~~っ(><)き~~~~!
そう当の本人を捕まえて、↑のマンマ大怒りしたいトコなのだが、
ここ、数日姿が見えない。
学校にも来ていない・・
電話はムカつくからかけない!(←おい
ん~~~~
癪だけど・・、今日あたりお店に顔を出してみようかな。
あ、会いたいわけじゃないよ??顔が見たいなんて絶対に思ってないからねっ!
文句言いに行くだけだし!!
じゃぁ、電話でもいいじゃん!?んと!電話はだから、ムカツクからヤなんだってば!
はぁぁぁぁっ、1人コントかっ!!
学校が終わると、私は真っ直ぐ「麗騎士」へと向った。
りかちゃんについてきて欲しかったけど、本彼とのデートらしくて。
(余裕あるなっ(><)りかちゃんは!)
しかたなく1人なのである。
お店に着くと、速攻で出迎えに出て来てくださるイケメン様///
あぁ・・っ///やっぱいいなっ♪ココはいいよなっ♪
毎日でも来たいよ!!
くぅ・・空さえいなければっ!!
ハッ!空!!そうだ!本末転倒!目的を忘れるトコだったよ!
「あ、あの、空は・・」 イケメン様たちにそう尋ねると、
「空ですか。・・申し訳ございません。只今、旦那様の命を受け、出かけております。」
と・・まるで、現実味のないお答えが・・
「はぁ・・えっと、戻ってきます?」 ココでは、こういう会話に乗らなきゃならない。
「本日中は無理かと・・。」
学校も休んで、お店も休んで、一体何してんのよ!あいつ!!
イラッとする顔を引きつらせて、
「・・・あ、じゃ、明日は?」 と聞いてみた。
「・・まだ、連絡入っておりませんので、なんとも・・」
と困った顔をされる。
あぁ・・これ以上、こんなイケメン様を辛いお気持ちにさせてはならないと、そう思った私は、「わかりました。ありがとうございます。」と言って引き下がった。
向きを変えて、帰ろうとすると、
「あ、お待ち下さい。お嬢様。」 と、呼び止められた。
はぁぅっ////
「は、はい♪なんでしょう?」 つい、私もお上品になる(←バカだろ
「これをお持ち下さい。」 そう言ってイケメン様から、一輪の白い薔薇を手渡された。
「?」
「お嬢様はVIP会員様と聞いております。来店毎に1輪づつ増やしてお渡しいたしますので、どうぞ、お受けとりください」
「・・え?」
んと・・いま、VIPとかって言わなかった???このイケメン様!
は??なにソレ??VIPどころか、私、1銭も払ってないんですけど???
「あの・・VIP会員て・・・・」
「え?空からはそう聞いておりますが?」
へ・・??空から・・???
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「?はい。しっかりいただいております」
「・・・・・・・」
その後、
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頭の中は、
どういうこと??どういうこと??どういうこと~~~????
VIP??支払い済??なにも聞いてないよ??
空~~~~~~~~~~~~~~~~~!????
まったくどこに居んのよっ!!あいつはぁ!!
「あっ!」
そういえば・・あの時
・・空、・・忘れるな・・とか言ってなかった?
え??なに??どっかへ行っちゃう宣言だったの?あれ!
ち、ちょ、マジ????
く~~~~~~~~~~ヤだけど、ムカツクけど、もうこれしかない!!
わき道にそれると、バッと携帯を出した!
≪空≫
その名をディスプレイにだす。 ピッ!
~~~~♪~~~~♪~~~~~♪
出た途端、文句言ってやるんだから!!
~~~~♪~~~~♪~~~~~♪
ぜ~~ッたい、ぜ~~ったいに言ってやる!!
~~~~♪~~~~♪~~~~~♪
言ってやる言ってや・・出ねぇしっ!!
~~~~♪~~~~♪ 『只今、電話にでるコトができません』 機械的なお姉さんの声が流れ出す。
マナーにしてある??
スマホ・・出られないトコに居るの?
それとも・・
出たく・・ないとか・・「怒」
後者だったら、ぶっ殺す!(←や、実際できないけどね!怖くてね!自覚有りです!
でも・・ほんと、どうしたんだろ。空。
私、疑問符ばかりだよ。
それから、1週間、空はどこにも現れなかった。スマホにもかかってこない・・。
先生に相馬くんのコトをさりげなく聞いてみたが、風邪とのことだったし・・
「はぁ~・・」
「なぁに?ため息なんて。」 横から、りかちゃんがそう言ってくる。
「ん~・・なんかね。」
「また、空のこと?」
「は?なにそのまたって!!別にいつもいつも空の事なんて考えてないし!!」
「?そんなに、ムキになること?」
「うっ!///」 ソコ突くかっ!
「あ、空といえば、今日って・・」
と、りかちゃんが言いかけたトコロで
いきなり後ろの方から、
「鈴木さん、委員会の人が呼んでたよ。」 と、聞きなれた声がっ・・
えっ?この声・・っ
「そ、っ」 空!と言おうとして、ハッとした。
教室の入口付近に立っている、その人物も口に人差し指をあてて合図する。
そう、そこに居たのは、まぎれもない・・相馬くん!!!に、化けた空!!!
(くどい)
何事もなかったよ~に、口元からゆっくり指をはずし、にっこり笑みを浮かべている。
こ、こんのおぉ~~~~~~~~~~~~~~~(怒)
私は、ドタドタと相馬くんに近づくと、両手で彼の胸倉を鷲掴みにして睨み見上げた!!
その行動に、周りの人達が、えっ?と驚いた顔をする。
ハッ!しまった!つい、空のつもりでっ!
ヤバッ!!今は相馬くんじゃん!!学校一の秀才くんだった!!!わぁあぁぁ!!!
バッと手を離すと、
「怖いね。鈴木さんて。」
と、空は口角を少しあげ、そんなおふざけ言ってきやがる!!!!!///く~~~
絶対に楽しんでる~~~~!!こいつ!!
そんな事を大きな声で言えずに、口をパクパクしていると、
「こっち。」そう言って、少し首を動かすと、廊下を歩いていってしまう空。
?・・こっち?? あ、来いってこと?
ちょっと、距離を置いて、空の後をついて行くと、
空の肩が小刻みに震えてるのがわかった。
ハッ//!!笑ってやがるっ!!絶対に私の事で笑ってる空のやつ~~~~~////!!ち、ちくしょーっ(><)!!!
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この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
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