この恋は狂暴です

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この恋は狂暴です 37〈乃野side〉

この恋は狂暴です 37〈乃野side〉

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「う――・・ んっ」



頭が重い。少し吐き気がする・・ う、気持ち悪い。
っていうか私 ・・ どうしたの?

うっすら目を開けると、知らない壁と天井 ・ ・ ・。

「・・どこ ・・ ここ? ・・ 私 ・・」



「気がついた?」

「?!」 聞き覚えのある声! 
その声の方を向くと、

っつ!!やっぱり美和っ!!
体を動かそうとした瞬間、手首に痛みが走った。

「えっ?」 
私、っ、・・なんで縛られてんの?! しかもベッドっ?!

そう私はベッドの上で両手を縛られ、頭の上にあるパイプの部分につながれて寝かされていた。

「まだ、何もしてないから安心して乃野ちゃん♪今はね。」
そう言って美和はにっこり笑った。


し、しまった――――――――っ!!美和にはめられたっ!くぅ!(怒)

さっき教室から出て、顔段を降りる所までしか記憶がない。
この頭の痛みと吐き気からして ・・薬 ・・ 嗅がされた?

とにかくこの状況はヤバイ。 スマホを――・・ っく
・・・手がつかえないっ ――――――――――― か、薫っ!!




《薫side》

「薫くんっ!桃ちゃんっ!」
ななが授業中にもかかわらず、教室に入ってきた。

「!!」

「ヤバイよっつ!」 ななのその言葉に俺たちは、 
サ――――――――――――――――――ッ と血の気が引いた。



俺と桃はななを教室から連れ出し、玄関まで走った。

「クラブの先生が教務室で呼んでるよって言われて、私、教務室に行ったんだけど、誰も呼んでないって言われてっ、教室へ戻ったら乃野さんが見当たらなくってっ!それで美和ちんの席見たら、美和ちんも居なくてっ!」
玄関まで走ってくる途中にななの話を聞いた。



「靴がない」
乃野のはあるのに、美和って奴の靴はない。

「外に連れ出されたかっ!」 俺の顔が歪む。

桃はすぐさま、泉に連絡を入れている。


くそがっ!!あの女、ぜってーゆるさねぇ―――――――!
俺は乃野のスマホにかけてみる。
だが 出ない。 出られないのか、出られないようにされてんのかっ――くっ。

ななは街の連中に顔が利くらしく、情報を集めてくれてる。


乃野っ!すぐ探しだしてやっからなっ!





《乃野side》

この部屋に入ってからどれくらいたっただろう・・
突然、バタン!    「!!」

部屋に3人の男が入ってきた。 腕にあるタトゥー 
【剣】 !!!! ―――――ってことは、この人たち、伯子夜っ!

「ごめんね乃野ちゃん、この人たちもう我慢できないんだって♪」
そう美和が言うと、その3人はニシャっと笑った。

――――――――――――――――――― 犯られる!!
私は中学時代の、あの事件を思い出した。
勝手にブルブルと体が震えてくる。 


「乃野ちゃん、今日あきらかに変だったもんね♪私が気付かないとでも思った?」美和は、そんな私に気にも留めずにしゃべり始め、ニッと笑いながら近づいてくる。

「手ごわい薫くんよりも乃野ちゃんの方が楽に罠にはまってくれそーだったし♪」
「――――っ!!なにたくらんでんのっ!美和っ!」
私は震える体に力を入れて美和の方を向く。

「ふ。乃野ちゃんは気持ちのイイコトしてるだけでいいんだよ♪ただ・・その場をちょこっと撮らせてもらえれば♪」

「!!!」
「薫くん、乃野ちゃんにマジ惚れなんでしょー?皆の前で宣言してたもんねー♪  ふふ。その大事な大事な乃野ちゃんが他の男とヤッてる姿なんて見たら~ねぇ。」

「なっ!み、美和っ!あんた!」
私は怒りが込み上げてきて、手首を縛られているのを忘れ、美和に掴みかかろうとした。

「くっつ!!」  同時に手首に激痛が走る!

「くふっ、大事な体なんだからキズつけないでよ~♪」 と美和は笑って、私から遠ざかった。

「乃野ちゃんの、そんな画像があったらさぁ、出回る様なコトしたくないわよね? 彼氏だったらトーゼン!」

「!!!あんた、まさか薫を脅す気?!」

私は美和の、伯子夜の企みを理解して恐怖よりも怒りが増した。



「ねぇ、もうしたいんすケド♪」

「!!」
そのセリフと同時に後ろにいた男たちが美和の前へと出る。

「マジ、すっげー美人だよねー♪」 1人の男が私の顔を覗きこんできた。
「こんなカワイイのとヤレるなんて夢みてー♪」 
「俺、一番!」  「ば~かっ!こーゆうのはジャンケンっしょ!」

3人の男たちは、そんな事を楽しそうに話してる。


「あ、そうそう、言っとくけど、この3人だけじゃないから、外にまだ次の番待ってる奴らがいるからね♪がんばって~♪」
美和はそう言って部屋から出ていった。

「―――――――――――っく!!」私は思いっきり顔を歪ませた。

「うっ!」
いきなり1人の男に顎を掴まれ、
「そんな顔したら、せっかくの可愛い顔が台無しじゃん?」
そう言って、私の首筋に顔を埋めてきた。

「いっ、
いやぁ―――――――――――――――――っつ!!!」

ババババババババッ――――――――――――――
ヴァルンヴァルンヴァルンッ  ヴォンヴォンヴォンヴォンヴォン

ハッ!
「なっ、なんだ?」  「あ?んだっ?」
いきなり鳴り響いた爆音に男たちは大慌てで私から離れると、一つしかない小さな窓から外を覗いた。

「げっ!!」 「やべ――――よっ!」 「佐井さんい知らせなきゃ・・」

ガン――――――ッッ!!

部屋の戸が思いっきり飛ばされた。  その瞬間、
私の目は、薫の姿をとらえた。  

「か ・ ・ おる ・ ・ ・ ・ 」

一瞬、薫は私を見ると、そのまま3人の男達に掴みかかって行く。
薫の後に続いて、何人かの薫の仲間らしき人たちも入ってきて、 
それはもう見る見るうちにあの3人はボコられて顔形がなくなっていった。

「薫、もう止めとけっ死ぬぞ?!」 仲間の1人がそう言って止めに入る。

「あ?!はなせ」 薫は仲間にそういうと、片手に掴んでいた顔形の変わった男の頭を窓ガラスにぶち込む。

ガラスは割れ、その男の頭が外側へ揺れた。
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