この恋は狂暴です

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この恋は狂暴です⑧

この恋は狂暴です⑧

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~~~~♪~~♪~~♪

夜の8時過ぎ、俺のスマホが鳴った。 この音はラインだな。 「誰だよ?」
そう言って画面を見ると  (桃弥)
「ん?桃弥?ふっ、ヒマ人」 そう笑って内容を確認すると 
(今から出てこれね?) だった。

すぐさま、(おードコ行けばいい?)と送り返した。
(薫んちの近くの公園に居るから) 
「ん?」
なんだよ近くまで来てるなら家に来いよな~

その時は、桃弥が何かおもしろい遊びでも見つけて、誘ってきたのだと思っていた。

俺は軽く上着をはおって、家からすぐ出て公園へと向かった、


ベンチで座っている人影発見。 たぶん桃弥だ。

「よぉ。」
俺が声をかけると、桃弥も 「よっ。」 と手をあげた。

「どした?桃弥。どこへ遊びに行く?」
俺は桃弥の隣に座って聞いた。

「・・ 」

何も答えない桃弥に俺は少し疑問をかんじた。

「とう ・・「薫ッ!」 俺の言葉を遮って桃弥が声を発した。
「っつわ!ビックリしたっ!な、なんだよ桃弥?」
桃弥は真っ直ぐに俺を見た。

「???なんだか意味わかんねーぞ?桃弥?」
「薫・・」
さっきからそれしか言わない。 いい加減、俺も我慢できなくなり、
「桃弥っ!何かあったんだったら言えよ!どうしたっ?!」
俺のその言葉に、桃弥はゆっくりと立ち上がり、 
―――!俺に頭を下げた・・っ?

「???!と、桃弥っ?!何してんの???」
あまりの桃弥の意外な行動に驚いた俺は、ベンチから立ち上がり桃弥の頭を掴んで上げさせた。

「何やってんだよっつ!!!」


「 ・・姫から聞いた。」
「は?」
いきなりあらわれた畑野さんの名
「な、なんだよ?畑野さんが何か言ってたのか 
・・はぁ。どうせロクなコト言われてねぇんだろーな俺。」
と、たぶんこの間からの畑野さんに対する行為を思い出していた。

「ん?」

でも、それならどうして桃弥は俺に頭を下げてきたんだ?

 

「中学のとき」 桃弥は続けた。
「?中学?」 俺は桃弥の頭から手を離した。

「ん。その時に薫と姫は出会ってたんだな」
 

「は?」 全然、桃弥の言ってる意味がわからない。
でも
やっぱり?俺と畑野さんは昔会ってて、それは中学の頃だったんだという事は納得できた。

「あの時は、姫が世話になった。」
「???」 え? 俺ってなんか感謝される事したっけ?



「蓮見中の婦女暴行未遂事件」

!!
その言葉に、俺はようやく反応した。

蓮見中は俺の中学。
ガラの悪いのがゴロゴロいる学校で有名だった。
 
ま。俺もその中の1人だったんだけど。
俺の頭中で、一気に中学の頃へと引き戻されていく。



「蓮見中婦女暴行未遂事件」


これは、ウチの中学の奴ら数人が犯した犯罪。

そして俺が、奴らにこの事件のことは他言不要とさせたんだ。
だから誰も知らない。 加害者と被害者と俺意外は。
消された過去の出来事。

でも? 
「なんで?!桃弥があの事件の事を知っているんだ?あれは口止めしてあるから外へは絶対に洩れないはず・・・――っつ!!それともあいつらの誰かがもらしたのかっ?!」 俺の形相が変わる。
そんな俺を見て桃弥は、

「―――あー、そっか――っ は。わからねぇハズだわ!その顔、いつもの薫の顔じゃねーもん!
あー、だからわからなかったんだ俺」
桃弥が言葉を続ける、

「俺も薫と会ってたんだよ?中学の時」
「?!」
「しかも、あの事件の時」

「は?え?桃弥?」
「はぁ――――――――――っ・・これじゃ姫が怒るのも無理ないよな。」
と、桃弥はため息をついた。

「?!え?」



「あの事件の被害者、姫だったんだ」
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