甘々顔総長様と地味顔女子

三三

文字の大きさ
上 下
57 / 66

57

しおりを挟む
ギリギリ着いた
「はぁ~疲れた。暑っ、」
席に着いて、ハンドタオルで滲む汗を拭きとっていると、

「間に合ったね」

「・・あ」
先生

ハッ!そうだ!昨日の事!謝らなきゃ、いきなりあんなイミも解らず乱暴されたんだもん
「あ、の、昨日はっ、」
「どけ」
「・・え?」
「通れねぇだろが、」
「あ、悪いね」
どうやら、私の席の隣で立って話しかけてきた先生の場所が後ろを通ろうとしてる人のジャマになっていたらしい。
それにしてもなんて言い方するんだろ、
仮にも先生だよ?
先生が体を斜めにして通路を開けると、その暴言を吐いた人が通り過ぎよう・・と
「・・え」

「よぉ」

「な?」 ん

「ふ」

「でぇええええっ???!!!」

ザワッ
ハッ!しまったっ、つい大声をっ
口を押さえ、再度、そこを通り過ぎようとする人を見た
その人は通り過ぎ様にも、私に視線を向けてる
甘々なその視線を・・
「ちょ、先生すいません、ちょっと、待っててください」
「え?ああ」
私は先生をすり抜けると、その人の後を追った
すぐに追い付き、腕を掴んで隣の空いてるブースに入ると
椅子の奥へと姿勢を低くしその人を押し込んだ
よし、これなら取り敢えず周りからは視角になる
改めて、その人の顔を見た

「—―・・」
確認するまでもない、間違うハズがないもん、

この目は、私が貰った

「総長さ、」
「意外に大胆なんだな」
「・・ま、?」
「こんなトコで」
「へ?」

あれ?っとぉ・・

え・・
総長様の足の間に私の足・・
総長様の胸に私の手
総長様の顔の側には私のか・・お

「――////わっ!!!」
テンパってたからつい、
あまりに恥ずかしい恰好をしてたことに驚いて離れようとした手を、
掴まれたっ?!
「っ、総長様っ、」
「なに?」
近い・・顔も体も//
だからあの「離してください」顔見れない//段々と顔を下へ向けてた
「聞こえね」
「//!」き、聞こえてるでしょ!こんな近いんだもん、こ、こんな近くっ//
ん?ていうか、なんで総長様がここに・・
あっ!
「病院はっ?」
つい顔を上げてしまった
「―っん!」
んんんっ??!!

んっ?!
こ、これはっ、この感触はぁっ///
「ぅ//」
え?私、キ、キスされてる~~~っ//
ちょっ、//

「どうかしたの?山西さん?」
「ちっ」
後ろから先生の呼びかけがしたのと同時に離された唇
それと共に放たれた言葉。
「昨日はどうも。せ・ん・せ」
「!!」総長様ぁぁあ??

「―!、君、」
先生も気づいた

何か言わなきゃ、でも、昨日の事といい、今のこの状況といい
なんて言えば・・
そんな私よりも先に口を開いたのは
「今日から入校した黒園くんだね、なに?山西さんとお付き合いしてるのかな?」
先生だった。

「ぇ、いえ、//」まさか、私なんかが、
「・・ただの、」
「ああ。俺の女。」
「―へ?」 そ、うちょう、様?
「だから手ぇ出すなよ、先生」
「!!」

その声は低くて、掴まれている手にも力が加わって、
・・痛い


「は。」

は?
え?今、先生笑った?

「あ?」

あ?
ハッ!この流れはっ、
やめて~~~、総長様の顔見るの怖い、絶対にこれは不機嫌モードになってる
声でわかる、片足が前に動こうとしてる
これは完全に戦闘モードへと切り替わってる、
や、やばい、このままじゃ、また昨日と同じ、
「そ、総長様、私、走ってきたから、喉乾いちゃって、その、何か飲みたいなぁなーんて」
お願いッ!
この空気変わって~~~っ

「ちっ、
しょーがねぇな、ここ自販機とかあんのかよ」
あ、「う、うん、入口のとこに」
や、やったぁぁ―!良かった~~っ
戦闘モード回避したよぉぉ!!

「じゃあ、行くぞ」
「うん」
先にブースから出た私は先生に軽く頭を下げて総長様と一緒に教室から出た。



で、
自販機に頭付けて項垂れる
「つ、」
疲れたぁぁぁぁ~~~
まだ、何も勉強してもないのに、既に疲れ果てたぁぁ
大体、なんでここに総長様が居るのよ
ジロッ
「なんだよ、お前がそこで澱んでっと、なんも買えねーだろ、どけ」
だとぉぉ!
誰のせいだと、
「何、飲む?」
知らぬ間に軽々と自販機から離されていた私にそんな事を聞いて来る
くっ、
「い・ろ・○・す、フレーバー無しの」
そぉ、と思いつつも、注文だけはしてるという
「ワガママだな」
「っ、」はあ?
そ、れは、総長様にだけは、言われたくなっ!
「ほら」
「あ、」
頼んだ飲料を手元に持ってきてくれた。
「・・りがとうございます」
優しいんだなこれがまた。悔し、

「しかし、夏に走るってお前、変わってるよな」
「—―」なにも言い返せない。
たらたらしてて、時間ギリギリになったからなんてとーてい言えっこない
「どうせ時間配分出来ねぇで、遅れそうになったんだろーけど」
「うっ、!な、なんでわか、はぁぁっ!」
し、まったぁぁ!!自白してしまったぁぁ
「ぶはっ、そんなん、お前から聞かなくてもわかるつーの」
「・・」ああ、そうですか。
そうですね、私の行動なんて賢い総長様からしたら、簡単にお見通し出来るでしょ―ね
ふん。・・でも、そんなに笑わなくても、
「―っ、」
「え、総長様?」
突然、体の一部を押さえてる、
あ、そこの場所は、っ
「痛むんですか?もう、まだ安静にしてなきゃダメなのに、昨日も今日も、こんなトコに出歩いて来て、」
「あ?お前が笑わかすからだろ」
「は?誰も好きで笑われたいと思ってませんよ!ホント大丈夫ですか?」
憎まれ口叩いていても、やはり重病人には変わりない
「病院に戻りましょ、私、付き添いますから」
「・・ああ」
「じゃ、ちょっと、待っててください、今、受付の人に行ってきますから」
そう言って、私は1階のロビーへと向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...