甘々顔総長様と地味顔女子

三三

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家の近くまで来ると、エンジンを停めて道路脇にバイクを置くと
残りの距離を一緒に歩いてくれてる

3週間の入院を言い渡されてるのにこんな普通に歩いてていいのかな
「あの、大丈夫ですか?」
やっぱり心配でそう聞いた
のに、
「大丈夫な訳ねぇだろ」
って
はぁ・・「じゃ、なんで大人しく病院に居ないかなぁ」
「てめ、さっきから喧嘩売ってんのか?」
「へ?、まさかそんな勝てないですし、し、しませんよそんなこと」
なんで私が総長様に喧嘩売る設定になってるの?
怖っ、もう私から話するのやめよかな。


「塾、」
「ぇ?」
「いつもこんなに遅くなるのか?」
「・・あー、はい。大体これくらいなんですけど、今日は先生とご飯食べたから
いつもよりは・・、?!!」
って、ん?
なんか、総長様の顔が、
「へぇ。飯ねぇ」
「え?」 なんだか
「あいつと飯ねぇ」
「ぅ・・」
目が・・
「そ、うかぁ」
「っ!」
いつもの甘々じゃなくな
ダンッ!!
「ひっ!」
「いい度胸だな」
ひえぇぇっ!
壁っ!そこ、人んちの壁です!殴っちゃダメなやつっ!
「お前、一体何考えてんだ?」
「えっ?」そ、っそれは私が聞きたいですぅ
うっわぁぁぁあ怖いよぉぉ~~
「全然、わかんね」

私もです~~~~


「やめろ」

「へ?」な、にを?

「塾、辞めろ。」

はっ?
なっ、
「なに言ってるんですか?そんなの無理ですよ、第一、私受験生なのに、
今辞めたら困るし」
私が受験失敗してもいいってゆうの?

「大丈夫だ、俺が教える」
「だから無理・・え?」
今なんて

「一応、俺、鳳王大付属東高校。中坊の勉強くらい余裕で教えられる」

「・・・
え」
「長ぇな!」

「え~~~~~~??!!!東高校~~~~っ!!!」
「ちっ、うるせぇな。」

え~~~~~・・・
そこって超~~レベルの高い、難関大学の付属高校。
なんでそんなとこに
暴走族の総長まで勤めている人が・・←かなりの偏見である

「・・うそ」
「あ?嘘じゃねぇよ」

「なんで?」
「は?質問のイミがわかんね」

「ずるい」
「はあ?さっきからなに言ってんだ」

マジでありえない
そんなカッコよくて、キレイで、強くて。その上、・・頭もいいなんて
なんなのそのスペックは
ずるい、
ホントずるすぎる

私なんか、何も・・持ってないのに

神様は
なんて不公平なんだろ

その中の1つでもいいから分けて下さいよ

はぁ・・

「あのぉですねぇ、こればっかりは私が決めれることでは無くて、親にも許可が必要なわけで、」
そうだよ、もう夏期講習のお金は前払いしてあるし
途中で辞めるなんて言ったらどんだけ怒られるか
「なので、お断りします。」
「・・」
「今の塾でがんばってみせます」
うん、小さな抵抗くらいしたって
い、いいよね

「無理」
「えっ?!無理?え?」なんで無理?!

「決まってんだろ」

「へ」・・?

なんで上から見下ろして・・あ、まぁ、身長差か
でも、なんだろ・・
その威圧感ある目と口角の上がった口元・・は

「俺がそうしろっつてんだ」

「///はう!!」
ぅうっ///わ///っ、
まさか、そ、その表情は、このセリフを吐く為っ、
なんてものすご、い、破壊力、
ヤバ//
甘々な、その顔でそんな表情されたら、どんな言葉でも従っちゃいそ
・・う

って!!
わわわ!!
ダメ~~~!!惑わされちゃダメだよまゆ!!
しっかりしろっ、
わぁぁ~~~~っ

「はぁはぁ」
す――っ、はぁ。
呼吸を整えたら、少し、脳が正常に動き出した

っていうか、
一体、今の総長様の破壊光線!(←いえ、言葉です)
は、なんなのっ?

『俺が』?
『俺がそうしろ』って言ったよねっ?

な・ん・ですかぁ!王様ですかぁっ?!!

第一、
総長様の暴走族のお仲間さんじゃあるまいし、そんな命令される筋合いないんですけどっ!
それに、
それに・・
別に、
特別な関係でも、ないんだし、
だから、

私は

「いうコトなんて
・・きかない」なんできかなきゃ

「は?」

ひ~~言ったはいいケド、怖っ、
「・・です」
からの敬語です
ええ、ええどうせ心臓、ノミですよっ、


「ふーん。わかった」
「え?」
わかった?わかってくれたの?
意外・・にも
私の小さな抵抗は受理された

「明日、日曜だけど塾あんの?」
「ぇ?、あ、はい夏期講習中なんで。」

「タイムスケジュールはどうなってんだ?」
「?」
「じ・か・ん!朝からか?昼からか?」
「わっ、朝です、午前9時から11時、です」
なに?

「ちっ、朝かよ」
「?」
「じゃあな。」
「へ?」
「お前んち着いたぞ」
「あ」
気付くと、もうそこはウチの目の前だった。
でも、
何か総長様の言葉は、あっけなくて
逆に引っかかる。のは気のせい?

あ、そうだ、そんな事より
「ちゃんと病院に戻ってくださいね」
そう、今はこっちの方が心配だよ

「ふん」

え?
ふん?って、それだけ?
人にはいっぱい答えを求めて(脅して)くるくせに、私の呼びかけには
それだけですかっ!
あ~~~もうこれだからイケメンはっ!
王様はっ!

「ふ~んだ!」
頭にきた私はさっさと家へと入って行った。
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